12 月になったある日、洗濯物を干す二階のベランダにオオカマキリが現れた。
近寄っても逃げようとしない。体長からみて雌だろう。足が一本取れている。
そろそろ一生を終える時期かもしれない。
そっとして置いたら次の日もまた次の日もベランダにいた。少しは動けるのか見るたびに位置は変わっている。
5 日めに、妻が大声で呼ぶので何事ならんと駆けつけてみると、カマキリがいなくなったとのこと。
何か手当をしたわけではないが、元気を回復し、翅があるのだから、どこかへ飛んで行ったのだろうと思った。
4 ~ 5 月ごろふ化し、幼虫 ~ 成虫 となって雄に出会い交尾して幾百かの幼虫の入った卵を産み付ける。そして、小さな体の雄をも食べてしまう雌もあるということだが、ベランダのカマキリはどうなのか。ともかく、餌の昆虫も少なくなる冬、彼らの一生は終わるのだ。
待てよ、暖冬で生き延びるのかな?カマキリの一生はあまり研究されていないらしい。
年が明けて 2019. 1 . 17 の朝日新聞、秋葉四郎選の「歌壇」欄にこんな一首を見つけた。
くれないの山茶花の上蟷螂は重き身を置く光浴びつつ (大網白里市)高橋尋子
「選後に」山茶花の咲く初冬。身ごもって、やがて産卵し卵嚢にして越冬し、種を引き継いでゆく。自然界の厳粛な一場面を過不足なくうたって、一首は暗示的。保護色になって「重き身」を冬日にあたためているけなげさは感動的でもある。
もしかして私のカマキリは、産卵の後の身を冬日に暖めていたのかなあ?
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