9日(月・祝)。昨日の日経朝刊「The STYLE / Culture」ページに「『Z世代』という幻想と希望 」という見出しによる記事が載っていました 超略すると次の通りです
「Z世代論がかまびすしい 『Z世代』とは1996年~2014年に生まれた人々を意味する。ちなみに米国の基準では1977年~95年を『ミレ二アル(Y)世代』、1965年~76年を『X世代』、1945年~64年を『ベビーブーマー世代』と位置付けている 日本の場合だと1940年代以降は、50年代から60年代前半までの『しらけ世代』、70年代初めまでの『バブル世代』、その後の『団塊ジュニア世代』、そして80年代後半からの『ゆとり世代』と区切られている マーケティング論としてZ世代戦略が叫ばれるが、実は最もマーケティング効果の薄い世代である なぜなら人口が少ないからだ。20~24歳の人口は約624万人。30代前半と比べて3%少なく、40代前半と比べると21%も少ない しかもコストパフォーマンス志向は強いうえに、多様化が進んでいる 経済効果としては期待値が低い。それでもZ世代に期待したい”何か”がある マーケティングの話ではなく、新しい価値観としてのZ世代だ。明らかに昭和生まれが築いてきた日本経済・社会は行き詰まり、閉塞感が漂う そこで自分たちも苦しんできた年功序列、上司・先輩への忖度、環境破壊型の経済などをZ世代に否定してほしいとの願望もあるのだ そのせいか、年配者のZ世代への態度は優しい。生まれながらの『デジタル人』であるZ世代を前に、自らの常識の終わりを自覚するからだろう もちろんZ世代をひとくくりで考えるのはあまりにステレオタイプすぎる。あくまでZ世代を環境や人に優しい社会をつくるための価値観として捉えることが重要だ」
今日は「成人の日」。Z世代ど真ん中の若者たちが「大人」の仲間入りします 民法が改正されて2022年4月から18歳が成人になりました そのため、全国の市町村では「成人式」を何歳でやるのかで対応が分かれているようです 多くの自治体は「成人の日が受験シーズンと重なる」などを理由に従来通り20歳で実施するようで、名称も「20歳の集い」「20歳を祝う式」などに変えるようです ところで、今からン十年前の20歳の時は大学生で、地元の成人式に出席したのを覚えています 式の内容はまったく覚えていませんが、記念品として国語辞典を貰ったのを覚えています。「語彙力の乏しい若者よ、もっと言葉の勉強をしなさい」ということでしょうか 今どきの「成人式」では何を記念品にプレゼントしてくれるのでしょうか
ということで、わが家に来てから今日で2919日目を迎え、静岡県掛川市で8日に始まった第72期ALSOK杯王将戦第7番勝負第1局は、午後3時におやつが配膳されたが、藤井聡太は茶畑をイメージしたケーキ「CHABATAKE」と「フレッシュジュース(イチゴ)」、羽生善治は「火の羊羹3種(ゆず蜂蜜・掛川茶・本練)」と「抹茶」を頼んだ というニュースを見て感想を述べるモコタロです
頭を使う将棋には 糖分の補給が大切だということが分かる しかし勝負は甘くない
昨日、すみだトリフォニーホール(小)でDSCH弦楽四重奏団によるショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲全曲演奏会」の第1弾「第1番、第2番、第3番」を聴きました 私にとって今年の初コンサートです 「DSCH」は「ドミトリー・ショスタコーヴィチ」の名前から採られています メンバーは第1ヴァイオリン=崔文洙(新日本フィル・コンマス)、第2ヴァイオリン=ビルマン聡平(同・第2ヴァイオリン首席)、ヴィオラ=安達真理(日本フィル客員首席奏者)、チェロ=植木昭雄です 安達、植木の両名は新日本フィルのコンサートにしばしば客演しています
DSCH弦楽四重奏団は2021年5月に結成されましたが、ロシアによるウクライナ侵攻という現在の世界情勢を憂いながらも「今だからこそ演奏する価値がある」との強い思いのもと、ショスタコーヴィチの全15曲の弦楽四重奏曲を5年間かけて演奏する決意を表明しています
自席は6列16番、右通路側席です
1曲目はショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第1番 ハ長調 作品49」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906ー1975)が1938年に作曲、同年10月10日にレニングラードでグラズノフ弦楽四重奏団により初演されました 第1楽章「モデラート」、第2楽章「モデラート」、第3楽章「アレグロ・モルト」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります
4人の奏者が配置に着きます 左から崔、ビルマン、植木、安達という並びです。音楽評論家・寺西基之氏のプログラム・ノートによると、この曲は「ショスタコーヴィチ自身が『春』とでも題したいと述べているように、厳しい時期から脱した彼の気分を反映したかのような明るい作品」です
第1ヴァイオリンの崔のリードで第1楽章の演奏に入りますが、伸び伸びとした演奏が展開します 第2楽章は冒頭の安達のヴィオラが冴えています 第3楽章を経て、第4楽章は愉悦感に満ちた演奏が繰り広げられました
2曲目は「弦楽四重奏曲第2番 イ長調 作品68」です この曲は1944年に作曲、同年11月14日にレニングラードでベートーヴェン弦楽四重奏団により初演されました 第1楽章「前奏曲:モデラート・コン・モート」、第2楽章「レチタティーヴォ&ロマンス:アダージョ」、第3楽章「ワルツ:アレグロ」、第4楽章「テーマ&ヴァリエーション:アダージョ ~ モデラート・コン・モート ~ アレグロ・ノン・トロッポ ~ アダージョ」の4楽章から成ります
第1楽章が崔のソロにより力強く開始されますが、第1番から大きく飛躍したように感じます 曲のスケールが大きく、4人ともエネルギッシュな演奏を展開します 第2楽章は第1ヴァイオリン・崔の独壇場です。「魂を揺さぶる演奏」というのはこういう演奏を言うのだろう、と言いたくなるような崔の渾身の演奏が展開します 第3楽章では第2ヴァイオリンのビルマン聡平のソロが哀愁に満ちていて素晴らしかった 第4楽章の主題と変奏は、まさに4人の奏者の丁々発止の演奏がアレグレッシブに展開します
休憩後は「弦楽四重奏曲第3番へ長調 作品73」です この曲は1946年に作曲、同年12月16日にモスクワでベートーヴェン弦楽四重奏団により初演されました 第1楽章「アレグレット」、第2楽章「モデラート・コン・モート」、第3楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第4楽章「アダージョ」、第5楽章「モデラート ~ アダージョ」の5楽章から成ります
崔のリードで第1楽章が開始されます ショスタコーヴィチ特有の軽快ながらアイロニカルな第1主題が奏でられます 第2楽章は緊張感のあるヴィオラ独奏から開始されますが、全体的に不穏な雰囲気を醸し出しています 第3楽章は実質的にスケルツォで、激しい音楽が疾走します 安達のヴィオラ・ソロ、植木のチェロ・ソロが素晴らしい 第4楽章では弱音の魅力が発揮されます 弱音器によりすすり泣きのような音楽が繰り広げられます。冒頭の音楽はまるでベートーヴェン後期の弦楽四重奏曲のように重々しく響きました 第5楽章では、4人の奏者による緊迫感に満ちたやり取りによりアグレッシブな演奏が展開し、最後は第1主題が勢いを減じて奏でられる中、静かに曲を閉じました
この日の演奏は、全曲演奏会の第1回目に相応しい集中力に満ちた素晴らしい演奏でした 第2回目(第4、5,6番)の公演は7月28日に開催すると崔氏からアナウンスがありました 是非聴きたいと思います。小ホールでもスマホによるカーテンコール時の撮影が可能となりました 私の今年初コンサートの記念に1枚撮りました
ところで、本公演を聴くにあたりアメリカの弦楽四重奏団「パシフィカ・クァルテット」のCDで予習しました どこまでもクリアで切れ味鋭い演奏です
1994年結成のこのクァルテットを初めて聴いたのは、2011年に始まった「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」でベートーヴェン「弦楽四重奏曲 全曲演奏会」を弾いた時です 演奏にすっかり魅了され、大好きなメンデルスゾーンの「弦楽四重奏曲全集」のCDを買い求めました
【訂正】1月9日17時30分
崔氏のツイッターによると、次回の公演は7月28日ではなく来年の1月28日(日)です。1と7を聞き間違えました。訂正します