峠おやじの「たわごと」

峠、自転車、キャンピングカー、野菜、園芸、時事ネタなどをぼやいてます。

土砂災害と洪水は『上流域の植えない森』で防ぐ

2020年07月22日 | 時事ネタ
いまだに熊本・福岡・大分の線状降水帯豪雨と川の氾濫の処理が進んでいません。気象庁は盛んに「何十年に一度」と報じていますが、2017年九州北部豪雨でも福岡県大分県で同じような洪水が起こった記憶があります。結局毎年じゃないですか(~_~)

先回の「何十年に一度」記事で貯留とか遊水池とか平地の対策は考えたものの、山間での対策が考えきれませんでした。昔からよく言われてきた「緑のダム」すなわち森林が最も有効には違いないのです。人工のダムでは急流の日本では2~30年もすると堆積土砂で貯水量が保てなくなります。その前に流木が出ない山、山崩れが起きない山にならないといけません。

そんな問題の答えになるのが球磨川の上流、水上村で生まれ子供時代を過ごした平野虎丸さんの主張です。ブログ『森林・森林整備・森林保全・森林環境税・森づくり・森林バンクは国民のためにならない』によると、挿し木のスギ・ヒノキによる大量植林がこれらの元凶になっていると唱えておられます。その主張は

実生でない挿し木苗は直根がないため地中深く根を張らず、台風・大雨には根こそぎ倒れ、被害が大きくなる。おなじ理由で広葉樹でもダメ、皆伐したあと自然放置すれば地質・地形に即した植生になる。

です。ブログ記事から引用します。
2005年09月09日のもの。14号台風による土砂崩れ、崩れるスギ山



写真は、10年ほど昔のものですが、右や下側の雑木は、崩壊していません。早く気が付いて欲しいですね。挿し木スギ山の恐ろしさを。台風のたびに、大雨のたびにスギの流木被害があるのに、見てみぬフリは許されません。スギの木はどんなに大きくても、根っこは張っていませんから、簡単にひっくりかえります。

昨年2回の大きな台風では、熊本県でも沢山のスギの木が倒れました。倒木は、まだ、そのままになっています。エコ学習公園の柿の木なども、台風のたびに枝が折れたりしていますが、根こそぎ倒れることはありません。スギの木が倒れるのは、挿し木のために根が張っていないのが原因です。

実生の木々は、直根が地中深く入って、縦横無尽に根が張り巡らされていますから、簡単には根こそぎひっくり返らないのです。ひっくり返らないから、枝を落とすのです。



挿し木と実生の根


挿し木の根の特徴
左図のように根は横に伸びる習性を持っていて、直根に変わるものは出ない。枝から根を出すので、実生とは全く根の性質が違います。

実生直根の特徴
種は、根を地下深く侵入させ、地上部は天に向かって伸びる性質を持って、自分の身を守っています。
地下深く侵入している根がなければ、数千年の風雪に耐えることができないと思います。

図のように、石などの障害物がある場合は横に這い、下へ侵入する場所を見つければ、また、下へと向かいます。地上部が倒れても、再び天に向かって伸びていくことと同じです。直根が雨水を地下水に送る役割を果たしていますし、根に貯めた水で、干ばつの時にも生き延びることができます。これは自然の叡智です。私は子供のころから林業に携わってきましたし、林道工事などで、こういう直根の姿を数多く見てきました。

人間が自分たちの欲得でつくった挿し木の樹木は、自然がつくった樹木と全く違うものなのです。雑草や実生樹木は、山崩れや土砂崩れを防ぐために生えています。これをいたずらに伐採して、偽物の樹木を山全体に植えてしまったために、多くの土砂崩れを招いているのです。


拙い私の文章力で要約するより原文をそのまま引用した方が説得力があると思い、長々とコピーさせてもらいました。その理論を実証するため平野虎丸さんは自身で山を取得し、植えない山を実践してらっしゃいます。そんな平野さんは今年の球磨川水害について

『国や行政・森林組合はスギを植えることが防災に繋がると信じているのですから、どうにもなりません。もし、これが土砂災害や洪水の原因だと知っていて森林整備を続けているのなら、国は国民を殺しにかかっているとしかいいようがありません。』

とさえ書かれています。たしかに峠漁りに行っても杉林の山道には下草がなくて暗く、生物多様性はありません。園芸でもダイコンやニンジンのような直根を食べるものは種まき(実生)で育てますが、園芸品種の木々を増やすには挿し木や接ぎ木で同じ形質のものを大量に作り出します。そういう園芸技術は平地だから通用するテクニックなのですね。

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