サザエさん炎上騒動で考える、テレビの話題に頼るネット報道の問題点

2020年04月30日 11時09分11秒 | 社会・文化・政治・経済

徳力基彦  | ブロガー/noteプロデューサー
4/30(木) 7:00

日曜日に放送されたサザエさんが炎上という話題が、複数のメディアで取り上げられていました。

個人的には、今回のケースを「炎上」と呼ぶのは少し大袈裟ではないかという印象です。
ただ、テレビにおけるタレント発言の炎上報道などを考える上で、非常に興味深い事例といえるので、ご紹介したいと思います。
 
 
まず、今回の騒動を時系列にまとめるとこのようになります。

■4月26日 18時半  サザエさんが放送される


■4月26日 18時半~  番組の内容がGW中の伊豆旅行や動物園と、現実の旅行自粛と相反する内容だったことが、ツイッター上で話題に

■4月26日 19時前  「サザエさん」というキーワードが、ツイッターのトレンド入り

■4月26日 19時台  トレンド入りも影響し、佐藤二朗さんの家庭での会話など、様々な議論がツイッター上で盛り上がる


■4月26日 22時  デイリースポーツが「サザエさん」がまさかの”炎上”と記事化(現在はタイトルを修正)


■4月27日 午前  上記記事がYahoo等各種ポータルサイトに掲載され、話題に

■4月27~28日  日刊スポーツやアサジョが、炎上前提で記事化

参考:佐藤二朗、一部“炎上”したサザエさんをフォロー
参考:ガリクソン、サザエさん“炎上”騒動の問題点を指摘
参考:在宅イライラのはけ口に?「サザエさん」のGW旅行計画がまさかの炎上!

この一連の報道の影響もあり、結果的に、ネット上でサザエさんが炎上したというタイトルだけで、深刻な炎上を想像する人や、こんなことで炎上することを嘆く人が多数生まれてしまっているようです。

デイリースポーツは既に記事を修正

冒頭に書いたように、今回のサザエさんの事例を炎上と呼ぶのは大袈裟というのが個人的な結論です。

実際、起点となったデイリースポーツも既に記事のタイトルを、当初の「サザエさんがまさかの”炎上」から「サザエさん 実社会がコロナ禍の中でGWのレジャーは不謹慎との声も」と修正しており、各種ポータルに配信されていた記事は削除されています。

また、当日のツイートを分析した結果、明確に「不謹慎」と名言している人は11人しかいない、という記事が話題になるなど、デイリースポーツの記事への批判も少なくなかったようです。

参考:4月26日のサザエさんが不謹慎だと言った人は11人しかいなかった話

もちろん、長引く外出自粛の中で、GWの旅行を促しかねない番組を放送したことに、違和感を感じた人は少なくなかったのは事実だと思いますし、不謹慎というキーワード以外にも、サザエさんを見て嫌な気持ちになったという趣旨の発言をしている方は複数いたようです。

ただ、さすがに「炎上」というタイトルは書き過ぎだったと考えて、記事タイトルを修正、配信先からは削除した可能性が高いと考えられます。

しかし、残念ながらすでに炎上というタイトルの記事が出回ってしまった結果、デイリースポーツ以外のメディアは、「サザエさん炎上」を既成事実として、関連記事が量産してしまっているわけです。

グラフで見えてくる炎上の真の発火点

はたして、サザエさんは炎上と呼ぶ状態になったのかどうか、具体的にグラフで分析してみましょう。

Yahoo!リアルタイム検索というサービスを使うと、ツイート数の推移をグラフで見ることができます。


30日間のグラフを見ると、サザエさんの先日の放送日に、ツイート数が大きなピークをつけていることは一目瞭然です。

ただ、一方で、毎週日曜日は「サザエさん」というキーワードを含んだ投稿が多くされていることも分かると思います。

しかも、実はこの最後のグラフのピークは、放送当日ではありません。
放送当日のツイート数は実はピークの半分強の1万件程度、普通の日曜日の投稿が7000件前後ですので、当日だけを見ると2倍も超えていません。

実は、この18000件を超える投稿数のピークは、番組放送翌日なのです。

その理由は、一週間のツイート数のグラフを見れば一目瞭然。


確かに放送当日のツイート数は、7000件と跳ね上がっているものの、そのピークはすぐに収まります。
これは実は通常のサザエさんの放送されている週末の投稿数とそれほど変わりません。

そして、実は炎上に関するツイートが増えるのは、翌日の10時以降。
つまりデイリースポーツの記事が、各種ポータルサイトに転載されたタイミングなのです。
そして、そこからの方が炎上に関する話題が余韻を作っていることが分かります。

実際に、26日のサザエさん放映中の発言を丁寧に眺めてみると、ネガティブな投稿をしている人が、通常の週よりも増えている印象があるのは事実です。

ただ、7000件の全体数からすると、その比率はそれほど高い印象はありません。
当日一番話題になったのは、おそらく批判ツイートではなく、佐藤二朗さんの擁護ツイートでしょう。

このグラフだけを見ると、実はサザエさんは番組放送がきっかけで炎上したのではなく、炎上を報道する記事によって炎上状態になった可能性が高いと考えられるわけです。

大勢が視聴するテレビ番組と批判の構造

しかも、実はサザエさんの放送日には、サザエさん症候群という言葉もあるように、毎週のように何かしらネガティブなツイートが混じっているのが普通です。

サザエさんのような視聴率が10%を超えるようなテレビ番組は、単純計算すると全国で少なくとも数百万人が視聴していることになります。
そのうちの0.1%の人がツイートするだけで、何千人もツイートすることになるわけです。
そのツイートする人の1割、視聴者のうちのたった0.01%の人が批判的な投稿をすれば、数百件の批判的な投稿がツイッター上に出現することになります。

日本のツイッターのトレンドに、毎日の様にテレビ番組関連のキーワードが表示されるのはこれが背景です。

簡単に言うと、賛否が分かれるようなテレビ番組であれば、今回程度の批判的な投稿がツイッター上に数十から数百件出てくるのは、ある意味普通の状況とも言えるわけです。

本来「炎上」という言葉で連想するのは、企業や個人がしでかした不祥事により、批判やクレームの電話が殺到して止まらなくなる火だるまのような状態をイメージされる方が多いはず。
今回のサザエさんの旅行への批判は、ウイルス感染により私たちが感じているストレスが、普段、私たちがテレビを見ながら独り言のように突っ込んでいる発言とともに、ツイッター上にも表出しているだけと考えると、これを「炎上」と呼ぶべきかどうかは議論が分かれるはずです。

メディアが既成事実化する炎上のネガティブサイクル

ここに、昨今のテレビ番組に関するネット上のメディアの炎上報道の問題点が見えます。

■1.賛否が分かれる内容がテレビで流れる
 ↓
■2.ツイッター上に批判的な投稿が、普段より多く投稿される
 ↓
■3.メディアが批判的な投稿だけを拾い出して「炎上」と報道する
 ↓
■4.その記事が、ポータル等を通じて多数の人に読まれる
 ↓
■5.「炎上」に関する記事を読んだ人が、賛否を投稿
 ↓
■6.賛否の投稿が増えて「炎上」が既成事実化
 ↓
■7.他のメディアも、その既成事実を元にさらに記事化
 (→4に戻る)

こうして、たいして炎上していない出来事が、炎上事例として既成事実化され拡がっていってしまうということが、発生しやすくなっているのです。
最近、芸能人の過激な発言の炎上を取り上げるメディアが増えているのも、同様の構造と言えるでしょう。

今回も、ガリガリガリクソンさんのツイートをメディアが記事化していますが、このツイートは記事のタイトルにまで取り上げられた割に、この記事執筆時点で70程度しかリツイートされていません。


ツイッター上の話題のツイートが1万単位のリツイートが珍しくなくなっていることを考えると、このツイートは芸能人のツイートとは言え、それほど注目されていないツイートと言えます。

ひょっとすると、メディア側もリモート推奨で取材に行けなくなっているという現状もあり、ネット上のこうした小さな出来事を取り上げざるをえない状況になっているのかもしれません。

こうしたテレビを起点にした話題にメディアが頼らざるをえない状況が、それほど炎上していない話題を、大手のメディアが記事化し、それにより炎上が既成事実化するというテレビとネット報道のネガティブサイクルを加速しているように感じます。

炎上のネガティブサイクルを加速しないために

もちろん、私自身も、こうして炎上事例の解説記事を書いており、このサイクルの末端に関わってしまっているのは事実ですので、他人事のように書ける立場ではありません。

ただ、読者の方に是非知って頂きたいのは、特にネット上のメディアにおいては、記事の表示回数が広告収入に直結するビジネスモデルが確立されてしまった結果、個人が運営するネットメディアはもちろん、デイリースポーツや日刊スポーツのように歴史のあるメディアであっても、時にこうやって炎上を過剰に報道してしまうことがあるという点です。

参考:ネットが広告費でテレビを逆転しても、日本のメディアの未来を楽観視できない理由

炎上のネガティブサイクルを生み出しているのは、メディアかもしれませんが、そうした記事に釣られて炎上記事の拡散に私たちが協力してしまうと、私たちもネガティブサイクルを回すことに加担してしまっていることになります。
炎上がタイトルに入っている記事を見つけたら、是非その記事を拡散する前に、少し落ち着いて、本当に炎上が事実なのか、調べてみることをオススメします。

個人的には、ウイルス感染拡大により、人々の間に不安や他の人に対する疑心暗鬼や怒りが広まってしまっている今このタイミングで、こうしたささいな出来事を炎上と取り上げて火に油を注ぐ行為は、できるだけさけ、未来に向けて私たちが協力していくために役立つ記事を増やしていきたいと、自分にも改めて言い聞かせたいと思います。

来年のゴールデンウィークには、サザエさんのゴールデンウィーク旅行を全国の人が心から楽しく見ることができますように。

 
徳力基彦
ブロガー/noteプロデューサー
NTTやIT系コンサルティングファーム等を経て、アジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。代表取締役社長や取締役CMOを歴任し、現在はアンバサダープログラムのアンバサダーとして、ソーシャルメディアの企業活用についての啓発活動を担当。 
並行して株式会社ピースオブケイクでは、noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるブログやソーシャルメディアの活用についてのサポートを行っている。 著書に「顧客視点の企業戦略」、「アルファブロガー」等がある。


新型コロナ禍でテレビが招いた“純粋バカ”による大暴走

2020年04月30日 08時33分48秒 | 社会・文化・政治・経済

 ネット、とくにSNSの影響力が強まったと言われるが、まだまだテレビが人々に及ぼす影響は大きい。新型コロナウイルスの流行に伴う混乱のなかで、テレビ報道によって出現した現象について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が読み解く。

 * * *
 有事の際、報道はいかにあるべきかが新型コロナ禍の中、ネットではしきりと議論されるようになった。その筆頭は2月末に発生した「トイレットペーパー買い占め騒動」だが、4月末になってもトイレットペーパー及びティッシュペーパーの品薄状態は収まっていない。

 この件の発端は、ツイッターで発せられた「紙製品を作っている中国の工場がストップしたからトイレットペーパーがなくなる」といった説とされている。だが、東京女子大学現代教養学部教授で社会心理学者の橋元良明氏は『女性セブン』の取材に「今回の買いだめ行動は、SNSよりも圧倒的にテレビの影響が大きいと見ています」と述べている(4月23日号)。

 つまり、「棚から消えています!」という報道をテレビが一度でもしてしまうとドラッグストアに開店前から列ができる状態になってしまう、ということだ。コロナ報道で物議を醸したのがこの「棚からなくなってます!」報道に加え「若者がこんなにたくさん江ノ島を訪れています!」「高齢者がこんなにたくさん巣鴨の縁日に来ています!」といった「混んでます!」報道だ。

 こうした報道により「な~んだ、大丈夫じゃん。今度の週末は江ノ島行こうっと♪」といった状況になり、4月19日、快晴の江ノ島近くは大渋滞になった。この件だが、前週末の大混雑を受けて各自治体は県営・市営の駐車場の多くを閉鎖するという措置を取った。この事実を知らない人々が車で江ノ島近くに殺到し大渋滞を起こし、地元住民から総スカンとなったということだ。

 そもそも江ノ島がある神奈川県も「自粛」が要請されているんだから、遊びに来るってどーなのよ? なんてことを思う。ネットには「これからコロナに感染するのは自粛しなかった人達だからもう検査しないでいいだろw病院も満員だし保健所で断ればいい」という極端な書き込みがあったが、結局強権発動できない日本の政府と各自治体の弱さが今回のような有事で明らかになったということだろう。

トイレットペーパー不足の時は「マスゴミは空っぽの棚を映すのではなく、倉庫に在庫がたくさんある様子を映せ!」「混雑している様子ではなく、ガラガラの様子を映せ!」といった批判がネットではあった。2次被害を減らすためには至極真っ当な意見である。

 だからこそ、フェイスブックで、「空っぽの棚を映して公開するのやめませんか? そういう方と“ともだち”でいたくない」といった批判をする人も出てきた。あとはネットのスピードの速さも感じたのが「新型コロナは26~27度で死滅するから白湯を飲め」という説が突然登場した時のことだ。すぐに「体温より低いだろ!」とツッコミが入り、以後「36~37度」「56~57度」という形でウイルスの如くこのデマも変容を遂げながら「ンなワケねぇ!」と適宜ツッコミを食らい続け、この珍説は消えた。

 一方、テレビが何を言おうが、その場ではツッコミ役はあまりいない。出演者も「割って入るのはどうかと思う……」的な大人の対応をする。それが結果的に純粋バカの暴走に繋がってしまうのである。

●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など


自粛しない人も「通報する人」もどうかしてる訳

2020年04月30日 07時54分25秒 | 社会・文化・政治・経済

 女優でタレントの岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった。日本中が悲しみに包まれている中、岡江さんが亡くなるまでの経緯について波紋が広がっている。

【データビジュアル】新型コロナウイルス 国内の感染状況

 報道によれば、岡江さんは4月3日に発熱。医師から4~5日様子をみるように指示されたことから自宅で療養していた。しかし、6日の朝に容体が急変し、都内の病院に緊急入院したという。その後、ICUで人工呼吸器を装着。PCR検査の結果で陽性が判明した。

 これに関連して、岡江さんの娘である女優の大和田美帆さんが前日にTwitterで「コロナ、怖いんです」などと投稿していたことが話題になったのだが、この投稿で引用していたのが埼玉県で自宅待機の男性が死亡したニュースの記事であった。

 この男性は4月11日に発症、16日にPCR検査で感染が確認された。県内で入院できる病床が逼迫していることを理由に、保健所から病床が空くまで自宅待機を指示されていた。基礎疾患がなく軽症だったが、20日に「呼吸が苦しい」と体調悪化を訴えたため、翌日入院させる手続きに入った。だが、その日のうちに容体が急変し、病院に搬送されたが死亡した。同様のケースが埼玉県で相次いでいることがわかっており、23日に別の70代の男性が自宅待機中に容体が急変し、搬送先の病院で死亡したことが報じられた。

■「4日ルール」「軽症者の自宅待機」でいいのか

 このような事態の悪化を受けて、これまで政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が掲げてきた「4日ルール」と「軽症者の自宅待機」を疑問視する声が挙がっている。最近、警察庁が不審死として取り扱った遺体のうち、東京など5都県で15人が新型コロナウイルスに感染していたことを明らかにしたタイミングと重なったこともあり、ソーシャルメディアなどでは「専門家会議は謝るべき」「ルールの撤回を」という批判が多数シェアされた。

 「4日ルール」とは、新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安とされていた「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く人」のことだ。岡江さんは発熱の症状が出て3日目に容体が急変しており、仮に4日ルールに従わされていたのだったとしたら残酷な話である。「高齢者・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD)など基礎疾患や透析治療を受けている者・免疫抑制剤や抗がん剤治療を用いている者・妊婦」の場合は「2日以上」となっていたからだ。ここへ来て専門家会議も慌てて方針転換をする体たらくになっている。

加藤勝信厚生労働相は4月24日の記者会見で、自宅療養中の患者数を把握することや、看護師などが常駐するホテルや宿泊施設での療養への切り替えを進めるとしたが、埼玉県に限らず自宅待機を余儀なくされている患者は膨大な数に上っており、このような突発的な容体の悪化に対応できない体制が放置されるのであれば、今後、在宅コロナ死、あるいはコロナ行き倒れが続出する可能性は否めないだろう。

 未曾有の出来事ゆえ仕方ない面はあるが、政府や自治体が必ずしも望ましい格好で、この事態を適切に対処しているとは言えない。一方、政府や自治体の自粛要請を絶対視して、異常なほど隣人に攻撃を仕掛ける風潮も先鋭化している。

■「店が営業している」で110番通報

 緊急事態宣言後、東京都内では「自粛中なのに店が営業している」「公園で子どもが遊んでいる」など、新型コロナウイルスに関する110番通報が急増。大阪府でもコールセンターに同様の通報が数百件寄せられたという。

 確かに患者数の増加は、何の危機感もないまま不要不急の外出をしていた人々や、また休業要請を受けていない施設であれば安全だと勘違いし、「3つの密」(密閉・密集・密接)の回避を守らず行動していた人々によってもたらされた面はあるだろう。

 だが、そもそも前述した感染症対策を含む「国の政策の妥当性」と「国民の行動変容の妥当性」は分けて考える必要があり、さらに後者に関しては前者の取り組みの実効性にかかっている部分が大きい。にもかかわらず、「個人」と「国」、「私」と「公(おおやけ)」が一緒くたにされて、あたかも自分が国家の意志を体現する者であるかような倒錯が起こっている。いわば『臣民の道』の劣化コピーである。

 1941年(昭和16年)に文部省教学局より刊行された『臣民の道』は、「国民が国家の意のままに動く道具であること」を定義付けた「国民道徳の指標」だった。

「私生活というものが国家に関係なく、自己の自由に属する部面であると見なし、私意をほしいままにするがごときことは許されないのである。一わんの食、一着の衣といえども単なる自己のみのものではなく、また遊ぶ閑、眠る間といえども国を離れた私はなく、すべて国とのつながりにある。かくて我らは私生活の間にも天皇に帰一し国家に奉仕するという理念を忘れてはならない」

 だが、現代によみがえった『臣民の道』は、単純に国家という「権威」と一体化して自分を「強者化」し、同じ国民を非国民として懲罰して安心感を得るツール以上のものではない。それは、「反体制的な言動の者」を自警団のように逐一監視・告発する「密告社会的なメンタリティ」の再来にすぎない。

筆者は以前、「国の政策に同調しなかったり、異議を申し立てたりする人々」を攻撃の対象にするような心性を、「臣民的価値観」が「死に切っていない」(undead)という意味で「ゾンビ臣民」と表現した。

〝お上〟の意に反した言動を取るものは「非国民」であり、国家はこのような連中から日本国民としての諸権利を奪っても構わないとする、「臣民的メンタリティ」のなせる業と考えるのが自然だ。かつての天皇制国家はすでに消滅したのだから「臣民」は存在しなのだが、未だ「臣民的価値観」が思考・行動に影響を及ぼしているという意味で、エルヴェ・ル・ブラーズとエマニュエル・トッドのいい方(『不均衡という病 フランスの変容 1980-2010』石崎晴己訳、藤原書店)に倣(なら)えば「ゾンビ臣民」と評することができるだろう。(『不寛容という不安』彩流社)

■「“お上”の意」に逆らう「不忠者」を成敗? 

 今や制御不能なパンデミックによる感染恐怖と不自由から発せられる「巨大な不安」を背景に、わたしたちの精神の古層から「ゾンビ臣民」がむくむくと起き上がり始め、「〝お上〟の意」に逆らう「不忠者」に進んで襲いかかろうとしているのである。

 だが冷静に考えてほしい。「自粛」の「要請」という奇妙な日本語の真意とは、まともな補償や損失の補填に応じるつもりはほとんどないが、事実上の事業停止や外出制限を「臣民」の手を借りて強制する、というたぐいの為政者の責任放棄に等しい。そうして「コロナ死」よりも「経済死」が差し迫っている人々の存在が無視されていく。

 被支配者同士の対立をあおり立てて、支配者への批判をかわす統治手法を「分割統治」と呼ぶが、わたしたちの社会で現在起こっているバッシング行為の横行はまさにこれである。大阪府では遂に休業要請に応じないパチンコ店を公表した。東京都も近く公表に踏み切るという。

 巨額の財政出動が伴わざるをえない重い命令に躊躇する権力者が、市民に「自粛」の相互監視と摘発という「ミニ権力者」としての役割を委譲したようなものだ。これは、検査や入院から排除された在宅コロナ死、コロナ行き倒れが激増することが懸念される状況下において、本来連帯しなければならない市民が互いに責任をなすりつけ合う地獄絵図でしかない。

 自由と安心に関する現代的なジレンマについて、社会学者のジグムント・バウマンはこう看破した。

自由の名の下に犠牲となる安心は、他者の安心であることが多く、安心の名の下に犠牲となる自由は、他者の自由であることが多い。(ジグムント・バウマン『コミュニティ 安全と自由の戦場』奥井智之訳、ちくま学芸文庫)
 わたしたちはこのジレンマの正体を見極めることができれば、感情に振り回されて恐るべき愚行を演じることなく解決へと近づくことができるし、その責任を担っている人間の1人であるということにもっと敏感であらねばならないだろう。

真鍋 厚 :評論家、著述家

 

最終更新:4/27(月) 16:10
東洋経済オンライン

 


コロナでも「通勤者減らない」日本の残念な事情

2020年04月30日 07時41分10秒 | 社会・文化・政治・経済

 新型コロナウイルスの収束が見えず、4月16日にはついに日本全土に緊急事態宣言が出されました。外出自粛がうたわれ、メディアで「テレワーク」というカタカナを見ない日はありません。

【写真】「地獄」とまで言われた昭和の通勤電車

 ところが、英国の世論調査会社ユーガブが行った国際調査(日本での調査機関は3月13日~4月13日)によると、「通勤通学を避けている」と答えた人は、日本ではわずか18%、26カ国中最低であることが判明しました。80%の人が「感染を恐れている」と答えているにもかかわらず、なぜ日本では今もなお通勤を続ける人が多いのでしょうか。

■「通勤する日本人」が減らない理由

 小池百合子東京都知事が記者会見で話しているように新型コロナウイルスの感染を防ぐためには「3密」を防ぐことが大事です。新型コロナウイルスの登場によってできたこの俗語ともいえる「3密」とは、「換気の悪い密閉空間」、「多くの人が集まる密集場所」「近距離で会話や発声をする密接場面」を指しています。

 「3密」に当てはまるカラオケや飲み会は自粛が続いており、コンサートやイベントに関しては主催者の多くが中止や延期を発表しています。いうまでもなく、どれも感染の拡がりを懸念しての決断です。

 ところがどうしたことか、イベントや飲み会とは違い、「電車に乗っての通勤」はそれほど問題視されていないようです。コロナウイルス禍で多くのことが「叩かれがち」であるなか、電車の中は「3密」に該当するのですから、「社員に有無を言わせず出社をさせている会社の企業名」などがSNSでもっと問題になってもおかしくないはず。ですが、「けしからん」という声はそれほど聞こえてきません。

 なぜ電車通勤だけ今も許容されるのか。その理由のひとつに「仕事が大義名分になっていること」が考えられます。上司から「仕事が回らないから出勤してほしい」「テレワークの体制が整うまでしばらく我慢してくれ」などと言われれば、断りたくても断りづらいもの。いくら通勤したくなくても、「仕事だから仕方がない」と後ろ向きな気持ちで電車に乗っている人もいるでしょう。

 2つ目の理由として、「仕事とは電車で通勤して会社でするもの」という感覚が今も日本人の中に根強く残っていることが挙げられます。昭和の時代から多くの日本人にとって「仕事をする人」=「電車や車に乗って会社に通勤する人」でした。

 実際、新型コロナウイルスが流行る前の日本では、「平日の昼間に家にいるお父さん」が白い目で見られることもしばしばありました。私の知人の日本人男性は家で仕事をしているのですが、郊外の一軒家に引っ越しをしたところ、平日の昼間に外を歩くと、ご近所さんからの目が気になったといいます。

 最初はジャージという格好のせいなのかなと思ったそうですが、こぎれいな格好をして出歩いても視線を感じたため、近所の人にあいさつがてら仕事内容について話し、その中で「在宅で仕事をしていること」にも触れるようにしました。

■ありがたくない方程式

 それ以来、近所の人も気軽に彼に話しかけるようになったと言いますが、逆にいうと、そこまで説明しなければいけないということは、やはり「仕事とは電車で通勤して会社でするもの」という感覚が日本では根強いということでしょう。だいぶ改善されてきてはいるものの、一部地域ではいまだに「電車通勤しない人」=「仕事をしていない人」というありがたくない方程式が残っています。

 なぜそんなありがたくない方程式が今も根強いのでしょうか。答えのひとつに、「現場至上主義」的な考え方にあります。日本では体育会系的な考え方をする会社も多く、例えばMBAを持っている人が入社してきても、まずは「現場」を知ることが大事だとし、地方の工場に配属してしまうことがあります。

 根底にあるのは「現場を見て体験して、現場で何が起きているのかを把握し、現場の悩みに耳を傾けてこそ、良い仕事ができるのだ」という発想です。また新卒採用・中途採用に限らず、「新人は全員がこの部署からスタート」という独自のルールを設けている会社もあり、これもまた「皆で同じ現場を体験していることが大事」という考え方に基づくものです。

しかし当初の思惑から外れて「みんなで集まって同じ場所で仕事をする」というのは、今のコロナ禍では「もっともやってはいけないこと」になりました。欧州では、コロナウイルスが登場する前から、家から仕事をする人は珍しくありませんでした。

 テレワークをする人は「時々する人」も含めると、アイスランドでは33%以上でしたし、スウェーデンでは約30%、イギリスでは24%(European Union Open Data Portal, 2014)でした。

 コロナの前からテレワークが導入されていたこれらの国々では現場至上主義ではなく、もともとが「出勤至上主義」ではありませんでした。ドイツに関しては、退勤管理が厳しく、意外にも出勤を重視する企業が多かったです。しかしコロナウイルスが登場してからの切り替えは早く、現在はテレワークが主流となっています。

■「在宅ワーカー」に注がれる偏見と妬み

 私が日本の会社で働いていたときに、こんなトラブルがありました。日本で働く日本人スタッフが、同じ系列の会社でフランスの避暑地に住む日本人スタッフが現地でテレワークをしていることにケチをつけ、何かとネガティブな情報を周囲に言いふらしていました。

 日本国内のスタッフを仕切っていたその男性は口癖のように「われわれは毎日満員電車に乗って通勤しているわけですからね」と言っていました。どうも彼が言いたかったことは、「われわれは毎日電車に乗って大変な思いをして通勤をしており、仕事を最優先に考え真面目に仕事している」ということのようでした。

 確かに在宅勤務であるスタッフのフランスの家に電話をすると、子供が出ることがありました。これは欧米的な感覚だと、それほど目くじらを立てるようなことではありません。ところが、日本側のスタッフは「職場なのに子供が電話に出るなんて、仕事をナメている。ありえない。だからそもそも在宅勤務は……」という反応でした。「在宅は楽している」という偏見と「在宅はズルイ」という妬みのようなものが混在していたように思います。

コロナ禍の渦中にある今の日本では、テレワークを歓迎する会社がある一方で、あくまでも「仕方なく」テレワークを導入している会社も少なくありません。そもそも日本の会社では社員数の多いところだと「一つの大部屋で大勢の社員が机を並べて仕事するスタイル」が主流です。

 これは前述の「みんな同じ現場にいる」ということが重んじられた結果だといえますが、大部屋には「誰かがサボっていないか監視をする役割」もありました。日本の上司はそもそも部下をあまり信用していないのかもしれません。

■「仕事だから仕方ない」という発想になりがち

 日本では「仕事」という大義名分があるため、電車の中の「密」が見過ごされがちだと先ほど書きましたが、大義名分という意味では「大部屋での仕事」に関しても同じことがいえます。

 飲み会などの「遊び」の際にコロナウイルスに感染した人はSNSなどで叩かれがちであるのに対し、3月にNTTドコモのコールセンターで働く社員の感染が発覚した際には、「大部屋で働くスタイル」を叩く投稿はあまり見られませんでした。世間の見方が「仕事なんだから3密になるのは仕方ない」という無意識のバイアスがかかっているといえそうです。

 社会に「3密は避けましょう」という共通認識がありながら、そこに「仕事」が絡むと、割と早い段階で「3密でも仕方ない」という発想になってしまいがちなのは、私も含めて全員が意識しておいたほうがよいかもしれません。

 コロナ禍が収束した暁には、「日本の会社に所属しながら南国からテレワークをする」というスタイルが流行らないかしら、なんて外出自粛中の部屋から妄想にふける毎日です。

サンドラ・ヘフェリン :コラムニスト

 

最終更新:4/30(木) 5:31
東洋経済オンライン


NHK、岡村の不適切発言に「遺憾」 視聴者から厳しい意見、問い合わせも

2020年04月30日 07時38分44秒 | 社会・文化・政治・経済

4/30(木) 5:00配信 サンケイスポーツ

 お笑いコンビ、ナインティナインの岡村隆史(49)が29日、ニッポン放送ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン」(木曜深夜1・0)で新型コロナウイルスと風俗について不適切な発言をしたことを受け、吉本興業の公式サイトで謝罪した。

 岡村はNHKで「チコちゃんに叱られる!」(金曜後7・57)と大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・0)に出演中。今後の放送予定に変更はないが、同局広報部は29日、本紙の取材に「視聴者の皆さまから厳しい意見や問い合わせが多数寄せられている。番組担当者から所属事務所に対し、そのことを遺憾の意とともにお伝えした」とコメントした。また、大阪・カンテレ「おかべろ」などのレギュラー番組も変更はない。

 

最終更新:4/30(木) 6:51
サンケイスポーツ


「コウモリ」はなぜ「ウイルスの貯水池」なのか

2020年04月30日 00時27分20秒 | 医科・歯科・介護

エイズ以降の感染症と、新型コロナウイルスの大きな違いは何か?
つまり、今回の世界的な大きな混乱の原因はなんなのか?
更に、たとえこの感染症が終結しても、もはやこれまでの状態に簡単に復帰するとは思えない。
ウイルス感染症は野生動物に由来する。
中でもコウモリがも元の感染源だとする説が多い。
コロナなぜコウモリが感染源なのか?

「コウモリ」はなぜ「ウイルスの貯水池」なのか
石田雅彦  | ライター、編集者
3/3(火) 9:00

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19、以下、新型コロナ感染症)が世界中で猛威をふるっているが、このウイルスはSARS(SARSr-CoV、重症急性呼吸器症候群)と同じ人獣共通感染症(Zoonosis)だ。こうしたウイルスの自然宿主(最初にウイルスにかかった生物)はコウモリとされているが、なぜコウモリ起源のウイルスがこんなに多いのだろうか。

コウモリが感染させるウイルス
 人獣共通感染症はヒトの感染症の60%以上を占める。世界で毎年約10億人が病気になり、数百万人が死ぬ病気だ。人獣共通感染症では、野生生物を自然宿主にしていた病原体(ウイルス)が、家畜などの脊椎動物や昆虫などの無脊椎動物を経由し、あるいは直接にヒトへ感染して広がっていく。

 ウシから天然痘や結核、ブタやアヒルからインフルエンザ、ヒツジやヤギから炭疽症、ネズミ(齧歯類)からペスト、主にイヌ(ネコやコウモリなども)から狂犬病といった人獣共通感染症があるが、サル免疫不全ウイルス(SIV)が変異してヒトに感染してヒト免疫不全ウイルス(HIV-1、HIV-2)になったようにヒトと野生生物の接触によって感染が広がることも多い(※1)。

 自然宿主にはコウモリが多く、コウモリの次は霊長類、齧歯類の順になるようだ。また、世界で新たな人獣共通感染症が発生するリスクの高い地域としては、コウモリはアジアの一部と中南米で多く、霊長類は中米、アフリカ、東南アジアに集中し、齧歯類は北米、南米、中央アフリカの一部と予測されている(※2)。

 コロナウイルスも人獣共通感染症で、最初に発見されたのが1965年という新しいウイルスだ(※3)。このウイルスが注目されたのはSARSが流行した時で、SARSの自然宿主は当初、ジャコウネコと考えられていた。

 その後、同じウイルスがコウモリ(キクガシラコウモリの一種、Rhinolophus sinicus)で発見され、現在ではコウモリのSARSウイルスが共通祖先としてヒトとジャコウネコに感染したとされている(※4)。ちなみに、いわゆる南京虫、トコジラミ(Cimex lectularius)もコウモリからヒトに寄生先を変えた生物だ(※5)。

 SARSウイルスやMARS(MARS-CoV)ウイルス(コウモリ→ヒトコブラクダ→ヒト)などのコロナウイルスの研究が進んだ結果、コウモリはコロナウイルスなどヒトに対して新たに出現するウイルスの「貯水池(Reservoir)」と考えられるようになった(※6)。

 コウモリのコロナウイルスと遺伝子が96%同じ新型コロナのウイルスも同じようにコウモリが自然宿主と考えられているが(※7)、なぜコウモリはウイルスを貯め、主要な感染源になっているのだろうか。

コウモリはウイルスの貯水池
 コウモリという生物の特徴は、その種類の多さだ。哺乳類の種類の約20%がコウモリとされ、その種類は900種を超えるが、環境破壊のせいで絶滅危惧種も多い。分布域も広く、哺乳類ではヒトとネズミなどの齧歯類、クジラ類と同様、地球上の広い範囲に棲息している。

 また、哺乳類の進化の中では比較的プリミティブな生物で、多くの哺乳類が持つ遺伝的特質の原型を持っている。つまり、コウモリの古い形質の遺伝子で保存されてきたウイルスは、変異すると他の哺乳類へ感染する能力を持ちやすいことになる。

 種類によってはかなりの長距離を飛翔するのもコウモリの特徴だ。つまり、ウイルスを広い範囲に感染させる能力を持っている。広範囲に多種多様なコウモリが分布し、広大な空間を移動するわけだ。

 また、多くの種類のコウモリは冬眠することが知られている。ウイルスもコウモリとともに越冬し、長い期間、生きながらえることができる。また、コウモリ自体の寿命も長く、30年以上も生きる種もいる。こうした意味でもコウモリはウイルスの貯水池になるのだろう。

 ヒトのトコジラミがコウモリ由来だったように、コウモリは哺乳類の血液を吸うダニやシラミなどを媒介しやすい。こうした寄生虫からウイルスが感染することも多い。

 さらにコウモリは、あまり清潔ではない湿った洞窟や木の洞などに集団で棲息する種が多い。そもそもコウモリの個体数は多く、こうした集団が密集することでウイルス感染のパンデミックを起こしやすい。また、容易に捕まえることができるので食用にする地域もある。

 コウモリの認知やセンシング、コミュニケーション手段はエコーロケーション(反響定位)だ。口から発する超音波が跳ね返ってくることで、飛行したり位置を認知したりする。その際に飛び散る唾液などを介してウイルスが感染しやすくなる。

 以上をまとめると、コウモリはウイルスが好みやすい環境に棲息して大集団を形成し、広く分布して長距離を移動し、哺乳類の多くに共通する遺伝的な特徴を持ち、ウイルス感染によるパンデミックや他の哺乳類にウイルスを感染させやすい特徴を持っているということになる。

 こうした生物は他にもいる。我々ヒトだ。集団が密集して暮らし、長距離を移動し、口から唾を飛ばしながらコミュニケーションする。コウモリからヒトへ、ヒトから他の生物へ、ウイルスの連鎖が広がっているのかもしれない。

 一方、コウモリの生息域は自然破壊で狭められ、劣悪な環境で暮らさざるを得なくなっている。また、地球温暖化で分布も変化し、これまでヒトとあまり接触しなかった種類のコウモリが身近に現れるようになってきた。

 コウモリという貯水池のウイルスが変異しやすく、ヒトに感染しやすい状況になっているというわけだ。新型コロナウイルスもコウモリからヒトに感染するようになったが、これからも新たなウイルスが出現し、人類の脅威になるかもしれない。


感染症の歴史

2020年04月29日 23時44分53秒 | 医科・歯科・介護
感染症の歴史は生物の出現とその進化の歴史とともにあり、有史以前から近代までヒトの疾患の大きな部分を占めてきた。
 
黒死病(ペスト)、梅毒、麻疹(はしか)、チフス、、狂犬病、炭疽菌、、天然痘、ポリオ、赤痢菌、ハンセン病、マラリア、腸チフス・パラチフス、結核、コレラ、破傷風ウエストナイル熱・ウエストナイル脳炎と日本脳炎、日本住血吸虫症
なお、主な疫病菌の発見は以下の通りであり、19世紀後葉から20世紀初頭にかけての時期に集中している。
病名 発見年 病原菌発見者
ハンセン病 1875年 アルマウェル・ハンセン(ノルウェー)
マラリア 1880年 シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴラン(フランス)
腸チフス 1880年 カール・エーベルト(ドイツ)
結核 1882年 ロベルト・コッホ(ドイツ)
コレラ 1883年 ロベルト・コッホ(ドイツ)
破傷風 1884年 アルトゥール・ニコライエル(ドイツ語版)(ドイツ)
ブルセラ症 1887年 デビッド・ブルース(イギリス)
ペスト 1894年 アレクサンドル・イェルサン(フランス語版)(フランス)、北里柴三郎(日本)
赤痢 1898年 志賀潔(日本)
梅毒 1905年 フリッツ・シャウディン(ドイツ語版)(ドイツ)
百日咳 1906年 ジュール・ボルデ(フランス)
チフス 1909年 シャルル・ジュール・アンリ・ニコル(フランス)
インフルエンザ、スペイン風邪、香港風邪、新型インフルエンザ、ポリオ、エボラ出血熱、エイズ。
コロナウイルス:SARS (2002-2004年)、MERS (2012年-)、新型コロナウイルス (2019年-)。
 

新型コロナ軽症患者の若い男性…愛知の受入施設から「力ずくで突破」し帰宅 引き留める強制力なし

2020年04月29日 23時44分53秒 | 医科・歯科・介護

4/28(火) 19:08配信 東海テレビ

 29日開設される、新型コロナウイルスの軽症者などを受け入れる愛知県内2か所目の施設の内部が、28日公開されました。

 一方、すでに開設している東浦町の施設で、患者が施設から強引に退所するトラブルが発生しました。

 29日以降、軽症者などを受け入れることになった、愛知県安城市内のビジネスホテル『東横INN三河安城駅新幹線南口I』。

(リポート)
「患者を受け入れるホテルです。正面入り口はこちらですが、患者は横の小さな扉から中に入ります。中はパーテーションで区切られていて、清潔エリアと汚染エリアが行き来できないようになっています」

 ホテルのフロントには、患者などと医療スタッフの移動場所を分けるパーテーションを設置。客室143室のうち110室が軽症患者などの受け入れ用に確保されていて、そのほかの部屋で看護師や生活支援のスタッフが常駐します。

 部屋の中は24時間換気され、また患者がホテルから外に出ずに生活できるよう工夫も…。

(リポート)
「患者は部屋の外に置かれたテーブルから食事を持っていきます」

 2階にはPCR検査が受けられる部屋もあるこの施設。さらに…。

愛知県保健医療局の担当者:
「中からも外からも出入りできないように、基本的には患者さんの入口は閉じております。かつ職員が24時間常駐しております」

 患者などが外に出られないようしっかりと施錠された扉。その理由は…。

大村愛知県知事:
「こういうことは是非ともやめて頂きたい。日曜日の夜未明でありますけれども、あいち健康プラザに入った方が『どうしても出たい』と。不適切・不用意な行動で、せっかく開設した宿泊施設、健康プラザが運営不能になってしまう恐れがあったわけでありますので」

 26日の深夜、すでに受け入れ施設となっている東浦町の「あいち健康プラザ 健康宿泊館」で、入所していた軽症患者の男性が制止を振り切って、強引に帰宅していたことがわかりました。

 屋外に出るため、スタッフしか立ち入れないエリアに入ろうとし、県職員や看護師とトラブルになったということです。

大村愛知県知事:
「突破して出ようとされたわけですから、それをされますと秩序が壊れてしまいますので。(トラブルになったのは)若い方です。スポーツ系で体力のある方ですね。そういう方が力ずくで突破しようとすると止められないです」

 男性は施設内で医療行為を受けられないことに不満を持っていたといいますが、この施設には、日中、医師が常駐。さらに入所の際、「薬の処方を含めた医療行為は受けられない」と口頭で説明していたということです。

 法律上は、軽症者などの施設への入所は、あくまで「お願い」で施設側に引き留める「強制力」はありません。

大村愛知県知事:
「適切でない行動をとられますとですね、入所施設そのものがやれない、動かせないということになってしまいますので。このことについても大変な危機感を持っております」

 男性はほとんど症状はなく、自宅待機していますが、28日にも医療機関に入院するということです。

 

最終更新:4/28(火) 19:08
東海テレビ


コロナ関連詐欺被害3千万円超 4/29(水) 21:20

2020年04月29日 23時39分37秒 | 事件・事故

4/29(水) 21:20 日本テレビ系(NNN)

新型コロナウイルスが関連した詐欺被害の総額が、3000万円以上にのぼることがわかりました。

警察庁によりますと、全国でこれまでに確認されている新型コロナウイルスが関連した詐欺事件は、未遂も含めて32件で被害総額は3117万円だということです。

特殊詐欺で1000万円以上、被害にあったケースや、感染の検査費の名目で現金をだまし取られそうになったケースもありました。

最終更新:4/29(水) 19:04
日本テレビ系(NNN)


弁護士が心配する「コロナで急増する犯罪」ランキング

2020年04月29日 22時23分10秒 | 事件・事故

■110番は減少傾向だが……

 4月7日、全国7都府県に発令された緊急事態宣言。さらに17日、その対象地域が全国に拡大された。外出自粛要請の効果はいかほどか。

【この記事の画像を見る】

 NTTドコモの分析によると、感染拡大以前との人口を比較すると、渋谷センター街(東京)では-66.8%、梅田(大阪)では-73.1%、天神(福岡)で-57.5%と、各地の主要繁華街での人口が減少しているのを確認することができる(数字は2020年4月27日午後3時時点)。

 国民が外出を自粛することで、基本的には犯罪や交通事故は減少すると考えられる。実際に交番勤務の警察官に聞けば110番は減少傾向にあり、飲み会等の酔っ払いのけんかでの出動要請も明らかに減っているようだ。

 しかしながら、外出自粛を逆手にとった犯罪が増える可能性がある、と警鐘を鳴らすのは弁護士法人サリュの籔之内寛弁護士だ。人々の外出が減れば、必然的に犯罪発生件数は減ると考えられる。しかし、その中で起こりやすい犯罪をランキング形式で紹介する。

■第1位は詐欺罪。「オレコロナ詐欺」が急増する

 第1位 詐欺罪

 オレオレ詐欺ならぬ、オレコロナ詐欺は増加してもおかしくないでしょう。詐欺集団は、人が抱くあらゆる不安をネタに人をだまそうとします。「オレだけど、コロナ不況で会社を解雇されて日銭が足りないから援助してくれないか」「お母さん、オレ、実はコロナにかかっちゃってさ。コロナに効く薬が100万円で買えそうなんだけど、100万円援助してもらえないか! 」と泣き落とすなど、さまざまなパターンのオレコロナ詐欺が想像できます。

 詐欺の手口は、電話だけにとどまりません。外出自粛要請でネットショッピングが増えていると思いますが、そこにも危険な落とし穴が。すでに「マスクを購入したけど自宅に届かない」という話もちらほら聞かれています。サイトには「●月●日入荷予定」と書いてあるが大丈夫なのかという不安を抱きながら購入された方も多いでしょう。

 コロナの混乱を隠れみのに、ネットショップで詐欺を働くやからにも気を付けなければなりません。詐欺罪の罰則は、10年以下の懲役です。

■テレワークで増える不正アクセス、DV

 第2位 不正アクセス禁止法違反

 外出自粛要請によりテレワークを行っている方も多くなってきています。ただ、万全のセキュリティで仕事をしているかと問われれば、いまいち自信が持てない方もいらっしゃるのではないでしょうか。仕事中、私用のモバイルWi-Fiを使っているときに、何者かにアクセスされてウイルスにかかってしまう恐れもあるでしょう。「先生、パソコンまでコロナウイルスにかかるのですか」という質問は当方ではなく医師またはエンジニアの方にしてくださいね。多分かかりませんが(笑)。いずれにせよ、リモートワーク中のビジネスパーソンは、安全性の高いネットワーク環境で仕事をするべきです。不正アクセス禁止法違反の法定刑は3年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

第3位 傷害罪

 諸外国では外出禁止でドメスティック・バイオレンス(DV)が増えているという報道がされています。一緒にいたいと思って家族になったのに、一緒にいる時間が増えることでストレスがたまり、暴力的になるというのは悲しい話です。思わず、「そこに愛はあるのかい? 」と尋ねたくなります。

 とはいえ、ドメスティック・バイオレンスで家族にけがをさせれば、立派な傷害罪です。普段よりも長く時間を共にすると、配偶者の嫌なところも見えてくるかもしれません。また、仕事に出るときは保育園に預けていた子どもを、毎日面倒を見ることになると、普段とは違うストレスを感じる親御さんもいらっしゃるかもしれません。ですが、家族に悲しい思いをさせないように、上手にストレスを解消していきましょう。傷害罪の法定刑は15年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■コロナ陽性者への中傷は名誉棄損に発展

 第4位 窃盗

 外出自粛要請で、仕事ができず収入が低下して、生活が苦しくなる人もいるでしょう。苦しいあまり、魔が差して、物を盗んでしまうというのは、ありうる話です。また、営業自粛中に無人となった店舗を狙ったとみられる窃盗も増えてきています。店舗を経営している人はくれぐれも注意が必要です。法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

 第5位 名誉毀損

 外出自粛の話とは別に、コロナウイルスにかかってしまった人に対する名誉棄損(きそん)は増えるかもしれません。特に著名人がコロナウイルスにかかってしまった場合、陽性と認められるまでの行動にやましいことがあるケースでは、批判の度が過ぎて、名誉毀損に発展してしまうこともゼロではありません。ただし立件されるかというと、また別の話にはなりますが。

■外出自粛期間に狙われやすいのはこんな人

 実際、これらの犯罪に巻き込まれやすい人は、どんな人なのか。

 「外出自粛要請がされているにもかかわらず、それを簡単に無視してしまうような人たちは危ないですね。そもそも、外出をして他人と関わるからこそ、犯罪に巻き込まれる可能性が高まるのです。個人的には、こんな時期にのんきに外出している人は、そもそも規範意識が鈍麻しているとも思います。コロナが流行していても今までと同じような生活をしている人は、『自分だけは大丈夫』などと思いがち。そういう人こそ、犯罪の被害者になりやすのです。

 では、ずっと家の中にいれば、犯罪の標的にならないのでしょうか。通信手段の発達した現代において、そうだとは明確に断言できないものの、標的になりづらいのは間違いないでしょう。」

■不況になれば犯罪は増えるのか

 今回のコロナ禍の後には大恐慌が待っていると指摘する専門家は少なくない。不況と犯罪には関連性はあるのか。

 「犯罪の種類によっては関係があるでしょう。たとえば、殺人や傷害のように他人の生命身体を侵害するような犯罪であれば、不況が犯罪発生率に大きな影響を与えるとは思えません。

 一方、窃盗や詐欺などの財産犯については、影響があると考えられます。窃盗については、先ほども述べたように、不況が招く貧困が動機の形成に大きく影響を与えると個人的にみています。詐欺についても、なにか社会的な事変が起きるときには、その事変自体が詐欺師にアイデアを提供する結果となるでしょう。

 経済的に苦しくなれば、その経済状況を一発逆転するために、詐欺師の話にだまされやすくなる人もいます。今回は外出自粛という特殊事情が関わっているので犯罪の発生が増加するとはいえないですが、不況という点に焦点を絞れば、増える犯罪もあるので注意が必要です。

 外出自粛で間違いなく増えるのは、経済活動が大幅に縮小されるため、特に中小企業の資金繰りは業種によっては非常に厳しくなってきます。国や知事から休業の要請を受けている業種については、労働者に対する賃金未払い、売掛金が回収できないというトラブルが増えることは予測できます」

 予期せぬ不安は、よからぬ犯罪を招いてしまうこともある。今後も気を引き締めて生活をしていきたい。

プレジデント編集部

 

最終更新:4/29(水) 11:16
プレジデントオンライン


コロナ禍でもなぜパチンコをやめられないのか

2020年04月29日 22時20分12秒 | 社会・文化・政治・経済
<article class="article">

大阪府などは新型コロナウイルスの感染防止のため、休業要請に応じない大型パチンコ店の施設名を公表するなどの対応を取っているが、一部の店舗では朝から営業を続けており、客足は途絶えそうにない。なぜパチンコに依存してしまうのか。オルタナSでは2013年に『私、パチンコ中毒から復帰しました (中公新書ラクレ) 』の著者・本田白寿氏に、「パチンコ中毒から抜け出すには」と題して記事を寄稿してもらった。一部編集して、再掲する。(オルタナS編集部)

パチンコ中毒は、お金を浪費することからはじまり、学業・職務怠慢、育児・家事放棄、食生活の乱れ、借金の増大、虚言癖、人間関係破綻へとつながり、時に社会的事件・犯罪、自殺につながっていく深刻な問題である。

なぜパチンコ中毒者がこのように追い込まれていくのかというと、その時々で生じる借金やうそのことを誰にも話せず、一人で抱え込むことにある。本当は誰かに相談したいのであるが、身近な家族に話せば非難されることは明らかであり、職場の同僚や友人にも恥ずかしくて話せない。

本当はどうにかしなければと本人も自覚しているのであるが、誰にも話せないため精神的な負担はどんどん膨らんでいく。精神的な負担が膨らむとそれを解消するためのごとく、さらにパチンコをしてしまい悪循環に陥ってしまうのである。

それゆえ、解決に向けての本当の第一歩は、「共感して受け入れてくれる誰かに、自分の恥ずべきこれまでの行為を洗いざらい包み隠さず話すこと」である。

本当に追い込まれている者は、これが出来るだけで「ふっ」と心が軽くなる。それが何より大切である。パチンコ中毒者は「本当はパチンコをやめたいのにやめられない」状態に陥っており、強烈な自己嫌悪に襲われている。

つまり、精神的に追い込まれ、弱っている状態なので、非難されることに耐えられない状態なのである。今から、そのような形で話を受け入れてくれる可能性が高い手段を紹介したいと思う。

まず、日本全国の各地域で行われているGA(ギャンブラーズ・アノニマス)と呼ばれる自助グループである。基本的なスタンスは、パチンコ中毒者だけで集まり、それぞれ話したいことを話す。

聞き手は決して「他の人の非難をしない」というルールが定められている。とにかく「同じ悩みを抱えている人間しか来ない」という点だけでも話しやすいだろう。

それから、RSN(リカバリーサポート・ネットワーク)と呼ばれる電話相談機関がある。ここの電話相談の最大の特徴は「パチンコ依存に特化している」点にある。
それだけに、ここではどれだけ借金の話、うそをついてきた話、周囲に迷惑をかけている話をしても、まずは冷静に話を聞いてくれるだろう。そして、その対処法についてもこれまでの相談実績に応じた提案をしてくれる可能性がある。

一つ注意したいのは、「精神科に相談に行くこと」である。インターネット上では「パチンコ依存症は『心の病気』である」といった意見が溢れている。

これを見て「自分は病気だったのか!」と思い込み、精神科を受診しても、ほとんどの精神科医は対応できないのが現状である。

「自分は『パチンコ依存症』という『病気』なんだ」と医者や家族に相談したところで、相談された方は困惑するだけだということをよく覚えておく必要がある。それであれば、まだ債務整理や自己破産を請け負っている弁護士や司法書士の方が親身に相談にのってくれる可能性が高い。借金を抱えた方はそれも一つの選択肢である。

いずれにせよ、深刻な状況に追い込まれている場合は、自分だけで抱え込まずにまずは全てを誰かに打ち明けることが重要である。

 

最終更新:4/29(水) 16:10
オルタナ

</article>
 

「コロナかかってもいい」きょうもパチンコ店に行列

2020年04月29日 22時14分24秒 | 社会・文化・政治・経済

4/29(水) 19:39配信 テレビ朝日系(ANN)

休業要請を受けながら営業を続けている仙台市内のパチンコ店。開店前から集まったたくさんの車の中には、いまだ感染者ゼロである岩手県から来た平泉ナンバーも。入り口から駐車場の奥まで続く大行列。なかには、高齢者の姿も見える中で間隔を空けている様子はありませんでした。
 福岡のスロット店でも行列が。そして、開店と同時に続々と店内へ。一方、お店の外では…。ゴールデンウィーク返上で見回りに来た県の職員と話し合いを続けるオーナー。営業自粛要請は、憲法で保障されている生存権と財産権の侵害にあたると主張します。
 店のオーナー:「要請に対しては、(我々は)違反していますよ。でも、あなたたちがやっていることって現行憲法で違反でしょ?」
 東京・葛飾区のパチンコ店では、整理券が配布されています。整理券の列なのですがかなり長い列ができています。なぜ今、パチンコを?3人の客がその理由を語りました。
 SNSで営業する店を探してきたパチンコ店の客:「パチンコ店の従業員の方も生活ある。逆にこういう店もあってもいいのでは?考え方それぞれ『右に倣え』じゃなく」
 妻と子ども(17)と暮らすパチンコ店の客:「(Q.家族にうつす不安は?)ないです!それはない!うちでは玄関に入るとビシッとやる」
 新宿区からやってきたパチンコ店の客:「私、全然コロナにかかってもいいやと思ってる」「(Q.パチンコをするとリスクは?)負けるぐらい?負けるリスク」
 なぜ、休業できないのでしょうか。28日まで営業していた店の幹部に話を聞くことができました。
 きのう(28日)まで営業していたパチンコ店の幹部:「一番は従業員の雇用とか人件費。かわいそうかなと。仲が良いので、周りの店と。飲食店の『閉めないでくれ』という要望がすごくあって。お弁当買って従業員に食事として出したり、地域に恩返しはできていると思っていた」
 しかし、29日から休業要請に応じました。
 きのう(28日)まで営業していたパチンコ店の幹部:「『いつまでやっているんですか?』という電話もすごかった。周りが閉めている分、ここに集まっている部分はある。住宅街なので(住民に)迷惑かかるかなと」
 休業した別のパチンコ店も早く休業要請に応じるよう訴えます。
 休業したパチンコ店経営者:「(客が)密接してバッシングを受けてもしょうがないような状態。業界としては、かなり悪いイメージになったので早く休業(要請)に応じてもらいたい」

最終更新:4/29(水) 21:01
テレビ朝日系(ANN)


東京で2人死亡 コロナで再入院の患者ら 4/29(水) 1:27配信

2020年04月29日 22時08分22秒 | 医科・歯科・介護

4/29(水) 1:27配信 日本テレビ系(NNN)

東京都は、新たに112人が新型コロナウイルスに感染していたことが確認されたと発表しました。都内の感染者は4000人を超え、4059人になりました。

東京都内で28日、新たに感染が確認されたのは、6歳未満の幼児から90代までの男女112人です。すでに感染が判明していた人の濃厚接触者は69人で、このうち家族や同居者といった家庭内での感染は32人でした。年代別では20代が22人と最も多くなっています。

また、新たに2人の死亡が確認されました。

都内の感染者は4000人を超えて4059人となり、このうち108人が死亡し、1261人が退院しています。

一方、新型コロナウイルスの院内感染が起きた可能性が高い墨田区にある都立墨東病院は、新たに入院患者1人の死亡と、20代の女性医師が感染したと発表しました。

死亡した患者は別の病気で墨東病院に入院し、今月中旬に退院していましたが、5日後に新型コロナの症状が出て再び入院していました。この患者が最初に入院していた病棟では、患者や医師などの感染が相次いでいます。

この病院での感染者は、43人となり、このうち患者2人が死亡しています。

また、文京区にある都立駒込病院も20代の非常勤の男性医師の感染を確認したと発表しました。

最終更新:4/29(水) 1:27


竹富、定期船すべて運休、観光客入れず 町民限定で特別便

2020年04月29日 21時56分11秒 | 社会・文化・政治・経済

4/29(水) 10:14配信 琉球新報社

 【竹富】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、竹富町内の各離島と石垣島を結ぶ定期航路が大型連休中の5月1日から6日にかけて全便停止となる。運航会社に全便停止を呼び掛けていた町が28日、発表した。観光客の入島を防ぐのが目的で、沖縄総合事務局によると、新型コロナウイルスを受けた定期航路の全便運休は県内で初めて。

 生活航路を維持するため、現行就航便は町が高速船・貨物船を借り上げて運航する。町民以外の乗船は認めない。

 町はこれまで観光客らへの乗船自粛を促すよう運航会社に求めていたが、強制力はなかった。石垣島と竹富町内を結ぶ定期便は既に、平常時の1日55便(110往復)から14便(28往復)にまで大幅に減便されている。

 西大舛高旬町長は「大型連休中で観光客が増加する可能性がある」として町民の理解を求めた。

 

 

最終更新:4/29(水) 18:05
琉球新報


日本国内の感染者9800人 NHKデータ分析

2020年04月29日 21時56分11秒 | 社会・文化・政治・経済

2020年4月24日

国内で1万人を超えた新型コロナウイルスの感染者。NHKでは、このうち4月17日までの9800人余りについて、年代や感染経路などのデータを詳しく分析しました。その結果、最近の感染拡大の特徴が見えてきました。

9852人のデータを分析

NHKは、全国の放送局を通じて自治体が発表した感染者の性別や年代、職業、感染経路などのデータを集め4月17日の時点の9852人について分析しました。

人口10万人あたりの感染者、東京に続き北陸が上位に

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感染者の実数で最も多いのは東京都、次は、大阪府ですが、人口10万人あたりでみるとまた違った順位になります。

東京都の20.1人に続くのは、石川県の14.1人、そして福井県の13.5人でした。高知県も9.0人で8番目になっていて、全国平均の7.8人を上回りました。

北陸などでなぜこのような結果になるのか。これらの地域では、特定の企業や医療機関などで集団感染とみられるケースが発生していました。地方でも感染拡大が深刻になっていることがうかがえます。

男女別・年代別で見ると 20代女性の感染者が多い

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感染者を男女別と年代別で比較します。

男性で割合が多いのは、次の年代です。

  • 40代 19.6%
  • 50代 18.8%
  • 30代 16.3%
  • 20代 14.6%
  • 60代 12.9%

男性で割合が少ないのは、次の年代です。

  • 90代以上 0.8%
  • 10歳未満 1.1%
  • 10代 1.8%
  • 80代 4.6%
  • 70代 8.8%

女性で割合が多いのは、次の年代です。

  • 20代 20.2%
  • 50代 16.2%
  • 30代 15.1%
  • 40代 14.0%
  • 60代 10.3%

女性で割合が少ないのは、次の年代です。

  • 10歳未満 1.4%
  • 10代 3.0%
  • 90代以上 3.0%
  • 80代 6.9%
  • 70代 9.3%

注目されるのは20代女性の感染の多さです。

男女別・年代別 人口あたりで見ると

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人口10万人あたりで見ると、女性で最も多い20代女性は13.4人となっています。男性で最も多い50代は13.2人となっています。

20代女性の感染がなぜ多いのか。日本感染症学会の理事長で東邦大学の舘田一博教授は、医療や介護の現場で働く人や、接客業の人たちなどに、若い世代が多い可能性を指摘したうえで、「さらに詳しい解析が必要だ。誰もが誰かに感染を起こしてしまうリスクがあるという意識で行動することが重要だ」と話しています。

発表日ごとに年代別の割合を見ると 30代以下で増加傾向

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国内の感染拡大のなかで、年代別にはどのような変化があったのか。発表日ごとの年代別の割合を3月から見てみます。

  • 3月上旬から中旬にかけては「60代以上」が多く、「30代以下」が少ない傾向で推移。
  • 3月の終わりごろからは逆に「30代以下」がほかの年代を上回り、「60代以上」が比較的少なくなる傾向になりました。これは、東京などの都市部で感染者が急増した時期と重なります。
  • その後、4月中旬以降では年代別の割合の差が小さくなる傾向になっています。

都市部と並行して高齢者の割合が高い地方でも感染が拡大したことで、世代の差が小さくなっていくのでしょうか。

感染経路が推定できる人 不明な人 その割合は

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感染経路が分からない人が増えていることについてデータから見てみます。3月下旬以降、1日ごとの割合の変化をみると、やはり、感染経路が推定できる青い色の割合が日に日に少なくなってきたのがわかります。全体の半数以下にまで減る傾向になっています。

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感染経路が推定できる人 不明な人 年代別では

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感染経路が推定できる人とできない人の割合を年代別に見てみます。

10代以下や、70代以上では推定できたケースが半数を上回ったのに対し、20代から60代では感染経路が推定できたケースが半数を下回り、とくに、30代から50代で感染経路がうかがえない傾向が顕著になっています。

感染経路が推定できる人 不明な人 職業別でも特徴が

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職業別では、介護士や介護施設の利用者などの「介護・福祉」、大学生や学校の教員など「学校・教育」、医師や看護師などの「医療関係者」などで感染経路が推定できるケースが多いのに対し、「飲食・接客」や「会社員など」は感染経路が推定できる割合が少ない傾向となっています。

感染者の職業は半数程度しか公表されず、職業の分類も自治体によって異なるため、あくまで参考のデータですが、病院や介護施設といった感染経路が推定しやすいケースと、飲食・接客のような不特定多数の人に接するケースとで、傾向に違いが出ているといえそうです。

専門家はどう見る

今回の分析結果について、日本感染症学会の理事長で東邦大学の舘田一博教授は次のように話しています。

《地方でも感染が増えていることについて》
「人口が多いところで患者数が多くて、その後、地方にと考えていたが、ある地域では3密を起こしやすい環境が作られている可能性がある。今は感染のまん延期なので誰でも感染してもおかしくない状況だ。患者数の多い都心から地方に移動した人を中心に集団感染が起きてしまう可能性があるので注意が必要だ」

《20代女性の割合や40代男性の割合が多いことについて》
「この感染症は人と人との接触で感染のリスクが高まるのでさらに詳しい解析が必要だ。40代、50代の男性は働き盛りで多くの人に会い、移動もする。夜の街に出て行く機会も多いのかもしれない」

《データ全体から言えること》
「男女、年代にかかわらず、誰でも感染を受けるリスクがあるし、誰もが誰かに感染を起こしてしまうリスクがあるという意識で行動することが重要だ」