乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ  清原深養父

2012-12-09 | ことのは


 朝、庭に雪が積もっていた。
 昼には雪とけて、陽が照る
 北風ビュンビュン
 
 空を見上げ
 降る雪を想像しながら
 春を待つ




  古今和歌集  330

 雪の降りけるをよみける   清原深養父
 冬ながら 空より花の 散りくるは 雲のあなたは 春にやあるらむ




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島原住吉神社(色香あらそう神垣の梅)/ 幸天満宮(ちりづか山に交わる瑞垣)富士谷成章

2012-12-04 | ことのは



 島原住吉神社(色香あらそう神垣の梅)幸天満宮(ちりづか山に交わる瑞垣)富士谷成章


  住吉の松の常磐に春はなほ 色香あらそう神垣の梅
                         富士谷成章


  曇なく神の光もやはらぎて ちりづか山に交わる瑞垣
                         富士谷成章





                


 島原住吉神社

  住吉の松の常磐に春はなほ 色香あらそう神垣の梅
                         富士谷成章


 富士谷 成章(ふじたに なりあきら、元文3年(1738年) - 安永8年10月2日(1779年11月9日))は、江戸時代中期の国学者。皆川成慶(春洞)の次男で、儒者皆川淇園の弟。柳川藩京都留守居富士谷家の養子となる。通称は専(千)右衛門。字は仲達。号は咸章、北辺。生まれは京都。子に富士谷御杖がいる。  (ウィキ引用)


 島原住吉神社
 島原住吉神社は、もと島原中堂寺町の住吉屋太兵衛の自宅で祀っていた住吉大明神が、霊験あらたかにして良縁の御利益があり、参詣者夥しきため、享保17年(1732)祭神を島原の西北に遷座し建立された。
 その規模は、南は道筋(島原中央の東西道)から、北は島原の北端にまで及び、広大な境内地を有した。爾来島原の鎮守の神として崇められ、例祭とともに、太夫・芸妓等の仮装行列である「練りもの」が盛大に行われていた。

 明治維新後の廃仏毀釈→神社株を持たない当社は廃社となり、祭神を歌舞練場内に祀ることとなった。
 明治36年(1903) →船井郡本梅村から無格稲荷社の社株を譲り受け再興した。
            現在の狭い境内地となリ、正式社名も住吉神社は認められず、稲荷神社とされた。
 平成11年(1999) →社殿、拝殿を改修のうえ、社務所も新築し、境内の整備。
            同13年には、懸案の社名を島原住吉神社と改称し、旧に復する。





 幸天満宮(島原住吉神社 内)

 曇なく神の光もやはらぎて ちりづか山に交わる瑞垣
                    富士谷成章

                                           

 住吉神社の境内社である幸天満宮は、当初揚屋町の会所に天神の祠があり、それが、享保19年(1734)当所に遷座した。
 延享5年(1748)→筑紫太宰府天満宮にならい、鷽替の神事が営まれ。
 色紙、短冊などを持ち集まり、「鷽を替えん」と言いつつ取り交わす甚だ興あるものだったが、明治以降は完全に廃れてしまった。




 〒600-8829 京都府京都市下京区西新屋敷下之町1-6

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ハマムラ、ヘマムシ、暇虫鳥☆

2012-10-29 | ことのは



 レストランのヘマムシ入道…
     といえば

     レストラン ハマムラ  …ちがう^^::…か?

 こどもの頃から何となく気になっているのに、何か微妙に入りづらくて…
                 未だに入店したことがない。

 ネットで調べて見ると、ハマムラ 河原町店は、リーズナブルな大衆中華料理店らしい。

 ハマムラ

  
  
 ム
  


 ヘマムシ入道とは
   文字遊戯の一。
   片仮名のヘマムシの4文字で頭部横顔を、草書の入道の2字でからだを書き表したもの。
   へまむしょ入道。
( 大辞泉)

  
  
 ム
  
  
   



 ヘマムシ入道から連想…?  江戸時代の文字遊戯
               多くの説があるらしい…
               なので、詳しくはウィキペディア 火間虫入道…^^
                   (削除されていれば、ごめんなさい)

  火間虫入道、火間蟲入道(ひまむしにゅうどう)

 ウィキペディアによれば 火間虫入道、火間蟲入道(ひまむしにゅうどう)とは、
      鳥山石燕による江戸時代の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』にある日本の妖怪  との事

 人生勤(つとむる)にあり つとむるときは匱(とぼし)からずといへり 生て時に益なく うかりうかりと間(ひま)をぬすみて一生をおくるものは 死してもその霊ひまむし夜入道となりて 灯(ともしび)の油をねぶり 人の夜作(よなべ)をさまたぐるとなん いま訛りてヘマムシとよぶは へとひと五音相通也


 ハマムラさんから、ヘマムシを思い浮かべたが運のつき

 リュート音楽を聴きながら、「妖怪」でネットサーフィンして小一時間を過ごしてしまった……

 わたしこそが 暇虫鳥

  
  
 ム
  
   


 
なんだかハマムラさんまでが、困ったようなお顔に見えてきたのは、わたしだけ?…    


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高山彦九郎 皇后望拝の像と、色づきはじめたもみじ 京都・三条大橋 (3景)

2012-10-23 | ことのは


    高山彦九郎 皇后望拝の像と、色づきはじめたもみじ





 大御門その方向きて橋の上に 頂根(うなね)突きけむ 真心たふと   

                             橘 曙覧(あけみ)






 江戸時代、ここ三条大橋は東海道五十三次の起終点にあたり、往時の都の出入口であった。今ここにある銅像は、高山彦九郎正之(1747~1793)の姿を写したものである。高山彦九郎は、群馬県の出身である。18歳の時以来、前後5回、上洛したが、京都に出入りする折には、この銅像の姿のように京都御所に向かって拝礼した。その姿は
  大御門その方向きて橋の上に
   頂根突きけむ真心たふと

              橘 曙覧
と和歌に詠まれた。
 明治維新を成就した勤皇の志士達は、彦九郎を心の鑑と仰いだといわれる。後、明治の中頃の俚謡、サノサ節には
 人は武士
 気概は高山彦九郎
 京の三条の橋の上
 遙かに皇居をネ伏し拝み
 落つる涙は鴨の水アサノサ
と謡いつがれた。
 



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丁字茄子    ( 丁子茄子 『鬼苑漫筆』 第一章 内田百間 )

2012-09-28 | ことのは


 丁字茄子 (チョウジナス)


 
 からし味噌和えの上に 角がはえ、細かな毛の生えた奇妙な赤い実がのっている。

「お母さん、これ何?」

「何でしょう?花胡椒とはお味が違うし…」

 夫曰く
「丁字だろう」

??スパイスの?」
と首を傾げるふたり。

「すみませぇ~。これはなんと言うのですか?」
と、わたし。

「丁字茄子と申します。」

 三人は妙に納得し、「丁字茄子」を連呼する。


 宿につくや否や、息子がネット検索する。

「お母さん、世の中にはよく似たことがあるものだね。」
と、やたらユニークでうまい文章の小粋なページを開けて、夫とわたしに見せてくれる。

 そのページ  丁子茄子 (鬼苑漫筆 第一章)より ▼







[引用文]
「丁子茄子 七」(鬼苑漫筆 第一章)
 初めの内お膳を突つついてゐる時、前菜風に盛った細長いお皿の中に、猫の好きなまたたびの蔕(ヘタ)の様な物があつたのを、何の氣なしに箸に挾み、變な物だなと思ひながら口に入れたら非常にうまい。何だかわからずに食べてしまつた。
 今僕が戴いた物は何です、と尋ねた。
 吉田さんも知らない。お給仕の人を呼んで聞いて「ちやうじなす」だと云ふ。丁子茄子と書くのだらうと思ふ。そんなにお氣に入つたなら、もつと差し上げませうと云つて、お膳の上に追加を取り寄せて下さつた。それをみんな食べてしまつた。そんなにむしやむしや澤山食べる物ではなささうだとは思つたが、醉つてゐると、うまいとなれば留めどがなくなる。
 家に歸つてから近所の食料品屋に、ちやうじなすを持つて來いと誂へた。どんな物だと聞くから、またたびのへたに似てゐると云つたが、私がさう思つただけで人には見当がつかないらしい。探して見ますと云つたきりで半年ぐらゐ經つ。もう忘れてゐるだらう。



『鬼苑漫筆』内田百間 

 ウィキペディアより▼

 内田 百間(うちだ ひゃっけん、1889年(明治22年)5月29日 - 1971年(昭和46年)4月20日)は、夏目漱石門下の日本の小説家、随筆家。本名は内田 榮造。
戦後は筆名を内田 百﨤と改めた(読みは同じ。﨤は門構えに月、U+9592)。別号は百鬼園(ひゃっきえん)。
「百﨤」は、故郷岡山にある旭川の緊急放水路である百間川から取ったもの。別号の「百鬼園」を「借金」の語呂合わせとする説もあるが、本人は一応のところ否定している。
 迫り来る得体の知れない恐怖感を表現した小説や、独特なユーモアに富んだ随筆などを得意とした。後輩の芥川龍之介に慕われたほか[1]、師である夏目漱石の縁故から夏目伸六と親交が深かったことでも有名。





旺文社文庫
いささ村竹・鬼苑漫筆
内田百間
旺文社 (1982/12 出版)




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京都弁…「ごちそうさまでしたぁ」「よろしゅうおあがり」

2012-09-04 | ことのは

 
 
 

 『タビリエ 京都』 JTBパブリッシング 2006年に「よろしゅうおあがり」という京のおばんざいでお教室が載っていた。

 説明には 次のように間違ったことばの使い方が記されていた。



 【「いただきます」と合掌すれば、おかあさんが「よろしゅうおあがり」とうながしてくれる】



 これは違う。

 わたしの父は生粋の京都人だったが、毎日お食事のあとに声をかけてくれた「よろしゅうおあがり」がなつかしい。

   「ごちそうさまでしたぁ」

   「よろしゅうおあがり」



「ごちそうさまでしたぁ」「よろしゅうおあがり」はわたしのこころにとけこんだことば。


 
 
 


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なさぬ仲

2012-05-28 | ことのは



         なさぬ仲
         





 夕暮れ、猿沢池を歩く。
 鳩と亀が、なさぬ仲

 うふふ
 今、ちらっと
 いやらしいことを考えませんでしたか?


 日本国語大辞典によれば「なさ ぬ 仲」とは
   その子を実際に産んだのではない関係の意
   義理の親子の間柄。肉親でない親子の間柄

   北野天神縁起〔鎌倉初〕では
     「昔もいまも、なさぬ中のならひにて、此まま子をあながちににくみけり」
                みたいな……






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一本の 木がある      (2景)

2012-05-27 | ことのは







 一本の 木がある

 こんな景色を見て、谷川俊太郎の詩を思い出した


 一本の 木がある
 私の家の庭に…



 後はどんな風だったっけ

 忘れたか?忘れたな…

 忘れたなら、自分の人生で描けばいい





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Ga×ga

2012-05-27 | ことのは




          Ga×ga
 

 
  一匹GAが壁に向ってへばりつく

  吾 にあらず、蝶なり

 ‘欲’を餌に、かたくなにしがみつく

  妄想の行く末、 蝶となりて 天昇

  これぞ の祝なり




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2012年  春日大社神苑萬葉植物園の藤 2  八重黒龍藤(やえこくりゅうふじ)(2景)

2012-05-11 | ことのは


        八重黒龍藤 (やえこくりゅうふじ)


 やえこくりゅうふじ が咲いていた。
 遠くから見ると、……ブドウ?


 やえこくりゅうふじ という名前を漢字で書くと

    【八重黒龍藤】



       
    八重黒龍藤
     八重藤
     黒龍藤
      八重
      黒龍
      藤
      
     


 姿も漢字も
 実のしまった葡萄のようだ。        








         2012年5月5日
         春日大社神苑萬葉植物園





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オオムギ【馬柵越し むぎ食む駒の 罵らゆれど なほし恋しく 思ひかねつも】(3景)

2012-05-11 | ことのは



         オオムギ
        




   

   
   馬柵越し むぎ食む駒の 罵らゆれど なほし恋しく 思ひかねつも
           作者不明  万葉集 巻十二 三〇九六

 







             2012年5月5日 春日大社神苑萬葉植物園




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花矢倉展望台を少し下ると、謡曲『忠信と 花矢倉』 吉野山が舞台の謡曲の数々(5景)

2012-04-29 | ことのは


  花矢倉展望台を少し下ると、謡曲『忠信と 花矢倉』





 佐藤忠信 花矢倉




 謡曲『忠信と 花矢倉』案内近くから望む 吉野 桜景色




 吉野山が舞台の謡曲

   「忠信」
   「二人静」
   「吉野静」(吉水神社)
   「吉野天人」
   「嵐山」 (金峯山寺蔵王堂)
   「船弁慶」
    「桜井」
   「楠露」(如意輪寺)
   「西行」


   「西行」
     『山家集』上 春 87
      花見にと群れつつ人の来るのみぞ あたら桜の科(とが)にはありける

             『新日本古典文学大系 29』「山家集 金槐和歌集」山家集 P.34


 後日 謡曲集で楽しみたい。
                 
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わたしんちの はる ☆ シャガやトキワマンサクが咲き始めました。(16景)

2012-04-20 | ことのは


        わたしんちの はる ☆ シャガやトキワマンサクが咲き始めました。




 毎年のように 記録しているような気がしますが…^^::

 今年も、わたくしの好みのギボウシたちが目を出し始めました。
 一番乗りは,斑入りのギボウシ
 キュン☆



 わたしのとても好きなシャガがいっぱい咲き始めました。
 絵を描きたくなりますね^^
 キュンキュン☆

  











 トキワマンサクもにぎやかでした☆ 














 

「古今和歌集」春歌(下)
 古今 春歌78
        あひしれりける人のまうできて、かへりにけるのち
        に、よみて花にさしてつかはしける    つらゆき
      ひとめみしきみもやくると さくら花けふはまちみて ちらばちらなん

 



               4月20日  夕方 雨上がりのあとに

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我が庵は 三輪の山もと 恋しくは とぶらひきませ 杉たてる門 (1景)古今和歌集

2012-04-14 | ことのは




         

   古今和歌集 982    読人知らず

   我が庵は 三輪の山もと 恋しくは とぶらひきませ 杉たてる門

         


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遺伝 陽春   萩原朔太郎   (2景)

2012-04-09 | ことのは


      
      
  
    


    遺伝   萩原朔太郎




    人家は地面にへたばって

    おおきな蜘蛛のように眠っている。

    さびしいまっ暗な自然の中で

    動物は恐れにふるえ

    なにかの夢魔におびやかされ

    かなしく青ざめて吠えています。

      のおあある とおあある やわあ

    もろこしの葉は風に吹かれて

    さわさわと闇に鳴ってる。

    お聴き! しずかにして

    道路の向こうで吠えている

    あれは犬の遠吠だよ。

      のおあある とおあある やわあ

   「犬は病んでいるの? お母あさん。」

   「いいえ子供

    犬は飢えているのです。」

    遠くの空の微光の方から

    ふるえる物象のかげの方から

    犬はかれらの敵を眺めた

    遺伝の 本能の ふるいふるい記憶のはてに

    あわれな先祖のすがたをかんじた。

    犬のこころは恐れに青ざめ

    夜陰の道路にながく吠える。

    のおあある とおあある のおあある やわああ

   「犬は病んでいるの? お母あさん。」

   「いいえ子供

    犬は飢えているのですよ。」


    
      


    陽春   萩原朔太郎




    ああ、春は遠くからけぶつて来る、

    ぽつくりふくらんだ柳の芽のしたに、

    やさしいくちびるをさしよせ、

    をとめのくちづけを吸ひこみたさに、

    春は遠くからごむ輪のくるまにのつて来る。

    ぼんやりした景色のなかで、

    白いくるまやさんの足はいそげども、

    ゆくゆく車輪がさかさにまわり、

    しだいに梶棒が地面をはなれ出し、

    おまけにお客さまの腰がへんにふらふらとして、

    これではとてもあぶなさうなと、

    とんでもない時に春がまつしろの欠伸(あくび)をする。 

        

    








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