先日 桃の節句を終えた矢先、今度は五月五日について記録しておこう。
以前からこのブログで複数回記録している『女の家』
今日はこの『女の家』ついて考えてみたい。
きっかけは歌舞伎の演目である『女殺油地獄』
この演目は仁左衛門丈で三回、愛之助丈で一回。テレビだが、染五郎丈で複数回楽しんだ。
いよいよ(期待してもいいのか・・・)油屋で事件が起こる。
男が女を殺そうとする前。
男はとを開け、辺りの様子を見て 戸を閉める。
PATAN!
男が戸を閉めたとたんに、外の戸口には菖蒲(らしき)植物が一本落ちる。
この菖蒲が落ちる瞬間、観客は何かが起こるという直感力を高め、心構えがおこるという趣向である。
この演出は上手い。
しかしながら、この趣向は浄瑠璃の原作にあるのかも知れない。
折口信夫氏は近松門左衛門が芝居に女の家を意識して書いたことを記しているし。
また、宮田登氏はことある毎に『女の家』を説明する場合には『女殺油地獄』を例にあげている。
では『女の家』と『五月五日』(5月5日・以降五月五日に統一)はどのような関係があるのか。
五月五日はもとは女の子の節句だったと、以前にも複数回記録した。
この日が、今のように男の子の節句となったのは、江戸時代になってから。
歴史は浅い。
旧暦の五月は田植えの時期である。
全国各地では早乙女祭や五穀豊穣祭や御輿が盛んである。
昔は田植えは女性の仕事だった。
苗を植える早乙女が早苗を植える前に、日常とは隔離された実質上の『女の家』に籠もり、ケガレを払ったという。
この習慣を『忌みごもり』とも言う。
忌みごもりをする小家の玄関先には、菖蒲やよもぎを戸口におき、境界線をつくる。
この菖蒲やよもぎの魔除け役は、神社の鳥居屋節分の柊と鰯の頭に類似しているかも知れない。
女は元々はケガレを持つともされる。
月のものや産褥前後はこの女の家に籠もらせ、食事も一人でさせたという。
女の家は、かなり意味深いのである。
話はどんどん離れていくが、この女の家に女たちだけが集まる日がある。
男が真ん中に座り、大根でとあるもの(形)を彫り、女たちの真ん中に奥という。
男は大根の彫り物を円座する女たちの真ん中に置くと、その場を引き下がる。
後は野となれ山となれ。
女たちは猥談を話し、後は私たちには知るよしもない。
民俗学者である赤松氏の記すところであることを付け加えておく。
話しを『女の家』から五月五日に変えてみよう。
やがて女に日は五月の最初の午の日(五月五日頃)に端午と設定。
転じて『五月の節句』となった。
昭和二十六年五月に『児童憲章』が定められ、五月五日を『子供の日』とした。
もとは男女の子どもの日だったが、三月三日の桃の節句がすでにあることから、やがては五月は男の子の日と定着。
もしかすれば、ここら辺りは五月人形などをうる業者の戦略もあるのではないかと、勝手に考えほくそ笑むが、確信は持てない。
今回記録した『女の家』は宮田登氏市の複数書物の『女の家』記述のごく一部や折口氏、赤松氏のごく一部のうる覚えであることを、最後に付け加えておきたいと思います。
最後までのお付き合い、ありがとうございました。
拙い記録ではありますが、感想を頂戴できましたら、乱鳥、飛び立てる思いです^^
さて、5月5日は法律で『こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する国民の祝日』とありました。こどもの日というより、解釈すると「母に感謝する祝日」とも読み取れますネ。本来5月10日が「母の日」ですから、5月は色々と母に感謝しなくては‥。
また、いろいろ教えていただいて、感謝いたします。
そういうと母の日、そのように感じます。
きっとそうでしょうね。
わたしも天にいます義母と母に感謝して、今ある家族を大切にしようと再び考えさせられました。
ありがとうございます。
ところで、民俗学・・・なのですが、まだ読み始めて一年半くらいでしょうか・・・。
きっかけは歌舞伎などの伝統芸能です。
歌舞伎を観ようと思うと、民俗学を知っていた方が、わたしの場合は面白く観ることができるのかも知れません・・・と思うのですが・・・どうでしょうか?
でも、今は芝居を離れての民俗ごっこ^^は楽しいです。
わたしのことですから、また暫くしたら、他のことに興味はうつってしまうと思います^^
落ち着けないたち何で、遊びはどんどん半端にふえて・・・こういう性格も、困りものですね^^;;
しし様
お花はどうですか?
春・・・もう目覚められた頃でしょうか?
皐月ははをのばしはじめているのでしょうか・・・。
最近、盆栽の話を聞く機会があります。
昨日30人くらいで山を歩いていました。
苔なんかがあると、この苔を持って帰りたいという話しを聞きましたが、実際行動には移されませんでした。
何でも、梅の盆栽に使いたいとおっしゃっていました。
盆栽も奥が深いとおっしゃっていました。
面白そうだなぁ
花木は、冬にしっかり凍えさせて冬眠させなければ、目を覚ました時、綺麗な花をつけてくれません。ですからわざと雪が降っても屋根の下に取り込んだりしないんですよ。冬眠期間は木は眠っているので養分をとりません。したがって冬に肥料をやってもあまり意味がありません。皐月の葉は、花が終わって伸びる夏葉と、冬を越す葉っぱの2種類があります。だいたい夏葉は赤や茶色に紅葉して冬に落ちます。皐月は700種類くらいあるそうで、中には紅葉しない種類もあります。冬も葉はつけていますから、年間通じて落葉することはありません。
その他の雑木の鉢植えといえば、豆桜の眼が大分目立ってきています。石楠花や木瓜、カイドウの眼も膨らんできました。
●苔は、鉢植えの場合、根が張って水が通らなくなると、自然に生えてきます。苔の
生えた鉢は、その年植え替えのサインになります。展示会に盆栽を出す際に、わざわざ苔を植え付ける方を見ます。盆栽って、木と鉢で表す一つの世界(景色)ですから苔も景色の一つの要素になる場合もあります。
長くなってしまいました。またの機会に‥。(乱鳥様、是非盆栽の世界に足を踏み入れてください。可愛がった分、それに応えてくれますヨ。)
愛情をかけ、自分で作り上げる曼荼羅のような世界ですか。
それとも、寺の枯山水のような感じでしょうか・・・。
やっぱり深いのでしょうね。
一人で想像しています。
しし様の喜々としたお声を聞かせていただいて、ありがとうございます。
知らない世界ですので、とても楽しいです。
小枝を剪定されるときはどんな感じなのでしょうか。
身を削る思いなのでしょうか・・・。
それともかわいがる感じでしょうか。
知識と美的センスと集中力と感と思い切りが必要なのでしょうか。
そう考えると、盆栽は男性の世界といってもいいような気がいたしますね。
冬にしっかり凍えさせて冬眠というお話、女のわたしには興味深いですね。
何だか子育てに似ていますね。
冬肥と思い、二月頃 山茶花に与えました。
気休め程度の分量だったのですが、今頃効きはじめているのかと思うと、不思議だし、楽しいです。
種類も多いし育て方も奥があって難しそうですね。
しし様のように本格的にお育てになっておられると、かわいいのでしょうね。
しし様はお仕事でお忙しい上に いろいろなご趣味をお持ちで、いつもすごいなぁ!と、感心しています。
しし様の好奇心の広さと博学、行動力、深さには見習いたい部分はいっぱいです。
苔の話しも、知りませんでした。
根がはって・・・ですか。
そういわれると、わかるような気もしてきました^^
盆栽のお話を聞かせていただいて、緒方拳主演の映画『あつもの』を思い浮かべました。
花は、愛情を書ければ書けるだけ、美しく花開かせるのでしょうか・・・。
ミニの簡単な鉢寄せで、自分の世界をつくってみようかとも思いましたが、益々難しそう。
しし様の皐月を、今年も楽しみにさせていただきたいと思います。
アップしていただければ、嬉しいです★^^★
楽しいお話をありがとうございます。
また、教えていただけましたら、嬉しいです。