あの花スタッフ劇場アニメ第4弾!!
前作の『空の青さを知る人よ』はひたすらつまらなかったという記憶しかない。
そこからどう復活していくかの期待を込めて観に行った!!
~あらすじ~
離島で育った、秋・諒・優太の3人。
島の伝承であるハリネズミのような生き物「ふれる」の能力により
互いに触れるだけで相手の考えていることが伝わるようになる。
そして成長した3人は強い絆にもとづいて東京へと移り住む。
「相手に触れると互いに伝わる」
ホモかな?
……と思ったものの、実際はそこまでホモホモしい感じではないので
BL苦手な人でも安心。
劇場アニメの序盤は当然ながらキャラクターの動きをアピール。
日常の生活を非常に細やかな所作の数々で描写していて
モーションキャプチャかってくらい美しい絵コンテ。
長井龍雪の凄さをのっけから見せつけられた!!
主人公たちが成人していて秋がBARでアルバイトをしていたり
諒は不動産会社でしっかり営業の仕事を頑張っていたり、
やはりこれまでの作品と比べると異色。
社会人の辛さと共同生活の楽しさが意外にきちんと描写できているのが
アニメ作品としてはなかなか興味深い。
しかし。
ひったくりから助けた奈南とその友人の樹里が出てきて5人で同棲するという、
もう明確に友情をぶっ壊すことありきの展開w
正直なところ、こんな恋愛ショーは求めてなかったので
これは率直に岡田磨里の悪いところが出てた。
まあ本当に男3人しか出てこなかったら面白くないだろうし
単なるBLアニメと言われて終わってただろうから
結果としては正解だったと思いたい。
全員の人生の順風っぷりと難航っぷりの両面を見せてくれる青春ドラマ。
劇場アニメの尺のなかではなかなか絶妙なバランス。
終盤でみんなが叫びながら本音をぶつけ合うのが岡田磨里作品のお約束。
ワンパターンだという批判を覆したかったのか、
「相手の心が読める」という設定を逆手にとってのぶつけ合いになってたので
それはそれで面白かった。
そしてラストでのふれるの暴走。
劇場アニメだから山場で派手な演出を入れることに不思議はないのだけれど、
それを従来のファンが求めているのか、という疑問。
『あの花』も『ここさけ』も、そんなものに頼らなくても面白かったのに
新海作品に影響を受けたのか、中途半端なセカイ系に舵を切ったうえ
スペクタクルとして見てもチャチ。どうすればいいのこれ……。
社会人になってからの幼馴染同士の青春。友情とその変化。
全体のストーリーを振り返ると予想外の展開には持って行かなかったけれど、
無茶な展開にしてストレスになるよりは気持ち良くまとまってくれて良かった。
エンドロールで声優の確認。
メイン3人役のジャリタレは違和感なく楽しめたのでえらい。
男どもを引っ掻き回すヒロイン奈南が石見舞菜香。
このスタッフは石見が好きだなw
あとモブで水瀬いのりや茅野愛衣といった過去作ヒロインの声優がいて嬉しいw
この時代の声優なら声で聴き分けられる!!
ガチで泣かされまくった過去作に比べると名作とはいいがたい作品だったけれど
ちょっと空いた時間に一風変わった青春アニメを観たければ是非ともオススメ。
でも公開2日目で観客5人くらいしかいなかったんだが、
いくら田舎の映画館とはいえヤバくないか……。