(写真は奈良の下市の梅。)
記録だけ
2009年度 32冊目
『祭りと信仰』
--民俗学への招待--
桜井 徳太郎 著
講談社学術文庫
昭和62年12月10日第1版
319ページ 2730円
朝から『祭りと信仰』を読み、楽しむ。
桜井 徳太郎氏の本は初めてだったが、この人の本が面白い。
興味深い部分が満載。
この人は好きだなと、直感的に感じた。
宮田登と同じくらいに好きになるかも。
一冊目にして、『女の霊力』が働いたよ(笑み)と、内心 おちゃらけたわたし。
『祭りと信仰』を読んで、興味深い部分を記録しておこう。
1山岳の話し。
2農村のサイノカミ(賽の神)と呼ばれる道祖神の話し。
3『卑弥呼と民俗学』では宮田登には書かれてなかった内容。
邪馬台国は何処かは、先日聴いた青山茂先生の話に近い。
物事を客観的にとらえる事のできる学者だと感じた。
4『卑弥呼と民俗学』から巫女の話しに発展。
巫女本来の姿はいろいろな方がいわれている。
内容的に納得。
去年の秋に参加させていただいた差別関係のフィールドワーク時の吉田栄治郎氏の話された 天理の口寄せ巫女の話しを思い浮かべた。
5イタコに後でどういう意味の託宣があったかを問うと、神が乗り移る云々でわからない。
対して4出の天理の口寄せ巫女の返答は興味深い。カウンセラー的要因を重視。
どちらも納得。
6古代の政治(巫女と審神者さにわ)
これは有名。
7七世紀、大和の元興寺(がんごうじ)の道昭和尚(どうしょう)の死骸を荼毘にふすように → 火葬
この話も先日の青山茂先生の話にあったところで、親しみやすい。
8『成人式--元服』での若者組の酒一升云々は赤松氏炉共通。
9民俗学でいう『予祝行事(よしゅく)』の重要性。
全体を通して 桜井 徳太郎氏と言う民俗学学者は机上の学問だけではなく、祭りや氏の土地の生活や習慣の中に飛び込んで、その土地の人々と酒を買わし、話しを聞いたそうだ。
民謡が上手く、おどりが上手い。
土地の人と仲良くなり、突き詰めた話しを聞き出すのは、たわいないことだったのだろう。
その上で才能のある方が能力を発揮されると、鬼に金棒。
こういった素晴らしい本が書き上げられるのだなぁと心底感じた。
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