22日(日)。わが家に来てから今日で2932日目を迎え、政敵やメディアを相次いで訴えるトランプ前大統領の手法は「裁判所の悪用」だとして、南部フロリダ州の連邦地裁判事がトランプ氏と代理人に対し、100万ドル(約1億3000万円)近くの支払いを命じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプの話題はうんざりだが 次期大統領選に立候補表明してるから気が抜けない
昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで「モーツアルト・マチネ ~ モーツアルト:歌劇『魔笛 K.620』(ハイライト)」を観ました 本公演は「川崎市・ザルツブルク市 友好都市提携30周年記念」という位置づけにあります 出演はパミーナ=嘉目真木子、タミーノ=澤原行正、パパゲーノ=近藤圭、パパゲーナ=鵜木絵里、夜の女王=針生美智子、魔法の笛(フルート)=岡本裕子、魔法の鈴(ダンサー)=作本美月、グロッケンシュピール=髙田恵子、炎=原紬希(子役・助演)、水=鈴木華(同)、管弦楽=東京交響楽団、指揮=川瀬賢太郎、ナレーション/演出=宮本益光です
30周年記念公演ということもあり、子どもにも解りやすい「魔笛」ということもあって、いつもより多くの聴衆が詰めかけました
オケは8型の小編成で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東響の並び。コンマスは小林壱成です オケの手前のスペースで歌手陣が歌い、演技します また、ステージの左右には日本語字幕スーパーが出ます
演奏曲目は次の通りです
①「序曲」(オーケストラ)
②「オイラは鳥刺し」(パパゲーノ)
③「何という美しい絵姿だろう」(タミーノ)
④「恋と知るほどの男の方々は」(パミーナ、パパゲーノ)
⑤「なんと不思議な笛の音だ」(タミーノ)
⑥「立派な男が誰もみな」(パミーナ、パパゲーノ)
⑦「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」(夜の女王)
⑧「愛の喜びは露と消えて」(パミーナ)
⑨「娘っ子か恋女房を」(パパゲーノ)
⑩「私たちは炎を通り抜けた」(タミーノ、パミーナ)
⑪「パパパの二重唱」(パパゲーノ、パパゲーナ)
全体の流れとしては、ナレーターの宮本益光がどういう場面で歌われるかについて簡単に解説を加えてから歌手が歌い、演技する形で進められます 宮本のユーモアを交えたテンポの良いナレーションが素晴らしい モーツアルトはテンポです
宮本の挑発に乗せられて、スキップで登場した川瀬賢太郎の指揮で開始した「序曲」は、軽快そのものです 小規模編成ならではの見通しの良い演奏でした
次いで近藤圭のパパゲーノが登場し、パンの笛を吹きながら「オイラは鳥刺しホイサッサ」と歌いますが、あのカラフルな羽根付き衣装は彼の所属する「二期会」からの借り物だろうか? そういえば、この日出演の歌手陣はすべて「二期会」所属です 近藤は「新国立オペラ」でもパパゲーノを歌いましたが、動きが良く歌も素晴らしい
タミーノ役の澤原行正は最初は硬さがありましたが、後半にいくにしたがって良くなりました
パミーナ役の嘉目真木子は初めて聴きましたが、美しく透明感のあるソプラノでした
夜の女王役の針生美智子は、あの超絶技巧コロラトゥーラ「夜の女王のアリア」を歌いましたが、最高音部がやや不安定になったものの、全体的には堂々たる歌唱でした
さて、この日の公演で一番演技力を発揮したのはパパゲーナ役の鵜木絵里です 彼女も「新国立オペラ」でパパゲーナを歌っていますが、私が思うに、何人も聴いてきた中で彼女こそ最強のパパゲーナです もし自分が「魔笛」のキャスティングを任されたら、パパゲーナは迷わず鵜木絵里を指名します
演出面では、「魔法の笛」をオケの中のフルート奏者でなく、出演者の一人として登場させたのは良かったし、「魔法の鈴」もダンサーに踊らせたのは良かったと思います また、タミーノとパミーナが火と水の「試練」を通り抜けるシーンでは、赤い髪とTシャツの子役が「炎」として登場し、「ほのお」と言いながらタミーノとパミーナに纏わりついていたのと、青い髪とTシャツの子役が水色のボールを持って「水」として登場し、タミーノとパミーナと一緒にボール遊びに興じたり、グロッケンシュピール奏者やヴィオラ奏者も巻き込んだ吉本興業顔負けの演出には思わず笑ってしまいました これが宮本流の試練の演出かもしれん
理屈抜きで滅茶苦茶楽しいコンサートでした たまたま居合わせた隣席の小学生の女児も大喜びで観ていました オペラ「魔笛」のエッセンスが約70分に凝縮した時間の中で上演されましたが、あらためてモーツアルトの音楽の素晴らしさを再認識しました