27日(金)。わが家に来てから今日で2937日目を迎え、1月25日に森喜朗元首相が、かつて会長を務めた「日印協会」創立120周年記念レセプションであいさつし、ロシアによるウクライナ侵攻について「ロシアが負けることはまず考えられない。そういう事態になればもっと大変なことになる」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです
ロシアが勝つことは 強盗殺人が正当化されるのを意味するのだと 解っているのか?
昨日、夕食に「野菜とひき肉のドライカレー」を作りました 材料は茄子、ピーマン、トマト、玉ねぎです。何度も作っていますが、今年初です 辛めの時は上に目玉焼きを乗せますが、今回は乗せませんでした。とても美味しかったです
昨夜、サントリーホールでNHK交響楽団「1月度Bプロ2日目公演」を聴きました プログラムは①バルトーク「ヴィオラ協奏曲」(シェルイ版)、②ラヴェル「ダフニスとクロエ」組曲第1番、第2番、③ドビュッシー:交響詩「海」です 演奏は①のヴィオラ独奏=アミハイ・グロス、指揮=トゥガン・ソヒエフです
指揮を執るトゥガン・ソヒエフは、1977年に旧ソビエト連邦・北オセチアのウラジカフカスで生まれました サンクトペテルブルク音楽院で名教師イリヤ・ムーシンとテルミカーノフに指揮法を師事し、1999年にプロコフィエフ国際コンクール指揮部門で最高位(第1位なしの第2位)を得て注目されました 昨年2月のロシアのウクライナ侵攻後、ソヒエフは、2008年から音楽監督を務めてきた仏トゥールーズ・キャピトル管弦楽団の役職と、2014年に就任したモスクワのボリショイ劇場の音楽監督兼首席指揮者の地位を不本意ながら自らの意思で退きました N響とは2008年10月に初めて共演して以来、たびたび共演を重ねています
オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつものN響の並び。コンマスは白井圭です
1曲目はバルトーク「ヴィオラ協奏曲」です この曲はベラ・バルトーク(1881-1945)がウィリアム・プリムローズの依頼により1945年に作曲に着手しましたが、持病の白血病のため作曲途中の同年9月26日に死去したため、残された草稿をもとに友人のティボル・シェルイが補筆・完成、1949年12月2日にミネアポリスでアンタル・ドラティの指揮、プリムローズのヴィオラ独奏により初演されました 第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ・レリジョーソ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります
ヴィオラ独奏のアミハイ・グロスは1979年、イスラエル・エルサレム生まれ。1995年に仲間たちと「エルサレム弦楽四重奏団」を結成し国際的な活動を行う 2010年からベルリン・フィルの第1首席ヴィオラ奏者を務めています
曲はヴィオラ・ソロによる主題が静かに奏でられ、オケとのコラボに移ります グロスは楽譜を見て演奏しますが、そんなことはどうでもいいことです 要は演奏そのものです この曲はバルトークらしく かなりの超絶技巧曲ということもあってか、ソリストは確かな技術の裏付けのもと身体全体を使って渾身の演奏を展開します バルトークがヴィオラのためにコンチェルトを書いてくれたことに感謝するしかありません 素晴らしい演奏でした
満場の拍手にグロスは、日本語で「ドーモアリガトゴザイマース」と言って拍手を浴び、ヴィオラ首席の佐々木亮を呼んで「ササキサン」と紹介してまた拍手を浴び、二人でバルトーク(ペーテル・バルトーク編)「44のヴァイオリン二重奏曲(ヴィオラ版)」第37曲「プレリュードとカノン」を鮮やかに演奏し、やんややんやの喝さい(声はなし)を浴びました さすがはオケのヴィオラ首席奏者だと思いました 彼の素晴らしい人間性を感じました
プログラム後半の1曲目はラヴェル「ダフニスとクロエ」組曲第1番、第2番です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)がロシアバレエ団の主宰者セルゲイ・ディアギレフの依頼により1909年から12年にかけて作曲したバレエ曲を基に、1911年と1913年に組曲として編んだ作品です 「組曲第1番」はバレエ第1部終わりから第2部にかけての音楽に相当します 第1曲「夜想曲」、第2曲「間奏曲」、第3曲「戦いの踊り」の3曲から成ります 「組曲第2番」はバレエ第3部の音楽に相当します 第1曲「夜明け」、第2曲「無言劇」、第3曲「全員の踊り」の3曲から成ります
オケが16型に拡大し、管・打楽器が増員されます ヴァイオリン・セクションの後ろにはハープ2台とチェレスタがスタンバイします。よく見るとホルン奏者に女性が一人いますが、新日本フィルの藤田麻理絵が客演しているのだろうか
「組曲第1番」では甲斐雅之のフルート、伊東圭のクラリネットが素晴らしい 第1番はあまり演奏されないので気がつかなかったのですが、ウィンドマシーンが使われていました 間奏曲を経て、闘いの踊りが激しく演奏されます 一糸乱れぬ演奏で、ソヒエフの統率力の強さを感じます
「組曲第2番」では何と言ってもフルートセクションの4人の演奏が素晴らしい 首席の甲斐雅之を筆頭に、小池郁江(都響・客演)、中村淳二(ピッコロ持ち替え)、梶川真歩(アルト・フルート)の4人です 彼らを中心に色彩感豊かな演奏が繰り広げられました また、弦楽器ではヴィオラ・セクションの渾身の演奏が光りました ソヒエフの指揮で感じるのは「洗練された音楽づくり」です ファビオ・ルイージの高貴な(ノーブルな)音楽づくりとは一味違った趣を感じます
最後の曲はドビュッシー:交響詩「海 ~ 3つの交響的スケッチ」です この曲はクロード・ドビュッシー(1862-1918)が1903年から05年にかけて作曲、1905年10月15日にパリで初演されました 第1楽章「海の夜明けから真昼まで」、第2楽章「波の戯れ」、第3楽章「風と海との対話」の3楽章から成ります
この曲でも、ソヒエフの洗練された音楽作りが発揮されました 彼の指揮は自由自在にN響のメンバーをコントロールしているように見えます それは両者の間に信頼関係が築かれていることを意味しています この曲でもフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットといった木管楽器が素晴らしい演奏を繰り広げました また、金管楽器は輝かしい音で聴衆を魅了し、打楽器群は迫力のある演奏で曲全体にアクセントを付けました
満場の拍手にカーテンコールが繰り返され、楽団員を代表して打楽器奏者の黒田英実さんからソヒエフに花束が贈呈されました なお、N響独自のこの「花束贈呈」セレモニーは、指揮者に対し、A・B・C各プログラムのすべての公演の最後の公演の際に行われます ソヒエフによる1月公演の場合はAプロが14日、15日、Cプロが20日、21日、Bプロが25日、26日なので、最終日である26日の公演に際して花束贈呈が行われたというわけです したがって、このセレモニーを是非見たいと思ったら、少なくとも2日目公演を聴く必要があります
ソヒエフは昨年、踏んだり蹴ったりの酷い目に遭いましたが、日本でN響を指揮して大歓迎を受け、満足気に見えました 彼が次にN響を振るのは来年1月13日から20日までの全6公演です その頃、ウクライナ情勢はどうなっているだろうか