在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Concerto - Mazzei (Fonterutoli) 1994

2012-01-31 19:43:16 | Toscana トスカーナ
“コンチェルト”マッツェイ(フォンテルートリ)1994 -トスカーナ州

このワインを知らない人の方がもう多いのではないかと思う。
この頃はマッツェイと呼んでいたのだな~と改めて思った。
今は、カステッロ・ディ・フォンテルートリとしての方が良く知られているはずだが、キャンティの超有名ワイナリー。
記憶によると1995年だったと思うがコンチェルトの生産をやめてしまった。だから、もう手に入らない幻のワインである。
当時は、結構好きで飲んだものだ。懐かしい~

これをラディコンの次に開けた。ロンゴ氏のサルシッチャと卵とトルテッリーニと一緒に。
(2本のワインの組み合わせもすごいが、食べ物との組み合わせもすごい・・・)

品種はサンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニオン。
格付けはVdTで、当時はスーパータスカンだった。
色は濃い目のガーネット色。
最初はかなり閉じている。フルーツのコンフィ、スパイス、タバコ、きのこ、腐葉土など。熟したワインが好きな人は、おお、いい!と言うのではないかという雰囲気を持つ。
タンニンは完全に柔らかくなり、酸が引き立つので、細め、エレガントな印象を与える。持続性もよく、後味は心地良い。

しかし、グラスにとっておいたものを飲むと、翌日にはほぼ完全に消えていた。
ラディコンはしっかり残っていたのであるが・・・
94年がよく持ちましたと言う意味をこめて88点、しかし翌日は85点。


Merlot - Radikon 1998

2012-01-31 18:21:40 | Friuli フリウリ
“メルロー”ラディコン 1998 -フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州

バーリ在住の友人、ロンゴ氏の手料理と一緒に開けた。
なお、1本では足りず、結局、フォンテルートリの”コンチェルト“も続けて開けたのである。
ところで、ロンゴ氏の手料理は、男の料理なので大胆かつ大雑把であるが、素材がとてつもなく良い。
マッセリア(昔の、規模の大きな農家)を所有しているので、生んだばかりの卵、自然肥料で育てた豚で作ったサルシッチャ、サラミ、所有の畑で取れるトマトなど、自然の恵みばかりである。そのうえ、グルメなので、めちゃくちゃ美味しいトルテッリーニ、オレッキエッテなども秘蔵(?)していて、何を食べても美味しいのである。

さて、ワインの話。
裏のラベルに亜硫酸は含みませんと明記がある。
そして、ノンフィルターの表示。
ラディコンは、フリウリではグラヴナーに次いでというとオーバーかもしれないが、フリウリのビオの大御所である。
普通のワインに慣れていると、亜硫酸が入っていなければもたない、と思うかもしれないが、ラディコンのワインはびっくりするほど長寿。
全てのビオのワインが良い、美味しい、長寿では決してないが、良く造られているビオのワインは本当にうれしい。(賛否両論があるので「美味しい」とは断言しない)
ところで、このワインの容量は750ml。今はラディコンは750mlのボトルを造っていないので、幻のボトルである(ちょっとオーバー・・?)。もうかれこれ10年近くになると思うが、ラディコンは500mlと1リットルの製造に替えた。もちろん彼らのコンセプトに基づいてである。

色は濃い。深いガーネット色で、かなり濁っている。もうここでビオとわかる状態。また、期待が膨らんでくる色。
奈良漬けまでいかないが、発酵臭。人は臭いというかもしれないが、個人的には結構好き。スパイス、アニマル、腐葉土など。
普通のワインしか飲んでいない人は、あ、もうこのワインだめ、と言って、どぼどぼ捨てるかもしれない・・・
しっかりした味わい。タンニンは当然まろやか、ボディもあり、持続性も悪くない。

最後のグラスをわざと残しておいた。
そして、翌朝。(朝シャンならぬ‐シャンプーじゃないですよ~‐朝ワインは美味しい)
香りがまだきれいに出てくる。決して衰えていない。
一緒に残しておいた“コンチェルト”は香りがかなり消えてしまったにもかかわらず・・・
(当日87点、翌日88点)