人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

澤田誠著「思い出せない脳」を読む ~ 人の名前を思い出せない、さてどうする?・・・年をとって衰えるのは新しいことを『覚える力』ではなく『引き出す力』である

2023年07月24日 06時52分31秒 | 日記

24日(月)。手帳を見てため息をついています 明日=25日(火)から来週の8月2日(水)まで、9日連続コンサート(うち7日間はミューザ川崎)なのです この間、マンションの理事会もあるし、肺がん検診もあります 連日の酷暑の中、熱中症で倒れる訳にはいかないので、昨日に引き続き 今日も家で読書をして身体を休めることにします

ということで、わが家に来てから今日で3114日目を迎えロシア国営のRIAノーボスチ通信は23日までに、プーチン大統領は南アフリカのヨハネスブルクで8月下旬に開催予定の振興5か国(BRICS)首脳会議にはオンラインで参加すると報じた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     国際指名手配されてるプーチンが南アに行けば逮捕される 本音は行きたくないだろ

 

         

 

澤田誠著「思い出せない脳」(講談社現代新書)を読み終わりました 澤田誠は1958年香川県生まれ。東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程生命化学専攻修了。理学博士。専門は神経化学。2012年名古屋大学環境医学研究所所長に就任

 

     

 

スーパーに買い物に行って、5つの物を買うのに4つまでは予定通り買えたのに残り1つを買い忘れ、代わりに買う予定がなかった物を買って帰る・・・こんなことは日常茶飯事です どうしてこういうことが起こるのは??? これを防ぐにはどうしたら良いのか??? そんな時、書店で出会ったのがこの本です

本書は次のような章立てで構成されています

はじめに

序 章 記憶力が未来を決める

第1章 記憶を作れないと、どうなるか

第2章 情動が記憶を選別する

第3章 睡眠不足が記憶の整理を妨げる

第4章 抑制が働いて思い出せない

第5章 使わない記憶は変容し、劣化する

第6章 記憶という能力の本当の意味

おわりに

「序章」の中で、著者は「実は、年をとって衰えるのは新しいことを『覚える力』ではなく、『引き出す力』だという研究結果がある」とし、次のように説明を加えています

「なぜ、年を取ると引き出す力が弱くなるのか まず考えられるのは、加齢によって脳の細胞が減っていくことだ 特に『海馬』と呼ばれる脳部位の細胞は、他の部位より減りやすいことが分かっている 海馬は記憶の形成を司る脳部位だが、それだけでなく、形成した記憶を呼び戻すときにも活躍する そのため、細胞が減って海馬がうまく働かなくなると、脳内に貯蔵されているたくさんの記憶を引き出して活用することが出来にくくなる また、年を重ねて経験が多くなったことも、記憶の引き出しにくさに関係してくる。脳に貯蔵される記憶が増えるほど、神経細胞のネットワークは複雑になる 記憶の引き出しには、脳の複数の機能が関わっているため、間違えやすくなったり、引き出しにくくなったりする

そして「思い出せない時に、脳の中で起こっていること」を次の5つのパターンに分類しています

①そもそも記憶を作ることができなかった( ⇒ 第1章)

②情動が届かず、重要な記憶と見なされなかった( ⇒ 第2章)

③睡眠不足で記憶が整理されなかった( ⇒ 第3章)

④抑制が働いて、記憶が引き出せなかった( ⇒ 第4章)

⑤長い間使わなかったために、記憶が劣化した( ⇒ 第5章)

上記について第1章から第5章までで解説を加えています

第1章から学ぶ記憶力向上のポイントは「神経細胞を減らさないように、健康的な生活習慣を身につける」こと

第2章から学ぶポイントは「好奇心を持ち、心を動かしながら日々を過ごす」こと

第3章から学ぶポイントは「質の良い睡眠をとる」こと

第4章から学ぶポイントは「どうしても思い出せないときは、思い出すのをやめてみる」こと

第5章から学ぶポイントは「どうしても忘れたくない記憶は、定期的に思い出す」こと

私が冒頭でご紹介した「スーパーに買い物に行って、5つのうち1つは買うべきも物を買わず、買う予定のない物を買ってくる」という習性の原因は、第4章で解説されている「周辺抑制が発動した結果」であることが分かります 簡単に言えば、買い物に行って他の商品に目移りしてしまい、本来思い出さなければならないことが抑制されてしまったからです

「人の名前が思い出せない」ということに関して、著者は第6章の中で、エピソード記憶の重要性を語っています

「ピンポイントで必要な記憶を思い出せなくても、その記憶を担当している周辺の細胞が活性化したら、紐で引っ張るように、思い出したい記憶を引っ張り出すことが出来る エピソード記憶が思い出しやすく、意味記憶が思い出しにくい ある人と一緒にコーヒーを飲んで会話をしたというエピソード記憶は、引き出すための紐がたくさんある その人の見た目、コーヒーの香り、会話の内容、喫茶店の様子などだ。しかし、その人が何という名前だったのかは、意識的に覚えたのでなければ、引き出す紐は細く弱いものになる さらに、名前の文字列それぞれに様々な紐が付いているせいで、そちらに引っ張られて思い出すことができないこともあるだろう もし名刺交換したときに、『坂本さんか。坂本龍馬と同じですね』と会話していれば紐は2つになる 『坂本龍馬と同じ四国出身です。子孫というわけではないですが』などと相手が答えてくれたら、さらに関連情報が増えて、もう忘れることはないだろう

つまり、名前を意識的に何かに紐づけて覚えることが重要だということです 本書は専門的な内容が分かりやすく解説されています お薦めしておきます

最後に、本書のタイトルと著者名を言ってみてください

コメント
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