昨日に続き、だしソムリエ協会認定講師の研修について
書かせていただきます。
実は、昨日のブログは日高昆布漁の様子をお伝えしたく、
8月6日のことを記事にしました。
今日は、その前日8月5日の訪れた井寒台のことを書きます。
まず、日高昆布の区分として「浜格差」というものがあります。
これは、昆布が育つ浜の環境をランク付けしたものです。
「特上浜」「上浜A」「上浜B」「中浜A」「中浜B」「中浜C」「並浜」
となっています。
この中で「特上浜」に格付けされているのが井寒台(いかんたい)という浜です。
では、その海の様子をご覧ください。
井寒台が素晴らしいのは、浜だけではありません。
後ろに山が控えているにも大きな要因。
豊かな自然林からの栄養塩やミネラルが海に注ぎ込み、
上質な昆布を育てていきます。
昨日のブログにも書きましたように、
昆布漁が行われるのは、7月~9月と大変短い期間です。
しかし、井寒台地区はこの内の3日程度しか漁は行われません。
理由は、昆布の乱獲を防ぐためです。
また、日高昆布は完全天日干しのため、
●昆布が干せるような天気であること
●気温が25℃を超えそうなこと
●波が荒くないこと
など条件が揃わないと、出漁することはできません。
私たちが井寒台へ伺った日も漁はお休み・・・。
でも、海岸で拾い昆布漁をしている漁師さんを発見!!
これは、時化やその他の理由で海岸に流れ着いた昆布を拾うことで、
昆布漁期間中、出漁出来なかった日や
昆布漁が終わった9月以降は、拾い昆布漁を行うことになります。
浜の干場に採れた順に並べていきます。
午後は、えりも漁協様を訪問し、
スライドを使って、日高昆布のレクチャーをしていただきました。
日高昆布は、すべてが天然ものです。
どうして養殖を行わないのか・・・それがずっと疑問でした。
理由は、地形と環境にありました。
●湾がない。
●波が穏やかでないので、養殖の施設を作ることができない。
そんな日高昆布も今年は不作と言われています。
昆布の品質が落ちる原因と考えられることは
●海流の蛇行により、海水温が変化する。
●昆布が育つ「畑」が荒れる。
●家庭用排水による海の汚れ
●地球温暖化 → 胞子が出るころに海水温が高いと生育に影響が出る。
和食の基本となる「だし」を作る昆布が育ちやすいように
私たちも環境を守っていかないと・・・。
一家総出で早朝から働く昆布漁師さん家族の笑顔と汗を
忘れてはいけないと思いました。