乱鳥の書きなぐり

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麗江金沙(大型民族服飾、民族風情舞踊計画)雲南省

2007-02-17 | 舞台・芝居

(写真は左からペー族、イー族、ミャオ族・・・ だと思います

 

 大型民族服飾、民族風情舞踊計画

                麗江金沙

 

 

 大理の三道茶を楽しんだ後、私たちは一路麗江へ。

 麗江での夕食は納西地方料理を食す。

 食後はオプションの『麗江金沙』を鑑賞。

 

 

 まずは楽器だけの民族音楽から始まる。

 少数民族の衣装をまとった演者が、色々な楽器を奏でる。

 

 舞台の前には水が池のようにはられ、少しばかりの造花の蓮が飾られている。

 水と蓮の桃色が中国らしくて楽しい。

 中国の舞台を観ているといったねっとりとしたこの感じは、心地が良い。

 

 中でも真ん中に座っていたナシ族の長(おさ)は格好がよかった。

 頭にかぶった帽子にはアロエのような飾り物。

 衣装は渋く、まるでカブキの荒事に出てくるような男らしさを感じさせる姿。

 美しい・・・

 

 

 サンタではないが、「ホホホー」の掛け声から始まるこの舞台は、象や孔雀といった吉祥文様を作品に取り入れている。

 ライトの色彩と文様、数多くの雲南省に住む少数民族の衣装を身にまとった舞台は、ドラマ性を含んだ中国風ファッションショーのようにさえ感じる。

 

 

 雲南省少数民族の日常のたわいない暮らしや農耕儀式。自然や太陽や月に対する感謝。そして男女間の精神的肉体的表現・・・

 自然の中で生かされているといった基本的な人間の姿から始まり、少数民族の風習などを描かれた、あらすじにおいては秀作といえよう。

 

 

 美しい衣装で歌舞彩雲南の舞台は展開する。

 一人の女性を巡ってリス族、ハニ族、ナシ族、イー族、プミ族などの男性が面白おかしく争っている。

 これは演出上の身であって、実際は複数の民族の男性が女を取り合うということは考えられないから、余計に楽しい。

 ひとりの男性を決めた後は美しい複数の女性がおどる。

 座った女は左右からスカートをたくし上げ、顔の前でスカートを上出合わせる。

 スカートは女の真前で貝のような形を細やかに振るわせる。

 本来ならばイヤラシイと感じるのであろうが、この演出は消して卑猥なものではなかった。

 カブキの『それ』に対する婉曲した演じ方とはまた違うストレートな表現だが、その割には底抜けに明るい。

 ライトや彼女たちの屈託の無い笑顔など、大陸のなせる技かもしれない。

 

 

 華やいだ進行の中で演じ手は前の池の水をしばしば楽しそうにかぶりつきの最前列の観客に、じゃれるようにかける。

 その様子はまるで戯れのようにも感じられる。

 最前列の客にはあらかじめ薄いピンクの傘が手渡されており、水を浴びせられる度に、大きなピンクの花(傘)が開く。

 このシーンは傘は使わないものの(透明簡易レインコート)、日本では去年の興行『こくーんカブキ』(カンザブロウ他)の『ヨツヤカイダン』やワハハ本舗などでもみられる。

 水をかけられると、観客はわく。

 基本的な観客参加型演出で舞台に変化をもたせるといった試み。

 つい笑ってしまう。

 

 

 舞台はモソ族の『通い婚』に触れる。

 舞台上に木で作った家三つ、女三人。

 男三人がやってきて求愛を踊りで表現。

 女たちは男を受け入れる。

 この通い婚は次の日にガイドが教えてくれたが、子どもができても三から五歳になるまでは誰のの子供化は分からないらしい。

 男は子どもを育てる義務は無く、子どもが大きくなって父親を必要とした時に初めて父親としての役目を果たすのだという。

 男も女も複数の異性と恋愛をするといったおおらかさには『あっぱれじゃぁ~』というより他に言葉は見つからないが、これもまた異文化。

 日本にも『夜這い』や『もてなし?』など、昔はこういった形態に近い風習もあったことを考えると、屋にもに中国だからといった言葉は慎みたいものである。

 通い婚は確かモソ族以外にペー族(又はイー族か?)ものような気がするが、何しろボワリンっと旅していたものだから、あまり覚えてはいない。

 

 

 この舞台で一番感傷に浸った好きな場面。それはナシ族の『自由恋愛』の場面。

 恋人たち成人(13歳)になり自由に恋愛をするが、適齢期になると自分の思い通りには結婚することは不可能。

 思い余った恋人たちは心中をはかる。

 死んだ恋人たちは蓮の咲き誇る第三世界へと導かれ、二人は現世では成し遂げられなかった楽しい時間をともに過ごす。

 

 ここで私の琴線に触れる。

 あまりにも切ない風習・・・悲しい・・・

 これも次の日にガイドが教えてくれたことだが、実際には思いを遂げられぬ男女は、集団自殺をしたのだという。

 この『自由恋愛』の習慣はナシ族の他、リス族にも見られると説明を受ける。

 

 あくまでも想像の域を超えないが、これも貧しい過酷な地域に住む少数民族の食糧確保のための、口減らしの一方法なのだろうかとさえ、勘ぐってしまう。

 上においてはいい加減な話なので 今後調べてみようとは思っているが、悪意があって書いているのでは無いこと付け加えておきたい。

 これもまた異文化。

 わが国で昔与那国島にみられた口減らしの過去を考えると、あり得るかなとも感じる。

 

 

 舞台全体としては民族の装い、民族歌舞踊が見事に組み込まれ、少数民族の確信にも少しだけ触れることができ、満足のいく時間を過ごすことができた。

 最後も、この舞台は演じ手や表情を楽しむというものではなく、雲南省の少数民族をおおまかに舞台上で堪能するといった点において、楽しむものだということを記しておきたい。

 

 

 

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大理並星白族(ペー族)洞経古邪 (民族音楽)雲南省

2007-02-17 | 舞台・芝居

(  写真は食事前。 初めはベトナム人大集団客に向かって演奏していた彼ら。 食事後再び前に行き 音楽を楽しんでいると、今度はこちらに向かってにこやかに応対してくれた。 )

 

  雲南省白族(ペー族)民族音楽

     大理並星白族(ペー族)洞経古邪 

 

 

 中国雲南省、大理亜星大飯店の夕食でのこと・・・

 

 この日はたまたまベトナム人らしき団体客が多かった。

 制服とも考えられる彼らは結構知性的な顔立ちの集団で、日本人に対してもにこやか且つ堂々としていたのが印象的。

 彼らのかなり多い集団の後ろで、私たちは端っこの方に席を設けられていた。

 彼らの前向きな表情に対して、日本人は少し影が薄い印象を受けた。

 

 

 レストランの前では白族(ペー族)が民族音楽を奏でていた。

 後方上の赤い垂れ幕には『大理並星白族洞経古邪』と記されている。

 

 

 品の良い民族衣装に身をまとった美しい女性が、流れるような旋律の唄いを聞かせてくれる。

 変わった中国らしさを感じさせる民族楽器は謡うような調べで、私を堪能させてくれた。

  歌手3人、

  リコーダー1人、

  中国三味線?2人、

  中国木琴?1人、

  中国バイオリン?1人、

  中国バンジョー?1人

が哀愁の漂う調べを聞かせてくれる。

 私は料理がテーブルに配られるまでの間、前に行って聞き入っていた。

 素晴らしい・・・

 

 

 堂々と胸を張った紳士的なベトナム人の広リガ舞台に上がって、マイクを受け取ると、前に出すオペラのような声色で母国の歌を歌いだした。

 知的集団は笑いながら優雅に、拍手でエールをたたえていた。

 このあたりはヨーロッパの酒場などに類似。

 たまたまなのだろうか。ベトナム人の集団は食事を楽しんで話す声もおおらかだが、その実 品良く知的に感じる。

 それに比べて日本人の私。背中を丸めて、姑息な猫背で、あくまでも静かにテーブルの前に座っている。

 これが島国で育った民族性の違いかも知れないと卑屈感を隠し切れない。

 

 

 料理がそろった頃に席に戻る。

 【Menu】

  鯰煮込み

  豚のフリッパー

  豚の唐揚げ

  鳥の唐揚げ

  ひき肉、筍、ピーマン、人参、しょうがのピリ辛あん

  スープ(団子、湯葉、豆腐、白菜他)

  アスパラと塩ハムのさっと炒め

  ターサイの中華味

  中国風白パン

  オレンジ      以上

 

 料理は加もなし付加も無しといった印象の無い味。

 日本と同様、いわゆるホテルの大広間レストランの味付けであった。

 飲み物は大理ビール、1本20元。

 

 

 私はさほど興味の無い食事をそそくさと平らげて、腹六文目位で席を立つ。

 周りのことを考えると申し分けなさを感じるが、ここはひとまず

「お先に失礼いたしま~す。」

の言葉を後に、舞台近くの壁面のじゃまにならないところにに走る。

 

 

 彼らは楽器だけで歌うように演奏。

 美しい・・・

 楽しい場面や物悲しい場面を曲に乗せて表現する彼らの姿は美しかった。

 

 

 ウエイトレスやサービスがデザートを準備している後方の壁面にへばりついて音楽に聞き入っていると、知らない間に彼らはこちらを向いて演奏してくださった。

 申し訳なさと嬉しさで複雑な私。

 リコーダーの方は口を放されている間は何度もニッコリと微笑んでくださる。

 私は曲が終わるごとに拍手を送る。

 彼らはその度にこちらを向いてにこにこして下さった。

 

   

 彼らの持ち時間は終わったようだった。

 彼らは時計をみながら、みんなが集まって相談。

 話がついたようで、多くの楽団員たちがこちらをみてうなずいて下さった。

 私もにこりと笑う。

 彼らはこちらに向かってこの後2曲を演奏して下さった。

 素敵な音楽の後、こちらに向かって

「シェシェ。」の言葉とこぼれるような笑み。

 歌手の美しい女性はにこやかに手を振ってくださった。

 

 

 中国の流れるような曲の旋律と彼らの笑顔が私の心を癒してくれる。

 このような素晴らしい民族音楽に触れることができ、満足感もひとしお。とても楽しい時間を過ごすことができた。

 

 大理亜星大飯店の大理並星白族洞経古邪の楽団員の皆様、ありがとうございました。

 

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