企業内学習の戦略.
従業員のメンタルを強くするためにはどうしたらよいか。
近年、メンタルヘルスが重視されるにつれ、「レジリエンス」が注目されるようになってきた。
このページは、レジリエンス強化のためのポイントについてまとめている。
部下の育成に悩んでいるマネージャーや研修担当者は、ぜひ参考にしてほしい。
レジリエンスとは?
レジリエンス(resilience)とは、もともと工学や物理学の世界で使われている言葉で、物質や物体に対して外から加わったエネルギーを吸収する力、または元の形に戻す力のことである。
そこから派生して、心理学ではレジリエンスは回復力や復活力のことを意味し、強いストレスを感じた時や困難に直面した時の精神的ダメージから立ち直る力、本来の状態に回復する力を表している。
例えば、仕事の失敗で怒られたり、時間をかけた交渉が不調に終わるなど、何かつらい状況に陥ったとしても、逆境に負けず、困難を克服して立ち直らせるのがレジリエンスだ。
レジリエンスが弱い人の傾向
レジリエンスが弱い人には、以下のような傾向がある。
・ネガティブシンキング
全てを悪い方向に考えてしまうことで、折れないこころを作りづらくなっている。
・べき思考
何かする際に「○○すべき」と考えてしまうことで、自身にできないことを増やしてしまっている。
・白黒思考
全ての物事を「成功」「失敗」で考えてしまうことで、自ら失敗を呼び込みやすくしてしまっている。
・過度の思い込み
思い込みが激しいことで他者のアドバイスを取り入れることができず、回復のきっかけを失っている。
レジリエンスを強化するには
レジリエンスを強化するには、まず自身の考え方に先のような傾向がないか確認し、もしその傾向があるようなら、考え方を変えるトレーニングをする必要がある。
それ以外にも、以下のポイントについてトレーニングすることで、レジリエンスを強化することができる。
・心理学についての理解を深める
レジリエンスを強化するためには、認知と感情・行動の関係性について考える「認知行動療法」や、加齢に伴う心理的課題や変化について考える「発達心理学」、自分らしさを大切にして幸せに生きるための「ポジティブ心理学」など、レジリエンスに関連する様々な心理学について学ぶのが効果的だ。
・自己効力感を高める
レジリエンスを強化するためには、「自分で成功したこと(達成経験)」、「他人が成功したことで自分にもできそうなこと(代理経験)」、「成功した時のイメージ(創造的体験)」、「周囲からの励まし(言語的説得)」、「周囲から認められていること(承認)」について考え、書き出していくことで、自信をつけて自己効力感を高めることが効果的である。
・マインドフルネスを実践する
レジリエンスを強化するためには、過去にとらわれず、「今この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスを実践することが効果的だ。
マインドフルネスを実践することで、常に平常心を保つことができ、ストレス耐性を上げて、精神的ダメージを軽減することができる。
まとめ
ここまで、レジリエンス強化のためのポイントについてまとめてきた。
従業員一人ひとりのレジリエンスを高めることができれば、会社全体が元気になり、生産性を向上していくことができる。
このページを参考にして従業員のレジリエンス強化に取り組み、困難な状況に直面しても負けない個人と組織を作り上げてほしい。