キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

青木繁展の感想

2011年08月25日 | ☆旅行─東京散歩
そういえば感想を書いていなかった。
自分用の記録として、思ったことをメモしておく。

★青木は「絵が好きでスキで!絵しかかけなくて!どう考えても画家になる運命」というような画家ではなく、「いろいろな仕事があるけれど、男子一生の仕事として、芸術こそがふさわしい、芸術家になる!」と決意して画家になったヒト。
もちろん、才能や好みもあったとは思うけれど、それ以上に意志の力が大きいように想像する。

★「海の幸」や「わだつみのいろこの宮」のような展覧会向けの絵はサイズが大きいが、ほかはスケッチ程度の小さいものばかり。28歳で亡くなっているし、ちゃんと完成した絵も少ない。もったいない。九州に戻ってからは肖像画が多い。生活のために肖像画を描いていたのかな?

★漫画風な絵がいくつかあって、ほほえましかった。
もう明治にはこういうものがあったんだな~。

★「合作」他人の絵に勝手に筆を入れる(悪い)クセがあった模様。
芸術の僕になってしまうと、ヒトの世の礼儀、常識とは別の基準で生きることになるのだな~。同時代にあって、付き合うヒトは大変だけれども、後世に残された絵を見るわれわれにとっては、興味深いことになる。

★絶筆の「朝日」。これまでのどの絵とも雰囲気の違うもので、ヒトは(あるいは一部の天才的な芸術家は)死ぬ前になにか死のエネルギー(生のエネルギーと同義)がほとばしるのかもしれない。本人は、自分の不遇を嘆いていたのかもしれないが、無意識の中で何ラカの境地に達しているのではないかと思えた。



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