乱鳥の書きなぐり

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『古今集遠鏡 巻一』 1  序一オ、序一ウ、序二オ 本居宣長 

2020-05-07 | 本居宣長 『古今集遠鏡』『玉あられ』
 『古今集遠鏡 巻一』 1 序一オ、序一ウ、序二オ 本居宣長 


 『古今集遠鏡』 
 6冊。寛政5年(1793)頃成立。同9年刊行。



序一オ
遠鏡序
この遠鏡はおのれはやくよりこひ聞えしまゞに
師のものしてあたへたまへるなり、この集はしも
よゝの注釈あまたあれとも、ちうさくハかきりありて
いかにくハしくとき、さとしたる
こゝちのするを、まことに書の名のたとひのことく
ちとせをへたてゝとをきの世のこゝろふかき
言の葉をいまの世のうつゝの人のかゝるを

ちうさく(注釈)
かきり(限り)

序一ウ、
むかひて聞たらむやうにこゝろのおくのくまも
あらハにはたらく詞のいきほひをさへに近くうつして
ちかくたしかに聞とらるゝ、この鏡のうつし詞は
おほろけの人のなしうへきわさにあらす、そのかミの
世のこゝろことはを、おのかものと手のうちににきりかへ
たる己の師のしわさならてハ、かゝるいろしき
よのたからを、おのれひとり、こゝろせはく

いきほ日(勢い)
おぼろけ(朧げ)
なしうへきわさ(なす技のこと)
せはく(狭く)

序二オ
わたくしものにひめおきて、やミなむことのねしけ
かましくあたらしくおほゆるまゝに、さくらの花の
えならぬ色をひろく人にも見せまひしく、松かえの
千代とほく世にもつたへまほしくて、名におふ
その植松の有信にあつらへつけて、桜の板にゑら
しむるなむ、かくいふハ木綿苑の千秋




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