人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

中田延亮 ✕ 杉山由紀 ✕ 新交響楽団で伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、ファリャ「三角帽子」全曲、トゥリーナ「幻想的舞曲集」を聴く

2023年07月18日 06時39分55秒 | 日記

18日(火)。わが家に来てから今日で3108日目を迎え、習近平国家主席の号令を踏まえ、中国各地の教育当局が、政治科目を受け持つ教員を中心に素行や思想信条を調査するよう大学などに指示を出し、不適格と判断した場合は解雇や配置換えなどを求めている  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     習近平主導による政治制度の優位性を若い世代に植え付ける目的だ これぞ専制主義

 

         

 

昨日、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれた「赤尾鯛」を煮つけ、「生野菜サラダ」「シラスおろし」「冷奴」「白舞茸の味噌汁」と一緒にいただきました 赤尾鯛は煮るのが難しく、煮崩れてしまいましたが、とても美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで新交響楽団「第262回演奏会」を聴きました プログラムは①トゥリーナ「幻想的舞曲集」、②伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」、③ファリャ:バレエ音楽「三角帽子」全曲です 演奏は③のメゾソプラノ独唱=杉山由紀、指揮=中田延亮です

中田延亮は京都生まれ。筑波大学医学専門学群在学中に桐朋学園ソリスト・ディプロマコースに入学、コントラバスを専攻する一方で指揮を学び、在学中から活動を開始したという異色の経歴の持ち主です

新響から送られてきたチケットは1階M列13番、センターブロック左通路側です。会場はかなりの客入りです

 

     

 

拍手の中、楽員が配置に着きます オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新響の並び。コンミスは堀内真美さんです

1曲目はトゥリーナ「幻想的舞曲集」です この曲はスペインの作曲家ヨアキン・トゥリーナ(1882-1949)が1919年に作曲、1920年2月13日に初演されました 第1楽章「高揚」、第2楽章「夢」、第3楽章「饗宴」から成ります

中田の指揮で演奏に入りますが、全体を通してスペイン情緒溢れた色彩感豊かな演奏で、とくにオーボエ、コーラングレ、フルートが冴えた演奏を繰り広げていました また、第3楽章におけるホルンセクション、ティンパニ、チェロ独奏が素晴らしい演奏を展開しました

2曲目は伊福部昭「シンフォニア・タプカーラ」(1979年改訂版)です この曲は伊福部昭(1914-2006)が1954年に作曲(原典版)、56年3月16日に上田仁指揮東京交響楽団により国内初演され、その後 1979年12月に改定版が完成、1980年4月6日に芥川也寸志指揮新交響楽団により改訂版が初演されました 「タプカーラ」とはアイヌ語で「立って踊る」の意ですが、3拍子の3拍め、4拍子の4拍めにアクセントが付きます 第1楽章「レント・モルト ~ アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

中田の指揮で第1楽章が、低弦による雄大な演奏で開始されます   やがて独特のアクセントによるアレグロに移ります   大地に根差したかのような弦楽セクションの渾身の演奏が素晴らしい ホルン、チェロのソロが冴えています また、ミュート付きトランペットがいい味を出しています 第2楽章は低弦とハープに乗せてフルート、オーボエ、コーラングレが素晴らしい演奏を繰り広げます 第3楽章は冒頭から独特のリズムによるアグレッシブな演奏が展開します 管楽器が咆哮し、打楽器が炸裂し、弦楽器が渾身の演奏を展開します 前述の通り、新響はこの曲の改定版の初演を担っていますが、その精神が現在の楽員に受け継がれて大倫の花を咲かせました どのオーケストラよりも多く演奏してきた新響の面目躍如の演奏で、満場の拍手とブラボーが飛び交いました

 

     

 

プログラム後半はファリャ:バレエ音楽「三角帽子」全曲です この曲はマヌエル・デ・ファリャ(1876ー1946)がロシア・バレエ団の主宰者セルゲイ・ディアギレフからの依頼により1918年から翌19年にかけて作曲、1919年7月22日にロンドンでエルネスト・アンセルメの指揮により初演されました

「三角帽子」は、美人の粉屋の女房フラスキータを気に入った代官が、手を出そうと言い寄るが、かわされた挙句 逃げていくという物語ですが、この物語の「三角帽子」は大きなツバに3つ角がある帽子(上から見ると三角形)で、代官の権威の象徴となっています

オケの下手後方にメゾソプラノの杉山由紀(武蔵野音大大学院 ⇒ 二期会)がスタンバイします コンミスは内田智子さんに代わります

演奏はティンパニの力強いリズムで始まります カスタネットの連打とともに楽員が手拍子とともに「オレ!オレ!」と叫びます そして、メゾソプラノが「奥さん、閂をかけなさい」と歌い、本編に入ります

全編を通じて「ファンダンゴ」「セギディーリャ」「ファルーカ」「ホタ」といったスペインの舞踏音楽がふんだんに演奏されますが、中田はリズム感もよく、色彩感溢れるメリハリの利いた演奏を展開します 全曲版を聴くのは初めてですが、楽しく聴くことが出来ました 驚いたのは、第2部で音楽がちょっと不穏な雰囲気に変わるところで、ベートーヴェンの第5交響曲の「ジャジャジャジャーン」が鳴ったことです もちろんパロディですが、ファリャってこういうパロディもやるんだな、と親近感を覚えました

新響はアマチュア・オーケストラです。管楽器奏者が多く 1曲ごとに演奏者の半数くらいが交替しますが、だれもが巧者揃いです カーテンコールが繰り返され、最後に全員で一礼しコンサートを終了しました   また、伊福部昭の作品を是非取り上げてほしいと思います

次回の公演は下のチラシの通りですが、残念ながら私は葵トリオのコンサートと被ってしまうため聴けません 8月26日に読響「三大交響曲」を振る気鋭の指揮者・坂入健司郎によるオール・ショスタコーヴィチ・プログラムですが、とても面白いと思います お薦めしておきます

 

     

コメント
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