人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

トゥガン・ソヒエフ ✕ ハオチェン・チャン ✕ NHK交響楽団でブラームス「ピアノ協奏曲第2番」、ベートーヴェン「交響曲第4番」を聴く ~ N響1月度定期Aプログラム2日目

2023年01月16日 07時01分46秒 | 日記

16日(月)。わが家に来てから今日で2926日目を迎え、中国の衛生当局は14日、昨年12月8日~今月12日に医療機関で亡くなった新型コロナウイルスに関連する死者数が5万9938人だったと明らかにしたが、これまでは独自の基準をもとに、この期間の1日当たりの死者数をゼロから数人として発表していた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これだから中国の発表する数字は信用できない! 独裁主義国家のロシアも同じだな

 

         

 

昨日、NHKホールでNHK交響楽団「1月度定期演奏会Aプログラム」2日目公演を聴きました プログラムは①ブラームス「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83」、ベートーヴェン「交響曲第4番 変ロ長調 作品60」です 演奏は①のピアノ独奏=ハオチェン・チャン、指揮=トゥガン・ソヒエフです

1曲目のブラームス「ピアノ協奏曲第2番」は、2日前の13日にネルソン・ゲルナーのピアノ、高関健指揮新日本フィルの演奏で聴いたばかりなので、聴き比べの楽しみが加わりました

指揮をとるトゥガン・ソヒエフは1977年、旧ソビエト連邦・北オセチアのウラジカフカス生まれ サンクトペテルブルク音楽院で名教師イリヤ・ムーシンとテミルカーノフに指揮法を師事しました 昨年2月のロシアのウクライナ侵攻後、2008年から音楽監督を務めていたトゥールーズ・キャピタル管弦楽団の役職と、2014年に就任したモスクワのボリショイ劇場の音楽監督兼首席指揮者を苦悩の末、自らの意思で退きました

 

     

 

拍手のなか、オケのメンバーが配置に着きます 弦は14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものN響の並び。コンマスはマロさんこと篠崎史紀、隣はゲスト・アシスタント・コンマスの郷古廉です

1曲目はブラームス「ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)が1878年から81年にかけて作曲、1881年にブタペストで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アレグロ・アパッショナート」、第3楽章「アンダンテ」、第4楽章「アレグレット・グラツィオーソ」の4楽章から成ります

ピアノ独奏のハオチェン・チャンは1990年 中国・上海生まれ。2005年から米カーティス音楽院で名教師ゲイリー・グラフマンに師事し研鑽を積みました 2009年、第13回ヴァン・クライバーン国際コンクールで辻井伸行とともに第1位を獲得し、同コンクール史上最年少優勝者となりました

ソヒエフの指揮で第1楽章がホルンによる堂々たるテンポで開始され、独奏ピアノが入ってきます チャンのピアノは明るく若干 軽めの印象を受けますが、確かな技術に裏付けられた明快な演奏です 激しい第2楽章のスケルツォを経て、第3楽章がチェロの独奏によって幕を開けます 藤森亮一の演奏は温かく包容力があります 2日前に聴いた新日本フィルの桑田歩の演奏が、温かくも儚さを感じさせる演奏だったのと対照的です 演奏者によってこうも違うものかとあらためて感心します チャンの独奏ピアノと藤森のチェロとの対話が優しく響きました 第4楽章ではチャンの軽快な演奏が印象的です 特に高音部がとても綺麗でキラキラ輝いています ソヒエフ ✕ N響の堅実なフォローにより力強いフィナーレを飾りました

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第4番 変ロ長調 作品60」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1806年から07年にかけて作曲、1807年11月にウィーンのブルク劇場で初演されました 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ ~ ウン・ポーコ・メノ・アレグロ」、第4楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」の4楽章から成ります

ソヒエフの指揮で第1楽章の序奏部がミステリアスに開始されます この混沌とした音の世界は、ベートーヴェンの耳の病が徐々に進行している証左か、と思えるほど暗く、光が見えません しかし、一転して交響曲第7番の「舞踏の権化」を先取りするかのような疾走感溢れる音楽が展開します ファゴット、フルートが素晴らしい それと、1曲目はピアノの蓋に隠れて見えなかったオーボエ客演奏者の吉井瑞穂(マーラー・チェンバー・オーケストラ)の演奏が素晴らしい 第2楽章では弦楽セクションのアンサンブルが美しく響きました 第3楽章はスケルツォですが、ホルンと弦楽セクションの掛け合いが印象的でした 第4楽章では吉井のオーボエ、神田のフルートをはじめとする木管楽器群の演奏が冴え渡りました

ソヒエフはこれまで何度もN響と共演しているだけあって、今回も相性抜群の演奏を聴かせてくれました

 

     

 

N響は1月12日のホームページで、「第1コンサートマスターの篠崎史紀は1月で退任し、4月から特別コンサートマスターに就任する。ゲスト・アシスタント・コンサートマスターの郷古廉は4月からゲスト・コンサートマスターに就任する」旨 発表しました マロさんは今月 満60歳で定年、本公演が第1コンマスとして最後の公演となりました    終演後、楽員を代表して郷古氏からマロさんへ花束が贈呈されました  名コンマスでした 長い間お疲れさまでした

いずれ、郷古氏は「ゲスト」が取れ、「コンサートマスター」として迎えられるのだろうな

 

     

 

何度か共演してきたソヒエフも、マロさんの長年の貢献をねぎらいました マロやかで心温まるコンサートでした

 

     

コメント
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