キカクブ日誌

熊本県八代市坂本町にある JR肥薩線「さかもと駅」2015年5月の写真です。

狐と僧 (半七捕物帳)

2017年02月25日 |   └─半七捕物帳
Audibleの朗読版
(ナレーター: 森沢 幸)

あらすじ
谷中の時光寺の住職・英善が戻らないので皆で心配していたところ、寺そばの溝で英善の袈裟や法衣をつけた狐が死んでいるのがみつかった。英善がゆうべこの狐にたぶらかさたのか、或いはその以前から狐が住職になり澄ましていたのか‥「泣くことはねえ。おれがその仇を取ってやる」・・幕末の江戸を舞台に、人情に篤いがクールな知性派、岡っ引きの半七親分が大活躍!

ネタバレしますよ。

朗読時間30分ちょっとの短いお話。
短いけれど、狐が人に化ける話、寺社方の話、甲州街道宿場の様子などなど盛りだくさん。

この話がちょっと爽やかな印象があって読後感がいいのは、登場人物に魅力があるから。宮部みゆきの時代小説に出てきそうな、頭のいい少年が登場します。宮部みゆきだと、ありえないくらいにこの少年を活躍させるところでしょうけど、岡本綺堂さんはそんなことはしません(笑)

出てくる甲州街道の地名~
新宿、府中、日野、八王子、駒木野、小仏、小原、与瀬、吉野、関野、上の原、鶴川、野田尻、犬目、下鳥沢、鳥沢、猿橋~
猿橋と言えば、落語「鰍沢」に出てくるあそこですよね。
その方面にある本山を目指していくというわけだから、日蓮宗のお話なのかな?


地の文で「半七はかれに何事かを教えてやった」とか、詳細を隠すような表現がある。
ここはちょっとアンフェアでは?と思いました。
ト書き部分で途中の大事な話を端折って先に進むところ、クリスティの「アクロイド殺し」っぽい。ミステリーの手法としては最後の種明かしの部分を劇的ににするため、途中では大事な手がかりを伏せておきたいわけです。その方が読者も楽しい。ホームズ物語だと、途中でホームズがつかむ手掛かりは書き手のワトスンにも知らされていないので、その辺フェアだと感じるけど、半七の昔語りという設定であるこのシリーズでは時々難しくなることもあります。ドイルの設定した「ワトスン」という語り手のなんとうまく機能していることかと改めて感心させられます。

なんだかケチをつけるようなことを書いてしまいましたが、半七捕物帳は面白いですよ。

半七で学ぶ江戸文化
・籠の数え方「一挺、二挺(ちょう)」


 →青空文庫「狐と僧」へ


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