ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

淋しい秋の夕暮れ

2021-10-16 09:08:24 | エッセー

 夫はデイホームから帰る時間は5時半近く、夕食の下準備をしてから

私はベランダへ立って空を眺めた。「秋の夜は釣瓶落とし」と昔から言うが

中学時代から「おセンチ」と呼ばれていた私は、このひとときが季節の中で

最も嫌いだった。そんな時とても淋しくなるからだが、それは高齢の今

でもまったく変わらない。

 そろそろ帰ってくる夫を、「早く帰ってこないかしら」と、ベランダで時折

見ているのは、とても淋しいからだ。夫を「男性の平均寿命より10年は長

生きさせたい」努力しているのは、もしかしたら人一倍淋しがりの自分自身

のためかも知れないとふと思った。するとデイホームの送迎車が家の前で

止まり、誘導されて夫が降りてきた..。そんな時かたくなっていた心が

フワーッとほぐれたようなのは、私が単細胞だからかも知れない。

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