感想:ふれる。

2024-10-06 19:27:19 | 劇場アニメ




あの花スタッフ劇場アニメ第4弾!!

前作の『空の青さを知る人よ』はひたすらつまらなかったという記憶しかない。
そこからどう復活していくかの期待を込めて観に行った!!



~あらすじ~

離島で育った、秋・諒・優太の3人。
島の伝承であるハリネズミのような生き物「ふれる」の能力により
互いに触れるだけで相手の考えていることが伝わるようになる。
そして成長した3人は強い絆にもとづいて東京へと移り住む。



「相手に触れると互いに伝わる」

ホモかな?
……と思ったものの、実際はそこまでホモホモしい感じではないので
BL苦手な人でも安心。



劇場アニメの序盤は当然ながらキャラクターの動きをアピール。
日常の生活を非常に細やかな所作の数々で描写していて
モーションキャプチャかってくらい美しい絵コンテ。
長井龍雪の凄さをのっけから見せつけられた!!



主人公たちが成人していて秋がBARでアルバイトをしていたり
諒は不動産会社でしっかり営業の仕事を頑張っていたり、
やはりこれまでの作品と比べると異色。

社会人の辛さと共同生活の楽しさが意外にきちんと描写できているのが
アニメ作品としてはなかなか興味深い。



しかし。

ひったくりから助けた奈南とその友人の樹里が出てきて5人で同棲するという、
もう明確に友情をぶっ壊すことありきの展開w

正直なところ、こんな恋愛ショーは求めてなかったので
これは率直に岡田磨里の悪いところが出てた。

まあ本当に男3人しか出てこなかったら面白くないだろうし
単なるBLアニメと言われて終わってただろうから
結果としては正解だったと思いたい。



全員の人生の順風っぷりと難航っぷりの両面を見せてくれる青春ドラマ。
劇場アニメの尺のなかではなかなか絶妙なバランス。

終盤でみんなが叫びながら本音をぶつけ合うのが岡田磨里作品のお約束。
ワンパターンだという批判を覆したかったのか、
「相手の心が読める」という設定を逆手にとってのぶつけ合いになってたので
それはそれで面白かった。



そしてラストでのふれるの暴走。

劇場アニメだから山場で派手な演出を入れることに不思議はないのだけれど、
それを従来のファンが求めているのか、という疑問。

『あの花』も『ここさけ』も、そんなものに頼らなくても面白かったのに
新海作品に影響を受けたのか、中途半端なセカイ系に舵を切ったうえ
スペクタクルとして見てもチャチ。どうすればいいのこれ……。



社会人になってからの幼馴染同士の青春。友情とその変化。

全体のストーリーを振り返ると予想外の展開には持って行かなかったけれど、
無茶な展開にしてストレスになるよりは気持ち良くまとまってくれて良かった。



エンドロールで声優の確認。
メイン3人役のジャリタレは違和感なく楽しめたのでえらい。

男どもを引っ掻き回すヒロイン奈南が石見舞菜香。
このスタッフは石見が好きだなw

あとモブで水瀬いのりや茅野愛衣といった過去作ヒロインの声優がいて嬉しいw
この時代の声優なら声で聴き分けられる!!




ガチで泣かされまくった過去作に比べると名作とはいいがたい作品だったけれど
ちょっと空いた時間に一風変わった青春アニメを観たければ是非ともオススメ。

でも公開2日目で観客5人くらいしかいなかったんだが、
いくら田舎の映画館とはいえヤバくないか……。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:きみの色

2024-09-20 07:39:44 | 劇場アニメ





山田尚子監督最新作!!



人を色として見分けるトツ子。
学校で生徒たちの中心にいる少女・きみに感じる鮮烈な色に憧れるが、
いつの間にかきみが学校を中退したことを知る。
古本屋のバイトをしながらギターを練習するきみ。
そこへバンドをやってみたいという少年ルイが訪れることで三人の想いが動き出す。





出だしから花に囲まれた長崎の鮮やかさに見惚れる!!
『リズと青い鳥』『聲の形』で見せた独特の柔らかい色彩をここでも遺憾なく発揮。

一人ひとりの歩くクセまで設定した絵コンテのこだわりがすごい。
『リズ』のオープニングが美しかったのもそこが大きかったしね。

キャラクターたちの心理を動作で表現する繊細さが昔から一貫していて
台詞のない場面でもグッとくるのはそのおかげ。





舞台となる学校はミッションスクールで、厳かな雰囲気なのかと思いきや
女性視点からの女子高のリアルさを描写してる。

熱心に祈りを捧げていても実際はダルいだけだろうし、
規律に厳しい寮生活も部屋ではだらしないのが当たり前。
やはりこういう「嘘をつかない」描写って青春モノにおいて大切だよね。

ただ、ものすごく気になったのがトツ子のルームメイト三人組の声優。
悠木碧、寿美菜子ときて、なんでやす子なんだよ!! 早見沙織にしてやれよ!!
今年の24時間テレビでこの映画のCMをやっていてなんとなく察したけどね。
実に気分悪いね。





演出で優秀なところがもう一点。

視線誘導が驚くほど巧み。
二人が向かい合って話している場面を
「左端に左向きの人物 → 右端に右向きの人物」の順にカットを割って
それを観客に目で追わせるという、劇場のスクリーンに映すことが前提の演出。
不自然さを感じさせずに溶かし込むのが実に上手い。

これに限らず、下手から上手へ、という視線の誘い方が多く、
意識しながら観るとうまいことハメこまれてる自分に気付いて
それ自体がとても心地よい。





トツ子、きみ、ルイ。
バンドを通じて3人の悩みを浮き立たせていくストーリー。
でも、その、過程が、なんか、普通。

リアルさに重きを置いているのはわかるし、
奇抜な悩みを入れていかにもアニメ的な方向へもっていきたくないのもわかる。

それでも登場人物たちの行動がいまいち共感できないことが多いし、
そもそもがトツ子の「他人を色で見る」という設定に
ほとんど意味がなかったのもなんだか勿体ない。



「自ら動くことで自分が何者か理解できる」という
若者へ向けたメッセージがいまいち伝わりにくかったのも残念だし、
きみが学校を辞めてまでバンドを始めること自体が
そのテーマに沿っているとは言い難い。

女二人男一人のバンドにもかかわらず恋愛要素を持ち込まなかったので
湿っぽくならなかったのは英断。



そしてクライマックスである文化祭の演奏。

劇場アニメだけあって豪勢に3曲歌ってくれる。
ラストのメイン曲が「水金地火木土天アーメン」とかいう変な歌。
曲自体の完成度はとても高いのだけれど、そういう曲調ではないのに
聴いた人たちがみんなノリノリになってるのがまったくもって違和感。

先にコンテを切ってあとから曲を追加したのだろうなあ。
こういうところで摺り合わせができてない作品は悲しくなるなあ。

ただ、歌は本当に上手かった!!
きみ役の高石あかりって聞いたことのない声優だったのだけれど、
もともと女優でやってた人なんだな。さすがに表現力が別格。




総括すると、なんというか、演出・絵コンテの秀逸さに対して
全体がかなりチグハグな印象を受けた。

言ってはいけないことなのだけれど、
この演出でユーフォ3期が観れたらどんなに素晴らしかっただろうか。



映画としては手放しで褒められる内容ではなかったけれど、
作中のアンビエントの気持ち良さが出色のクオリティ。
こういう柔らかく暖かい映画を観たあとはごはんがとても美味しい。

次回作に期待をかけるだけのポテンシャルは非常に高い!!
まだまだ推していく!!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:アリスとテレスのまぼろし工場

2023-09-17 08:14:46 | 劇場アニメ




製鉄所の発展により支えられていた町、見伏市。
製鉄所で事故が起きた日に突如空にヒビが入る。
その謎の現象により住民たちは町から出ることもできず、
冬のまま時間も止まってしまう。






岡田磨里監督・脚本作品。
なんか久しぶりな気がする!!!




主人公の正宗はクールぶった中二キャラで
平成初期?が舞台のなかで髪を長めにして、いかにも「女の考えた男」っぽいw



ヒロインの睦実。
そりゃあヒロインだから美少女で当然なのだけれど、
美少女でなかった場合に正宗が惚れるのかどうかがすごく気になる。

根拠もなく屋上からパンツを見せるし
いきなりヒステリーを起こすし
とにかく感情の動きがその後のシーンとつながらないことが多くて
岡田磨里ってこんなに脚本ヘタッピだったか? と。

中盤以降にようやくキャラとして安定してくるけれど、
そこまでがただの頭のおかしい女でしかないのが非常につらい。



そして製鉄所に閉じ込められている睦実に似た少女。
正宗により五実と名付けられる。
言葉も教えられず、野生の動物のような振る舞いになっている。
時間が止まった世界で唯一成長を続けているため、
作中の時間経過を実感できるのがこの五実だけ。




何故空にヒビが入ったのか。
五実は何者なのか。
どうすれば現状を打破できるのか。

中盤までどんどん謎が広がっていくのだけれど、
なんというか、それらがまるでワクワクしない。

べつに謎を解くというストーリーではないけれど、
この異常事態にも町の人々の行動・思考が変に達観しすぎてるのが問題。
現状に対する対策本部もまるで機能していないし
睦実の父親はカルト宗教家じみたポジションだし

世界が元に戻ったときに誤差があると問題が起こるという理由で
学校でも同じ授業をずっと繰り返していて
「もし実際にこういう状況が起こったら」というifに対して
シナリオや設定で回答を示せていないのが実にモヤモヤする。

舞台がファンタジー世界ならもう少しすんなり受けれられるのになぁ。



しかし。
何故それでも現代社会を舞台にしているのかと言えば
「恋愛のリアリティに対して共感を与えることが必須」の物語だから。

アニメというものはほとんどが
(男の出てこない萌えアニメも含めて)「男の愚かさ」を軸に作られているが
岡田磨里の脚本は「女の愚かさ」をメインに据えてるのだよな。







岡田磨里の作ったセカイ系。

そこまで悪い作品ではないのだけれど、
何も考えずに観て楽しめる作品ではないのが辛いな。



見伏市の背景美術は非常に素晴らしかったし
キャラクターの作画も良くできてた。
劇場アニメとしての「この場面を見せたい!!」といういくつかのシーンが
くっきりと強調されていて、それらの良さがしっかり伝わってきたのもいい。

ただ内容があまりに不親切なだけ。
登場人物一人ひとりの心情を考えながら観る必要があるし、
考えたとしても腑に落ちない部分が多すぎる。




あと作品タイトルの意味。直接的にはまるで意味が通じない。
「誰がアリスで誰がテレスだよ」と観客の誰もが思ってしまう。
作中に情報が一瞬表示されたようなのだけれど読み取れなかった。
そこはもう少し観る側がスッキリできるように作るべきだった。
タイトルだけ見ると詐欺作品みたいに思えてしまうわ。





今週公開なのに客席がガラガラだったんだが。
もうちょっと宣伝すべきじゃなかったのかな。

自分は岡田磨里ファンだから色眼鏡で見れたが
「面白かったから是非観に行け!」と言える内容じゃなかったのがね……。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:特別編 響け!ユーフォニアム ~アンサンブルコンテスト~

2023-08-07 06:16:16 | 劇場アニメ




観てきました!!

舞台は2年目11月。黄前部長の初仕事!!

3~8人編成でのアンサンブルコンテスト。
出場できるのは各校1組のみのため、
部内でいくつものチームを編成し、部内投票と一般投票で出場チームを決める。



3年生が引退したことで部員同士の関係性にも変化が見られ、
久美子の人たらしっぽさが偶然にも部長に相応しく描かれている面白さ。
後輩たちから敬意のまなざしで見られる場面もリアル感に溢れていて
自分の青春時代がフラッシュバックして死にそうになった!!


前回の劇場版で強烈な腹黒キャラだった奏ちゃんが
懐いて媚びキャラにクラスチェンジしてたのも最高。
もっと冷笑してくれてもええんやで!



そしてこれまでのシリーズに出てきた部員が
そこそこバラけてチームを組んでいく過程が熱い。



久美子麗奈チームに加わるのも天才型ではない普通の部員。
マリンバのメガネ子ちゃんがとてもいいキャラだった。

アニメというものは当然ながら活躍するキャラにスポットが当たるけれど
陽が当たらないキャラにも強い個性や意思があって然るべきだし
それをしっかり作り上げるからこそリアリティが出る!!

「ぽっと出のキャラに回想シーンを入れてキャラ立て」のような
安易なやり方に逃げず、部の活動を通じて人となりを浮き立たせていく。
この流れるような花田脚本の美しさ。




最後の部内全チームの紹介が実に良かった。
各チームごとの記念写真と全員のパート・名前を表示。
どのチームも文化部特有のイキリポーズが最高だったw

部員全員の紹介にもつながるし、
キャラデザの秀逸さを前面にプッシュする意味でも非常に効果的!!



だからこそ、投票の結果発表が文字のみだったのが残念!!
せめて1フレーズずつでいいから演奏シーンが観たかった!!!
作るのがものすごく大変なのがわかるから要望するだけでもおこがましいが
それでもやはり期待してしまってたんだよなー。



幕間としての70分の中編作品ながら、
非常に細かい作り込みで楽しめた。

原画に関しては文句ナシにキャラの魅力を出せていたが
やはり演出がところどころ弱くなっていたのを実感してしまって淋しい。
旧演出の山田尚子は新天地でさらに飛躍してるので、そちらもあらためて応援。



内情に関しての邪推は書かない。
よくここまで作ってくれた。感無量。
来春に3期をTVアニメでやるらしいので、今から待ちきれない!!!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:映画 ゆるキャン△

2022-07-15 05:56:56 | 劇場アニメ





昨今のキャンプブームに見事に合致して引っ張りだこの作品!!
キャンプ関連の雑誌やムックで表紙を飾ってるのをよく見る!!
カレーメシのCMコラボはびびった!!




アバンが花火のシーン。
せっかくの劇場版なので音へのこだわりをまず最初に印象づける!!

夜明け前の暗い風景もTVだと見づらいけれど
劇場のスクリーンならば綺麗に見える。

そこからの日の出の描写がマジであざとすぎて素晴らしいw
この序盤だけでも映画館へ足を運んだ甲斐があった!!




この作品を構成する三要素のうち、
『良い景色』と『美味いもの』を序盤で強く印象付けて
それ以降は今回のテーマである「新規キャンプ場の立ち上げ」に集中。


そしてメイン5人がまさかの社会人に!!

整地・改修・各種交渉と、普通に考えたらそんな小娘5人だけで
プロジェクトを動かせるはずもないのだけれど(しかも自分の仕事の片手間で)
何故か万事上手く進んでしまうノーストレスアニメ。
テンポ良く作業が進んでいくのを見るのは気持ちいいなあ。


と思いきや中盤以降で頓挫してしまう劇場アニメのお約束。
この作品のキャラが凹んでる場面って意外と今までなかった気がするので
その新鮮味も含めて楽しめたし、シナリオもかなり気を使って書いてるのがわかった。




そして三要素の最後のひとつ『温泉におけるおっぱい』!!

温泉のシーンはあったのにスクリーンに穴が開くほどガン見しても
おっぱいの露出がほとんどなかった!! かなしい!!

女性客に配慮したのかなぁ。
実際、意外なほど観客に女性が多かったんだが。

たしかにキャンプブームに加えてyoutubeの隆盛もあって
「キャンプ女子」の増加も顕著。
キャンプというおっさん趣味が華やかになるのは実にいい傾向。
でもそれならなおさら温泉の素晴らしさをアピールしなきゃダメな気がする!!




というわけで。
キャンプ場を作るというテーマに内容を大きく振っていて
劇場アニメとして見応えがあった。

みんなが社会人として頑張っている描写があるおかげで
キャンプのリラックス部分にもより共感できて泣けた。
特にしまりんが社畜すぎてね……。



次のTVシリーズは高校生に戻るのだろうけれど
またがっつりと色んな景色を見せてほしい!!
もちろんおっぱいも!!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:劇場版 からかい上手の高木さん

2022-06-11 11:43:10 | 劇場アニメ



観てきました!!

アニメ3期は西片が童貞捨てたのかってくらい男らしかったので
基本に立ち返ってからかいメインのイチャイチャだろうな、と思ったら。



中3の夏休みを舞台にして、さらに二人の恋愛を発展させていく完全オリジナル。

大人っぽくなった二人のキャラデザを強く印象付けながらも
OPでグリコじゃんけんをやりながら帰る、今までどおりの安心感。

小豆島の美しい風景もがっつり前面に強調して描写。
実際に聖地巡礼に行ったときの空気感を今一度味わえたのも嬉しい!!
本当に素晴らしい場所なので、まだ行ったことのない人は是非!!




序盤はあざといほどに高木さんの可愛さを主張。
貧乳なのにスクール水着姿が色っぽい!!
言うてもこの作品のキャラは全員貧乳だけどな。一人くらい比較対象が欲しいわw


西方高木ペアがおっさんへのアピールなら、
浜口北条ペアが現役若者世代への恋愛賛歌ではなかろうか、とTV版を観ていて思った。
原作者がどう思ってるかは知らんけど。

しかし今回の劇場版では北条さんは夏休みのあいだカナダへスクーリングへ向かいほぼ出番なし。
つまりメイン二人にしっかりスポットを当てることを序盤で観客へ意識づけている!!

いつもはひたすらアホをやっている三人娘も、中学卒業という変化に意識を向けて
「来年はどうなっているんだろう」という中3の不安感を作中で代弁する役割を担っている。



神社で拾った子猫の面倒を見ながら里親を探す、というメインのストーリーも
もはや夫婦じゃねーか! という距離感を決定づけていて
二人の最後の夏休みの思い出としていかにもこの作品らしい。






そして原作では絶対にやらないであろう描写がいくつも。
原作至上主義のファンであれば、この劇場版は『高木さん』として映らないかもしれない。

しかし、アニメ1期で種をまいて2期で明確に舵を切った、
我々おっさん世代のノスタルジーへ訴えかける作品テーマ。
おかげで原作と同じエピソードであっても、味わいが違って見える工夫として生きた。

すなわちアニメはアニメでずっと独自の『高木さん』を築き上げてきたので
原作との差異を自然に受け入れられる土壌ができており、
この劇場版こそがまさにアニメ『高木さん』の集大成だったと個人的には思う。




エンドロールでTV版のダイジェストが流れて、
ファンの誰もがもう一度観たいと思っていた場面をつなぎあわせてくれていて最高。
1話完結のラブコメだからこその、本当に小さなエピソードの積み重ね。
このリアリティが「二人きりラブコメ」として革命を起こした所以だな。


そして高木さんの歌う『明日への扉』が本当に反則で、そりゃ泣くわ。
ていうか、ED曲を週ごとに替えていくらしいな。鬼だw
曲によってはもう一度くらい観に行ってもいいかもしれんなぁ……。



上映が終わったあと客席を見たら、やはり自分のようなおっさんがワラワラいた。
通常のアニメ映画とはおっさん比率が全然違う、失われた青春を補充してくれる作品。
めちゃくちゃ満たされた!!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:劇場編集版 かくしごと

2021-07-25 10:47:17 | 劇場アニメ




一年半ぶりに映画館へ行ってきました!!

鬼滅もエヴァも観てないが、俺にとってこのアニメは外せねえんだよ!!!



TV版も素晴らしい内容だったが、
その直後に発売された原作の最終巻に組み込まれたとんでもないトリックの衝撃。
さすが久米田!!! アニメ化すら自分の作品に最大限利用するあざとさ!!




さて。
劇場総集編ということで、そのラストも含めた部分をしっかりアニメ化。



映画館へ行くのが久しぶりだったので、
仕事で疲れているときは直前にコーヒーを飲まないと
眠ってしまうということを忘れてた。序盤で爆睡。

まあ総集編ということで前半はおそらくTV版のダイジェストだったのだろうから
そっちで眠ってしまったぶん、後半はしっかり覚醒。

単行本各巻で追加されているカラーページのシリアス話を
きっちりまとめあげていて嬉しかった。

しかし、前半眠っておいて言うのもなんだけれど、
わざわざあらためて観に行く必要あるかなーという感じのダイジェスト。
それでももう一度観る機会が得られたと思えば十分ありがたかった。



そんなわけで今さら特に書く部分もないのだけれど、
この作品の凄さを今一度味わうことができて良かった。

ギャグ漫画で容赦なくストーリーの伏線を埋め込む巧みさ。
もちろんギャグ部分が面白いからこそストーリーが引き立つわけで。




何より素晴らしいのが姫というキャラ。

困った父親に対する聞き分けの良い娘。
それでいて天然かつ猪突猛進。
困り顔を強調するために太くデザインされた眉。

親子愛がテーマであるこの作品において
どのように話を動かすかというメインパーツとして完璧。
ベテランのストーリーの組み立て方は本当に畏れ多い!!

そして。
求められているものを過不足なく演じ切るという
高橋李依は本当にすごい声優だな…。



というわけで、この作品は個人的には久米田の最高傑作だと思ってる。
新作の発表はまだか!!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:劇場版ゴブリンスレイヤー GOBLIN'S CROWN

2020-03-05 08:11:59 | 劇場アニメ


公式サイト

遅ればせながら観てきました!!


冒険譚らしく、いつものメンバーでのゴブリン掃討。
雪山の砦攻略とかRPGとしておいしすぎる舞台!!


ていうか前日に漫画喫茶でコミック最新刊を読んだら
ちょうどこの劇場版の話をやってた。
展開や画面構成は漫画版をもとにアニメ化してるんだな。

レイプされた令嬢剣士の回想で、いざこれからレイプされに行くところで次巻へ続く。
非常にモヤモヤしたので多大な期待とともに映画館へ向かった。



TV版も1クールでのレイプ回数はここ数年のアニメのなかでもおそらくトップ。
劇場版だからどんなゴージャスなレイプなのかとても楽しみだったのに
肝心の場面が全然ぼかされてて泣いた。

ゴブリンスレイヤーといえばレイプ!!
レイプといえばゴブリンスレイヤー!!
というくらい重要な要素なのに、なんじゃこの逃げの姿勢は!!
PG12は伊達か!? PG15にしてしっかりやれ!!

トラウマのフラッシュバックで何度も同じシーンを流すのに
凄惨さがまるで伝わってこないのは演出としてアウトです。



まぁレイプの話はさておき。

劇場版だけあってアクションの作画が抜群にカッコいい!!
身軽に飛び回りながら弓を射るエルフが超好き。

砦にいる大量のゴブリンの作画で手を抜かず予算をかけるのは
普段TVアニメでのコンパクトな絵コンテに職人魂を感じている身としては
映画として金を払う対価が感じられて興奮する!!

シナリオも相変わらず丁寧で好感触。
それぞれの場面で原因→行動→結果がきちんと描写できているのは
やはりTRPG畑の人なんだなぁと感心。
大量のゴブリンの屠り方やピンチに陥ったときの脱出法が
今回も非常に良く出来ていて、60分という短めの尺ながら
それを感じさせないスペクタクルを味わえた。



でもやっぱりレイプが中途半端だったのが心残り。
エロ声優として覚醒してる上坂すみれのレイプ演技が聴きたかった!!

我ながら脳が粉々に破壊されている!!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:劇場版SHIROBAKO

2020-03-01 12:00:02 | 劇場アニメ


公式サイト


観てきました!!


「アニメを作るアニメ」として最高の出来だったSHIROBAKOが
「劇場アニメを作る劇場アニメ」に!!

中盤まで制作していたアニメがお蔵入りになったせいで
会社ごと傾いた武蔵野アニメーションが、
劇場アニメ制作へ向けて以前のスタッフを集めていく。


作中は現実時間に合わせていきなり4年後!!
でも人物の顔がほとんど変わってない!!
宮森とか過労で超絶劣化しててもおかしくないのにw
年齢不詳のゴスロリ様もまったく変わってなくてなにより。
昼食で自宅に戻って作り置きのカレーを食べていた
アニメーターの絵麻ちゃんは作画監督にランクアップして
結構まともな生活ができてて泣くほど嬉しかった!



しかしまあ、序盤からアニメバブルが弾けた今のアニメの自虐だらけで
たった数年でここまで状況が変わってしまったのは
アニメファンとしても非常に悲しい。
夢を作る仕事なのに夢がないというクリエイター側の視点が
実にリアルで同情してしまうな…。



TV版が神だったのは本当に絶望しかない状況から
一筋の光明を掴むという池井戸潤ばりの逆転劇が
究極のカタルシスを生み出してた点。

今回は万策尽きるようなギリギリ感こそないものの
「バラバラになった仲間を集める」という少年漫画展開の熱さ。
集まるスタッフもTV版から久しぶりに見る面々で
「そういやこんな人もいたよなー」と嬉しくなる。

モデルになった実在人物がいるキャラもいるけれど、
リアルとデフォルメをうまくアニメキャラとして落とし込んでるのは
流石だなぁと5年越しに感心。



アニメ制作の現場を見れるのも相変わらず楽しい。
個人的にはアニメを観るときは脚本を気にする比重が高いので
脚本を考える打ち合わせの場面が非常に面白かった。
ベテラン脚本家も若手にアイデアを出してもらったりするんだなー。


そして「ラストシーンが気に入らないので作り直す」という
クリエイターの矜持にもとづいた展開!!
今のアニメでどれだけのスタジオにこんな無茶ができるんだろう。

劇中アニメのクライマックスシーンをまるまる流して
「アニメというメディアはこんな表現ができるんだ!」という無言の主張。
ジャパニメーションは職人の誇りで成り立っているというのが
痛いほど伝わる出来だった。
まだまだAIに替わられるような仕事ではないな…。


今のアニメは映像技術が上がっているにもかかわらず
ひとつひとつの作品のクオリティがひどかったりするのは
こういう裏側を見せられると本当に仕方がない部分もあるね。

それを観て無責任に文句をつけているだけの我々は
文句と同時にリスペクトを常に持たねばならん!!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

感想:冴えない彼女の育て方 Fine

2019-10-27 17:39:02 | 劇場アニメ


公式サイト

観てきました!!


普段書いてるTVアニメの感想で、TV版2期には滅多につけない「A」のランクを出した。
キャラクターの可愛さと声優の演技の素晴らしさは当然のこと、
英梨々と詩羽が倫也を裏切るに足る理由付けと
原作に比べれば圧倒的に情報量が制限される中での行間を読ませる演出の巧みさ。
綺麗にまとめながらも、続編へ大きく期待させる余韻を残すラスト。

というわけで、続きがどうしても気になって原作に手を出してみたんだが
やはりラノベの文体が苦手すぎて1巻序盤で挫折。
そんな自分にとって今回の完結編は死ぬほど楽しみにしてた。



開始早々全員で集まって美智留のライブの打ち上げ。
英梨々と詩羽先輩も呼ばれてるから2期の余韻が最初から壊れてるし
詩羽先輩は「今回の劇場版はモブ扱い」とかメタ自虐をかましてるし
のっけから世界観を壊すなよ!! 
って言ってもそういや1期0話時点からそういうキャラだったっけ…。

TVアニメ版の時点で相当に作画は良かったが、さすがに劇場版はさらに丁寧。
ひとつ気になったんだが、恵ってこんなにデブだったか?
ぽっちゃり好きとしてはかなり嬉しい変更だけどな!!



前半はひたすらゲーム制作にこだわってるし、
メインのはずの恵はずっと生理なのかってくらい不機嫌だし
こんなんで完結できるのか…? と非常に心配だったが。


ギャルゲー制作にからめて自分たちの気持ちに気づかせるシナリオ。
時系列を入れ替えてあとから何があったかをバラす構成も上手い。

フラグをへし折るキャラという設定だった恵も
もはや最初からフラグ完成してて、大好きオーラ全開の女子力。
肌の手入れをしているなにげないシーンが異常なほど丁寧!!


そして告白シーンでは全身の体温が上昇した。こんな感覚は久々。
タイトル回収も最高に泣ける!!
キャラの関係性ひとつひとつの収束も実に綺麗で
忘れ去られるような伏線もなかった!! はず!!



いい感じに死にたくなれる最高のラブコメアニメだった。

スタッフロール後のエピローグも非常に安心できる内容で
アニプレックスのいいところを全部集めたような作品。
俺ももっと丸戸作品に触れて行かないといかんなぁ…。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする