誦す事で 神響によって精神が調律されるとされます。
★「オン・フリーム・アルハム・ナマー
クシム・スヴァーハー。」
以下 ネットに投稿されていた体験談のコピペです。
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仕事柄、亡くなった人の最終期や蘇生した人の話を
よく耳にする。
やっぱり最後は「お迎え」ってのが来るみたいだけど
凄いヤバイのが来たりする人もいる。
本当の良い人はやっぱりお迎えに来る相手も素晴らしい。
誠実に正直に生きた人間は最後は報われるよ。
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弟が産まれてから数年後に両親が離婚した。
DVもあったので親権はマッマに。
だが父親は長男でその長男であるワイだけは田舎特有の家督重視な習わしを持つ
父方の祖父母が手放したくないとかなり揉めたようだった事をワイは後に知る。
ワイ自身、暴力を振るう父親が大嫌いだったので初めからマッマについて行くと決めていた。
暫くはマッマの祖父母の家で暮らして居たが離婚を含めた環境の変化が原因なのか
小学校低学年の妹はかなり情緒不安定になり、学校に行くのを嫌がるようになった。
ワイは片親だからと周りから言われないように学業を頑張ったが学校に行かない妹に次第にイライラを感じていた。
元々、妹はアホなのかワイはいつも妹の宿題に付き合い、勉強を教えていた。
妹「はぇー、おにいちゃんすごい!」
ワイ「先生の話を聞いてればテストなんて100点取れて当たり前や!」
ワイは通知表に毎回、授業中もっと落ち着きましょう(うるさい)と書かれていたが妹も同じ様に授業に集中しましょうと書かれていた。
妹は口から産まれたんじゃないかと思うくらい良く喋るワイと違って物静かで口数も少ない。
大らかでボッーとしてる事が多かったのでワイとは違った意味で授業に集中していないんだなと
ワイは妹のお世辞にも良いとは言えない通知表を自分の物と見比べて悦に浸っていた。
妹が不登校になって2週間くらいが過ぎた頃、
遂にワイはこのままではワイまで馬鹿にされる!という身勝手な焦燥感から無理矢理、妹を学校に連れて行こうとした。
妹が小学校に上がった直後は兄貴風を吹かし、慣れるまでは登下校を共にし、
面倒を見ていたが次第に妹と一緒に登下校するのが嫌になり、ワイは友達と通学するようになっていたが
その日は嫌がる妹を怒鳴りながら準備させ、迎えに来たワイの友達と一緒に学校へと向かった。
道中、もし誰か妹をいじめてる奴が居るなら兄ちゃんが守ったる!勉強が分からないなら兄ちゃんが教えたる!とワイはとにかく妹に言い聞かせた。
ワイの友達と皆んなで学校に行くのが楽しいのか妹はまるで遠足に行くみたいに登校を楽しんでいた。
だか、学校に近づくにつれて妹の表情が曇る。
校門近くになると遂に妹は泣き出してしまった。
ワイはなんだか恥ずかしさがあり、友達に先に学校に行って!と伝えてから、
しゃがみ込んで泣いている妹を無理矢理立たせて職員玄関のある裏門へと妹を引き連れて向かった。
学校に入ると妹は火を付けたように泣き出し、ワイにはもう手が付けられなくなった。
ワイ「大丈夫、兄ちゃんが居るから怖くない!○○(妹)は何が怖いのか兄ちゃんに言え!
そいつを直ぐに兄ちゃんがやっつけてやるから!」
何度妹に言い聞かせても妹は怖いと繰り返し怯えるばかり。
狼狽しながらワイは助けを求めて職員室へ行こうとしたのだが、
妹は怖い!怖い!と抱きついて離れないので妹を引きずるようにワイも半泣きで担任を頼る為に職員室へと続く廊下を歩いた。
途中で妹がゲロを吐いて気を失った。
ワイは妹が死んでしまったと思い、一人で半狂乱になりながらダッシュで職員室へと駆け込んだ。
最強に面倒な兄妹だったがワイの担任は非常に優しかったので嫌な顔を見せずに、
ゲロまみれで倒れる妹を保健室まで運び、マッマが迎えに来るまでワイと妹に付き添ってくれた。
当然、ワイは家に帰ってからマッマにこっぴどく怒られた。
流石に傍若無人のガッキワイも妹に悪い事をしたなと思い、ワイは妹に無理矢理学校に行かせた事を謝った。
ワイ「兄ちゃんが妹をいじめるてる奴をやっつけてやるから!名前を教えて!」
妹はありがとう、と言うばかりでワイにそれ以上、話す事は無かった。
それから数日後に親戚でも無い、ワイが覚えている限り、全く知らない見たことも無いおばさんが祖父母の家に来た。
マッマはワイにその人はバッバが頼って呼んだ妹と同じ様に『視える人』だと説明してくれた。
これからマッマとバッバがそのTさん(仮名)と話すから寝ている妹を見てて欲しいとワイは頼まれたが
ワイも話を聞きたいとゴネゴネあんゴネてその話しに同席した。
Tさんは寝ている妹をしばらくジッと見つめた。
Tさん「○○(妹)ちゃんは優しくて周りの良くないモノから頼られてしまう。」
Tさん「昔、犬を飼ってましたね?」
Tさん「ちょっと前まではその子が妹ちゃんを良くないモノから守っていた様だけど……。」
Tさん「今は家が変わってその子が妹ちゃんから離れてしまったみたい。」
Tさん「それで学校にいる良くないモノが妹ちゃんに近寄る様になって妹ちゃんは怖がっているようね。」
ワイは驚いたと同時に小さいながらも直感的にあぁ、この人は本物だと直ぐに感じた。
もちろん、マッマもバッバも今日がこのおばさんとは初対面で、以前の家で犬を飼って居た事をこの人は知るはずもない。
ポチ(仮名)は妹が小学校に上がる前に死んでしまったが老衰で立てなくなるまでワイと妹がほぼ毎日散歩に連れて行っていた。
特に妹はポチを可愛がっていてポチも妹の姿を見るとブンブンと尻尾を振って喜んでいたのをワイは覚えている。
ワイより妹に懐いていたからワイはあまり面白くなかったが。
Tさん「もしその子の首輪が残っていたら小さく切ってキーホルダーにして妹ちゃんに持たせてあげて。」
Tさん「きっとまたその子が妹ちゃんを見つけて守ってくれるから。」
Tさん「ただその子もずっとこの先も一緒に居る事は出来ない。いえ、あまり長い間、止まらせては酷だから。」
Tさん「それまでに妹ちゃんが対処を憶えてくれれば大丈夫だけど……。」
Tさん「もしまた妹ちゃんが困ったらいつでも相談して下さい。」
ありがとうございますとマッマとバッバが礼を繰り返す中、ワイもTさんに話し掛けられた。
Tさん「妹ちゃんも優しくて頼られるけど君は女の子に頼られるから気を付けなさい。妹ちゃんには優しくて、ね?」
そのおばさんが帰り際に玄関でバッバが包んだ謝礼(お金)を渡そうとしているのをワイは見た。
Tさん「そういう物(謝礼)は一切、受け取りません。」
それでもバッバは助けて頂いたからと割と強めに渡そうとしていたが最後までTさんはそれを受け取らなかった。
Tさん「過去の私と同じ様に困った人が居たらただお節介をしているだけなので。」
ワイはTさんが最後に言ったその言葉を今でもハッキリと覚えている。
後日、マッマが妹に少し汚れた赤い革のキーホルダーをお守りと言って渡していた。
ポチの付けていた首輪と同じ色のキーホルダーをランドセルに付けてから妹は学校へまた通える様になった。
それからワイはなんとなく、登校する友達グループに妹も加えて、一緒に登校するようになった。
あの後に一度だけ妹に聞いた事がある。
どうしてあの時、ワイに学校でお化けが見えて怖いって話さなかったのか?と。
妹「おにいちゃん、なにかみえてもいうなっていったから……。」
妹はどんなに怖くても昔、ワイが言った約束を律儀に守っていたのだ。
ワイは急に情けなくなった。
犬のポチでさえ、妹を守ろうとしているのに兄であるワイは何をしているんだ。
離婚して今は小さい弟を除けば家に男はワイしか居ない。
妹もマッマもワイが守らないと。
その日、幼いながらもワイは決意した。