乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

青の瞬間(toki)

2006年06月29日 | 映画

     青の瞬間(toki)




            

                満足度 ★★☆☆☆

                2001年 日本

                監督・脚本 草野陽花

                キャスト 郭智博(カク トモヒロ)
                     柳沢真理亜
                     伊藤淳史
                     世良公則
                     岸部一徳   他










 島根県西ノ島の中学3年生の達夫は、島から出たいと漠然と願う。

 悪友の賢一と砂浜の小屋でだらだらとした単調な毎日を送っていた。



 冬休み、秘かな想いを寄せていた加奈恵の家のスナックでバイトすることになった。

 車椅子生活を送る加奈恵と、バイト後は一緒に散歩に出かけるのが日課となる。

 中学生の達夫は加奈恵と初めてのキスを体験する。

 しかし加奈恵との関係をよからぬ男に聞かされた達夫は失望感に駆られ、加奈恵に重秋とのことを確かめる。

 すると加奈恵はすんなりとそれを認めるのだった。




 やり場のない想いを抱え、本土へ重秋を殴りに行く達夫。

 次の日、重秋は仕返しにやってきて、ボコボコになぐられてしまう。

 達夫は自分に言い聞かすように、彼らに言葉を投げ捨てた。
「俺はここから出て行ってやる…」



 


 3月、東京の高校に合格した達夫は、久しぶりに加奈恵と夜の散歩に出かけた。

「海に入ってみたい」
加奈恵は懇願する。

 加奈恵を背負って海に入る達夫。

「もっと深く。」
「これ以上はいけない、溺れてしまう…」
「お願い…」





(彼は東京の高校に行く。しかし、私はここから、そしてこの運命から逃れることはできない。)





 加奈恵は絶望と悲しみの頂点に達し、初めて精神的につながった友情或いは愛情を感じる彼を道連れに、自殺しようと試みる。




 数日後、「何故彼女は死のうとしたのか」「何故自分は東京へ行くのか」、若さ故の不安を抱えながら、達夫は東京へ向かう電車に乗った。


 彼女はいつものように車椅子に座り、部屋の窓から彼が乗っているであろうJRに向かってつぶやいた。


「ここから出て行くことはできないのよ…」



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする