10月31日と11月1日の2日間、山形県川西町へ視察に行きました。その内容を報告していきたいと思います。
◆雪冷房システム──地産地消のエネルギー研究を
はじめに訪れたのは、雪冷房システム。雪国ならではの仕組みですが、クリーンエネルギーの一つとして非常に注目を集め、視察の数も増え続けているということでした。
毎年2月に雪を専用のエコスノードームいっぱいに入れ、夏に冷たい空気にして放出し、フレンドリープラザ(公共施設)に送り込みます。詳しい仕組みは、コチラかもしくはパンフレットご覧いただければと思います。
雪国では除雪が一大公共事業です。その地域の特性を生かしたエネルギー資源はさらに研究を進めていかなければならない分野だと感じたところです。
◆遅筆堂文庫──井上ひさしさんの故郷
井上ひさしさんが旧小松町(現在の川西町)に生まれたことは、有名な話ではないでしょうか。私は、井上文学に精通した人間ではありませんが、私の大好きな言葉である「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをおもしろく」と言ったその人が井上ひさしさんです。
その井上さんの家にあった本の多数が「遅筆堂文庫」(フレンドリープラザ内)と呼ばれる図書館に収蔵されています。「遅筆堂文庫」の開館にあたって井上さんが「遅筆堂文庫堂則」を書きました。
遅筆堂文庫堂則
遅筆堂文庫は置賜盆地の中心にあり、置賜盆地はまた地球の中心に位す。我等はこの地球の中心より、人類の遺産であり先人の智恵の結晶でもある萬巻の書物を介して、宇宙の森羅万象を観察し、人情の機微を察知し、あげて個人の自由の確立と共同体の充実という二兎を追わんとす。個と全体との幸福なる共生を追求せんとする我等は彼の幼稚なる理想主義者のドン・キホーテと同じく嗤われるべきであるか。応、嗤わば嗤え、我等は日本のドン・キホーテたちである。町の有司、若人たちの盡力によりいまここに発足する当文庫は、有志の人びとの城砦、陣地、かくれ家、聖堂、そして憩いの館なり。我等は只今より書物の前に坐し、読書によって、過去を未来へ、よりよく繋げんと欲す。
一九八七年八月 敗戦記念日
「少年時代の小松町には本の数があまりに少なかった」という気持ちからはじまったのが、この「遅筆堂文庫」だと館長さんは解説をしてくれました。
中心には、「本の樹」がそびえ立ち、そこには井上文学がところ狭しと並べられています。この「本の樹」にある本は、井上さんの著作本を全国各地から寄せてもらい、メッセージカードとともに展示するというものです。
新しく鶴川駅前にオープンする鶴川緑の交流館の蔵書数が9万冊ですから、20万冊という数の本がいかに膨大な量であるか想像できない部分もあります。それだけの本とふれあい、そこから生み出された文章だからこそ、多くの人の心をつかむのだと思います。
この「遅筆堂文庫」を訪れて、知的欲求をかきたてられたことはいうまでもありません。
┏┓池川友一(日本共産党町田市議会議員)
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