4月19日の大人教室とコラムです。
今日は3人でした。
第19回松尾歩八段の入門
1993年4月末に中国から帰ってきて、たくさんのシャンチーの本を読み始めました。
私は序盤研究が好きなことから、シャンチーも開局(定跡)の本に多く興味を持ちました。
布局(駒組み)は体系的にまとまっていて、膨大な量に圧倒されました。
このとき将棋の本も、もっと充実したものが必要ではと感じました。
前のコラムでも少し触れましたが、昨夏奨励会試験を落ちてしまった後藤元気君が土曜教室に同じ研修会仲間の松尾歩君を連れてきました。
学年は1つ下で中学1年、名古屋に住んでいますが、関西ではなく関東研修会にしたそうです。
奨励会に入会している宮田君とも以前から仲良しのようでした。
後藤君からあとで聞きましたが、松尾君のお父さんはうちの子ではプロ棋士を目指すのは難しいという理由で関東研修会に行かせたようです。
関東研修会は人数が多いのでレベルが高い、ということですが、逆に厳しい中で戦って上がっていければ本物という見方かも。
夏の奨励会試験では後藤君は合格し、松尾君は落ちてしまいました。
奨励会試験の会場には私も行きましたが、後藤君からは松尾君は負けて泣いてしまったそうです。
このつらさはきっと糧になると思いました。
松尾君は名古屋なので、南流山の教室や当時北習志野での金曜研究会に研修会の行か帰りにたまに来るぐらいでした。
そのようなことで、私としては一番指していない弟子です。
将棋を見ると、振り飛車党で穴熊も多かったです。
当時、松尾君のすごいところは、終盤の寄せ合いではすごい集中力がありました。
何としても相手玉を寄せるという、執念のような気迫を感じました。
松尾君は次の奨励会試験を待たず、3月に研修会から奨励会に入ることができました。
もちろん関東所属です。
のちに中学を卒業したら、東京に住もうかという相談もしました。
そしてすぐあとの1994年5月に、渡辺明君が小学生名人になってすぐのころ土曜教室に来ました。