突然ですが、今回も番外編です。
度々、コメントを寄せていただいているテッチーさんが小学生の娘にねだられて猫を飼い始めました(どこの父親も娘には弱い?)。
男の子だそうですが、そういえば名前が聞いていなかったことに今になって気づくたっちー(教えてくれ~)。
案の定、子どもよりもテッチーさんになついている模様。
テッチーさんの仕事部屋のイスを占拠したかと思えば、夜には布団の中にもぐりこんで鳴いているので、すっかり寝不足気味とのこと。
テッチーさんが親バカに猫バカがプラスされるのは時間の問題かと思われます。
ちなみに、この写真は寝起きの顔です。
うるうるした瞳がかわいい~!
度々、コメントを寄せていただいているテッチーさんが小学生の娘にねだられて猫を飼い始めました(どこの父親も娘には弱い?)。
男の子だそうですが、そういえば名前が聞いていなかったことに今になって気づくたっちー(教えてくれ~)。
案の定、子どもよりもテッチーさんになついている模様。
テッチーさんの仕事部屋のイスを占拠したかと思えば、夜には布団の中にもぐりこんで鳴いているので、すっかり寝不足気味とのこと。
テッチーさんが親バカに猫バカがプラスされるのは時間の問題かと思われます。
ちなみに、この写真は寝起きの顔です。
うるうるした瞳がかわいい~!
昨日、ご紹介した福々しい猫の側にいました。
まだ生後半年くらいでしょうか。
名前は、わかめちゃんだそうです。
気が向くと遊んでくれますが、すぐに飽きるのが難点。
とってもかわいくてアイドル的な存在です。
猫おばさんの「そろそろ里親を…」という声が聞こえてきました。
お近くにお住まいで、飼ってもいいと思われる方は是非一度見に行ってください。
身体の模様がとっても綺麗でかわいいーですよぉ~!
この猫たちのいる場所に、やっと目が開いたばかりの生後間もない黒猫が2匹、カゴに入れられていました。
カゴに入れておかないと、カラスに襲われてしまうのだそうです。
とってもかわいかったのですが、あまりにもかわいくて接触してしまうと連れてきてしまいそうだったので、カゴ越しに見ていました。
以前、クロちゃんとの2匹飼いに失敗しているのに、一瞬「子猫なら西子も許してくれるかな?」などと考えていることに気づくたっちー。うーん、ヤバイ…。
まだ生後半年くらいでしょうか。
名前は、わかめちゃんだそうです。
気が向くと遊んでくれますが、すぐに飽きるのが難点。
とってもかわいくてアイドル的な存在です。
猫おばさんの「そろそろ里親を…」という声が聞こえてきました。
お近くにお住まいで、飼ってもいいと思われる方は是非一度見に行ってください。
身体の模様がとっても綺麗でかわいいーですよぉ~!
この猫たちのいる場所に、やっと目が開いたばかりの生後間もない黒猫が2匹、カゴに入れられていました。
カゴに入れておかないと、カラスに襲われてしまうのだそうです。
とってもかわいかったのですが、あまりにもかわいくて接触してしまうと連れてきてしまいそうだったので、カゴ越しに見ていました。
以前、クロちゃんとの2匹飼いに失敗しているのに、一瞬「子猫なら西子も許してくれるかな?」などと考えていることに気づくたっちー。うーん、ヤバイ…。
お天気の良い日曜日に、自転車を飛ばしてよく遊びに行くの善福寺緑地・和田掘公園。
和田掘公園内の一角で、地域の猫おばさん(何度目かの注釈ですが、俗称です)が、捨てられた猫たちの世話をしています。
今回の写真の猫も、そのうちの1匹。
黄色いふかふかの座布団に鎮座した姿が、なんとも福々しいミャンコ。
とっても、おとなしくて、人懐っこいです。
猫小屋も完備されているので、この猫も東京都民?
和田掘公園内の一角で、地域の猫おばさん(何度目かの注釈ですが、俗称です)が、捨てられた猫たちの世話をしています。
今回の写真の猫も、そのうちの1匹。
黄色いふかふかの座布団に鎮座した姿が、なんとも福々しいミャンコ。
とっても、おとなしくて、人懐っこいです。
猫小屋も完備されているので、この猫も東京都民?
東京は、夏日を記録するなど、すっかり季節が移り変わってきました。
GW後半の日中は、暑い日が続いています。
僕の住んでいるアパートは、JRと東京メトロの駅のどちらに行くにアクセスがよくとっても便利なのですが、日当たりが悪いのが難点。しかし、その日当たりの悪さが功を奏し、暑い日もやや涼しく過ごせます。そのせいか、西子は相変わらず、ファー付きの猫ベッドで電気アンカを抱くようにして過ごしています。しかし、さすがに日中は暑いときもあるようで、のそのそと這い出て畳でごろん。体温が下がると再び猫ベッドへ。最近は、このように猫ベッドと畳を往復しながら、怠惰な日々を送っているようです。
アンカ入りの猫ベッドも畳でごろんも、とっても居心地がいいようですが、やっぱり西子のお気に入りの場所は膝の上。僕の膝の上に乗って、ナデナデされているときが、西子にとって至福のときのようで、相変わらず自分勝手に膝を求めて「あおーん」を連発します。
でも、最近はやっぱり抜け毛の季節。頭からシッポの方向に向けてナデナデしていると、シッポの付け根あたりに抜け毛くんが大集合。その都度、取ってはいるのですが、尽きることのない抜け毛くん。さらに、履いているズボンにも、大量に付着します。あんまり抜けるので「禿ちゃうんじゃないかな?」って心配になって、抱き上げて西子を点検しましたが、その心配はなさそうです。
こんな感じですから、最近は西子と西子の抜け毛くんとの生活を余儀なくされている飼い主・たっちー。「きっと、僕の身体の中にも西子の毛が取り込まれているんだろうなぁ。そのうち僕も毛玉を吐くかも?」などと思っていました。
そんなある日の朝。会社に行こうと思い、スーツを見たら西子の抜け毛がびっしり。しかも、毛が付着していることがとってもわかりやすい紺のスーツだったものですから、その姿は、まるでスーツにうぶ毛が生えたかのようでした。
「部屋に無防備に吊るしていた僕も悪いけど、こんなにアカラサマにくっつくことないじゃないかー」などと叫びながら、朝のあわただしい時間帯に猫の毛取りに追われる僕。
当分の間、たっちーVS抜け毛くんの争いが続くことになりそうです。
GW後半の日中は、暑い日が続いています。
僕の住んでいるアパートは、JRと東京メトロの駅のどちらに行くにアクセスがよくとっても便利なのですが、日当たりが悪いのが難点。しかし、その日当たりの悪さが功を奏し、暑い日もやや涼しく過ごせます。そのせいか、西子は相変わらず、ファー付きの猫ベッドで電気アンカを抱くようにして過ごしています。しかし、さすがに日中は暑いときもあるようで、のそのそと這い出て畳でごろん。体温が下がると再び猫ベッドへ。最近は、このように猫ベッドと畳を往復しながら、怠惰な日々を送っているようです。
アンカ入りの猫ベッドも畳でごろんも、とっても居心地がいいようですが、やっぱり西子のお気に入りの場所は膝の上。僕の膝の上に乗って、ナデナデされているときが、西子にとって至福のときのようで、相変わらず自分勝手に膝を求めて「あおーん」を連発します。
でも、最近はやっぱり抜け毛の季節。頭からシッポの方向に向けてナデナデしていると、シッポの付け根あたりに抜け毛くんが大集合。その都度、取ってはいるのですが、尽きることのない抜け毛くん。さらに、履いているズボンにも、大量に付着します。あんまり抜けるので「禿ちゃうんじゃないかな?」って心配になって、抱き上げて西子を点検しましたが、その心配はなさそうです。
こんな感じですから、最近は西子と西子の抜け毛くんとの生活を余儀なくされている飼い主・たっちー。「きっと、僕の身体の中にも西子の毛が取り込まれているんだろうなぁ。そのうち僕も毛玉を吐くかも?」などと思っていました。
そんなある日の朝。会社に行こうと思い、スーツを見たら西子の抜け毛がびっしり。しかも、毛が付着していることがとってもわかりやすい紺のスーツだったものですから、その姿は、まるでスーツにうぶ毛が生えたかのようでした。
「部屋に無防備に吊るしていた僕も悪いけど、こんなにアカラサマにくっつくことないじゃないかー」などと叫びながら、朝のあわただしい時間帯に猫の毛取りに追われる僕。
当分の間、たっちーVS抜け毛くんの争いが続くことになりそうです。
GWを利用して実家へ。といってもたっちーの実家は、東京へも通勤圏内の茨城県・取手。現在のたっちーの住所である東京都杉並区からJRを乗りついて1時間30分程度の距離。実家に行くのは年に3回程度、それぞれ1泊がいつものコースになっています。1泊以上してもいいんですけど、西子もいるので、あまり長居せずに帰っています。
このため、今回もGWの後半に1泊。しばし西子とお別れ。年に何回かある離ればなれの一夜を過ごすことになりました。出発前も、西子は相変わらず膝を求めて「あおーん」を連発。僕はしばしの別れを惜しみ、膝に乗せてナデナデ。程なくすると、西子も気が済んだのか、水を飲みに行ったのをきっかけに猫ベッドへ。僕に背を向けて、すやすやと寝てしまいました。
「西子、ひとりでお留守番、よろしくね」
そう声をかけて、背中をひとナデふたナデして家をでました。
西子が独りで一夜を明かすことは年に何度かあるので、心配することもないのですが、夜、寝るころになると、フッとした瞬間にやっぱり気になってしまいます。実は、とっても心配性の飼い主・たっちー。泥棒に入られても盗まれるほどの財産はありませんが、西子に危害を加えられるようなことがあったら一大事…などとつい考えてしまいます。
実家の布団の中で「大丈夫かな?」などを思った瞬間、西子を腕枕しているときと同じ体勢で寝ていることに気づく僕。
膝フェチで何かというと「あおーん」とうるさい西子が、僕の心をここまで侵食しているとは…。猫の魅力、恐るべしです。
なお、翌日の昼過ぎに帰宅。西子の反応は、いたっていつもどおりでした。結局、僕が心配するほど、西子は寂しがっていないよう…。ほっとしつつも、やっぱりちょっそ寂しい飼い主・たっちーでした。
あっ! それから念のために付け加えますが、僕が家を空けるのは、実家や出張、旅行に行くなどの場合だけです。別に、悪さしているわけではありません。念のため…。
このため、今回もGWの後半に1泊。しばし西子とお別れ。年に何回かある離ればなれの一夜を過ごすことになりました。出発前も、西子は相変わらず膝を求めて「あおーん」を連発。僕はしばしの別れを惜しみ、膝に乗せてナデナデ。程なくすると、西子も気が済んだのか、水を飲みに行ったのをきっかけに猫ベッドへ。僕に背を向けて、すやすやと寝てしまいました。
「西子、ひとりでお留守番、よろしくね」
そう声をかけて、背中をひとナデふたナデして家をでました。
西子が独りで一夜を明かすことは年に何度かあるので、心配することもないのですが、夜、寝るころになると、フッとした瞬間にやっぱり気になってしまいます。実は、とっても心配性の飼い主・たっちー。泥棒に入られても盗まれるほどの財産はありませんが、西子に危害を加えられるようなことがあったら一大事…などとつい考えてしまいます。
実家の布団の中で「大丈夫かな?」などを思った瞬間、西子を腕枕しているときと同じ体勢で寝ていることに気づく僕。
膝フェチで何かというと「あおーん」とうるさい西子が、僕の心をここまで侵食しているとは…。猫の魅力、恐るべしです。
なお、翌日の昼過ぎに帰宅。西子の反応は、いたっていつもどおりでした。結局、僕が心配するほど、西子は寂しがっていないよう…。ほっとしつつも、やっぱりちょっそ寂しい飼い主・たっちーでした。
あっ! それから念のために付け加えますが、僕が家を空けるのは、実家や出張、旅行に行くなどの場合だけです。別に、悪さしているわけではありません。念のため…。
ミーは、間一髪のところで、助かりました。
助けるのがもう少し遅れていたら、死んでしまったことでしょう。
ミーは、泣きながら、何度も何度もレイにお礼を言った後、ほっとして気絶するように倒れてしまいました。レイは、その様子を見ると、足早にその場を立ち去っていきました。
しばらくして、ミーが目を覚ますと、そこにはタビがいました。
「レイが、火事から君を助け出すところを見たんだ。怪我はないかい?」
ミーは、タビの声を聞いくと、何だか安心してぽろぽろと涙を流しながら大きな声で泣いていました。
そのころ、レイはひどく落ち込んでいました。
心配していたようにレイの自慢の長い毛は炎に焼かれ、ぼろぼろになっていました。その姿をみんなに見られるのが嫌で、ミーを助け出すと、逃げるようにその場を走り去っていったのでした。
レイは、川面に自分の姿を何度も何度も写して見ました。でも何度見ても、その姿はやっぱりぼろぼろです。レイは、小さく丸まって何時間もしくしくと泣き続けていました。
「これで、もうだれも私のことを素敵だなんて言ってくれないわ」
寂し気に、ぽつりとそう囁くと、1匹のネコが後ろから声をかけてきました。
「大丈夫かい? ケガはないかい?」
その声の主は、タビでした。
「あっちに行って!」
レイは、ぼろぼろになった自分の姿を見られたくなくて、草むらに身を隠しました。
タビは、レイが身を隠す動きを見て、後ろ足に怪我を負っていることに気付きました。
「後ろ足を怪我しているようだね」
「うるさいわね。放っておいてよ。もう、私なんか、もうどうなってもいいのよ」
レイが、自棄になったようにそう叫ぶと、タビの後ろからミーゆっくりと姿を表わしました。
「レイ、助けてくれて本当にありがとう。私のせいでこんなことになってしまって、ごめんね」
ミーはそう言うと、ゆっくりとレイに近付き、怪我をしている後ろ足を優しく嘗め始めました。ミーは「ありがとう」と「ごめんね」を繰り返しながら、優しく、優しく、ケガをした後ろ足を嘗め続けました。すると、レイもだいぶ落ち着きを取り戻したようでした。
「いいのよ、ミー。ありがとう」
2匹のネコは、かばい合うように身を寄せ合い、静かにやさしい眠りにつきました。
タビは、その様子を見ると、ゆっくりと川下の方に去っていきました。
(おわり)
作者たっちーから:本当に大事なもの・大切なものは、目には見えません。レイは、大切にしていた自慢の長い毛を無くしてしまいましたが、変わりに目に見えない本当に大切なものを手に入れたのかもしれません。
助けるのがもう少し遅れていたら、死んでしまったことでしょう。
ミーは、泣きながら、何度も何度もレイにお礼を言った後、ほっとして気絶するように倒れてしまいました。レイは、その様子を見ると、足早にその場を立ち去っていきました。
しばらくして、ミーが目を覚ますと、そこにはタビがいました。
「レイが、火事から君を助け出すところを見たんだ。怪我はないかい?」
ミーは、タビの声を聞いくと、何だか安心してぽろぽろと涙を流しながら大きな声で泣いていました。
そのころ、レイはひどく落ち込んでいました。
心配していたようにレイの自慢の長い毛は炎に焼かれ、ぼろぼろになっていました。その姿をみんなに見られるのが嫌で、ミーを助け出すと、逃げるようにその場を走り去っていったのでした。
レイは、川面に自分の姿を何度も何度も写して見ました。でも何度見ても、その姿はやっぱりぼろぼろです。レイは、小さく丸まって何時間もしくしくと泣き続けていました。
「これで、もうだれも私のことを素敵だなんて言ってくれないわ」
寂し気に、ぽつりとそう囁くと、1匹のネコが後ろから声をかけてきました。
「大丈夫かい? ケガはないかい?」
その声の主は、タビでした。
「あっちに行って!」
レイは、ぼろぼろになった自分の姿を見られたくなくて、草むらに身を隠しました。
タビは、レイが身を隠す動きを見て、後ろ足に怪我を負っていることに気付きました。
「後ろ足を怪我しているようだね」
「うるさいわね。放っておいてよ。もう、私なんか、もうどうなってもいいのよ」
レイが、自棄になったようにそう叫ぶと、タビの後ろからミーゆっくりと姿を表わしました。
「レイ、助けてくれて本当にありがとう。私のせいでこんなことになってしまって、ごめんね」
ミーはそう言うと、ゆっくりとレイに近付き、怪我をしている後ろ足を優しく嘗め始めました。ミーは「ありがとう」と「ごめんね」を繰り返しながら、優しく、優しく、ケガをした後ろ足を嘗め続けました。すると、レイもだいぶ落ち着きを取り戻したようでした。
「いいのよ、ミー。ありがとう」
2匹のネコは、かばい合うように身を寄せ合い、静かにやさしい眠りにつきました。
タビは、その様子を見ると、ゆっくりと川下の方に去っていきました。
(おわり)
作者たっちーから:本当に大事なもの・大切なものは、目には見えません。レイは、大切にしていた自慢の長い毛を無くしてしまいましたが、変わりに目に見えない本当に大切なものを手に入れたのかもしれません。
そんなことがあってから1週間ほど経ったある日のこと、レイが散歩をしていると、もくもくと煙りが沸き上がっている一件の倉庫を見つけました。
火事です。
レイは、びっくりして近付いていきました。
すると、中から弱々しく助けを求めるネコの声が聞こえました。
「苦しい、助けて…」
ミーの声です。ミーは、この倉庫に住み着いていたのでした。
「ミー、早く出てきなさいよ。こっち、私の声のする方に来て」
レイは、一所懸命に声をかけるのですが、ミーは炎と煙に巻かれ動揺しています。そのうえ、少しずつミーに近付いていく炎の大きな音が、レイの声を遮り、うまくミーに届きません。
こうしている間にも、炎はどんどん広がっていきます。レイは、必死に呼び掛けましたが、返事が帰ってきません。
「助けなくては…」
レイは、そう思いつつも、炎の中に入ることを躊躇っていました。それは、炎が恐いからだけではありませんでした。
「ミーには、この間、随分、ひどいことを言われたし…。それに、こんな火の中に入ったら、私の自慢の毛が台なしになってしまうわ」
レイは、そう思っていました。しかし、周りを見回しても、だれもいません。一所懸命に、呼び掛けてみましたが、だれも現れそうありません。このままでは、ミーは、焼け死んでしまいます。炎はどんどん勢いを増して燃え広がっていますが、レイはうろうろするばかりです。
「どうしよう…」
レイが、そう囁いた次の瞬間に、炎の音をかいくぐるようにミーの声がしました。
「助けて…」
それはミーが最後の力を振り絞った声でした。その声を聞いた瞬間、レイは炎の中に飛び込んでいきました。
(つづく)
火事です。
レイは、びっくりして近付いていきました。
すると、中から弱々しく助けを求めるネコの声が聞こえました。
「苦しい、助けて…」
ミーの声です。ミーは、この倉庫に住み着いていたのでした。
「ミー、早く出てきなさいよ。こっち、私の声のする方に来て」
レイは、一所懸命に声をかけるのですが、ミーは炎と煙に巻かれ動揺しています。そのうえ、少しずつミーに近付いていく炎の大きな音が、レイの声を遮り、うまくミーに届きません。
こうしている間にも、炎はどんどん広がっていきます。レイは、必死に呼び掛けましたが、返事が帰ってきません。
「助けなくては…」
レイは、そう思いつつも、炎の中に入ることを躊躇っていました。それは、炎が恐いからだけではありませんでした。
「ミーには、この間、随分、ひどいことを言われたし…。それに、こんな火の中に入ったら、私の自慢の毛が台なしになってしまうわ」
レイは、そう思っていました。しかし、周りを見回しても、だれもいません。一所懸命に、呼び掛けてみましたが、だれも現れそうありません。このままでは、ミーは、焼け死んでしまいます。炎はどんどん勢いを増して燃え広がっていますが、レイはうろうろするばかりです。
「どうしよう…」
レイが、そう囁いた次の瞬間に、炎の音をかいくぐるようにミーの声がしました。
「助けて…」
それはミーが最後の力を振り絞った声でした。その声を聞いた瞬間、レイは炎の中に飛び込んでいきました。
(つづく)
レイが、ぷりぷり怒りながら歩いていると、屋根の上でのんびりと日向ぼっこをしている1匹のネコに出会いました。白い毛に4本の足先としっぽの先だけにグレーの毛の生えているネコ。タビです。
レイは、日向ぼっこをしているタビの前を、ちょっと大袈裟に自慢の毛をなびかせながら横切ってみました。タビをうっとりとさせて、少しでも気分を晴らそうと思ったのでした。しかし、タビはうっとりするどころか、大きなあくびをひとつしただけでした。
レイは、頭にきてタビに言いました。
「レディーの前で、そんなに大きな口を開けてあくびをするなんて失礼じゃないの。ねえ、あなたは私のこの素敵な長い毛を見ても何とも思わないの?」
「ごめん、ごめん。君の長い毛ねえ、うん、素敵だと思うよ」
「ずいぶんと素っ気無い言い方ね。他のネコはみんな私に好かれたくて仕方ないのに、あなたは全然私に魅力を感じていないようね」
「そんなこともないけど…」
「まあ、いいわ。気のない振りをして私の気を引こうたってそうはいかないからね」
レイは、そういう言うと、自慢の長い毛をゆっさゆっさと揺らしながら、来たときよりも一層、ぷりぷりと怒って去っていきました。
タビは、そんなレイの後ろ姿を、呆れたような目で眺めていました。
しばらくすると、今度はタビの前をミーが横切ろうとしました。ミーもやっぱり、レイのようぷりぷりと怒っています。
「どうしたんだい。そんなに怒って…」
今度は、タビの方から声をかけました。ミーは、タビの優し気な声に、思わず「レイが…」と話そうとしましたが、言葉を止めてしまいました。何だか、話をすると、自分がレイにやきもちを焼いていることを知られてしまいそうな気がしたのです。ミーは、自分がレイにやきもちを焼いていることは、とても恥ずかしいことだと思っていたので、だれにも知られたくはありませんでした。
「別に何でもない。あなたには関係ないことだわ」
結局、ミーはこう言って、小走りにその場を去ってしまいました。
タビは黙って、ミーの後ろ姿を心配そうに眺めていました。
(つづく)
レイは、日向ぼっこをしているタビの前を、ちょっと大袈裟に自慢の毛をなびかせながら横切ってみました。タビをうっとりとさせて、少しでも気分を晴らそうと思ったのでした。しかし、タビはうっとりするどころか、大きなあくびをひとつしただけでした。
レイは、頭にきてタビに言いました。
「レディーの前で、そんなに大きな口を開けてあくびをするなんて失礼じゃないの。ねえ、あなたは私のこの素敵な長い毛を見ても何とも思わないの?」
「ごめん、ごめん。君の長い毛ねえ、うん、素敵だと思うよ」
「ずいぶんと素っ気無い言い方ね。他のネコはみんな私に好かれたくて仕方ないのに、あなたは全然私に魅力を感じていないようね」
「そんなこともないけど…」
「まあ、いいわ。気のない振りをして私の気を引こうたってそうはいかないからね」
レイは、そういう言うと、自慢の長い毛をゆっさゆっさと揺らしながら、来たときよりも一層、ぷりぷりと怒って去っていきました。
タビは、そんなレイの後ろ姿を、呆れたような目で眺めていました。
しばらくすると、今度はタビの前をミーが横切ろうとしました。ミーもやっぱり、レイのようぷりぷりと怒っています。
「どうしたんだい。そんなに怒って…」
今度は、タビの方から声をかけました。ミーは、タビの優し気な声に、思わず「レイが…」と話そうとしましたが、言葉を止めてしまいました。何だか、話をすると、自分がレイにやきもちを焼いていることを知られてしまいそうな気がしたのです。ミーは、自分がレイにやきもちを焼いていることは、とても恥ずかしいことだと思っていたので、だれにも知られたくはありませんでした。
「別に何でもない。あなたには関係ないことだわ」
結局、ミーはこう言って、小走りにその場を去ってしまいました。
タビは黙って、ミーの後ろ姿を心配そうに眺めていました。
(つづく)
長い川の少しだけ大きい河原に、レイという名前のネコが住んでいました。
レイは、淡いグレーの長くてちょっとカールのかかった毛に全身が包まれています。この辺りでは珍しくイカした感じです。スタイルだって抜群です。大きな瞳にちょっと掛かかっている自慢の長い毛を、風にふわふわっとなびかせれば、みんなうっとりとして振り返ります。
「いつ見ても、レイは素敵だなぁ」
男の子たちだけでなく女の子からも、そんな言葉があちこちから聞こえてきます。レイは、こんなふうにみんなに注目されるのが、楽しくて仕方がありません。
「男の子たちはみんな私に好かれたいと思っているし、女の子たちはみんな私に憧れているんだわ」
レイは、そう考えていました。
茶トラのミーも、レイに憧れていました。
「いいなぁ、レイはあんなにふさふさの素敵な毛に、スタイルだって抜群だし…。私は、ありきたりな茶トラで、スタイルだって良くないし…」
そう思いながら、ミーはいつもレイを羨まし気に見つめています。でも、レイは、ミーのことは、頼めば何でもやってくれる便利な娘ぐらいにしか思っていませんでした。
「ミー、三丁目のボスに伝言をお願い!」
「ミー、ちょっとお腹空いたんだけど」
レイは、よくこんなふうにミーを召し使いのように扱います。
でも、ミーは、レイの言いなりです。言いなりになることで、もっとレイと仲良くなれると思っていました。仲良くなれば、何だか自分もレイのように素敵なネコになれるような気がしていたのです。だから、一所懸命にレイの言うことを聞いていました。
でも、いくらレイの言いなりになっていても、身体を包んでいる毛の色が変わるはずもありません。
ミーは、日に日にいらいらしてきました。そして、次第にレイに対して、やきもちを焼くようになっていきました。
ある日、ミーはレイに向かって、それまでにないきつく厳しい口調で言いました。
「あなた、みんなにちやほやされて、最近、少しいい気になっているんじゃない?」
レイは、今まで召し使いのように扱っていたミーの反乱に一瞬戸惑いましたが、すぐに怒りが湧いてきました。そして、嫌みっぽく答えました。
「別にいい気になんてなっていないわよ。ただ歩いているだけで、みんな勝手にちやほやするんだから、しょうがないじゃない」
「あら、それは知らなかったわ。ただ、私はあなたのことを思って忠告しただけよ」
「あら、それはどうもありがとう。だけど、大きなお世話ね」
レイもミーも、だいぶ感情的になっているようです。
2匹は、しばらくにらみ合った後、同時に「ふん」というと、反対の方向に歩いていきました。
(つづく)
レイは、淡いグレーの長くてちょっとカールのかかった毛に全身が包まれています。この辺りでは珍しくイカした感じです。スタイルだって抜群です。大きな瞳にちょっと掛かかっている自慢の長い毛を、風にふわふわっとなびかせれば、みんなうっとりとして振り返ります。
「いつ見ても、レイは素敵だなぁ」
男の子たちだけでなく女の子からも、そんな言葉があちこちから聞こえてきます。レイは、こんなふうにみんなに注目されるのが、楽しくて仕方がありません。
「男の子たちはみんな私に好かれたいと思っているし、女の子たちはみんな私に憧れているんだわ」
レイは、そう考えていました。
茶トラのミーも、レイに憧れていました。
「いいなぁ、レイはあんなにふさふさの素敵な毛に、スタイルだって抜群だし…。私は、ありきたりな茶トラで、スタイルだって良くないし…」
そう思いながら、ミーはいつもレイを羨まし気に見つめています。でも、レイは、ミーのことは、頼めば何でもやってくれる便利な娘ぐらいにしか思っていませんでした。
「ミー、三丁目のボスに伝言をお願い!」
「ミー、ちょっとお腹空いたんだけど」
レイは、よくこんなふうにミーを召し使いのように扱います。
でも、ミーは、レイの言いなりです。言いなりになることで、もっとレイと仲良くなれると思っていました。仲良くなれば、何だか自分もレイのように素敵なネコになれるような気がしていたのです。だから、一所懸命にレイの言うことを聞いていました。
でも、いくらレイの言いなりになっていても、身体を包んでいる毛の色が変わるはずもありません。
ミーは、日に日にいらいらしてきました。そして、次第にレイに対して、やきもちを焼くようになっていきました。
ある日、ミーはレイに向かって、それまでにないきつく厳しい口調で言いました。
「あなた、みんなにちやほやされて、最近、少しいい気になっているんじゃない?」
レイは、今まで召し使いのように扱っていたミーの反乱に一瞬戸惑いましたが、すぐに怒りが湧いてきました。そして、嫌みっぽく答えました。
「別にいい気になんてなっていないわよ。ただ歩いているだけで、みんな勝手にちやほやするんだから、しょうがないじゃない」
「あら、それは知らなかったわ。ただ、私はあなたのことを思って忠告しただけよ」
「あら、それはどうもありがとう。だけど、大きなお世話ね」
レイもミーも、だいぶ感情的になっているようです。
2匹は、しばらくにらみ合った後、同時に「ふん」というと、反対の方向に歩いていきました。
(つづく)