先生の率いるこの研修旅行には歌がつきものらしいとは聞いていた。
「教会とかに入っていってさ、まん真ん中で堂々と歌うんだ。そうしたら誰も怪しまない。歌は賛美歌だから、神にささげるということになり問題ないしね」と先生が楽しそうに話してくれる。
前半組の皆さんはドイツ各地で歌って来たらしい。果たして、後半組にもそのチャンスはあるのか?
先生は文学者で昔話の研究者だが、若い頃からコーラスをやってこられた。
高校時代に合唱部を作ったり(先生は新制高校の一期の世代)大学の先生になってからも合唱サークルを主宰して指導したり。ご自身のドイツ赴任時代には街のセミプロのバッハ合唱団に所属していたのだとか。
最近まで知らなかったのだけど、作曲などもされてて、先生のラジオ番組のBGMは、先生の手によるもの。
さて、ドレスデンについた夜のこと。
夕食後ホテルに戻る道すがら川沿いのブリュールのテラスを何人かでそぞろ歩いていると、向こうの方からコーラスが聴こえてくる。耳を澄ますと、聞き覚えのあるメロディー。25周年秋田大会で聴いたあの賛美歌だ。
近づいていくと果たせるかな、先生と10数人の仲間たちがエルベ川の辺りで歌っている。
早速我々も合流。
先生は中心で指揮をする。
こんな時でもとても真剣、
「皆照れずに真剣にやろうぜ。真面目に歌わなきゃきれいな音にならない。みんなもっと小さな円になって、!音が散らばらないように。人の音を聞いて!テンポを合わせて!」と渾身の指揮。前半の旅から参加してる人たちは、呼吸ぴったり。先生の意図をすぐに理解する。我々後半から参加したメンバーも、その雰囲気についていく。
なるほど、真面目に歌うと楽しい。
(ブリュールのテラス夜景)
このテラスは、川沿いの遊歩道になっていて、観光客も多く、大道芸人もいる。歌う我々の周りにはいくらかの聴衆が足を止め、歌い終わると拍手が起こった。
気持ちいいな。
翌日午前中。
ホテル前にあるフラウエン教会前の広場へ。ここで、この教会の歴史について先生から説明を受ける。
前の記事に書いた爆撃破壊から再建に至る歴史を東独時代にここを訪れた事もある先生の体験も交えての話で身を乗り出してきく。このためにこの旅行に参加したのだ。
(先生の説明を現場できく。修学旅行だ!)
先生の話が一通り終わる。次の行程はドレスデン城の「緑の丸天井」の見学で少し時間があるらしい。すると先生が「歌おうか?」鶴の一声。
皆、ゴソゴソと楽譜を取り出す。
そう、旅行初日に「ドイツ語会話メモ」とともに楽譜が配られていた。
昨夜と同様、先生がみんなを指揮する。「小さな塊になろう。音が散らばらないように。人の声をきいて。テンポが遅くならないように」最初に各パートで音を取る。初心者は皆主旋律を歌う。50人を超える歌声、素人でもそれなりにいい音になる。
ここは、ドレスデン一の観光名所、歌い終わると周りから拍手が。こういうのがヨーロッパなんだなぁ。
先生はこの教会の中でも歌えないものかと考えていらしたが、時間の問題もあり実現しなかった。残念。前半組の人はライプツィヒのバッハゆかりのトーマス教会でも歌ったらしい。(タイミングがあうかの問題)羨ましいな〜。
ウィーンの最後の夜。
さよならパーティーをしたのは地下のワイン蔵みたいな石造りのレストランだった。
そこでも「最後に歌おうぜ」ということになり、皆で歌った。三回目だったので私はアルトに移って歌った。建物の構造的にとても音が響いてきれいだった。いつでもどこでも複数の人がいればできるハーモニー。
(いかにも音が響きそう)
歌い終わって先生がひとこと。
「うん、きれいだ」
先生がコーラスをお好きなのがわかる気がした。
「教会とかに入っていってさ、まん真ん中で堂々と歌うんだ。そうしたら誰も怪しまない。歌は賛美歌だから、神にささげるということになり問題ないしね」と先生が楽しそうに話してくれる。
前半組の皆さんはドイツ各地で歌って来たらしい。果たして、後半組にもそのチャンスはあるのか?
先生は文学者で昔話の研究者だが、若い頃からコーラスをやってこられた。
高校時代に合唱部を作ったり(先生は新制高校の一期の世代)大学の先生になってからも合唱サークルを主宰して指導したり。ご自身のドイツ赴任時代には街のセミプロのバッハ合唱団に所属していたのだとか。
最近まで知らなかったのだけど、作曲などもされてて、先生のラジオ番組のBGMは、先生の手によるもの。
さて、ドレスデンについた夜のこと。
夕食後ホテルに戻る道すがら川沿いのブリュールのテラスを何人かでそぞろ歩いていると、向こうの方からコーラスが聴こえてくる。耳を澄ますと、聞き覚えのあるメロディー。25周年秋田大会で聴いたあの賛美歌だ。
近づいていくと果たせるかな、先生と10数人の仲間たちがエルベ川の辺りで歌っている。
早速我々も合流。
先生は中心で指揮をする。
こんな時でもとても真剣、
「皆照れずに真剣にやろうぜ。真面目に歌わなきゃきれいな音にならない。みんなもっと小さな円になって、!音が散らばらないように。人の音を聞いて!テンポを合わせて!」と渾身の指揮。前半の旅から参加してる人たちは、呼吸ぴったり。先生の意図をすぐに理解する。我々後半から参加したメンバーも、その雰囲気についていく。
なるほど、真面目に歌うと楽しい。
(ブリュールのテラス夜景)
このテラスは、川沿いの遊歩道になっていて、観光客も多く、大道芸人もいる。歌う我々の周りにはいくらかの聴衆が足を止め、歌い終わると拍手が起こった。
気持ちいいな。
翌日午前中。
ホテル前にあるフラウエン教会前の広場へ。ここで、この教会の歴史について先生から説明を受ける。
前の記事に書いた爆撃破壊から再建に至る歴史を東独時代にここを訪れた事もある先生の体験も交えての話で身を乗り出してきく。このためにこの旅行に参加したのだ。
(先生の説明を現場できく。修学旅行だ!)
先生の話が一通り終わる。次の行程はドレスデン城の「緑の丸天井」の見学で少し時間があるらしい。すると先生が「歌おうか?」鶴の一声。
皆、ゴソゴソと楽譜を取り出す。
そう、旅行初日に「ドイツ語会話メモ」とともに楽譜が配られていた。
昨夜と同様、先生がみんなを指揮する。「小さな塊になろう。音が散らばらないように。人の声をきいて。テンポが遅くならないように」最初に各パートで音を取る。初心者は皆主旋律を歌う。50人を超える歌声、素人でもそれなりにいい音になる。
ここは、ドレスデン一の観光名所、歌い終わると周りから拍手が。こういうのがヨーロッパなんだなぁ。
先生はこの教会の中でも歌えないものかと考えていらしたが、時間の問題もあり実現しなかった。残念。前半組の人はライプツィヒのバッハゆかりのトーマス教会でも歌ったらしい。(タイミングがあうかの問題)羨ましいな〜。
ウィーンの最後の夜。
さよならパーティーをしたのは地下のワイン蔵みたいな石造りのレストランだった。
そこでも「最後に歌おうぜ」ということになり、皆で歌った。三回目だったので私はアルトに移って歌った。建物の構造的にとても音が響いてきれいだった。いつでもどこでも複数の人がいればできるハーモニー。
(いかにも音が響きそう)
歌い終わって先生がひとこと。
「うん、きれいだ」
先生がコーラスをお好きなのがわかる気がした。