公式サイト
90年代前半のRPG戦国時代において
「天外魔境II」の圧倒的なパワーは異彩を放っていた。
キャラクターの存在感ありきで作られたシナリオ。
数分間隔で発生するイベントと、派手なビジュアルでの演出を駆使し
クリアまでに60時間を想定した大作。
今ではそれらが珍しくないことを考えると
いわゆる昨今のJRPGの基礎になったゲームといえる。
しかし、天外IIの凄いところはそれだけではなくて。
ただのモブ村人がえらくリアルな人生観を持っていたり
メタ的にプレイヤーを小馬鹿にする演出が入っていたり
遊び込むほどに製作者のエゴが強く感じられるのが
それまでのRPGになかった一番の要素だったと思う。
桝田省治というクリエイターがその後も
持ち前のエゴと捻くれたアイデアを盛り込んだゲームを作り
コアな人気を維持し続けているのは
ゲームファンならみんな知っているはず。
まさにこれぞクリエイターのあるべき姿!!!
桝田の後続としての才能を持つ人材がまったく生まれなかったことが
日本のゲーム凋落につながってるんだよな!!!
とかベタ褒めしておいて「リンダキューブアゲイン」以降のソフトは
全然遊んでないんですけどね!!!
そんなわけで20年ぶりの桝田ゲー。
桝田省治をもっと知りたい人は公式サイトの連載コラムに目を通すだけでも
いかに優秀で捻くれた人間なのかがわかるので是非読んでください。
あらすじ。
魔王を倒したものの、相討ちで命を落とした勇者が
神のはからいにより5日間だけ生き返る。
悪の滅んだ世界でどのように最期を過ごすのか。
困っている人たちを助けてもいいし
種族間の紛争を解決してもいいし
ひたすら釣りに没頭してもいい。
ワールドマップ自体はけっこう狭いので
とにかく最初は好きに動いて地域の関連性を覚えるのが重要。
寿命が近づくにつれて勇者が衰弱していくのがきつい。
ステータスはガンガン下がっていくし
装備の重量も"疲労"のバッドステータスにつながる。
経験を積んでレベルが上がって強くなる、
新しい装備を見つけてキャラを強化する、
というRPG誕生からの大前提である爽快感を崩してしまったのは
けっこうなストレス。
でも、あえて変な方向性のゲームを作り、
変な方向性のゲームを遊びたい人間が買うのだから
きっとこれで正しいんだよな!
ゲーム開始時は所持金MAXの99999Gで
武器屋で好きな装備を買って無双できる!!
なんて思いきや、クリアに累計20万G以上が必要なクエストがあったり
王道RPGに対するメタ的なネタもいかにも桝田ゲー。
ゲーム内のお使いフラグは
あちらを立てればこちらが立たず、の繰り返しで
ふっと解決策を思いついてクリアできたときは快感。
そしてゲームにおける5日はマジ短い。
宿屋に泊まると6時間だし、マップを移動すればルートによっては10時間。
実際にできることがほとんどないまま寿命を迎えてしまう。
エンディングは必ず葬儀の場面。
終了後に参列者と涙を流した人数が表示される。
いわば人生の評価。はっきり言って見たくねえw
葬儀のリプレイ保存機能もあったりして
やり込みへの熱を喚起させてくれる。
そして、たとえ死んでも次の周回に挑戦できる。
仕事から帰って夕飯食って風呂入ってから寝るまでに1周できる長さなので
毎日ゆったり遊びたい人も安心!!
やり直しても一部の解決済みフラグはそのまま残るので
いかに道のりを短縮しつつ最大クエストを目指すか、というゲーム。
これは久しぶりに攻略サイトに頼りたくないスルメ的な面白さ。
まだまだ諦めんよ!!
■■■現在の進行状況■■■
3周目終了
トロフィー25%