在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

バルバレスコの規定 Barbaresco

2016-03-26 12:39:24 | イタリア・ワインABC
バルバレスコの規定

興味のある方に。。。。たまにはまとめもいいかも。



Barbaresco バルバレスコ

DOC 1966年制定
DOCG 1980年制定
その後の改定 2007、2010、2011年に行われている



1.名称
ーバルバレスコ Barbaresco(ヴィンテージ入りannata)
ーバルバレスコ・リゼルヴァ Barbaresco Riserva
ーバルバレスコ、バルバレスコ・リゼルヴァに地域名入りのもの menzioni geografica aggiuntiva(MGA)、畑名入りのもの vigna

MGAの数は66(数えてません~画像が小さくて見えなかったらごめんなさい)


2.品種
ネッビオーロ Nebbiolo100%

3.生産地域
ーバルバレスコ Barbaresco
ーネイヴェ Neive
ートレイゾ Treiso
ーサン・ロッコ・セーノデルヴィオ San Rocco Senodelvio の一部

4.畑の条件
丘陵地帯で、谷間、日の当たらないところなどは除く
標高550m以上は除く
北向きは除く(ー22、5度から+22、5度まで)
ヘクタールあたり 3500本以上
垣根式でグイヨー

=ヘクタールあたりの最大収穫量
バルバレスコ、バルバレスコ・リゼルヴァ、地域名入り 8t ぶどうのアルコール度 12、00 %(糖度をアルコール度に換算したもの)
それぞれに畑名まで入ると 7、2t 12、50 %
(収量が減り、糖度が上がる)

=樹齢7年以下の畑の場合
3年目 4、3t 12、50%
4年目 5、0t 12、50%
5年目 5、8t 12、50%
6年目 6、5t 12、50%

5.醸造の条件
= ヘクタールあたりのワインの収量
バルバレスコ、バルバレスコ・リゼルヴァ共に 70% 56ヘクトリットル

畑名が入ると 68% 54、4ヘクトリットル
(下がる)

= 熟成
バルバレスコ :26ヶ月(うち9ヶ月か木樽での熟成)
バルバレスコ・リゼルヴァ 50ヶ月(うち9ヶ月が木樽での熟成)

=販売
バルバレスコ 収穫3年目の1月1日から
バルバレスコ・リゼルヴァ 収穫5年目の1月1日から

6.特徴
バルバレスコ、バルバレスコ・リゼルヴァ、地域名入り、畑名入り共
最低アルコール度 12、50 % 地域名入りと畑名入り 12、5%
最低酸度 4、5g/l
最低エストラクト 22g/l

ってことでサルーテ(乾杯)!



ワイン考

2015-10-20 15:03:45 | イタリア・ワインABC
好きなワイン、美味しいワイン、評価の高いワイン



いつも思うのだが、好きなワインと美味しいと思うワイン、評価の高いワインには、個人差はあれど、結構大きな「時差」があると思う。
ワインを飲み慣れていないと、たとえ他のお酒には飲み慣れていてもその時差が大きいという経験をした。

日本酒の蔵元の方数名をピエモンテへご案内し、さるワイナリーにての試飲から始まった。(ワイナリーの選択は私ではない)
バルベーラとバルバレスコとバローロの3種。
バルベーラは酸味が強く、と言っても、樽使いのどちらかというとまろやか系のバルベーラだったのだが、あまりお好みではないようだった。特に日本酒は酸味が少ないので、突然、バルベーラの酸味は結構刺激的らしい。
次にバルバレスコとバローロを比べる。
飲み慣れない味にクエスチョンマークが出ている感じはしたが、バローロのほうがいい、というより、ちょっと重たいけれど、良いと言われると良い、という雰囲気。
数名は、バルバレスコの方が軽くて好み、とのこと。

夜は、レストランでネッビオーロとバローロ。
多少意見が分かれたとはいえ、ネッビオーロの方が好み、という意見もあった。
どちらも良いワイナリーを選び、評価が高いのはバローロの方であったのだが。
さらに、どうしてこれらのワインが良いのかわからないという、いたってシンプルなクエスチョンマークもちらほら。

翌日は町のトラットリアで再びネッビオーロ。かなり伝統的なところを選んだらこれが今までで一番美味しいという意見が多かった。
確かに個人的にも好みのワイナリーだったのだが、一応、今まで飲んだ中で一番安い。

そして、翌々日、場所も変わり、ワインの場所も変え、某ワイナリーのロッソ・ディ・モンタルチーノを選んでみた。
ネッビオーロ品種漬けの毎日で、イタリアに来てそれしか飲んでいないのもなんだと思い変えてみたのだが、若干モダンすぎるかと思った危惧は当たり、全然違って、今までで一番好みではないという意見が多かった。
このワインから飲み出したら絶対に美味しい、というだろうというものではあったのだが、ネッビオーロ漬けから突然サンジョヴェーゼへの変化もかなり刺激的だったよう。

そしてさらに翌日。
突然、ランブルスコを飲むことになった。ランブルスコの中では「飲める」ものであり、非常に良いものではあるのだが、とにかく「赤で発泡」という点が良いという評価。久々の赤の発泡を刺激的だと思ったのは、今回は私だったと思う。
もちろん全員が気に入ったというわけではないようだったが、いいね、美味しい、という意見が飛び交い、なるほど。

評価の高いワインが必ずしも美味しいわけでもなく、個人的に好きなわけでもないが、なるほど、かなり考えさせられた。勉強になった。
美味しいワインが飲みたい、ということで高級バローロを勧め、しかしその後、ごく普通のワインを飲むと、そっちの方が美味しいとか、どうしてこの値段かわからないとか、いろいろ話題が飛び交うこともあるのだが、美味しく感じるワインには大きな個人差がある。
だからワインは難しい。



Civiltà del bere -il top delle guide vini 2015

2015-03-31 16:48:59 | イタリア・ワインABC
Civiltà del bere -il top delle guide vini 2015



この前の記事の続き。
Vinitalyに行くと必ず買うものにCivilta’ del bereのレストランガイドとワインガイドの2冊がある話。

レストランガイドは、ガイドブック5冊の合計点でランキングしているのだが、さすがにワインは数が多すぎて、別な方法を取っている。
つまり、現在発行しているメインのワイン年鑑本8冊で、最高ランキングに掲載されているのがいくつあるか、である。

年鑑本は以下の8冊; ( )は、最高ランキングのワインの数
AIS Vitae (169)
BIBENDA (199)
Daniele Cernilli (44)
L’ESPRESSO (129)
GAMBERO ROSSO (185)
Luca Maroni (309)
SLOW WINE (220)
Veronelli (307)




以上の合計のワインが対象となり、8冊全て最高ランクに掲載されたワインは今年は2本。
シチリア Donnafugata Ben Rye’ 2012
トスカーナ Sassicaia 2011

以前、年鑑本が5冊程度だったころは、全て掲載ワインの数はもう少し多かったのだが、徐々に増え、8冊となるとさすがに全て掲載は難しくなり、今年は2本である。
7冊掲載も2本。
ピエモンテ Le Piane Boca 2010
プーリア Gianfranco Fino Es 2012



6冊掲載は7本。
アブルッツォ Valentini Trebbiano d’Abruzzo 2010
カンパーニア Montevetrano 2012
マルケ Il Pollenza 2011
ピエモンテ Massolino Vigna Rionda 2008
トスカーナ Le Macchiole Paleo 2011
トスカーナ Ornellaia Masseto 2011
トレンティーノ Ferrari Riserva del Fondatore 2004



結構意外な顔ぶれである。
1冊、2冊と逃しているワインは、どの本で逃しているかを見るのも面白い。

そして、赤、白、スプマンテ、デザートワインの今年のチャンピオンは以下の4本となる。
赤 Sassicaia
白 Valentini
スプマンテ Ferrari
デザートワイン Ben Rye’

そのほか、醸造家の名前掲載、過去3年の変化なども掲載され、100ページ近くになる小本である。

Le aziende di Enopoli in degustazione

2012-10-09 21:12:11 | イタリア・ワインABC
エノポリの試飲会 ローマ近郊にて

ローマ近郊、フラスカーティの少し先のMonteporzio Catoneでエノポリの試飲会が開かれた。
日曜日、月曜日の2日間だったが、日曜日は行けず、月曜日も、午後になってやっとちょっと顔を出せた。
もっと人が少ないと思ったが(ごめんなさい・・・)結構盛況。
これは、前日の日曜日はかなりの人手だったのではないかと思った。
ワインは、思ったよりたくさん出ている。
あまり知られていないワイナリーも多いが、超有名ワイナリーも多数あり、そういったワイナリーを中心に、別室で、座っての縦飲み試飲会が開かれていた。
最後の試飲会にあたるMontevetranoの試飲会にお誘いいただいたので参加した。
そして、QuintodecimoのLuigi Moioご夫妻をご紹介いただき、いろいろと有意義な半日でした。

La degustazione organizzata dall'Enopoli.



Invito al mondo dei vini naturali 3

2012-06-23 01:09:19 | イタリア・ワインABC
自然派ワインへのお誘い3

今現在、自然派ワインに興味がなくても、好きでも嫌いでも、ワインに興味を持ったら、出来るだけ早いうちに良い自然派ワインを飲んで欲しい。
最初は大きく戸惑うかもしれない。
色、にごった色、オレンジ色に近い白ワイン、薄い色の赤ワイン・・・
香りは、いつものフルーティーさがなく、アニマル、腐葉土、強さに欠けることもあるし、持続性に欠けることもある・・・
味も、インパクトがない、するっと入ってしまう、あの心地よいまろやかさを感じない、ボディに欠ける、持続性に欠ける・・・
などなど。

たとえ印象が悪くても、その印象を覚えておいて欲しい。
もしかしたら、将来その印象が変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。
しかし、好みは変化する。

もし、将来自然派が好きになることがあったら、あの時はああ感じた、とその印象を思い出すのはとても楽しい。
そして、その変化を人に伝えて欲しい。

自然派ワインは体と心に優しい。
造ったワインのようなウソがない。

自然派ワインへのお誘い。

Invito al mondo dei vini naturali 2

2012-06-22 07:48:11 | イタリア・ワインABC
自然派ワインへのお誘い2

自然派ワインは好みの差が激しい。
どんなに飲み込んでいる人でも好きではないという人はいる。

昔は、誰もが、自然というか素朴なワインを飲んでいたのに、新しいワインが生まれ、「これこそワイン」と言われ、「造ったワイン」を飲むようになり、それに慣れてしまうと、自然派のワインは本当のワインではないというイメージができてしまう。
これは悲しい。

もちろん自然派のワインがみんな美味しいわけではないが、とにかく優しい。
私は個人的にその優しさが好きである。
一口、口に含んだときの優しさ、それは、まろやかさとか、ボディの弱さとかではない。
もちろんアグレッジブな自然派ワインもあるが、それは本物ではないと思う。
また、優しさがインパクトの弱さになり、味の強さ、持続性に欠けるもののある。
そうなると評価が高くなることはないが、評価の高い、実に良くできた自然派も多い。

そういうワインを味わうときの至福の喜び。
この醍醐味を味わってしまうと、自然派ワインへの旅が始まる。
自然派ワインの旅が始まると、「造ったワイン」が飲めなくなる。
または、飲むときに、頭を切り替えないといけなくなる。
そう、自然派ワイン好きに、普通のワインを否定する人がいるがこれもいけないと思っている。
頭を切り替える。これが必要なのだと、個人的に思う。

つまり、普段は普通のワインを飲んでいる人に、逆に頭を切り替えて欲しいのである。
普通のワインを飲む時と同じ評価の仕方で飲まないで欲しいということである。
色がにごっているから悪いわけではない。
香りにフルーティーさが欠けるから悪いわけではない。
アニマルが出ているから悪いわけではない。
味のインパクトが弱いから悪いわけではない。
持続性がそれほどないから悪いわけではない。

ぜひ、頭を切り替えて、自然派ワインの優しさに触れて欲しい。

Invito al mondo dei vini naturali 1

2012-06-21 12:24:08 | イタリア・ワインABC
自然派ワインへのお誘い 1


最近は自然派ワインが流行っている。
フランスでも、イタリアでも、そして日本でも、また、アメリカでも流行っている。
嬉しい限りである。
しかし、自然派ワインとは何か、どれが自然派のワインなのかと言うと、難しい話になってくる。
認定の団体がいくつかあり、認定されているものは当然自然派となるが、では、認定されていないものは自然派ではないかと言うと違う。
認定されているものでも、ちょっと怪しいというと失礼だが、そういう感じのものがあるし、昔から自然の造り方で造ることが当然であり、認定など関係ないという造り手も多い。

そして、一般に誤解され、意外と知られていないのは、自然派の基準は、ブドウの栽培に関してのみであるということである。
最近は、ワインの保存料として亜硫酸が添加されていることを知識として知っている人が増えているが、自然派であることと、亜硫酸の添加、使用は関係がないことは意外と知られていないというか、誤解されている。
つまり、畑でのブドウの栽培栽培が有機で、3年を経過すれば団体に申請ができるだけで、ワインの醸造時に亜
硫酸がされているか否かで自然派であるかを決めるわけではない。
だから、先に言ったように、ちょっと怪しい自然派ワインも出回ってしまうのである。
いくら畑が有機栽培でも、結構な量の亜硫酸を使用すれば、ちょっと悲しい自然派ワインになってしまう。

逆に、畑が有機栽培であることが当然の造り手は、そんなことをラベルに明記する必要もない、と思っているところも多く、人から聞かされないと自然派だとわからなくて、これも困る。


だから、ある意味、自然派ワインは、飲んでみて、人と話して、少しずつ知っていくしかないものだと思う。
では、そこまでしてどうして自然派にこだわるか、何も自然派でなくてもいいではないかと思うかもしれないが、自然派は、体に、そして、心に優しいのである。

続く

Il Top delle Guide VINI 2012 -Civilta' del bere

2012-04-05 17:30:14 | イタリア・ワインABC
この雑誌は結構好きである。結構ファンがいるのではないかと思う。
月刊になっているのは買わないが、Vinitalyに合わせて出る、ワインとレストランの特別号は機会があれば必ず買うことにしている。
数字マニアというか統計マニアというか、きっちりしていて笑える。イタリア的ではなく、なんか日本的?いや、ドイツ的と言ったほうがいいかも?

さて、ワインの年鑑本は、タケノコのようにとはオーバーだが、年々増えている。
年鑑だから(そして年刊だから?)1年に1回発行される。
そのうちのメインの6冊で評価をしている。ただ、この6冊以外にもいい本はあるし、この6冊だけで全て評価してしまうようなのもいけないと思うが、とにかく6冊をくまなく分析しているところが面白い。
ところで、以前は5冊の本だった。SlowfoodがGamberoから分離して6冊になったわけだ。


さて、Civilta' del bereの評価はこうである。
というか、この本は直接には何の評価もしていない。
評価本を分析して、評価しているのである。
各評価本には最もよいワインのカテゴリーがある。3 bicchieriや5 grappoliやらそれぞれ名前を付けている。そこに点数があるものもあるし、ないものもある。しかし、裏では、テイスティングをしたときに一応点数は付けられているわけである。だから、高点数で最もよいワインのカテゴリーに入ったもの、ぎりぎりで入ったものなどいろいろあるわけだが、そこには目をつぶる。
たとえば、今回、輝く2本に選ばれたワインのうちプーリアのものを見てみると、プーリアで最も点数が高かったワインではない。しかし、とにかく最高評価のカテゴリーに入ったのである。
この辺が、いわゆる「イタリア・ワイン・ベスト100」のような評価とは異なる。
各ワインを点数で評価するのではなく、だから順番を付けるわけでもなく、最高カテゴリーに入った数で競っている。

今年のベストワイン、つまり6冊すべての本で最高評価のカテゴリーに入ったワインは2本。たった2本と言って良い。何故なら、6本とか8本とか選ばれている年があるからだ。


サッシカイアはわかる気がする。
ESは実は、その昔、飲んだことがある。
凄いワインがあるからと誰に言われて飲んだ。名前は完全に忘れていたが、ラベルを覚えている。なんか、派手というか、こういうラベルを考える人がいるのだと思ったことも覚えている。(これもひとつの戦略?)
そして、ここ数年、水面下で、話題になっていて、しかし未だに飲む機会がないでいる。
しかし、2本のうちの1本がプーリアという土地のワインであることは面白い。
プーリアのワインというと安かろうで、良いものがあっても高いお金を払いたくないという人が多い。これがバローロやブルネッロなら平気で払うのに。
これを機会に、プーリアの高品質ワインが注目されるようになれば、個人的にはとてもうれしい。

そして、サッシカイア。
個人的には思いいれのあるワインである。
タキス氏はもう引退してしまったが、何度もセミナーで見た。
なんて素晴らしい人物、と今でも思う。
心からワインを愛し、奢ることなく、真面目で、心優しい。
だから、サッシカイアは大好きなワインである。
しかし、冷静に評価すると、例えばトレンティーノの某ワインの方が美味しいかもしれないと思う時もある。ヴィンテージによっても違うから断言するわけではないが、この某ワインはなんと2つの本で外している。(こういうところが、ワインは本当に面白いと思う)
こんな感じで、最高のカテゴリーを外してしまう本が出てきてしまうと、ここでは評価が下がってしまうと言うわけである。

だから、絶対的な評価ではないが、こんな感じでカンティーナで、また、過去3年の評価を分析していて、参考にするには実に面白い。
ただ、日本では手に入らないと思うが。

Twitterのお誘い

2012-01-04 12:11:07 | イタリア・ワインABC
何年かぶりで開けてみました。(実は、すごーいズボラです)
編集画面が使いやすくなってるじゃない!でした。
いまだに閲覧していただいている方もいらっしゃるようですし・・(うれしいです)

さて、今はTwitterをやってます。
こっちの方が簡単、迅速でいいかなぁ、と。
ワインにご興味のあるかたはどうぞ。
yuniko13
です。

カニーナ・ディ・ロマーニャ DOC

2008-01-28 19:45:05 | イタリア・ワインABC
Cagnina di Romagna DOC –Emilia Romagna
イタリアは、赤のデザートワインがかなり造られている国だと思う。
デザートワインというと白、というイメージが一般にあるのではないかと思うが、イタリアでは各地で甘い赤ワインに出会う。意外とこのあたりに、日本のワインの火付け役となった「赤玉ポートワイン」の起源があったりして。。(名前がポートだし、違うと思うが。。)

さて、「DOCカニーナ」も赤のデザートワイン。本当になんてことのないワインであるが。。品種は、レフォスコrefosco。フリウリ、ヴェネトにも見られる品種で、地理的に繋がっていると解釈して良いだろう。レフォスコは少なくとも85%使用で、他の品種を混ぜても良い。なお、レフォスコを地元ではテッラーノterranoと呼ぶので、そうなるとフリウリの「DOCカルソCarso」の品種の一つであることを思い出すと思う。(ただし、こっちは辛口ワイン)
名前にロマーニャが付いているので、州の東側のフォルリ、ラヴェンナあたりが生産地。
最低アルコール11%
最低残糖分は40g/l
きれいなルビー色、やや紫がかり、いかにもワインらしい(グレープジュース的と言ったらちょっと怒られてしまうか??)ほどほどに甘いワイン。

トレッビアーノ・ダブルッツォ DOC

2008-01-17 07:56:01 | イタリア・ワインABC
Tebbiamo d’Abruzzo DOC –Abruzzo
アブルッツォ州というと、赤はモンテプルチャーノ、白はトレッビアーノと決まっている。意外と国際的品種が少ない。イタリアにシャルドネ、カベルネが蔓延した時、おそらく出遅れたアブルッツォのような州は、しかし、それは本当に幸いしたと思う。国際的品種に飽きて土着品種に注目しだした時、トレッビアーノにも光が当たってきた。
しかし、トレッビアーノをイタリアの土着品種と言うのは間違っている。何故なら、フランスにもあるからである。それも、フランスのコニャック、アルマニャックの主要品種で、フランスではウニ・ブランと呼ばれている。
さて、トレッビアーノは、かなりクローンの多い品種の一つである。そこで、トレッビアーノ・ディ・ナントカというのが非常に多い。そして、それらすべてを含めると、イタリアでは、北でも南でも栽培されているのがわかる。(白ぶどう品種としては、かなり栽培面積の多い品種の一つである。)
そして、お世辞にも良い品種とは言えない。(この品種から、どうして美味しいコニャック、アルマニャックができるのが理解しにくいといったら、怒られてしまうか。。)

アブルッツォ州のDOCトレッビアーノ・ダブルッツォの品種は、トレッビアーノ・ダブルッツォTrebbiano d’Abruzzo、別名をボンビーノ・ビアンコBombino Biancoと呼ばれる。やや緑がかった麦藁色、デリケートな香り、まずまずの酸味を持ったあまり特徴のないワインができる。または、同じトレッビアーノでも、トスカーノTrebbiano Toscanoを使うことができ、それぞれ、15%まで他の品種を混ぜることが許可されている。
最低アルコール度は11%。収穫の翌年の1月1日より発売ができる。
何といっても群を抜いて良いのはヴァレンティーニValentiniのものである。これはすぐに飲んだらもったいない。白ワインはすぐに飲んだ方が良いというのは一般論で、ある種のワインには当てはまらないが、このヴァレンティーニのトレッビアーノもである。ぜひ数年以上、大切においてから飲んでほしい。

モンテプルチャーノ・ダブルッツォ DOC/コッリーネ・テラマーネ DOCG

2008-01-16 07:48:36 | イタリア・ワインABC
Montepulciano d’Abruzzo DOC
Montepulciano d’Abruzzo Colline Teramane DOCG -Abruzzo

モンテプルチャーノは、このところ、ちょっと注目されている品種である。
DOCだったのが、一部、切り離されてDOCGに変わり、生産者も今とばかりに宣伝に力を入れている。
ところで、モンテプルチャーノと言うと、トスカーナにあるヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノの産地、モンテプルチャーノを思い浮かべることの方が先ではないかと思う。ややこしいが、同じ名前でも、一つは村の名前、もう一つは品種の名前である。何も同じ名前にしなくても良いのではないかと思うが。。
ワインの方のモンテプルチャーノ、略してヴィーノ・ノービレと呼ぶが、これは、サンジョヴェーゼ(地元の名前でプルニョーロ・ジャンティーレ)を使うので、品種のモンテプルチャーノは関係がない。
品種のモンテプルチャーノは、アブルッツォ州を代表する品種で、トスカーナとはあまり縁がない。しかし、もともと、モンテプルチャーノからもたらされた品種だ、という説があり、その辺からモンテプルチャーノという名前が付いたとも言われている。
その時、もうちょっと考えて、違う名前にしてくれたら良かったのに。

① DOCの方の規定から。
赤とチェラスオーロ(ロゼ)がある。
モンテプルチャーノの使用、最低85%。
・ ロッソRosso 最低アルコール度12%、翌年の3月1日以降販売できる。熟成期間が2年以上(うち9か月は木樽)になるとリゼルヴァRiserva(アルコール12.5%以上)と名乗れる。
・ チェラスオーロCerasuolo チェラスオーロはサクランボの一種。その色、香りに似ているという感じで付けられ。最低アルコール度12%。翌年の1月1日以降販売できる。

ソットゾーナsottozona(さらにこまかい特定の地域)が二つある。
・ “Casauria o Terre di Casauria“ モンテプルチャーノの使用100%。最低アルコール度13%。最低熟成期間18か月(うち9か月木樽)、リゼルヴァはアルコール13.5%以上、30か月以上(うち9か月木樽)。どちらも6カ月以上のボトル熟成。
・ “Terre dei Vestini” アルコールのみが違って、最低12.5%。リゼルヴァで13%以上。他の規定は同じ。

② DOCGの規定
名前の通り、アブルッツォ州の北部にあるテーラモ周辺のもので、DOCの範囲からみるととても小さい。そして、当然規定を満たしているものを指す。
赤のみでチェラスオーロはない。
モンテプルチャーノを最低90%使用のこと。サンジョヴェーセを10%まで加えても良い。
最低アルコール度は12.5%。最低熟成期間は11月1日から起算して2年(うち木樽は1年以上)。リゼルヴァは3年(うち木樽は1年以上)。6カ月以上のボトル熟成。

モンテプルチャーノと言うと、何といってもトップはヴァレンティーニValentiniであろう。
右に出るものはいないと思う。最近はすっかり有名になったワイナリー、エミディオ・ペペEmidio Pepeもモンテプルチャーノを造っているワイナリーである。イタリアン・ビオの代表選手の一人で、今だに足踏みでワインを造っているのと、熟成をすべてボトルで行ってしまうというのが特徴的な、実に面白いワイナリーである。
他、優良な大手というと筆頭はマシャレッリmasciarelliだろう。やや面白みには欠けるが、良くできている。

サグランティーノ・ディ・モンテファルコ DOCG -ウンブリア

2008-01-13 06:21:54 | イタリア・ワインABC
Sagrantino di Montefalco DOCG –Umbria
正式名称は2つある。
モンテファルコ・サグランティーノMontefalco Sagrantinoまたはサグランティーノ・ディ・モンテファルコSagrantino di Montefalco。
品種は、サグランティーノでモンテファルコが村の名前である。ウンブリア州にある、最近、訪れる人も多い、聖者サン・フランチェスコで有名なアッシジから近いところにある。
今でこそ、国際的品種に飽きてきたイタリア人が、あちこちに埋もれている、または、絶滅しそうなイタリアの土着品種を救おうとやっきになっているが、それを考えるとサグランティーノはその元祖の一つと言えるのではないかと思う。
サグランティーノは収量の少ない、また不安定な品種である。となると、誰も見向きもしないという時期があった。それを救って、今のようにここまでにしたのはカプライの努力が大きい。そこで、今ではカプライ以外で良いワイナリーがかなり出てきているが、一時は、サグランティーノ=カプライという感じだったと、ちょっとオーバーだが言えないこともないと思う。
さて、サグランティーノは、そういう訳で、ウンブリア州のモンテファルコの土着品種である。色素の濃い、苦みのある品種である。ワインと言うと、苦味の強いタイプは苦手、という人は多いが、たまには、タンニンがどーんと効いて、そして、苦味があるタイプを好む人がいる。そういう人には、このサグランティーノは適している。

生産地域はモンテファルコ村とその周辺。
使用できるのはサグランティーノ(黒ぶどう)のみ(100%)。
辛口seccoとパッシートpassitoがある。もちろん、どちらもDOCG。
辛口は、色がかなり濃い(透明感がないくらい)、アルコール度の高い、タンニンのあるワインが一般的。最低アルコールが13度と、最低量でもかなり高め。最低熟成期間は30カ月で、うち木樽での熟成は最低12カ月。
パッシートは「干す」という意味で、つまりデザートワインである。絶滅の危機の前、つまり歴史的には、甘いワインだったというので、本当は辛口バージョンの方が、新製品だったということになる。サグランティーノは干すのに向いている品種。最低アルコール度14.5%、最低熟成期間30カ月。濃いめの赤でしっかりした甘口の、デザートに合わせるより瞑想用の方が適しているかもしれないワイン。
代表的なものにアーノルド・カプライArnaldo Capraiの“25年25 anni”とノーマルヴァージョンがあるが、ビオで面白いのは、パオロ・ベアPaolo Beaのもの。

サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ DOC

2007-12-31 07:10:15 | イタリア・ワインABC
Sangiovese di Romagna DOC
サンジョヴェーセと聞くと、まず思い浮かべるのがトスカーナ州だと思う。
しかし、サンジョヴェーゼはトスカーナ州だけのものではなく、イタリアで一番流布している品種である。
イタリア中で見られ、全イタリアのワイン用ブドウの畑栽培面積の10%ちょっとを占める。ということは、全部の畑の1割にサンジョヴェーゼが植えてあるということになり、よ~く考えると、これは結構すごい!
ちなみに、2位に来るのはシチリアの品種カタラット・ビアンコで6%強を占める。3位はトレッビアーノ・トスカーノが同じく6%代だが、わずかに劣る。そして、4%代で4位、5位となるのは、モンテプルチャーノとバルベーラ。(ただし、どれも減少方向にはある。)

さて、サンジョヴェーゼの2大産地というと、トスカーナ州とエミリア・ロマーニャ州である。今ではトスカーナの方が圧倒的に有名になってしまったが、ロマーニャでの歴史の方が古い。(と、ロマーニャの人たちは自慢する。)なお、サンジョヴェーゼは「ゼウス(ジュピターgiove)の血sangue」の意味。クローンが多い品種として知られているが、大きく「大grosso」と「小piccolo」の2つに分かれる。
実際はもっと複雑であるが、グロッソ(大)の代表がブルネッロ、ピッコロ(小)の代表がロマーニャのもの。ただし、ブルネッロは必ずグロッソ使用のことと規定があるが、他はそうではないので、ロマーニャでもグロッソを使うところは出てきている。

規定はサンジョヴェーゼを85%以上使用。
生産地は州の東側のロマーニャ地方。
4つのタイプがある。
① 辛口secco 最低アルコール度11.5% 収穫した年の12月1日以降発売 =一番一般的なタイプ。いかにも赤ワインらしい特徴のワイン。
② ノヴェッロNovello 最低アルコール度11% =ほんのわずか甘さを帯びるものが多い。
③ スーペリオーレsuperiore 最低アルコール度12% 翌年の4月1日以降発売 =このあたり以上で良いものがある。
④ リゼルヴァriserva 熟成期間2年以上

ピッコロ、グロッソと聞いて、ピッコロはなんとなく劣っているような、また、ブルネッロがあまりに有名なのでピッコロは影が薄いが、最近はピッコロが見直されている。小さくたって負けないんだい!という感じで、今後もぜひ頑張ってほしい。
また、ロマーニャのワインというと品質の優良なものが少なく、随分長く地味な感じだったが、今は「コンヴィート・ディ・ロマーニャConvito di Romagna」(7ワイナリーが参加)というグループが頑張っている。このあたりを中心として、とても良いものが多いので、ぜひ味わってみていただきたい。

アルバーナ・ディ・ロマーニャ DOCG

2007-12-30 18:02:47 | イタリア・ワインABC
 Albana di Romagna DOCG
一度記事にしたが、今度は規定を入れてちゃんと。
こんなDOCGだが、結構思い入れのあるものなのである。

いまでこそ白のDOCGは結構な数があるが、ずいぶん長い間、白と言うと、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ、アスティと、このアルバーナ・ディ・ロマーニャだけだった。それも、一番にDOCGになった白はこのアルバーナである。
ヴェルナッチャもアスティも、品質の良いものは多少あるとは言え、勘弁して~と言いたいワインが多く、アルバーナもご多分にもれず、という印象だった。
たしかに、アルバーナの辛口は、いくつかのワイナリーのものを除いて、ちょっとパスしたくなるものが多い。
しかし、デザートワイン、特にパッシート(収穫後、陰干しをしたブドウで造るワイン)は違う。全然違う。堂々と胸を張ってDOCG!と言えるものがあるのである。

エミリア・ロマーニャ州は、横に広がる形だが、西側がエミリア地方、東側がロマーニャ地方となる。
名前の通り、州の東側、ロマーニャ地方に生産地域がある。
品種は、これも名前の通り、アルバーナ100%。アルバーナという品種は、写真を見てみると良く分かるが、とにかく、だらーん、と縦に長い。そして、房がかなり大きい。良いワインができる品種の多くは、房が小さく、粒が締まっているが、それを念頭に入れると、残念ながら、これでDOCGワインを造るの??と疑いたくなる。しかし、そこで、やっぱりね、と思ってはいけない。確かに、辛口はお世辞でまあまあと言うが(ごめんなさい!)、パッシートには良いものが多々ある。つまり、アルバーナは意外や意外、陰干しに向いている品種なのである。
さて、アルバーナ・ディ・ロマーニャDOCGには以下の5つのタイプがある。
①  辛口secco 最低アルコール度12% =実際に、それほどアルコールの高くない、ほろ苦さのある、それと言って特徴のないワイン。
②  薄甘口amabile 最低アルコール度12.5% 残等分12~30g/l =やや甘口
③  甘口dolce 最低アルコール度12.5%(うち実際のアルコール度alcol effettivo 8.5%以上)残等分45~80g/l =結構甘口
④  パッシートpassito 最低アルコール度17% 陰干しは収穫の次の年の3月30日まで 陰干し後の糖分284g/l以上 翌年の9月1日以降の発売 =コハク色を帯びた黄金色で、良いものは、酸とのバランスが良い。
⑤  パッシート・リゼルヴァpassito riserva 最低アルコール度24%(うち実際のアルコール度alcol effettivo 4~11%)モストの段階で400g/l以上 翌年の12月1日以降の発売 =実際にはあまり見かけない。
イタリアの各協会が出すこういう規定を見ていて思うのは、チャート式にしてくれるとわかりやすいのになぁ、と思うことと、良く見ると、あれ?と思うことがあること。たとえば、残等分。残等分が35g/lだったら、②と③のどっちに入るんだろうなぁ。。。と深く考えないのがイタリア式。

いくつか良いワイナリーはあるが、ぜひ一度、ゼルビーナZerbinaのパッシート「スカッコマットScaccomatto」は試してほしい。チェス模様のラベルがトレードマーク。