在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Vinoforum class

2014-11-12 08:51:19 | Toscana トスカーナ
Vinoforum Class



Vinoforumは、夏にオリンピックスタジアム辺りで行われるワイン祭り的な、なんとなく夏の風物詩となっている。
もうかなり前に始めた頃(10年にはなる?)は、イヴェントとしてはほぼこれだけだったような気がするが、だんだんいろいろなイヴェントを追加しているのか、Vinoforum Class
と題した試飲会の招待状が来た。一応招待状を持っている人のみ、つまり一般には参加できない試飲会となっている。50社ほどが出店するとの明記はあるが、ワイナリーの名前は出てこない。まあ、物見遊山を兼ねて行ってみた。
招待状はあるにこしたことはないが、なくても入れるような雰囲気。というのが、名前のチェックを最初はしていたのかもしれないが、そのうち、「ナントカです」と名乗れば入れそうな雰囲気になったような気がする。ハシゴだったので、若干遅れて着いたころには、結構適当な受け答えで、これじゃあ誰でも入れるよね、という雰囲気になっていた。
ワイナリーはほとんどのところがワイン1種しか持ってきていなかったが、かなりのワイナリーが出ていた。
有名どころで、Ferrari、Ca’ del Bosco、Tramin、Terlano、Venica、Planeta、Ama、San Leonardo、Fonterutoli、Les Cretes、Pommeryなどなど、一応満足いく程度のワイナリーは揃っていた。欠点は、ほとんどのワイナリーが1種しかもっていなかったので、なんとなく、バラバラの雰囲気、スタンドの場所も適当な感じでバラバラ、つまり、ただ美味しいワインを飲むだけの会のようで、統一感には欠けていた。パラパラと、早くになくなりそうなワインから赤、白、スプマンテバラバラに、適当に飲んで行く。


いくつかの感想。
Ama L’Apparita 最初に飲んで、もともと好きなワインなので、いいね、と思ったが、しばらくたってトリマーニのパオロに出会い、いろいろと話をしたら、結構ズバッと、好きじゃなかった、良くなかった、と切る。後に改めて飲み直してみる。確かに冷静に、L’Apparitaだと思わず飲んでみると、今一つのところがある。香りの深みが欠けているし、エレガントさ、余韻にももっと欲しいものがある。(もちろん、L’Apparitaとしての話)パオロは嗅覚と触覚で試飲をする人だと思っているが、やはり素晴らしい。
ワインは(ワインなんてものは、とも言える)ラベルで飲めてしまうもの、と思っているので、改めて考えさせられた。ラベルはできるだけ見ないように、見てもできるだけ左右されないように心がけているつもりでも、一瞬気を抜くとやはり左右されている自分に気が付く。++++


Fonterutolo Siepi そのパオロが今日一番だった、と言ったワインがこれ。話をした段階では残念ながらまだ飲んでいなかった。話にできるだけ左右されたくなかったのでしばらくしてから飲んでみる。香りの第一印象が、うわっ。かなりすごい。インパクト、複雑性、そして香りの長さ、味も印象的で、強さと程よいエレガントさを持っている。Fonterutoliのワインは昔から好きだが、少し離れていた時期もあり、最近また非常に気に行っているのだが、コンファーム。+++++



Pommery Louise 2002+++ 2000+++++ 1999++++ 2002年は普通のボトルで酸味がとてもエレガントで普通に良いと思ったが、2000年はマグナムで、素晴らしかった。クリーミーな感じも兼ね備え、これだけでじっくり飲みたいシャンパン。1999年は再び普通のボトルに戻り、良いのだが、マグナムの2000年の後では若干影が薄くなってしまう。


San Leonardo 個人的に非常に好きなワインなのだが、初めて、モダンさが鼻についたような印象を持った。良くできている。優等生的ワインだと思う。++++

FerrariのRiserva del fondatore+++++とCa’ del BoscoのAnnamaria Clementi++++が遠くにあったのが残念。こういうのをぜひ一緒に比べてみたいのだけど。後者は以前より樽がきつくなくなったような印象でとても好印象。

もう一つとても印象的だったのがBaglia di Cristoのシャルドネ。最近良いと言う人が多く、気になっているのだが、確かにいい。香りは樽が若干強く好みではないのだが、冷静に判断して見ると、非常にきれいな奥行きがあり、味の持続性も非常にあり、素晴らしいものを持っている。++++(+)

TerlanoのQuartzも相変わらず好きなワインだが、コンファーム。+++++

その他、Traminのゲヴルツは久々に飲んだが、香りのお手本的。
Les CretesのCuvee Boisも個人的には好きなワイン。
PlanetaのCometa、Le Pupille、Tua Ritaなどなど、久々のものからそうでないものまでいろいろと飲んだ夜だった。
笑ってしまうのが写真の色。全体的に赤いのだが、照明がこんな感じだったのである。