【新型コロナ】米経済崩壊への最悪のシナリオ、これから3カ月で何が起こるのか

2020年04月02日 14時18分14秒 | 社会・文化・政治・経済

 人口800万で全米第1位のニューヨーク市やその他の大都市で新型コロナウイルスが大流行し、感染者数は累計約19万人、死者数は約3900人(米ジョンズ・ホプキンズ大学調べ)を突破して中国やイタリア、スペイン、英国をしのぐ「世界一の新型肺炎震源地」になった米国。各州や自治体が感染拡大予防を目的とする外出禁止令を次々と発令する中、世界一巨大な「米国経済」という列車に急ブレーキがかかる。経済のロックダウンによる失業率は最終的に1930年代初頭の大恐慌時の24%を優に超えると予想される。米議会は国民への現金給付など2兆ドル(約240兆円)規模の過去最大の経済対策法を成立させたが、現時点のデータや専門家の見解では、「医療危機から生じる金融危機」という最悪のシナリオを覚悟すべきかもしれない。

●失業率30%へ、「大恐慌」時を超えるか

 トランプ大統領が2016年11月の大統領選挙で勝利してから右肩上がりであった米株価は、コロナショックで「トランプ相場」の上昇分がすべて消えうせた。その後いくらか回復しているものの、ペンス副大統領が主張するような「米経済のファンダメンタルズは依然として強いため、チャレンジを乗り切れば再び大躍進できる」との見方は少数派にとどまる。

 一方で、食料品買い出しなど以外の外出自粛を求められるロックダウン経済が長引けば長引くほど再始動が困難になることを懸念するトランプ大統領は、今年の暦で4月12日に当たる復活祭(イースター)までに経済を再スタートさせたい意向を示していたが、都市閉鎖や外出禁止令の緩和や解除を行えるのは連邦政府ではなく州や自治体であり、米経済の「臨時停車」はまだまだ長引きそうだ(大統領はその後、経済の大部分をストップさせることを意味する「社会的距離政策」を4月末まで延長するとして、方針転換した)。

 そうした中で米議会が成立させた経済対策の効果を見極めるにはまず、コロナ禍による米経済への影響がどこまで悪化するか、米国がイタリアやスペインをもしのぐ新型肺炎の中心地になるか、その中で医療崩壊が起こるか否か、それらの要因の複雑な組み合わせによってどの程度、米経済の再始動が遅れるか、などの前提条件を分析する必要がある。

 経済の失速に関しては、
(1)失業や一時帰休で収入を断たれた者がどこまで増加するか
(2)4月と5月に経済をさらにマヒさせる医療崩壊?
(3)失業者や企業への貸し付けが滞る金融危機が起きるか
(4)個人や企業の手持ち現金レベルが毀損(きそん)される中、世界中で急激に縮小する物流などのサプライチェーンの供給網と落ち込んだ需要が回復するまでにどれくらいの時間がかかるか
など多くの相互に関連した要因が絡み合っている。

 まず失業率だが、米国では新たな失業保険の申請件数が3月15日から21日までのわずか1週間で328万3千件と、前週の約12倍増と記録的な急増となった。ミシガン大学のジャスティン・ウォルファーズ教授の試算によれば、この調子で失業者が増加を続ければ8週間後の5月中旬には失業率が1933年の世界恐慌期に記録した米史上最高の24.9%と並ぶという。

 一方、セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は失業率が6月までに30%に上昇するとのさらに厳しい予測を示した。

 同連銀のシミュレーションによれば、製造業や営業、サービス業を中心に6680万人の労働者が失業のリスクにさらされており、その内4700万人が実際に職を失う。この場合、失業率は32.1%という記録的なレベルに跳ね上がる。ブラード総裁はさらに最悪のケースとして、失業率が42%という驚異的な規模に達する可能性さえ公言している。FRB高官の中で最も米経済に楽観的かつタカ派的な見解で知られるクリーブランド連銀のメスター総裁でさえ、10%超の失業率を予想する事態になっている。

 直近の2月において過去50年で最低レベルの失業率であった3.5%から数カ月で一気に10倍近い上昇となり、まさに前例のない不景気となる。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は3月26日に、「米国はおそらく景気後退に突入している」と指摘している。

 こうした中、既存の米失業保険制度では約半年の間、保険金が受領(じゅりょう)できる。また、経済対策法による現金給付も成人1人当たり1200ドル、さらに第4弾や第5弾が放たれるのは確実であるため、一部の労働者は少しの時間稼ぎができる。ただし、失業保険を受給できない自営業者や大部分のギグワーカーにはそもそも生活がギリギリの者が多く、即座に困窮する人が出始めている。

 米国の各産業においても、航空会社やホテルをはじめとする観光業、食品以外の小売、国際貨物、自動車およびその部品、衣料などが最も強い打撃を受けている。経済対策法で救済される予定の業界においてさえも、販売機会の損失や部品調達の困難による生産減少や中断、消費者マインドの大きな悪化などで資金繰りが急激に悪化し、事業継続ができなくなる企業が数週間内に多数現れ始めることが予想される。これが、さらなる失業と信用不安の連鎖を引き起こす可能性がある。

●医療崩壊が、4月と5月に経済をさらにマヒさせる?

 このように急激に毀損される経済の健康を直撃するのが、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、アトランタ、シアトルなど重要産業都市における医療崩壊だ。そもそも病床も人工呼吸器も防護着もマスクも手袋も在庫をギリギリまで抑えて最小限の持ち合わせしかないところに感染者の急増が襲い掛かっており、新型肺炎による死者が爆発的に増加するイタリアやスペインをも超える悲惨な状況になる可能性が高まっている。

 米『ワシントン・ポスト』紙の論説が「医療体制がキャパシティーを超えてしまえば、経済は機能できない」と指摘するように、社会を健康に保つ医療と経済の健康は表裏の関係にある。医療崩壊が起これば労働者や消費者、教職者、学生、生徒や子供たち、高齢者など国民の健康を最適な状態に保持できなくなるからだ。

 医師や看護師などに防護着やマスクが十分に行き渡らない状況の下で、治療の最前線に立つ医療従事者を巻き込んだ院内感染も増えるだろう。医療が機能しなくなれば国民全体の健康を保つことが困難になり、経済の再始動どころか基本的な生産活動やサービス提供が困難になるのである。

 ワシントン大学の研究者の分析予想によれば、米国における新型肺炎の治療でピーク時と予想される4月の第2週(トランプ大統領が米経済の再始動を希望していた週と同じ)には全米で6万4000床の新型肺炎患者用ベッドおよび1万9000台の人工呼吸器が不足する。恐れられていた医療崩壊だ。この供給不足のピークは州によって違うものの、5月いっぱいは各地で続くとされる。

 こうした要因もあり、この先4カ月間で8万1114人が死亡するとされ、そのほとんどが4月に集中する。1日当たりでは2300人が亡くなる計算だ。一方、感染症の権威であり、今の米国で最も信頼されるパンデミック情報の発信者であるアンソニー・ファウチ米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長は、死者数が10万から最大20万に達するとの、より悲観的な可能性を示唆している。トランプ大統領が3月31日に行った記者会見では、大統領自身が「死者は最少でも10万人だ」と述べ、最大死者数も24万人まで引き上げられるなど、日々情勢と予想が悪化していることに留意する必要がある。

 さらに、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策調整官であるデボラ・バークス博士は、「旅行や人の集まりを一切規制しない最悪のシナリオでは、160万から220万人が死亡する」と明言している。そのため、外出規制を実施しても多数の死者が続出する非常時の4月と5月中における経済再始動は、まったく論外なのである。

 ワシントン大学の研究者たちは、6月に入ると1日当たりの死亡者は10人を下回ると予想するものの、4月と5月の経済活動は必要最小限のレベルにまで落ち込むことは避けられない。強気の米経済予想で知られる米金融大手ゴールドマン・サックスでさえ、4月から6月の第2四半期における米国内総生産(GDP)は前年比で24%落ち込むと予想していたが、それを数日でさらに34%の下落に修正するなど、弱気の見方が広まっている。

 トランプ大統領誕生を言い当てた著名投資家のジェフリー・ガンドラック氏は、「米株式市場が4月にさらに売り込まれ、3月につけた『底値』があっさり抜ける」と予測する。また、一部の市場関係者が推す「米経済V字回復説」についても、「ほとんどあり得ない」と斬り捨てた。

 もはや米国において世界最悪レベルの感染率と死亡率による医療崩壊が不可避となった以上、ベストのシナリオは感染拡大が現在のパンデミック第1波のみで初夏には終息し、ワクチンや治療法が予想よりも早く確立されることだ。だが、「集団免疫獲得によりコロナウイルスとともに生きていく」というこの最善の筋書きでも、いったん冷え込んだ経済はすぐには元に戻らない。

●失業者の困窮は、現金給付や家賃延納で解決できるレベルではない

 最も信頼できる消費者マインドの調査のひとつであるミシガン大学消費者信頼感指数は3月に89.1と、2月の101から大幅に落ち込んだ。また、米調査企業コンファレンス・ボードが発表した3月の消費者信頼感指数は120.0で、前月の改定値から12.6ポイントも低下している。

 コロナ禍の第1波が米国でピークに達する4月と5月に消費意欲がさらに低下することは避けられない。企業は雇用を絞り込む一方、職や収入を失った消費者、あるいは時差による経済悪化で失業することを恐れる人々の消費マインドは冷え込むからだ。またオンライン売上の急増は、依然として消費の大きな部分を占める実店舗販売の急減を埋めることはできないのである。

 翻って、英調査企業パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミストであるイアン・シェファードソン氏は、「2019年のFRBのデータが示すように、米世帯の40%が400ドルの緊急時用の蓄えさえ持たない。また、昨年のデータでは米世帯の53%が非常用資金をまったく持たない」と指摘しており、多くの失業者にとって生活困窮は1,200ドルの現金給付を受けたり、住宅ローン・学費ローンや家賃の支払いを数か月先にずらしてもらう措置で解決できる規模の問題ではない。

 金融の負の連鎖がドミノ効果となる可能性もあり、予断を許さない。スイスの金融大手UBSのストラテジストたちは、「1兆ドル以上の企業負債が返済不可能になっている可能性があり、レバレッジをかけて資金調達をしている格付けの低い社債や、売上高が10億ドル以下の中規模企業が発行するミドルマーケット債の発行体が倒産の危機にある」との懸念を表明している。

 米格付け調査大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは3月30日、前回の金融危機時の2009年から78%も膨れ上がり、6兆6000億ドル規模に達した非金融セクターの社債に対する見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。

 FRBは金融の流動性確保のための社債の買い支えを始めているのだが、買い上げることができるのは信用度が高く「投資グレード」とされるものに限られ、負債が過度に積みあがった企業の社債は除外される。そのため、FRBの対策や調査企業による格付けの引き下げにより、かえって流動性危機は高まったといえる。

 また、小規模企業の半数は27日を持ちこたえられるだけの現金しか保有していないとの研究がJPモルガン・チェース研究所から出されている。

 こうして5月あたりまでは何とか持ちこたえていた一部企業の資金繰りが悪化し、銀行の貸し渋りや金融機関の相互疑心暗鬼による信用危機が起こって米国内外で金融危機へと連鎖すれば、健全な企業や職を失わなかった人々の雇用まで危うくなり、これから繰り出されるであろう経済対策法の第4弾、第5弾の効果も薄くなる。

 金融危機が起こる可能性としては、いくつかの経路が考えられる。まず、経済対策法の一部である住宅ローン支払いの繰り延べ(延期)について、仮に1250万世帯が6か月間支払いを猶予されれば、金融機関や住宅ローンの債権回収会社を中心に最大1000億ドル(約10兆7346億円)もの損失が生じる恐れがある。

 また、繰り延べ期間終了後には数か月の延期分を一括返済しなければならず、失業者や収入が減少した借り手の多くには不可能な話だ。彼らは債務不履行に陥って差し押さえに直面し、米住宅市場が再びどん底に落ち込む。

 これらが引き金となって信用不安につながり、(原因は違うが)前回のリーマンショック時のような住宅用不動産担保証券の債権焦げ付きに端を発する大規模な金融危機が発生する可能性が指摘されている。

 加えて、全米規模のロックダウンで収入の道が絶たれたホテル業界が全体で860億ドル規模の借入金を返済できなくなり、商業用不動産担保証券の市場が凍り付く金融危機の経路も予想されている。政権やFRBの金融危機回避の手腕が問われる場面である。

 そうする間にも、失業保険の給付が切れた多くの人々は再就職が叶わず、家・学費・自動車などのローン返済や家賃の支払いができなくなり、米議会や州議会が立法による救済を行わない限り、コロナウイルスの流行が終息しない中で物件差し押さえや強制立ち退きを迫られる可能性もある。

 加えて、ワクチンや治療法が確立されないまま一時的に流行が終息しても、また流行が出現する「モグラ叩き」のような爆発的な患者急増が繰り返される事態となれば、外出禁止令がなかなか完全に解けずに人々が家にこもり、経済から楽観や予想可能性が失われて労働や外出や消費が大幅に落ち込む。

 約13万人の従業員を一時的に解雇すると発表した米百貨店最大手メーシーズをはじめ、同じくデパート大手のJCペニーやコールズ、衣料大手のギャップやヴィクトリアズ・シークレットで従業員の一時帰休が実施されている。財政基盤の弱いJCペニーなどは倒産しても不思議ではない。米調査会社コアサイト・リサーチは、1月末時点で8000件としていた今年の小売店の閉鎖店舗数を1万5千件に修正しているが、それでも極めて楽観的な数字であろう。

 国土封鎖が完全に解ける時期としては5月、今夏、今年の年末、さらに2022年という気が遠くなるシナリオなどが取り沙汰されるが、停止が長引くほど米経済のダメージが天文学的に膨れ上がってゆくことは言うまでもない。

 常に楽観的な米経済予想を語るトランプ政権のカドロー米国家経済会議(NEC)委員長でさえ、コロナ禍の米経済への影響が長期に及ばないとの自信の根拠を問われて、「保証はできない。魔法の杖があればよいのだが」と答える始末だ。

●金融危機とその長期化は不可避か

 バーナンキ元FRB議長は今回の経済危機が「とても急激で短い景気後退で済む可能性」を示唆したが、多くのエコノミストは楽観していない。金融危機に関する研究の大家であり、『国家は破綻する―金融危機の800年』の共著者であるハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は、「いったん金融危機になってしまえば企業は従業員もサプライヤーの取引先も失い、素早く回復することはより困難になる。長引けば富の破壊は不可避となり、信じ難いレベルに達する」と懸念を表明している。

 ロゴフ教授と『国家は破綻する』をともに著した同大学のカーメン・ラインハート教授も、「1930年代の大恐慌以来、世界貿易が停滞する一方で世界的にコモディティ価格が崩壊し、同時に不況に突入する状況は今回までなかった。ロックダウンと社会距離政策は人命を救うかもしれないが、巨大な経済的犠牲を伴う。医療危機は金融危機になり得る」と警鐘を鳴らしている。

 このような理由からロゴフ・ラインハート両教授をはじめとする「金融と財政でできることは何でも」という政策アプローチを支持する。ただし、今回のパンデミックや雇用危機がどのように収束するのか、どの専門家も明確な見通しを語れない中、米国の政策は「バラマキの逐次投入」となり、ジリ貧となる恐れもある。出口戦略が欠如したまま「どのような手段を使ってでも」という為政者・政策立案者や専門家の姿勢は、ジリ貧を避けようと戦勝や和平・戦後の明確な見通しもなきまま国力を超えた無謀な戦争や、効果の割にコストがまったく見合わない特攻作戦に突き進んだ日本の戦争指導者たちと重なる部分がある。

 その背景には、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のことわざどおり、前回の金融危機から完全に回復していない中間層や低所得層の苦境や困窮を放置する一方で、経済の健康を支える医療で利潤を最優先させて非常時への備えを「コストカット」してきた構造的な脆弱(ぜいじゃく)性が見えてくる。医療が市場原理による病床数カットや医療保険の値上げやカバー範囲縮小などで弱体化して非常時対応力を奪われる中、米国においてパンデミックは人災となることが運命づけられていたといえる。

 トランプ政権が限られた資源を使って「誰を優先して助けるか」という課題でオバマ前政権の大企業優先救済策のようなしくじりを犯せば、分裂や不満という負のマグマのエネルギーが地下でたまる米社会の不安定要素がまたひとつ増えるだろう。

 そうした中、資本主義の総本山である米国において、雇用創出のために国家が一時的に国民の実質上の雇用主となり、人々が飢えたり病で亡くならないように食料や必需品、住居を配給するようになるかもしれない。

 従来は考えられなかった現金バラマキ、FRBによる株式の買い支え、救済と引き換えに一部企業の経営に政府が口を出したり医療機器の生産を自動車メーカーに命令する統制経済、そして感染データ収集のための国家による国民の位置情報管理などの政策が次々に実行に移されつつあるからだ。米経済崩壊の最悪のシナリオが現実化し、現金給付で経済再始動の効果がなければ、「何でもあり」という思想はさらなる爆発的感染を広げてゆくかもしれない。

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在米ジャーナリスト 岩田 太郎

 




赤ちゃんのうつぶせ寝はなぜ危険なの?予防策は?

2020年04月02日 14時07分26秒 | 社会・文化・政治・経済

ニュースでもたびたび見かける、赤ちゃんのうつぶせ寝による悲しい事故。
でも、なぜうつぶせ寝が危険なのかきちんとご存知でしょうか?

今回は、赤ちゃんのうつぶせ寝が危険な理由や、事故防止の工夫についてご紹介します。

突っ伏す赤ちゃん

赤ちゃんのうつぶせ寝のリスク①窒息の恐れがある。
まず、赤ちゃんのうつぶせ寝には、窒息のリスクを高めるおそれがあります。赤ちゃんの顔が敷布団や枕・掛け布団・クッションなどに埋まってしまうことが、窒息の原因として考えられています。
特に寝返りを打てない赤ちゃんは、呼吸ができず苦しさを感じても自分ではどうすることもできません。そのため、寝返りを自分で打てるようになるまでは、うつぶせ寝はさせるべきでないといえます。

赤ちゃんのうつぶせ寝のリスク②乳幼児突然死症候群のリスクを高める恐れがある。


中国、感染・死者数を意図的に過少報告と米情報当局断定-当局者

2020年04月02日 11時41分01秒 | 社会・文化・政治・経済

4/2(木) Bloomberg

中国、感染・死者数を意図的に過少報告と米情報当局断定-当局者Bloomberg2672
(ブルームバーグ): 中国がこれまで新型コロナウイルスの感染例、およびウイルス感染症による死者数をいずれも過少報告し、感染の広がりの実態を隠蔽(いんぺい)していたと米情報当局が断定し、機密報告をホワイトハウスに提出した。報告内容の極秘を理由に米当局者3人が匿名を条件に明らかにした。

当局者らは内容の詳細には言及していないが、中国による感染者数と死者数の公表が、意図的に不正確に行われたことが要点という。当局者2人によれば、中国の数字がごまかしだと報告書は結論付けており、1人によると、ホワイトハウスは報告書を先週受け取った。

トランプ米大統領は1日にホワイトハウスで行った記者会見で、「彼らの数字は若干少なめとの印象を受ける」と述べる一方、中国が新型コロナの感染拡大の実態を隠蔽したとする機密報告は受け取っていないと発言した。

ホワイトハウスの報道スタッフと在ワシントン中国大使館のコメントを求めて取材を試みたが、これまでのところ返答はない。

ジョンズ・ホプキンス大学がまとめたデータによれば、中国の感染者数は約8万2000人、死者数は約3300人。世界最多となっている米国の感染者は約21万3000人、死者は約4000人で、中国はいずれもこれより少ない。

原題:China Concealed Extent of Virus Outbreak, U.S. Intelligence Says

Trump: China’s Reported Virus Data Seems to Be on ‘Light Side’(抜粋)

(c)2020 Bloomberg L.P.

Nick Wadhams, Jennifer Jacobs

 

最終更新:4/2(木) 9:25


尾木ママ 首相の布マスク2枚配布表明に「何を考えておられるのでしょうか?」「本気で心配です!」

2020年04月02日 11時30分41秒 | 社会・文化・政治・経済

 “尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏(73)が1日、自身のブログで安倍晋三首相が再利用が可能な布マスクを再来週以降、1住所当たり2枚ずつ配布すると表明した件についてコメントした。

【写真】サイズ感が…布マスク姿の安倍首相

 「なんで?!マスク2枚の配布なの!?」と題して更新、タイトルから疑問を呈した尾木ママ。「政府は全世帯に郵便で布製マスク2枚を配るというのです!」と書き出し、「もう《今頃》何を考えておられるのでしょうか?今はそんなレベルの話じゃないでしょう まさに【緊急事態宣言】出すか出さないかの瀬戸際 遅すぎる批判が国内外から殺到しているというのにーー」と指摘。「政府の対策本部には届いてないのでしょうか!」と記した。

 この状況に、自身の心境は「本気で心配です!」と告白。「緊急対応しているのは会社や学校、市民・テレビなど国民の側だけかもしれないです!」とし、「とんでもない様相を呈して来ました?ねーー みなさんはどう考えますか! 尾木ママだけの焦りや心配ならいいのですがーー」と結んだ。

 




なぜ日本は緊急事態宣言を出せないのか 著名人からも疑問の声が続々「もう待ったなし」

2020年04月02日 11時30分41秒 | 社会・文化・政治・経済
ほんこん「給与保証をセットに緊急事態宣言を」

 安倍首相が新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言を“自粛“する中、ツイッター上では著名人からこの決断に疑問の声が噴出している。

【表】マスクはどこで手に入れた? 購入者は「どのように入手」、民間企業の調査レポート結果

 お笑いタレントのほんこんは2日、「安倍首相へ 政治生命をかけ消費税0% 給与保証をセットに緊急事態宣言を」とつづった。

 インターネット通販大手・楽天の代表取締役会長兼社長を務める三木谷浩史氏は1日、「もう待ったなしです。政府も緊急事態宣言も含めて加速しなくてはいけません。3週間前、アメリカは今の日本みたいでしたよ」と指摘。「日本医師会は横倉会長や専門家会議の西浦先生と一緒に要望書を出しましたが、もう2週間近くたなざらしになっています」と、緊急事態宣言を再三求める日本医師会の意向を尊重するよう訴えた。

 登山家の野口健氏も同日、「日本の場合は緊急事態宣言とて一部を除けば要請レベル。各国の命令よりもハードルが低い。何故に緊急事態宣言を発令しないのか明確に説明してほしい」と政府の対応に首をひねった。

 タレントの武井壮は3月31日の時点で「今の世界はどう見ても緊急事態だと感じるんだけどなあ。。」とつぶやいている。

 自治体の長では大阪府の吉村洋文知事が「ギリギリの状態なら出すべきだ。このウイルスは潜伏期間も長く、軽症状も長期にわたる。その間に感染拡大。ステルス戦闘機みたいに見えにくい。指数関数的に増加し始めたら、爆発感染して手に負えなくなる」と主張している。

 安倍首相は「現在はギリギリ持ちこたえている」と繰り返し発言。しかし、ネット上では「2週間後を見据えていない」と厳しい批判が起こっている。

ENCOUNT編集部

 




実際の感染者数は発表の40倍? イギリス政府が中国の新型コロナ対応に激怒、募る不信感は経済にも影響か

2020年04月02日 11時30分41秒 | 社会・文化・政治・経済

イギリスの政府関係者は、新型コロナウイルスをめぐる対応で、中国は「報い」を受けるだろうと話している。

ジョンソン政権は中国に対し、激怒しているようだ。

ジョンソン政権は、中国が新型コロナウイルスに関して誤った情報を拡散し、自国の感染者数について嘘をついていると非難している。

報道によると、科学者たちはジョンソン首相に対し、中国の感染者数は発表されている数の最大で40倍にのぼる可能性があると警告したという。

これにより、ジョンソン首相が中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)との取り引きを止める可能性もある。

イギリスのジョンソン政権は、中国の新型コロナウイルスへの対応に激怒しているようだ。3月29日(現地時間)の報道によると、政府関係者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機が落ち着いたら、中国は「報い」を受けるだろうと警告している。

イギリスの政府関係者は、中国が新型コロナウイルスの感染拡大の深刻度について誤った情報を拡散したと考えている。イギリスのメール・オン・サンデー紙が報じた。

同紙によると、科学者たちはジョンソン首相に対し、中国は感染者数を実際の数よりも少なく報告していて、本当の感染者数はその「15~40倍」にのぼる可能性があると警告したという。3月30日現在、中国の感染者数は8万2152人だ。

また、イギリスの政府関係者は、中国がウイルスと戦う他の国に支援を提供することによって、自国の経済的な支配を拡大させようとしていると考えている。

メール・オン・サンデー紙は3人の政府関係者の言葉を引用していて、いずれもジョンソン政権が激怒していると話している。

ある関係者は「これが落ち着いたら、外交は振り出しに戻るだろう。"見直し"は控えめな表現だ」と語った。

もう1人の関係者は「これが終わったら、必ず報いがある」と話し、また別の関係者は「怒りは頂点に達する」と話している。

同紙は、ジョンソン政権が中国の危機対応に非常に腹を立てていて、中国のファーウェイに対し、次世代通信規格「5G」移動通信ネットワークの一部で開発への参入を認めた決定を覆す可能性があると付け加えた。

ジョンソン首相は、一部とはいえ、国のインフラ向上における大きな役割をファーウェイに与えることで、同盟国であるアメリカのトランプ大統領を怒らせた。

トランプ政権はこの決定に怒り、大統領はジョンソン首相に電話で反対の意を示し、「カンカンになって」その電話を切ったと報じられていた。

ジョンソン首相の決定は、自身が率いる保守党の議員たちをも苛立たせている。

ある閣僚は「世界経済を台無しにしておいて、何もなかったかのように戻ってこようとする中国の秘密主義を傍観し、許すことはできない」と語ったと、メール・オン・サンデー紙は報じた。

「わたしたちは、ファーウェイのような企業に我々の経済だけでなく、そのインフラの極めて重要な部分への参入を許している」

「これは早急に見直す必要がある。中国のサプライチェーンに依存する戦略的に重要なインフラは全てだ」

[原文:Boris Johnson's government is reportedly furious with China and believes it could have 40 times more coronavirus cases than it claims]

(翻訳、編集:山口佳美)

Adam Payne

 

 


生後6週間の乳児が死亡 米のコロナ流行、感染者20万人超に

2020年04月02日 11時23分19秒 | 社会・文化・政治・経済

【AFP=時事】米コネティカット州のネッド・ラモント(Ned Lamont)知事は1日、生後6週間の赤ちゃんが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により死亡したと発表した。COVID-19の犠牲者としては最年少とみられる。米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の集計によると、米国の新型コロナウイルス感染者数は同日、20万人を突破した。

【写真】台湾でマスクを製造する受刑者

 ラモント知事のツイッター(Twitter)投稿によると、赤ちゃんは先週末、反応がない状態で病院に搬送され、蘇生が試みられたものの死亡が確認された。その後、3月31日夜に新型コロナウイルス陽性の検査結果が出た。ラモント知事は「非常に心が痛むことだ。COVID-19関連の合併症の犠牲者としては最年少の部類に入るとみられる」と投稿した。

 ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、米国の死者数は少なくとも4476人。感染が確認された人数は世界最多の20万3608人となった。米国の新型コロナウイルス流行の中心地となっているニューヨーク州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事によると、同州では少なくとも1900人の死亡が確認された。【翻訳編集】 AFPBB News

 

うつ伏せ寝0歳女児がコロナ感染、一時心肺停止 両親は陰性、山梨

2020年04月02日 11時20分50秒 | 医科・歯科・介護

4/1(水)山梨県は1日、県内に住む0歳の女児が新型コロナウイルスに感染していたと発表した。3月31日に自宅で心肺停止状態となり、山梨大医学部付属病院でのPCR検査で陽性が確認された。蘇生はしたが重症で、集中治療室で治療を受けている。両親は1日のPCR検査で陰性が確認された。県は女児が感染した経路を調べている。


 1日夜に記者会見を開いた付属病院によると、救急搬送後に女児の胸部CT検査をしたところ、肺炎にかかっている可能性があることが判明。新型コロナウイルスへの感染が疑われたため、PCR検査を2回実施し、いずれも陽性だったという。心肺停止になった原因は不明だが、肺炎の症状が軽いことから、感染との関連は低いとみている。

 また、両親に風邪などの症状がなかったため、当初は感染を想定した対応ができていなかったという。このため、濃厚接触者と判断した医師を含む医療従事者計44人に14日間の自宅待機を指示し、患者12人についても健康観察をしている。

 

 

最終更新:4/2(木) 9:41
朝日新聞デジタル


大阪・北区のショーパブなどでクラスター 18人感染

2020年04月02日 11時20分46秒 | 社会・文化・政治・経済

 吉村洋文知事は1日の定例記者会見で、大阪市北区のショーパブやクラブなどで計18人の感染が確認されたことを明らかにし、クラスター(小規模な感染者集団)が発生しているとの認識を示した。吉村知事は、コロナウイルスの感染拡大を防ぐために夜の繁華街への出入りを当面自粛するように求めていた。

【写真】【写真】新型コロナ、列島で猛威

 知事によると、北区のショーパブで4人、クラブで6人の感染者が出ており、いずれも従業員や客だという。同じ飲食エリアでは別の店でも感染者が出ており、その濃厚接触者も含めて計18人(府外3人を含む)の感染を確認した。

 店名については、店側の同意が得られていないとして、公表しなかった。吉村知事は「夜の接客をともなう飲食店については、(利用の自粛を)広く呼びかけていきたい」と話した。

 吉村知事は、府として進めている病床の確保について、当初目標としていた1千床のめどがついたとした。ただ、国が緊急事態宣言を発令した場合を想定し、医療機関と協議して計3千床の確保をめざす考えも示した。オーバーシュート(患者の爆発的急増)が発生しても対応できるようにしたいという。(増田勇介)

朝日新聞社

 

最終更新:4/2(木) 2:51
朝日新聞デジ


新型コロナで日本を襲うサプライチェーン危機、中国リスクとは?

2020年04月02日 07時33分21秒 | 社会・文化・政治・経済

細川 昌彦
中部大学特任教授(元・経済産業省中部経済産業局長)
2020年2月20日日経ビジネス

新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が中国のサプライチェーンに大きな影響を与え、国内でも工場の稼働を一時的に停止する企業が出てきた。日本企業は今後どのような影響を受けるのか。そして今回の問題は日本企業にどのような課題を突きつけたのか。
経済産業省(旧通商産業省)で日米の通商交渉などを担当してきた細川昌彦氏(中部大学特任教授、元・経済産業省貿易管理部長)が解説する。
新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が中国のサプライチェーンに与える影響はかなり長引きそうだ。各地の工場が2月10日から操業再開に動き出したが、順調に立ち上がっているとは言えない状況だ。

 問題は4つある。まず、地方政府が工場再開の許可を出すのが遅れていること。続いて、春節で故郷に帰っている人など従業員全員が復帰するまでに時間がかかっていること。工場を動かそうにも生産に使う部品や材料の調達が十分にできていないことも問題だ。そして、上海港から物を持ち出せないなど物流が止まっている問題もある。中国の報道によると、地域差はあるものの、稼働率は約40%という。

 中国の工場再開の遅れは日本企業にも影響が出始めている。日本で使う材料や部品が中国から届かずに生産できなかったり、縫製工場が稼働せずに日本で売る衣料品の供給が滞ったりするだろう。中国の工場への部品や材料の納入もストップする。すでに地方の中小企業からは「中国への輸出に影響が出ている」との声も聞こえてくる。政府の対策も中小企業の当面の資金繰りに力点が置かれ、セーフティーネットの信用保証や貸し付けを打ち出している。

 訪日外国人の減少でインバウンド需要が急減するだけでなく、生産面でも多大な影響は避けられない。2019年の消費増税後の需要減少で打撃を受けた日本経済にとっては「泣きっ面に蜂」だ。過剰債務問題と米中貿易摩擦に続いて新型コロナウイルスの問題が発生した中国は三重苦にあえぐ。中国の経済はまさに正念場の「国難」と言える状況だが、日本も人ごとではない。

 日本のシンクタンクが新型肺炎の日本経済に与える影響の試算を発表している。どういう前提か定かではないが、新型肺炎の影響が1年続く場合など非現実的な想定はいただけない。いずれにしても、当然のことながら産業によってサプライチェーンに与える影響などの状況は大きく異なるので、ここではいくつか代表例を取り上げてみよう。

自動車産業が直面する、効率とリスク分散のトレードオフ

 日産自動車は、新型コロナウイルスの感染拡大で中国からの部品が調達しにくくなったとして九州の完成車工場の一時停止を決めた。中国の完成車工場が停止するだけでなく、中国のサプライチェーンの停滞が日本での自動車生産にも影響を及ぼすことを知らしめた。

 自動車部品は中国への輸出が輸入の倍以上あるが、輸入が着実に増えているのも事実だ。自動車部品の輸入は、以前はアフターマーケットを中心に米国製が最も多かった。しかし今では中国製が最も多く、輸入部品の約3分の1を占めている。とはいえ、自動車部品全体で輸入品が占める割合は2~3割とされる。その3分の1だと考えれば、まだ中国への依存度はそれほど高いわけではない。

 問題は、中国に依存しているのがどんな部品かだ。安全にかかわるエアバッグやブレーキをはじめ認証を得る必要がある部品が意外と多い。こうした安全にかかわる部品のサプライヤーを中国企業から変更しようと思っても、認証を得る必要があるため時間がかかり簡単には代替できない。日本で使用する中国製自動車部品のうち、半数以上に認証が必要だという。一部でも代替が困難になると、日本での自動車生産が停止する問題が起きる可能性があることには注意を要する。

 自動車メーカーは垂直統合型のサプライチェーンを日本国内だけでなく、東南アジアのタイをはじめグローバルに形成してきた。世界最大の市場である中国でも自動車の生産を始めるに当たって、日系の部品メーカーに進出してもらったり現地の部品メーカーを育てたりして、広州市、武漢市などにおいてピラミッド構造のサプライチェーンをつくり出してきた。武漢では自動車関連産業は地場・外資系含めて500社以上集積している。その中で、進出日系企業159社のうち、自動車関連の日系サプライヤーは70社で、約半数を占めている。そうした中国の部品工場の技術力が上がり、低コストで高品質な部品を生産できるようになっていった。その結果、例えば、武漢での自動車部品の現地調達率は9割にも達している。

 さらにもう1つ、自動車メーカーが取り組んだのがグローバルな部品の共通化だ。品質、価格でベストな自動車部品に絞って、それをグローバルに使って生産するのだ。こうして中国製部品が中国での完成車だけでなく、他地域の完成車にも使われるようになったのだ。かつて自動車産業は国内で垂直統合が完結していたが、グローバル化の進展で、サプライチェーン自体がグローバルな構造になっていったのだ。

 日産の九州工場で影響が最初に顕在化したのは、ある意味、ゴーン改革の結果とも言える。中国、韓国からの部品輸入などは、コストカットの効率を重視した経営に大きく舵(かじ)を切った帰結の面があるからだ。重要部品であっても中国の1社に依存することが効率のうえで得策だとの判断もあるだろう。中国からの輸送リードタイムが短い九州工場では、在庫をなるべく持たないオペレーションにしていたようだ。今回真っ先に影響が表れるのも自然なことだろう。

仮に新型コロナウイルスの問題が長引けば、中国の広州市や武漢市に同様の垂直統合型のサプライチェーンをつくってきた日系の他のメーカーも、そこの部品の一部を日本の工場に持ってきていることから同様の影響が出てくる可能性がある。日本の自動車メーカーは国内の地震リスクにおいては、2007年の新潟県中越沖地震、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震と、苦い経験を積んできた。その結果、膨大なサプライヤーマップを整備したり、マルチファブ化、マルチソース化など、コスト高になることを覚悟でリスク対策を講じてきていると見られていた。

 他方、グローバル化の進展で効率重視に追い込まれ、リスクが高くなっていたのも事実だ。

 効率を追求して集中型の生産体制にするか、分散型にしてリスク管理を重視するかはトレードオフの関係にある。どちらを重視すべきだという解はない。リスクが顕在化したからといって、今回影響が出た企業が間違った経営判断をしたわけでもない。トレードオフの関係にある中で、どうバランスをとるかということこそが経営の本質的な判断で、各社の差が出るところだ。

エレクトロニクス産業のリスクはEMS次第

 電機の分野では、米アップルが「iPhone」を予定通り生産できないため2020年1~3月期の売上高見通しを達成できない状況になった。湖北省に隣接する河南省でEMS(電子機器の受託製造サービス)企業の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業が製造しているが、従業員が戻れず、稼働率が5割程度にとどまっているという。その結果、iPhone向け電子部品の販売減が見込まれる日本のメーカーの株価が軒並み下がった。

 スマホ、パソコンなどの国際的にオープンな組み立て型の電子機器分野では、もはやサプライチェーンの上流だけを受け持つ日本の企業はサプライチェーンのリスクをコントロールできない。新型コロナウイルスのような問題が発生したときの影響は、EMS企業がどこでつくっているかで決まってしまうからだ。受動的にならざるを得ず、企業努力ではカバーできない産業構造になってしまった。

米中のせめぎ合いが半導体サプライチェーンのリスク

 半導体分野については、台湾の半導体メーカーであるTSMCなどから中国はチップの供給を受けてきたが、こうした依存構造からの脱却を急いでいる。さらに米国がTSMCから中国に半導体が供給されることに神経をとがらせてており、いつなんどき制約がかかるとも限らない。その結果、TSMCに供給している日本の部材メーカーにとって、それは大きなリスク要因となり得るのだ。

 さらに日本の半導体装置メーカーも中国リスクを抱えている。半導体分野については中国がサプライチェーン全体を中国が対外依存しない体制を必死に目指している。そうした中で、日本の半導体製造装置のメーカーが中国市場に依存している様子が鮮明になった。

 本連載の前回の記事で指摘したように、半導体産業は“米中テクノ冷戦の主戦場”になっている。米国が国防権限法2020で安全保障上の中核分野として半導体産業を特記したように、米国は中国による半導体製造にことのほか、神経をとがらせている。安全保障上の機密分野の技術流出を阻止すべく、日本企業による中国の半導体製造への協力も技術レベル次第では「利敵行為」とみなしてストップをかける可能性も否定できない。こうした“安全保障リスク”も「中国リスク」として認識しておくべきだろう。

中国リスクの抜本的見直しを迫られる日本企業

 新型コロナウイルスのような疫病や米中の覇権争いによる分断、世界の供給量の半分を中国に依存するレアアース(希土類)、工場を停止に追い込む地方政府の環境規制など、中国には様々なリスクがある。その一方で、中国は世界最大級の市場であり、工業製品や衣料品などのサプライチェーンの中核をなす存在だ。

 中国の企業活動の影響があらゆる産業におよぶ中、企業は中国におけるあらゆるリスクをもっと精緻に分析しなければならない状況にある。そのリスクによるダメージを最小限におさえ、レジリエンス(復元力)を高めることを今まで以上に重視すべきだろう。

 大地震などの経験を経て、大企業の4分の3はBCP(事業継続計画)を策定している。しかし、米中対立や疫病など決して一時的とは言えない、先の見えない問題は従来型のBCPだけでは対応できない面もある。こうした新たな状況を踏まえたリスクを織り込んで柔軟に変化に対応できるよう、BCP(事業継続計画)を抜本的に見直す契機になりそうだ。

■変更履歴
文中、「日経プライヤー」は「日系サプライヤー」の誤りでした。[2020/02/21 10:40]

巨大ITの監視強化、公取委が「調査室」新設

2020年04月02日 07時24分49秒 | 社会・文化・政治・経済

4/1(水) 読売新聞オンライ

公正取引委員会は1日、「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業の取引状況の監視を強化するため、「デジタル市場企画調査室」を新設した。一方的な取引条件の押し付けや、同意のない個人情報の利用が行われていないかどうかなどを調べる。


 新室は、経済取引局に設け、室長をトップに職員10人が専従する。インターネット通販サイトや検索サイトなどを運営する巨大IT企業を対象に、取引などについて実態調査する。ネットサービスなどデジタル分野の情報収集で外部機関と連携する。

 また、独占禁止法の違反事件を調べる審査局にも、巨大IT企業に絡む問題を専任とする審査専門官4人を新たに配置した。

 



ポピュリズムを考える 民主主義への再入門

2020年04月02日 07時11分28秒 | 社会・文化・政治・経済

ポピュリズムを考える 民主主義への再入門 NHKブックス

吉田 徹  (著)

政治の閉鎖を打破する力を探る!
古臭い大衆迎合政治と否定されながら、世界的に大きなトレンドとなっているポピュリズム。そこには民主主義の本質があった。
伝統的なポピュリズム政治からサッチャー・中曽根のネオ・リベラル型ポピュリズム、そして小泉・サルコジの現代ポピュリズムまで、そのメカニズムを多面的に明らかにする。
社会の停滞を打ち破る政治のダイナミズムは、民主主義の根本的な問い直しから見えてくる!

[目次]
第1章 現代ポピュリズムの登場(ネオ・リベラリズムとともに生まれた現代ポピュリズム/民主党政権による政治主導 ほか)
第2章 ポピュリズムの歴史的起源(ポピュリズムの「意味」とは/否定の神学としてのポピュリズム ほか)
第3章 議会制民主主義の危機(社会を代表しない政治家とは/低下する政治への信頼 ほか)
第4章 政治的カリスマのリーダーシップ(リーダーはどのように登場するか/旧約聖書に表れるリーダーシップ ほか)
第5章 ポピュリズム・デモクラシーと「情念」の回復(ポピュリズムのロジックとステップ/リベラル×デモクラシー ほか)

東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。日本貿易振興機構(JETRO)調査部、パリセンター調査ディレクターを経て、東京大学総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。専門は、比較政治・フランス=ヨーロッパ政治。日本学術振興会特別研究員等を経て、北海道大学法学研究科/公共政策大学院教授(ヨーロッパ政治史/ヨーロッパ政治外交論)。その間、パリ政治学院ジャパンチェア招聘教授、同非常勤講師、同フランス政治研究所客員研究員、ニューヨーク大学客員研究員。現在、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)日仏財団(FFJ)リサーチアソシエイト、シノドス国際社会動向研究所(シノドス・ラボ)理事、北海道地方自治研究所理事。

 

現代政治はもはやポピュリズムの時代といってもいい状況になってきている。
政治手法としてのポピュリズムは蔓延している。
しかし、「ポピュリスト」というのは批判対象へのレッテルとして働いているが、本当にポピュリズムは悪なのだろうか。
民主主義であるならば半ば必然ではないのか。そう問いかける。

ただ、内容としては「ポピュリズムの民主主義における妥当性」のような議論よりも「現代のポピュリズムの事例をみる(ペロンからサルコジまで)」という側面の方がかなり強い。
そういう意味ではタイトルや副題はミスリーディングな気はする。

いろいろと出ており、簡単な問題ではないのはわかるが、いささか話が散りすぎな気がする。
排外主義もグローバル化もポピュリストにはいるわけで、話が強引なときもしばしばの印象であった。

題材は面白いので、もっと理論的な分析を強めるか、逆に事例検証に特化するかした方がよかったのではと思う

 

先週、デンマークの選挙で反移民ポピュリスト政党が第2党になり、北欧でもいよいよポピュリズムの大波が来た今、ポピュリズムとは何かを考えてみるために読み始めました。前半は、主に首相や大統領といった新自由主義に属する最近のトップ政治家の行動を中心に、民主主義が高度に発達している先進諸国においてポピュリズム的手法の政治が興隆していることを説明しています。フランス政治が専門の筆者らしく、フランスのサルコジ前大統領など比較的新しい事例を中心に、新たな知識を得られました。ただ、政治家「個人」に焦点を当てすぎていて、例えばオランダや北欧の反移民政党や、イギリスの反EU政党、イタリアの五つ星運動といった、組織的なポピュリスト運動に対する言及は少なく、その点で物足りなく感じました。

後半は、多くの政治学者の研究や発言を引用する形で、「ポピュリズム」の定義や実像に迫っていく取組です。残念ながらここから得られるものはあまりありませんでした。まず、一冊の本として、どのような流れで読者をどこに連れて行こうとしているのか、その構造をつかむことができず、段落ごとに言っていることの意味は分かったとしても次に続かず、全体像を把握することが困難です。普段から現代政治学に慣れ親しんでいる研究者であればすいすい頭に入るのかもしれませんが、自分は無理でした。

また、(本当に)多くの学者の著書などを引用していて、「よく勉強しているな〜」という感じは受けるものの、それがあまりにも多すぎて、かえって理解を阻害しています。結局筆者が言いたいこと、伝えたいことは何なのか、よくわかりません。

なにより、文章の分かりにくさに閉口しました。自分は普段から政治や経済に関する文章に多少は慣れているはずなのに、それでも筆者の書く文章は主語・述語の関係が良くないのか、文体の統一がとれていないのか、特に後半部分がとても難渋しました。例えば接続詞がほとんど使われていないために、段落どうしの関係が掴みづらく、読んでいて途中で嫌になります。本書の後に出された「感情の政治学」のレビューにも書いたことと重なりますが、専門書ではない一般書なのだから、読者にもっと伝わる文章にすべきです。

巻末の文献リストなど資料集としての価値はあるものの、本文の読みにくさを考えると低評価にせざるをえません。

 

表題の通り、いわゆる「ポピュリズム」と呼ばれる政治のあり方を、政治哲学/思想および政治学の観点から論じようと試みた著作である。
意識調査や統計を用いた実証的な議論は本書の目指すところではなく、あくまで観念的な分野に主眼がおかれている。

「ポピュリズム」を批判的にではなく、両義的に、あるいは民主主義に内在する本質的要素として把握しようとする意図は理解できる。
しかしながら、論旨展開や結論が明快であるとはいえないだろう。

その原因はおそらく以下の部分にあるように思われる。

第一に、「ポピュリズム」の定義が章節に応じて使い分けられており、ある部分では単に「デモクラシー」として、ある場合では「大衆迎合主義」として、あるいは「カリスマ的な政治」として、異なった文脈の中で扱われてしまっている。そして、これらの用法がしばしば混同され、明確に切り分けられていない点にひとつの問題がある。

第二に、そうした用法の混乱は、基本的に本書が、近年の著名な思想家・政治学者らの議論をレジュメのようにまとめ、それらを接続しているパッチワーク形式の著作であることに由来する。社会民主主義の議論から、保守主義者の議論までが並列的に論じられているが、著者の拠って立つ思想的立場も不明なことと相俟って、論旨把握をより困難にしている。
(また個別思想家の要約も若干怪しく、著者が注目したい点のみを切り貼りしている印象がある。例えば、ジョック・ヤングは明らかに社会民主主義者の立場から、新しいアンダークラスの創出を重視する学者だが、本書ではそうした彼の立場は考慮されず、単に社会内の成員をアンダークラスとは関係なく二分割したことを指摘した学者だとする要約が掲載されており、これは不適切であるように思われる。他にもその分野の専門家が読めば首をかしげるような要約が目立つ)

結局のところ、「デモクラシーを考える」という表題のほうが適切であったように思われる。
また批判的見解から距離を取るという名目で、マイノリティ問題や社会内の権力関係にほとんど目配りをしていないため、中立的な立場を取るといいながら、どちらかといえば哲学趣味の官僚かシンクタンクの社員がする議論のように、看板とは裏腹に議論の中立性が損なわれてしまっているようにも感じられた。

 

選挙で代表を選ぶ議会制民主主義では、政党間の論争、政治的駆け引きで政策が決定されます。それゆえ国民一人ひとりの意見が反映されないと感じられることが多くなる。さらに国家規模が大きくなると官僚機構も大きくなり、その複雑さゆえに国民の意思が歪められていると意識する人が増える。自分の置かれた境遇に不満を持つ人々ほど政治に対する不満を感ずる。

 ポピュリスト的政治家はその間隙を利用して支持を集めます。たとえば「外国人排斥」、「官僚支配の打破」など、わかりやすい目標を掲げ、自らの「敵」を設定する。その目標に賛同する人を「普通の人々」と呼び、「自分は普通の人々の味方だ」と主張する。しかし実際には「普通」から排除されてしまう人々は決して少なくない。彼ら(たとえば生活保護受給者、高齢者、ニート、移民、etc.)は行政から見放され、はなはだしい困窮におちいる。

 このような政治手法は政治基盤を持たない政治家が用いる方法だとされます。フランスのサルコジ、イタリアのベルルスコーニ、日本では小泉純一郎(そういえば小泉さんは自分の派閥を持っていなかった、というかあまりあてにできなかった)など。

 しかしポピュリズムは一概に悪だとは言えない。なぜなら、それは政治的マイノリティーが自分たちの政治的主張を代議制民主主義の中で形成していく過程そのものだからです。ボリビアのモラレス政権、タイのタクシン元首相、著者は詳述していませんが、最近の「プレカリアート運動」もその一種でしょう。

 著者はいいます。「ポピュリズムを否定することは、現代の民主主義がかかえているジレンマや問題を無視することにつながる。確実なのは、不正、貧困、不平等が私たちの民主主義に存在すること、そして政治が自分たちのことをかまってくれないという感情が生まれている状況は、民主主義の危機を意味しているということだ。そしてこの状況から脱却できなければ、ポピュリズムはこの世から決して消去されない。」

 ポピュリズムの恐さは、各有権者がそれと意識せず他人の権利を侵害し、自分の政治的選択がまちがっていないと思い込んでしまうことでしょう。自分が「普通の人」であるという意識が、判断を停止させてしまうのです。かく言う私も2005年の選挙では小泉自民党に投票してしまいました。

 多少むずかしい本ですが、広く読まれるべき本です。特に無党派の人には必読です。

 

これだけ濃い内容で、1000円台前半と言うのは、本の作られ方はどうなっているのだろうかと考えてしまう。理論と言う点でも、歴史分析と言う点でも申し分ない。ポピュリズムに関しては、是非読んでおく本。ただ、惜しむらくは、結論でポピュリズムの不可避性、むしろそれを受容していくと言う点は、そうとしかならないと言う意味ではその通りだと思うが、展望と言う点では、それで良いのか、少し疑問のところがある。

 

「二大政党制批判論」で、これまでの日本の二大政党制を巡り、それを過度に理想像とした「通説」に果敢に挑んだ著者が、現代の政治の特徴である「ポピュリズム」の本質に切り込んでいる。
「ポピュリズム」を否定的に言及することが通例である中、著者は、ポピュリズムの持つ「情念」が、実は民主主義にとって不可欠のものであるとして、積極的な面を見出している。
 特に第3章「議会制民主主義の危機」についての分析で、著者は、たとえば、事業仕分けが「信念を共有する一部集団」によって「外部からの改革圧力」という手法をもって行われたが、このようなやり方は、どこか遠いところで自分の運命が決められるという感覚を呼び、人々の不満を呼ぶという側面を正当に指摘している。
 今後とも継続して直面することになる「ポピュリズム」について考えを深めていくために一読をお勧めする。

 

 


強制性交等罪「暴行・脅迫」要件見直し議論へ 法務省が性犯罪実態調査 有識者検討会を設置

2020年04月02日 07時01分38秒 | 事件・事故
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毎日新聞<time style="line-height: 1.4;">2020年3月31日 </time>

</header>
法務省は31日、性犯罪を厳罰化した2017年の改正刑法施行から3年の実態を調査した報告書を公表した。被害者らへのヒアリングや事例分析を通じ、強制性交等罪の構成要件の見直しや、新たな処罰規定の創設などを検討課題としている。法務省は同日、有識者の検討会を設置し、刑法や刑事訴訟法の改正を視野に議論する。

 被害者や心理学の専門家、加害者臨床に携わる医師らへのヒアリングでは「被害者は必ずしも強い抵抗を示すわけではない」「激しく抵抗しないと被害が認められにくい」などの指摘があった。報告書は、強制性交等罪の「暴行・脅迫」要件の見直しや、「不同意性交罪」創設の是非を検討課題とした。

 準強制性交等罪の要件である「抗拒不能(身体的・心理的に抵抗するのが難しい状態)」の定義が曖昧との指摘もあり、大量の飲酒や薬物の使用などを明記することも検討課題に挙げた。教師やスポーツ指導者、医師などが地位、関係性を悪用した場合や、健常者に比べて被害に遭いやすいとされる障害者の特性を踏まえた処罰規定の創設も指摘された。

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性犯罪 性暴力の被害相談 面談者の2割近くが中学生以下

2020年04月02日 06時57分29秒 | 事件・事故
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性犯罪や性暴力の被害者から相談を受ける全国の「支援センター」について内閣府は、面談した被害者の2割近くが中学生以下だったとする調査結果を公表しました。

性犯罪や性暴力の被害者からさまざまな相談を受ける全国49か所の「ワンストップ支援センター」について、内閣府は、去年6月から3か月間の対応を初めて調査し、結果を公表しました。

それによりますと、全国の支援センターが対応した被害者からの相談は、延べ9450件でした。

このうち、電話などでの相談から、面談に至った被害者の年齢を見ますと、「20代」が31%で最も多く、次いで「中学卒業以上19歳まで」が22%などとなっています。

一方で、「中学生以下」は18%と全体の2割近くとなりました。

また、面談による相談では、友人・知人からの被害が最も多く22%で、親からの被害も13%に上りました。

内閣府は「親や親族からの被害は、性的な虐待を受けていることも考えられる。被害を受けた子どもへの支援を強化していきたい」と話しています。

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性犯罪の「暴行・脅迫」要件議論

2020年04月02日 06時50分13秒 | 事件・事故

 改正刑法の付則では、施行後3年をめどに性犯罪に関する施策の在り方を検討するとしていた。検討会は刑法の専門家、弁護士、被害者支援団体の代表らで構成する。

 法務省は18年4月に性犯罪の実態を調査するワーキンググループを設置、31日に報告書を公表した。