在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Nakone 2011 Tenuta di Fessina

2013-05-06 20:43:30 | Sicilia シチリア
Nakone 2011 Tenuta di Fessina

ローマの老舗エノテカ、トリマーニのパオロ氏のお勧めの白。
最近、気に入ってるんだよね、との言葉。
このワインは飲んだというはっきりした記憶はないが、このワイナリーのワインは何度か飲んだことがある。
そして、ちょっと調べて、Musmeciのワイナリーだとわかった。
Musmeciはなかなかいい。エトナの試飲会でも、飲んだ?なかなかいいよね、と何人かの友人が言っていた。


さて、Nakoneは白、シチリアのシャルドネである。エトナだと言っていたと思ったが、次に会った時に、エトナにも畑のあるワイナリーで、これはセリヌンテあたりの畑との話。(ただし、パオロもちょっとうる覚えだった・・・)

つやのある麦わら色。
冷たいグラスの中で、閉じていた香りが徐々に上がってきて、シチリアの暖かい香りにひんやりした空気が混じっている。柑橘、グレープフルーツ、サマーレモン、そして、やや苦味を含んだ、柑橘の皮のスライスも混じ感じ。ほんのりニワトコ、ジャスミンのような小さな花の香り、そして、緑の香り、香草が鼻につんと来る。奥にはミネラルが控える。わずかだが、乳製品の香りもある。全体にシンプルだが、南のワインらしい強さがある。
味のインパクトは、シチリアらしくかなりしっかりしている。思ったよりボディがあり、ややほろ苦さと硬さを含む酸味がきりっと引き締まっている。塩味と、柑橘系のフルーツの香りがきれいに長く残る。
これからの季節、きりっと冷やして、魚だけでなく、パスタ、野菜、そして、白身の肉料理に合わせてもいい。

Gelato World Tour -Roma

2013-05-06 16:12:22 | もろもろの食べ物

ジェラートのオリンピックというとオーバーだが、2年に一度、というか2年にわたって開催されているジェラート・ワールド・ツアーというのがある。
そういえば、過去にそんなのをやっていたとは思うのだが、情報の動かないイタリアで、FBは実に便利である。今回は事前に知って、ジェラート大好き人間としては、心待ちにしていたのである。
さて、ツアーは、ローマが最初のポイント、その後、7カ国7箇所、合計8箇所で行われ、総得点で優勝者が決まるというオリンピック(?)である。

ちなみに、北米はシカゴ、そして、スペイン、ドイツ、ブラジル、アジアは中国、中東、オーストラリアでの開催で。
余談だが、このところの日本は中国に負けてしまっている。
ホンコンのワイン・エキスポが注目され、Vinitalyにも多くの中国人バイヤーが訪れ、このジェラート・オリンピックのアジア開催地も中国である。
そして、時々、時計を3つくらい並べて「世界の時間」を見せている、たとえばホテルなどがあるが、以前は絶対に東京だった時間が、最近は上海に変わってきている。悲しい。。。
フレー、フレー日本!!


さて、予選を勝ち抜いた16のイタリア各地のジェラテリアの勢揃い。
それぞれが、1種のジェラートを披露する。
リストを見ると、やはり南イタリアが多い。そして、材料にピスタチオを使っているところが多い。
5ユーロ+バス・チケット提示で5種類を試食できる。
最初は全部食べたい!と思ったのだが、ダイエットという強敵が目の前にちらつく。この強敵は手ごわい。そこで、とにかく5種、足りなければさらに5種、というつもりで望んだ。
結局、食べたのは6種。

さて、まずは、友人のお勧め、ローマかなり郊外、スビアコにあるジェラテリアのグランマニエ・クリームを試食。
グランマニエのほのかな香り、オレンジがふわっと混じり、なかなかいい。高級上品系のアイスクリームである。うん、いい。
ジェラートのミニコルソなるものをやっていたので、ちょっと見に行く。子供たちがレモン味のジェラート、ただし、生クリームが入っていないのでスムージーに近いかも?と思われるものを披露。

そして、第2部。
友人が絶対に食べたい、と言ったパレルモのジェラテリアへ。ジェラートのタイトルはザム。ザムとは、アニスベースの飲み物だそうな。
アニス味のアイス。実は、アニスは香り付けに使用されているなら別だが、それだけだとちょっと苦手。リコリースも同じく。
食べ物もほとんどのものが大丈夫であるが、内臓系は苦手、脳みそや、変わった肉は食べたくない。

ここでまた余談だが、この前、FBで回ってきた写真に、犬食いの写真があった。かわいそうで見てられなかった、中国、韓国では本当にいまだに食べているのか。そのために育てた、つまり飼育されたもの、と言うが、戦時中でもないのに、犬を食べる人種の気が知れない。ウサギだって食べたくないのに、犬の肉のどこがおいしくて食べるのだろう。

さて、そのアニスのジェラート。
色は、真っ白。何も、つまり何の粒も、皮も入っていない。雪のように真っ白。見た目はかなり地味である。つまり、食欲をそそる、とか、人の目を引くものではない。
しかし、一口食べると。。。これが素晴らしくおいしかったのである。


原材料に生クリームは入っていない。水と、砂糖とアニスのリキュールのみ。
つまり、シャーベットに近いと言うか、いや、非常に滑らかで、やっぱりジェラートであり、素晴らしくおいしかった。
滑らかさの触感が舌に優しく溶け、程よい甘さと、アニスのリキュールのさっぱり感がのどの渇きを癒す感じ。
おおー!

その後、興味のあったアーモンドのジェラートを試食。これは悪くなかったが、よくできたジェラートを上を行かない。
そして、イタリアらしいクラシカルなピスタチオへ。
ピスタチオを使っているところは、合計4つ。やはりイタリアでの人気素材、そして、投票の獲得数も多いと想像される。うち、最もクラシカルなピスタチオをまず試食。
これが。。。甘かったのである。ピスタチオの味はしっかり、しかし、甘い。イタリアンジェラートは比較的甘いので、イタリアンジェラートが好きな人には受けるのだろうが(そういう客層を狙っているのだろうが)、ちょと甘すぎ。
口直しに水が必要になった。
ここで、ザムのあとは、もう何も要らない、というか、ザムの上を行くものはないのではないかと言う疑問を持つ。
そして、ダイエットという強力なライバルが目の前に立ちはだかり、後3つ、もう1種ピスタチオベールのもの(やはり甘かった)、チョコベースのもの(おいしかったが、ザムの上ではない)を味見して、退散したのであった。
もちろん、味見していないものに素晴らしいものがあったかも知れないが、きっとザムの驚きほどではないのではないかと思う。



写真のジェラテリア、Petriniはローマの新アッピア街道にある。
2008年のチャンピオンで、非常においしい。程よい甘さ、素材の味がしっかり、ピスタチオなどは上品な味わい。
さて、2014年のチャンピオンになるのは誰なのだろう。