感想:勇者死す。 その1

2016-03-23 23:45:26 | ゲーム(VITA)


公式サイト


90年代前半のRPG戦国時代において
「天外魔境II」の圧倒的なパワーは異彩を放っていた。

キャラクターの存在感ありきで作られたシナリオ。
数分間隔で発生するイベントと、派手なビジュアルでの演出を駆使し
クリアまでに60時間を想定した大作。
今ではそれらが珍しくないことを考えると
いわゆる昨今のJRPGの基礎になったゲームといえる。


しかし、天外IIの凄いところはそれだけではなくて。

ただのモブ村人がえらくリアルな人生観を持っていたり
メタ的にプレイヤーを小馬鹿にする演出が入っていたり
遊び込むほどに製作者のエゴが強く感じられるのが
それまでのRPGになかった一番の要素だったと思う。


桝田省治というクリエイターがその後も
持ち前のエゴと捻くれたアイデアを盛り込んだゲームを作り
コアな人気を維持し続けているのは
ゲームファンならみんな知っているはず。
まさにこれぞクリエイターのあるべき姿!!!

桝田の後続としての才能を持つ人材がまったく生まれなかったことが
日本のゲーム凋落につながってるんだよな!!!

とかベタ褒めしておいて「リンダキューブアゲイン」以降のソフトは
全然遊んでないんですけどね!!!



そんなわけで20年ぶりの桝田ゲー。
桝田省治をもっと知りたい人は公式サイトの連載コラムに目を通すだけでも
いかに優秀で捻くれた人間なのかがわかるので是非読んでください。


あらすじ。
魔王を倒したものの、相討ちで命を落とした勇者が
神のはからいにより5日間だけ生き返る。
悪の滅んだ世界でどのように最期を過ごすのか。




困っている人たちを助けてもいいし
種族間の紛争を解決してもいいし
ひたすら釣りに没頭してもいい。




ワールドマップ自体はけっこう狭いので
とにかく最初は好きに動いて地域の関連性を覚えるのが重要。



寿命が近づくにつれて勇者が衰弱していくのがきつい。
ステータスはガンガン下がっていくし
装備の重量も"疲労"のバッドステータスにつながる。

経験を積んでレベルが上がって強くなる、
新しい装備を見つけてキャラを強化する、
というRPG誕生からの大前提である爽快感を崩してしまったのは
けっこうなストレス。

でも、あえて変な方向性のゲームを作り、
変な方向性のゲームを遊びたい人間が買うのだから
きっとこれで正しいんだよな!




ゲーム開始時は所持金MAXの99999Gで
武器屋で好きな装備を買って無双できる!!
なんて思いきや、クリアに累計20万G以上が必要なクエストがあったり
王道RPGに対するメタ的なネタもいかにも桝田ゲー。


ゲーム内のお使いフラグは
あちらを立てればこちらが立たず、の繰り返しで
ふっと解決策を思いついてクリアできたときは快感。

そしてゲームにおける5日はマジ短い。
宿屋に泊まると6時間だし、マップを移動すればルートによっては10時間。
実際にできることがほとんどないまま寿命を迎えてしまう。




エンディングは必ず葬儀の場面。
終了後に参列者と涙を流した人数が表示される。
いわば人生の評価。はっきり言って見たくねえw

葬儀のリプレイ保存機能もあったりして
やり込みへの熱を喚起させてくれる。



そして、たとえ死んでも次の周回に挑戦できる。
仕事から帰って夕飯食って風呂入ってから寝るまでに1周できる長さなので
毎日ゆったり遊びたい人も安心!!

やり直しても一部の解決済みフラグはそのまま残るので
いかに道のりを短縮しつつ最大クエストを目指すか、というゲーム。
これは久しぶりに攻略サイトに頼りたくないスルメ的な面白さ。
まだまだ諦めんよ!!


■■■現在の進行状況■■■

3周目終了
トロフィー25%

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感想:俳人一茶捕物帳-痩蛙の巻

2016-03-19 01:12:26 | ミステリ


俳人一茶捕物帳-痩蛙の巻 笹沢左保
1995年作品


笹沢左保といえば。

日本の高度成長期における男女の愛と死をドライに描いた多作な作家。
しかしながら、代表作をひとつ挙げるとすれば
テレビドラマも大ヒットした『木枯し紋次郎』にほかならない。
時代劇で染み付いた華やかな江戸時代のイメージとは異なり
様々な地の土着の文化をリアルに絞り出した描写が魅力。

つまり歴史作家としても相当に高名で
その深い造詣に基づいた政治風俗の紹介を読むだけでも
非常に面白いし教養にもなる。


元々がミステリ作家ということもあって
捕物作品としての質の高さも折り紙つき。

主人公は俳人として名を挙げる前の若かりし小林一茶。
本行寺なる寺の居候として弥次郎兵衛の偽名を使いながら生きており
奉行所の同心・片山九十郎を悩ませる難事件を
毎度鮮やかに解決していく。



一冊に7篇の短編が収められていて
内容もバラエティ豊か。

安楽椅子推理、暗号、アリバイトリック、
旅情サスペンス、閉鎖空間におけるフーダニット等々
ミステリにおける様々な要素をそれぞれの短編の中に盛り込んでいて
多作な作家として流れるようにアイデアを生み出す豪腕に敬服させられる。

一茶という叙情的な人物をミステリの探偵役に据えることで
読者も作中の事件に対して共に怒り、泣き、笑うことができ
人情譚としても白眉の出来。
事件の真相が見えるとハラハラと涙を流す決めの場面が印象的。

"宵々に見へりもするか炭俵"
等々、各編の最後に実在の一茶の句で締めることで
物語の余韻がさらに濃い輪郭で印象に残る。



文章   ★★★✩
プロット ★★★★
トリック ★★✩
(★5個で満点)
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感想:アサシンクリードクロニクル その1

2016-03-12 00:50:07 | ゲーム(VITA)


公式サイト


このシリーズ一度やってみたかったんだよね。

ダウンロード販売されたChina・India・Russiaの
3作が収められたパッケージソフト。






本来このシリーズは3人称視点のアクションゲームだけれど
外伝としてカジュアルに遊べるようサイドビューに変更。
おっさんとしてはこっちのほうがわかりやすくてありがたい。

元のシリーズからグラフィックの迫力こそ数段落ちるものの
きちんと人物のモーションが作られているので見ていて興奮するし
背景も細かいところまで手が込んでて渋好み。
そのぶん眼精疲労が超きついけどな!!!


で、アクションゲームとしての面白さも抜群。
ボタンひとつで色んな暗殺アクションができるのが快感。
番兵に見つかったときもガチ剣闘で相手を倒せるので
反射神経で切り抜けるプレイスタイルもあり!!


とはいえ、最高得点を取るには無駄に殺したらダメらしい。
ひたすら番兵の視線をかいくぐって目的地を目指す。

でももともとフラストレーションが溜まる内容なだけに
やっぱりチャンスがあれば殺しちゃうんだよなぁw




海外アクションゲームのやり込みは
時間をかければなんとかなるものが多い日本のそれとは違って
スキルの上達に主眼が置かれてるのでかなり厳しいな…。



■■■現在の進行状況■■■

Chinaクリア
トロフィー13%

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感想:ご注文はうさぎですか? Wonderful party! その1

2016-03-06 23:14:17 | ゲーム(VITA)


公式サイト


ゲーム屋で買うのは非常に恥ずかしかったが
このパケが並んでいるのを見たら
ぴょんぴょんしながら買わざるをえないよな!!



一言で表現すればココアが他のキャラともふもふするゲーム。

もうすぐ誕生日を迎えるチノに喜んでもらうために
ラビットハウスを繁盛させるのが目的。
コスプレをしてのチラシ配りや
喫茶店モードのミニゲームで店の知名度を高めていく。

誰と一緒にチラシ配りをするか、
パジャマパーティーで誰と一緒に寝るか、
といった選択でそのキャラとの親密度がアップ。







あれ、グラフィックがちょっとアレじゃね…?
と真っ先に感じてしまったけれど
一枚絵はけっこういい感じだな!



チノの誕生日を祝ったあとは第二部として
いちばん親密度の高いキャラのルートに突入。
その後の友情の深まり具合によってエンディングが変化する。



とまあ、番外編的な展開に不満はないけれど、
全体のテキストがちょっとね。

キャラの天然ボケに対してちょっとビターな突っ込みを返すのが
原作の面白さだと思うのだけれど
そこを省略してしまうと魅力も半減すなぁ…。





キャラ同士がイチャつくのを見るためだけに
日常パートとミニゲームを繰り返す、
という内容に対して満足できる人であれば
この上なく素晴らしいソフト。


どういうルートをたどってもみんな幸せになるのは
原作のことをよくわかってる。
ごちうさのキャラが好きならちょっと手が空いたときに進めて
ほんのり癒されるファンゲーム。

世界観を壊さないことを大前提に作られているので
そこに大きな感動こそないものの、安心してぴょんぴょんできる。
これを買う人は優れたゲーム性とかは求めてないだろうし
キャラゲーってのはこういうのでいいんだよな、きっと。


■■■現在の進行状況■■■

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感想:仮面ライダーバトライド・ウォー 創生 その1

2016-03-03 00:21:16 | ゲーム(VITA)


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正直、発売直前まで買おうか迷ってたけど
あまりに公式PVが素敵すぎたので購入。

PVだとBGMに全作品の主題歌を使っててすげえと思ったけど
主題歌入りソフトをわざわざ別に発売ってことなんだな…。
Vita版が出れば買ってたけど残念ながらPS3・PS4のみ。
こればかりは仕方ない。

自分で音楽ファイルを用意して再生させることも可能なので
良心的といえば良心的か。



で。
無双系って結局やることはほとんど一緒で、
いかにタイアップのIPが強いかが重要ってことなんだろうけれど
それを考えると歴代ライダー揃い踏みってのは最強だな。





ビジュアル的には大満足の出来で
平成ライダーのカッコよさも昭和ライダーの渋さも
めっちゃテンション上がる!!!


ステージ数は大量に用意されていてボスキャラの数も相応にいて
クリアするごとに使えるライダーも増えていくので
先を見たくなるテンポの良さがナイス。

けれど、やっぱり思ったとおり
どのステージもやることがほとんど代わり映えがせず、
ただ時間を浪費して未クリアステージを潰していく作業に感じる。

同じキャラでステージをクリアしていけば問題なくレベルも上がり
ひたすら遠距離射撃を繰り返すだけで先に進める。
せっかく一人のライダーにつき大量の技が使えるのに
ゲームシステム・ゲームバランスに殺されているのは非常にもったいない。
ていうかキャラクター系無双ゲーのほとんどがこのパターンだな…。





自分で操作して好きなライダーのあの技を出せる、
というドリームこそがこのソフトの肝だと思うので
プレイヤーが積極的に楽しみ方を見つけるのが大切。
ライダーファンの姪っ子(4歳)に貸したら叫びながら喜んで遊んでた。


一応難易度は通してHARDでやっているけれど
さらに上もあるようなのでそれが出てからが
ゲームとしての本番かな。


■■■現在の進行状況■■■

トロフィー30%


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