日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

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どこに相談するかが教科書に書いてある──『スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む』を読んでみた⑺

2018-04-28 | 学んだこと、政策のこと

 いじめ、虐待など、子どもたちが直面する問題についても、丁寧に書かれています。

子どもが嫌な思いをしたときは

 生きるというのは素晴らしいことですが、時には辛いこともあります。BRSI(社会における子どもの権利)という機関は、嫌な思いをしたという子どもや若者から毎日相談を受けています。相談の内容は、「よく眠れない」とか「学校で活動するのが辛い」とか、「食べるのが辛い」とか、逆に「食べすぎてしまう」などです。
 問題の原因は、いろいろなことがあり得ます。両親が子どもの面倒を見ようとしないということもあります。この場合、両親たちも嫌な思いをしているかもしれません。失業中だとか、経済的な問題を抱えているとか、アルコール中毒であるとかなどです。あるいは、なぜか理由が分からぬまま悲しみを感じていることもあります。

子どもが支援を得られる場所

 子どもオンブズマン(BO)は、国際連合による「子どもの権利条約」に定められた、子どもの権利を守るために活動している国の機関です。辛い思いをしている子どもたちに対して、BOは次のようなアドバイスをしています。
両親、先生、おばあさん、学童の先生など、あなたが信頼している大人たちと連絡を取りましょう。

    • BRISに電話をして(番号116111)、誰かに話を聞いてもらいましょう。
    • 青少年赤十字に電話して話したり(番号0771-900800)、m.jourhavandekompis.seでチャットしたりしましょう。
    • 保健の先生や学校の相談員、学校の心理士に連絡を取ることもできます。

BRIS(社会における子どもの権利)

 BRISは、困難を抱えている子どもを支援するための機関です。BRISは1971年に創設されました。
 恐らく、問題の解決をするためのもっともよい方法は、それについての話をすることです。そこでBRISは、電話やメール、チャットで担当者と話ができるような体制を整えています。
 BRISに連絡したとしても、自分の名前をいう必要はありません。会話を記録されることもありません。ですから、あなたがBRISに電話をしたということは誰にも分かりません。もちろん、電話料金もかかりません。(72〜73ページ)

 NPOの活動でなく、国の機関が子どもたちの相談を受けていることが教科書に書かれていることは、相談のハードルを下げることに大きく役立っていると思います。しかも電話番号まで記されていたり、相談した人の情報を守ることまで具体的に書かれていることは、安心して相談できる要素となりえます。

 これを受けた大学生が、「私も小学校の時にいじめられたことがあるけど、それまでイジメは他人事だと思っていたから、誰かに相談するきっかけや勇気がなくて、結局一年間学校に行けなかった。だから、イジメを個人や道徳の問題だけに留めず、こうして社会問題として社会の授業で扱うことは、きっとスウェーデンの小学生にもよい影響を与えていると思う」と語っています。

 さらに別の大学生が「学校のなかだけに留めず、ほかにもこんな助けがあるんだって、さまざまなつながりを教えてもらえれば、日本の子どもたちも自ら命を絶つことをしないかもしれない」と話しています。

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