上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

教育の民営化・・・学校プールをコスト論で民間に委ねていいのでしょうか?

2023-01-12 15:13:29 | 熊本市議会
12月議会の教育市民委員会で、熊本市がすすめている「学校プールの民営化」について質しました。
「学校プール」は教育です!
コスト論から出発した民営化は馴染まない

2022年度から「学校プール民営化」モデル事業が小学校2校(飽田南、田底)で始まりました。2023年度からさらに小学校2校(城北、吉松)へ広げられる予定です。問題のある民営化をこのまますすめていいのでしょうか。

「現在の計画」
<民間利用の対象候補となっている小学校>   合計9校
 *基準は、児童数472名以内、今後5年でプールの年数が50年以上、民間のスイミングへの移動時間が10分以内の学校
  城北、桜木、麻生田、武蔵、月出、黒髪、吉松
  (2022年からのモデル校)飽田南、田底

【問題点①】「コスト論」から出発、教育的視点を欠いています
公共施設等総合管理計画(公共施設の床面積を40年間で20%削減する目標)のもとで学校施設の縮減もすすめられる方針、その一つが学校プールです。
 学校プール再編懇談会では、
⑴建設費用が高い(約1億5,000万円)、
⑵維持管理費が1校で年間約125万円かかる
ようするに、建替えれば年平均425万円、民間クラブを利用すれば1人・9,000円の利用料(市負担)で472名までは、民間利用の方が安くなります。
この考えで行けば、古いプールの小規模校は民間利用となります。

【問題点②】 教育視点でのプール授業ができるのでしょうか?
学校の水泳授業では、得手・不得手にかかわらず、すべての子どもが成長できる教育的指導が必要です。
民間インストラクターに教職員と同じ教育的指導を求めることはできません。
また、送迎の都合で、遅刻や早退への対応なども課題です。

【問題点③】学校プールが果たしてきた役割の継続が難しい
民間利用になれば、夏休みのプール開放ができなくなります。また、社会体育での学校プール利用がどうなるのか、実態把握もされていません。
 熊本地震の時には、プールの水が生活用水としてトイレなどに利用されました。災害時の対応にも地域の防災拠点である学校のプールは必要です。

【問題点④】保護者の意見を反映しない民営化の検討
 「学校プール再編懇談会」は、2021年に始まり、これまで年1回のペースで3回開かれています。(第2回目はコロナで中止)
 構成メンバーには、保護者は市PTA協議会代表たった1名、これでは保護者の声はほとんど反映されません。教育委員会や民間の意向で議論がすすんでいきます。

教育としての「学校プール」についての議論が必要
第4回目の再編懇談会には、モデル校2校での実施アンケートが報告されていますが、「楽しかったか」「泳ぎが上手になったか」「モデル事業のよかった点」についての内容で、教育としての「水泳」について深めるものではありません。
また、屋内で施設がきれいであることなどが評価されていましたが、もともと学校プールの老朽化や施設の改善が放置されてきたことが問題であり、早急な改善が求められます。

いずれにしても、教育としての「学校プール」、「水泳教育」について、幅広く議論していく必要があるのではないかと思います。
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