2023秋アニメ感想 中盤

2023-11-21 21:02:59 | アニメ特撮


SPY×FAMILY Season 2
B 83

作画は綺麗だし会話は流れるように美しいし
ストーリーはワクワクするしキャラの表情はカットごとに面白い。
ツッコむ要素がないとまともに感想が書けなくてつまらんw



ゴブリンスレイヤーII
C+ 69

結局この作品でいちばん有能なのって漫画版の作者だよな……。
別にエロに限ったことではなくて、漫画版のコンテと構成を使ってるのに
必要な場面をカットするのって完全に本末転倒じゃん。
それでも好きだから仕方ないけどな!



鴨乃橋ロンの禁断推理
C+ 70

割とコメディミステリのドラマっぽい感じ。
ボケツッコミを繰り返す漫才形式の会話がメインで
ミステリ部分もまあまあ楽しくて良し。
ただ超能力回はすべてがダメな出来だった……。
公開殺人なんかやったら一発でバレるわw



SHY
C+ 73

クオリティ高くてファンとしては嬉しいなあ!
ちょっと変わったヒーロー物としてのベースを楽しませつつ
日常回も普通に癒される。
原作が面白くなるのは結構先のほうなので1クールで済ますのはもったいない!!



ひきこまり吸血姫の悶々
C 64

4話観て終了。
作画はとても綺麗なのだけれど内容がメチャクチャだな。
ラノベ原作だとそんなもんかもしれんけど。
残虐な描写が多い割に画面越しに血の匂いが漂ってこないのは致命的。
女子向けの血みどろバトル作品は珍しいのでその点での価値は大いにあると思う。



僕らの雨いろプロトコル
D+ 53

2話観て終了。
やっぱeスポーツを題材にしてもまったく惹かれないわ。
上手く成り上がったとしても「だから何?」で終了。
まあそもそも脚本がつまらんのがダメな原因だけどな……。
毎度アニメを声優目当てでチョイスして切るのが不毛すぎる。反省。



16bitセンセーション ANOTHER LAYER
B 80

PC98からWINに移行してのプログラムミングを拒否するのが自分に重なって泣けた。
そしてオーパーツであるタブレットを見せる場面が面白かった。
なろうではよくある場面かもしれんけど、意味合いがまったく異なるシナリオの妙。
ストーリーはベタなのにベタを貫き通してるおかげで不快感がないのもすごい。
「夢だけど!」「夢じゃなかった!」が24年前と通じててクソワロタw



ミギとダリ
C+ 73

どうにも内容に気持ち悪い違和感がついてまわるので
原作を少し読んでみたらやっぱりアニメの演出のせいなんだな……。
しっかりノワールを貫くからこそギャグが映えるのに!!
なんて思ってたら5話くらいから一気に狂ってきて面白くなった。
ギャグはアクセント程度にしてシリアスで突っ切ったほうが面白いなこれ。



葬送のフリーレン
B 82

主人公が二人とも感情の発露が薄いキャラってのが珍しくていいね。
ひとつひとつのエピソードが良い意味で予想を裏切ってくれるのが面白い。
独特の世界観を独特の演出とテンポで表現するアニメ化の素晴らしさ。
そりゃ原作も爆売れするわ。



経験済みなキミと経験ゼロなオレがお付き合いする話。
D+ 59

女が学校一の美少女という説得力がなくてただのヤリマンギャルだし
男には魅力的な部分も好かれる要素も何ひとつないし、マジでワケわからん。
でも一緒に泊まったときの「眠れないの? する?」にツボった。
こういったところどころの生々しいリアリティは評価できる。
やってることは古臭いメロドラマだけどな……。



君のことが大大大大大好きな100人の彼女
C 64

1話目だけじゃ気づけなかったが、よーーーするにアレか。
ラブコメの皮をかぶった気狂いギャグ作品なのか。
今のテレビのコンプライアンスでよくあの教頭のネタを通せたなw
恋愛要素を真面目にやるほどダメになるアニメ。それってどうなんだw



星屑テレパス
C 62

星空モチーフの雰囲気はほんとに良く出せてるけど。
半クールかけてやることがペットボトルロケットじゃダメだろw
きららアニメとしてはメカキチの女が主人公のほうが
盛り上がった気がしないでもないな。難しいところだな。


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感想:七人の鬼ごっこ

2023-11-13 20:18:06 | ミステリ




七人の鬼ごっこ 三津田 信三 2011年作品



なんとなくホラー調のミステリが読みたくなって手に取ったのがこの本。



「いのちの電話」にかかってきた一本の電話。
人生に絶望したその男は自殺をほのめかして電話を切る。
居場所を特定した相談員たちが密かに駆け付けたが、
そこにいたはずの男は行方をくらましていた。
そして、男が直前に連絡を取っていた30年前の友人たちが次々と殺害されてゆく。




30年前に遊んだ「だるまさんがころんだ」にもとづいて起こる殺人事件。

各章にはさまれた幕間で「あの日」のだるまさんがころんだの情景が描写され、
幕間を重ねるごとに同じ文章が繰り返されるが、
その文末に少しずつ文章が付け足される形で何が起こったのか明かされていく。



事件のカギとなる当時の友人たちが揃って「あの日」の記憶を失っているのは
さすがに物語として都合がよすぎるだろう、と思わずにいられないが、
暗くなりかけた夕刻の田舎の描写を繰り返すことで
作品全体の蒙昧とした気怠い雰囲気を常に醸し出しているのがとてもいい。



捜査自体は全編を通じて行ってはいるものの、終盤の捜査で一気に情報が入り
その情報をもとにクライマックスの推理が行われる。

しかし、それまではサスペンス調で一貫していたのに
急に"推理小説"的な突飛な謎解きをコチョコチョ進めるのは
少しセコかったかな、とは思う。
全体に伏線を敷いておけば、さらに密度の高い作品になっていたかと思うと惜しい。

推理小説としての「犯人はだれか」という点において
消去法で考えながら読んでいたらかなり早い段階であっさり的中してしまったが
物語の組み立て自体がなかなかに骨太で面白かった。



粗も多いけれど、自分が読みたかった小説とマッチした作品に出会えて満足。
似たような作品をもういくつか読みたい。



満足度(星5個で満点)
文章   ★★★
プロット ★★★★
トリック ★★☆

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感想:ミセス・ノイズィ

2023-11-05 10:08:57 | 映画






「引っ越しおばさん」「騒音おばさん」といえば
一定以上の年代の人は必ず知ってる人物。

そのおばさんをめぐる一連の騒動を元にフィクションとして再構成したのがこの映画。

公開当時は近場の映画館でやってなかったので
コロナにやられて動けなかったときにアマプラで有料で観た。




まずは現実のおばさん騒動まとめ。

「引っ越し! 引っ越し! さっさと引っ越し!」というリズムを刻み
ラジカセで大音量を流しながらベランダで布団を叩きまくるおばさんが
ある時期からテレビのニュースで流れ始める。

その強烈なキャラクターとテレビ映えする行動の数々により
ワイドショーで連日おばさんの映像が放送され続け国民全員のオモチャとなった。
映像を提供しているのは騒音の被害者である隣人夫婦。

隣人夫婦とのいざこざによるおばさんの嫌がらせということだったが
実際に流される映像はおばさん側ばかりのため、
どうしても一方的に悪者に見えてしまう。



結果的には隣人が騒音で眠れなくなり体調不良となったことを理由に
傷害罪が適用されて逮捕・懲役の実刑に至ってしまい
それはさすがにやりすぎだとネットではおばさん側に同情する流れが出来上がる。

そこからは被害者であったはずの隣人夫婦にあることないことの
誹謗中傷が繰り返されていく。

とはいえ、コンテンツとしてのおばさんが不在となった以上
あらたに面白い映像が提供されることもなくなり
ネット民からも飽きられて忘れ去られていった。



結局のところ、何が本当で何が嘘なのかがまったく検証されずに
無責任に囃し立てられてそのままフェードアウトしたこの事件。

いったいどのようにエンターテイメントとして再構成されたのか。






映画のあらすじ。



主人公はスランプに苦しむ作家の真紀。
夫と娘とともにアパートに引っ越してきたものの、
朝早くに布団を叩くおばさんのせいで執筆がはかどらない。

そして、勝手に部屋から外へ遊びに出た娘を夜遅くになってから
おばさんが連れて帰ってきたことで怒りに火が点く。

騒音の被害を受け続けた真紀はその怒りの矛先を執筆に向ける。
おばさんを元にした小説を出版社へ持ち込んだところ大ヒットに。

さらには二人の諍いがネットにアップされ、
小説で誇張されたおばさんの異常性が現実と重なって面白がられ
連日アパートにはマスコミと野次馬が押し掛けることとなる。

ある程度物語が進んだところで時間が巻き戻り、おばさん視点に切り替わる。
何故おばさんが布団を叩くのか、子供に対して何をしたのか、
過去にどのようなことがあったのか。
様々に同情すべき点が観客へ提示されていく。

そして加熱していくおばさんブームの中、
ある出来事をきっかけに真紀が叩かれる側になってしまう。

終盤は世間をも巻き込んだドタバタになるが
ご都合主義的におさまって静かに綺麗にまとめて終わり。




なんとも日本映画としてのテンプレートのような展開だったが。

まあなんというか。
「ネットでの憶測で作り上げられたイメージ」をそのまま映画にしたわけだな。
映画は映画で良く出来ていたのだけれど
映画より現実のほうが面白かったのがヤバい。



これだけ現実に即していると、映画を作るにあたって
おばさん本人に許可をとらないとまずいレベルのような気がするんだが
まあとってないだろうなあ。

しばらく前に「あの人は今」的な感じでネットニュースの記事になっていて
おばさん本人に取材しようとしたら警察を呼ばれたとのこと。そりゃそうだ。


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