先日、ある会議に出席した際、
「旬産旬消」という言葉が出てきました。
勉強不足の私には、初めて耳にする言葉でしたが、
この概念は2000年頃には、すでに出来上がっていました。
地産地消から発展したもので
「地元における旬の食材を、旬の時期に食べる。」
ということを意味します。
こうすることによって、
・施設栽培におけるエネルギー消費を抑制できるので
環境への負荷を減らすことができる。
・食事に季節感を取り戻すことができる。
などの効果が期待できるということなのですが・・・。
この旬産旬消を厳密に実行しようとすると
困ったことが起こります。
例えば、静岡県の場合、
正月明けの市場の初競りに合わせて、
毎年出荷を始める、日本一早い白玉ねぎがあります。
ガラス温室で、年4作の周年栽培が一般的な
マスクメロンもあります。
これら先人たちの努力で作り上げた芸術品は
旬の定義からは外れてしまう・・・ということでしょうか?
また、静岡県は冬・春トマトの指定産地になっていますが、
これも旬の定義からは外れてしまいます。
指定野菜というシステムは、
「その野菜がないと、ご飯が作れない~!!」
ということが起こらないように、
日本全国に産地を定めて、
年間を通じて(つまり、旬を無視して・・・ということになるのですね)
安定供給ができるようにしたものですが、
その指定野菜でさえも、ここ数年の天候不順で
入手困難なことも度々ありました。
こうなると、旬産旬消を杓子定規に実行しようとすれば
地元農業は衰退してしまうし、
私たちの食卓も大混乱をひき起こします。
○産○消という表現にとらわれず、
たとえ、それが旬の時期の生産でない施設栽培で、
余計に燃料が必要になったとしても
地元の農業を応援する気持ちで、
地元のものをおいしくいただくのが
一番大切なことだと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます