先日、お世話になっている方から
「漬物用の木の桶を探しています。心当たりがあったら教えてください。」
と、言われました。
それだけこだわりを持っていらっしゃるので、
ネット通販ではなく、ご自分の目できちんと確かめて、
納得のいくものをお買い求めになりたい…ということが伝わってきました。
ホームセンターに問い合わせても、扱っているのはプラスチック製のものばかり。
一応、ネットで調べても、木製の桶にも値段に幅があります。
タガの部分が竹製かプラスチックかで価格に大きな差があります。
次に、中古のものをお持ちの方はいないか探してみましたが、
皆さん、「2~3年前まであったけど、邪魔だから処分しました。」
と、おっしゃいます。
困り果てて、知り合いの自然食品店に問い合わせてみました。
そちらでは、環境にやさしいキッチン用品を扱っていらっしゃるので、
木桶も取り寄せてもらえるのではないかと思ったのです。
お取り寄せはできませんでしたが、
木桶や木樽を製造しているお店を紹介してもらうことができました。
その後、直接連絡を取っていただき、注文にこぎつけたようです。
それにしても、軽量で手入れがしやすいプラスチック製のものが主流の中、
木製の桶や樽にこだわるのはどうしてなのか?
その理由が知りたくなり、調べてみました。
1.乳酸菌や酵母菌の活動を促す。
木桶や木樽の木質細胞が呼吸することにより、微量の酸素を透過させる。
その結果、酸素を好む乳酸菌や酵母菌が側板や底板にすみ着きやすく、
繁殖しやすくなる。
【老舗醤油店の木樽の様子 画像お借りしました。】
2.水分を吸収し、中身と一体化
木桶や木樽の木質細胞は漬物や味噌、醤油の液体成分と水分を吸収する。
成分を吸収した桶や樽は、漬物や味噌や醤油と一体になり、発酵を促す。
【八丁味噌の木樽 画像お借りしました。】
3.うまみ成分の濃縮
木質細胞は呼吸することにより、樽の中の水分を吸収し、
樽の外へ余分な水分を逃す。
それにより、樽内の成分が濃縮されうまみが凝縮される。
【赤かぶを漬けている木樽 画像お借りしました。】
プラスチックに比べると、木の樽や桶は、維持管理が難しいのですが、
自然の中で育った野菜や穀物に、長年すみ着いた微生物が複雑に作用することで、
味や香りが深みを増していくのだろうと実感しました。
さて、今日、その注文した木の桶が届いたと連絡をいただきました。
オーダーメイドの木の桶を見るのは初めてなので、
早速お邪魔させていただきました。
こちらがその桶です。
左が18L 右が6L
サワラ製でタガは真竹で出来ています。
丁寧な職人技が、丁寧な暮らしに寄り添っていく。
そんな気がいたします。
この木の桶が、これから100年以上働くことができますように。
今回も木の桶を通じて、学ばせていただきました。
ありがとうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます