乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

酒池肉林 中国の贅沢三昧 井波律子

2007-02-07 | 読書全般(古典など以外の一般書)

  記録だけ  2007年  NO.21

 

       酒池肉林 中国の贅沢三昧

 

 著者 井波律子(1944年生まれ)

 1993年3月20日第1版発行

      6月21日第3版発行

 講談社現代新書  1139

 222ページ 600円+税

 

 初めての井波律子さんの本、とても面白くて一気に読みました。

 楽しくて満足感ありって感じのおすすめの一冊です。

 興味深い内容がさらりと書かれたこの『酒池肉林』。まるで美味い酒、つまみとであった感じ。

 この本は面白いからもう一度、期間をあけて読むだろうな・・・

 適度なユーモアもふまえていて男前の女って感じな方なのにお顔は美しい。

 この人の講義を受けてみたかったな・・・

 

 

 

 

 

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春夏秋冬そして春

2007-02-07 | 映画

(写真は広州の美容院の看板ですが…

 中国でも韓流ブームなのか、韓流ヘアスタイル専門美容院がありました。) 

 

     春夏秋冬そして春

 

 

 2003年 韓国 106分

 監督 キム・ギドク(壮年僧=冬 )

 撮影場所 慶尚北道 青松郡 周王山国定公園 チュサン(注山)池

 

 満足度 ★★★★★

 感動度 ★★★★☆

 話の展開 ★★★★★

 影像美 ★★★★☆

 色彩美 ★★★★★

 構図 ★★★☆☆

 動物の効果的な使い方 ★★★★☆

 

 各季節最後の『赤』の効果 ★★★★★ +おまけ★★★

 

   春      =①蛇の血(死

                  〔この蛇の赤(血)は人間の罪悪と重なり、この作品の最後まで引きずることとなる。〕

                   見事な描き方だ。

         =①女をあきらめきれず、仏像と鶏を持って追いかける 

              仏像のほのかな赤と鶏のとさかの強烈な赤

   秋      =①ナイフの薄い血

            ②老僧が叱り打つ、青年僧 の体の傷の赤

            ③般若心経を彫る手とナイフの赤

            ④老僧の舟での炎上に強烈な赤

         =①凍てつく舟から広い老僧の骨を包む赤の紙

            ②氷となった滝に老僧の姿を彫り、額に赤の紙(骨)をつめる

            ③捨て子の母親が死んだと知り、これも因果と体に重石、手に如来菩薩

             厳寒のさ中、上半身裸で山に向かう時の胸部の赤色

   そして春  =①門に描かれた緑青色の仁王の姿が、ここで初めて朱色に変わる

 

 

 

キャスト

 オ・ヨンス=老僧    

 キム・ギドク=壮年僧    

 キム・ヨンミン=青年僧    

 ソ・ジェギョン=少年僧    

 ハ・ヨジン=少女    

 キム・ジョンホ=童子僧   他 

 

 

 

 今年になってお初のTV映画。

 一本目はこの間からメモボードに貼り付けて、絶対みるぞモードだった『春夏秋冬そして春』。

 

 この映画も淡々とした時間の流れの中で、強烈なドラマが展開。

 数十年にも及ぶ時を通して、孤立した湖上の庵(寺)の僧の生き様をシャープに内面から、描く。

 春夏秋冬春といった季節のつなぎ合わせの中での童子僧の成長の段階をうまくとらえる感覚は見事。

 老僧は絶えず幼い時、そして青年期、中年期を通して温かく見守る。

 そして何よりも隔離されたような湖上の寺のの周りの景色は、淡々と美しく、優しくそして時には厳しく彼を見守り、彼を叱る。

 

 老僧の二つの言葉、

『欲望は執着し、執着は殺意を生む』 

『他人をしに追いやっても、自分は死してはならない』

は心に響く。

 

 この作品は全体を通じて緑、そして青緑、湖上のもや(ガス)や凍りつく色合いのホワイトグレーも美しい。

 感心したことに春夏秋冬の話の終わりにはいつも効果的な赤が使用。

 この少しだが強烈な印象を受ける赤の使い方は、分量も色合いも素晴らしい。

 非常に作品をシャープな仕上がりに感じさせ、洒落ている。

 この計算されつくした表現や手法はこの作品の場合は好きだ。

 

 『そして春』の場面では赤は最後に使われず、初めに使用される。

 一般世界から湖上の寺に入る門を開ける。

 門の両側には構図と勢いのよい仁王が、湖上の寺を守るべく描かれている。

 この仁王、初めの春夏秋冬の場合は『緑青色』だが、そして春には『朱色』に変わる。

 

 門を開くと、壮年僧 の頃顔を隠せた母親に捨てられた赤子(男の子)が彼の童子僧の姿と重なって映る。

 幼子はかって自分の童子のように生き物(亀)に悪戯をしている。

 壮年僧から初老に変わりゆく弟子を蛇(炎上の死を遂げた老僧の化身)は座布団の見守っていた。

 

 歴史は静かに、まるで何事も無かったように、繰り返す。

 時はこれからも一刻、一日。そして春夏秋冬を刻みゆくのであろう・・・

 

 

   

コメント (2)
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