感想:いつも月夜に米の飯

2018-09-30 11:21:54 | 映画


公式サイト

観てきました!!

観てきましたって言っても、この映画の感想を書くべきかどうか
結構迷ったんだよな…。
ミニシアターの単館上映だから、今後全国のどこで観れるのかもわからないし
一般の人が観れない作品の感想を書く意味があるのかという葛藤。

まあ映像作品という形に残るものに触れたのだから
そこは割り切って誰かが感想を書かないといかんよな。



母親の失踪を知らされた千代里は通っている東京の高校を休み
実家である新潟の居酒屋に戻る。
そこには店の雇われ料理人であるアサダがいた。
店主の母が不在ながら、アサダと二人三脚で居酒屋を切り盛りしていく。

人生経験皆無の千代里と人生経験豊富に見えて
実はそうでもないアサダが、酸いも甘いも辛いも苦いも織り交ぜて
数々の居酒屋料理とともに時をめぐらせるヒューマンドラマ。



なんにせよ、主演の山田愛奈が超可愛い。

モデル出身だから可愛いのは当たり前として、
喜怒哀楽の表情をきっちり演技として出せているのが実に魅力的。

居酒屋をめぐる人々との関わりで少しずつ人生を悟っていく変化を
色々な場面で対比しているのだけれど
その微妙な変化を抜群の説得力で演じ切る。

そして素の演技がツンデレのツン成分高めのなので
自由奔放な母親を嫌う女子高生役としてピッタリすぎる。
女優としてメチャクチャ有望株だな!!


シナリオもいくつかのパートごとにテーマとなる料理が提示されて
新潟の米の旨さを今一度ありがたく再確認できて嬉しい。
内容に関しては極力触れないでおくけれど
安心のオサレ料理映画かと思っていると、結構な不意打ちがくる。

しかし、監督・脚本の加藤綾佳って
若いのに山田洋次みたいな映画を作るんだなw
抑圧された感情を一気に爆発させて
悲哀のこもったドタバタで盛り上げるのは、いかにも昔ながらの日本映画。

隣のおっさんが号泣してたので
俺はこの映画で泣くにはまだまだ人生経験が足りないのかもしれぬ。
なんにせよ、観客の胸を打つ作品を作れる人は素晴らしいな。


実はこの映画の舞台になったのがめっちゃ地元なので
毎日が聖地巡礼みたいなわけで。
居酒屋の常連を演じる役者たちも「飲み屋の常連の馴れ馴れしさ」を
絶妙に演じ切っていて素晴らしい。
でも地元民としては方言のアクセントがちと微妙w

舞台となった居酒屋も作中と同じ店名で営業しているようなので
暇ができたら飲みに行ってくる。


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感想:週刊少年チャンピオン 2018年43号

2018-09-23 17:58:22 | 漫画


過去の感想はこちら

2018年 24号


だいぶ間が開いてしまったので
先々週くらいからこの号で感想を書こうと決めてたんだが
奇しくも佐藤タカヒロ追悼号。
前作の「いっぽん!」の頃からネームの熱量に圧倒されてたし
前回の感想のとおり、バチバチが今のチャンピオンでいちばん好きな漫画だったので
訃報を聞いたとき10分くらい固まってしまった。

死因が公表されてないのが気になるが
どうやら事故や自殺ではないらしいので
本当に急性の心不全とかだったんだろうな。
魚肉ソーセージにマヨネーズたっぷりつけて食べるのが好きだったそうなので
勝手ながら体の心配をしていたのだが、さすがに早すぎるよ…。

最高潮の盛り上がりで最高にカッコイイ場面を見せての未完。
本当に残念で仕方ないが、表紙にも書いてあるとおり「作品は死なない」。
長い間楽しませてもらったし、これからもときどき読み返すと思う。
ご冥福をお祈りします。






弱虫ペダル 渡辺航

vs御堂筋決着。
この漫画にしては珍しく勝ち負けの理由付けがあった感じだ。
ここからが本当のクライマックス。やばいな! 熱いな!


あつまれ!ふしぎ研究部 安部真弘

ことね先輩が相変わらずエロ素晴らしい。
陸上ユニフォームが反則すぎる。
こういうのは是非アニメ化で乳揺れを描写してもらわねばな…。


ゆうえんち -バキ外伝- 夢枕獏  (初感想)

よく夢枕獏がこの小説のオファーを受けてくれたなぁー。
読みやすくてそれぞれのシーンが脳裏に綺麗に浮かぶ。
そして藤田勇利亜にこんな使い道があったとは実に予想外でナイスw


BEASTARS 板垣把留

ルイ先輩はギャングのままでいて欲しかったが、
今週の親子のシーンはたまらなく痺れた。
作者自身をモチーフにしているのか全て創作なのかが気になるわw
そしてヤバい奴の登場のさせ方が完全に親父譲りw


吸血鬼すぐ死ぬ 盆ノ木至

追い詰められていく人々のパターンをよくこんなに毎週思いつけるなw
そしてこの前の「最弱トーナメント」が面白すぎた。
ギャグ漫画もネタが尽きるとトーナメントの続き物にすることがままあるが
1週で完結させてしまうテンションのキメっぷりに敬服。

ベルリンは鐘ヤッホー! ニャロメロン

ネタが乗ってるのに名前がシャーリーかよ! とか
てるてる坊主はどこから吊られてんだよ! とか
なんで親父が巻物なんだよ! とか
読者が突っ込まなきゃいけないボケ倒しっぷりは
チャンピオンで言えばおおひなたごうの系譜なのかもな…。


週刊少年ハチ 増田英二

Dランクに上がった途端にラスボスと勝負とか
いくら巻中カラーでも打ち切りコースにしか見えん。
ここから人気を巻き返せるかどうかってところなんだろうな。
つーか退学をデメリットとして描写できないなら
わざわざクラス内で勝負する意味なかったじゃん…。


あっぱれ!浦安鉄筋家族 浜岡賢次

いつからか忘れたが定番になったジジイのサイレント回。
チャップリン的なオサレ狙いはなかなか悪くない。
コマごとの時間経過が見事でまさにベテランの仕事。


ロロッロ! 桜井のりお

ガチのコミケネタとか声優ネタとか最近は色々攻めてんなー…。
それでいて各キャラクターの役回りが壊れてないんだから
ギャグ作家として安定してるわ。


ボスレノマ ~「囚人リク」外伝~ 瀬口忍 (初感想)

綺麗に完結した作品なのに後からスピンオフを作るのはどうしても好きになれないが、
あのノリをまた見れたのはなんだかんだで嬉しい。
チャンピオンにはつねに一定の"雄(オス)度"が必要だ。


六道の悪女たち 中村勇志

相変わらずなんというか、なんというかな漫画だw
今回のヒロイン登場時の演出がカッコ良すぎた。
この作者って何かの映画にインスパイアされてるのか…?
元ネタがわかりそうでわからないところもモヤモヤする。


魔入りました!入間くん 西修

とりあえず今もきっちりとは読んでないんだが
行きつけの漫喫に誰かがリクエストして全巻入ってたw
マジで俺じゃないよ。
時間ができたら読破する予定。


ヒマワリ 平川哲弘

主人公グループが公式デビュー。
もうちょっとじっくり描写しても良かったんじゃないか?
…と思ったんだがもう50話なのか。
毎週なんとなく読んでたけれど、実はきちんとした進め方をしてたんだな。


鬼のようなラブコメ いづみかつき (初感想)

いかにも「月刊少年誌で育ちました」といった感じの作風。
スッキリした画が見やすくて好印象。
あっさり風味のストーリー展開も気軽に読めてよいね。


ハリガネサービス 荒達哉

案の定、また鬱方向の展開に突入w
それでも試合運びの面白さは維持してるし
コマ割もアングルも魅力的。
このジェットコースターっぷりはまさに週刊少年漫画。


アカトラ 齋藤勁吾  (初感想)

チャンピオンでこの手の漫画は鬼門だと
編集部はいつになったら学ぶんだろう。
でも単行本が出るってことはそこそこ人気なのか。
なんにせよ、この女はエロくて素晴らしい。はやく脱がせ。


ジュニオール 灰谷音屋 (初感想)

なかなか独特な演出の漫画だ。
この作者の背景が知りたいなぁ…。
サッカーに疎いので完全に楽しめないのが自分でももったいないと思う。


マウンドの太陽 水森崇史

つまらなくはないけど、掲載順がちとやばい感じ。
ジャンプほどドライである必要はないけど
読む順番によっても作品の楽しさって結構変わっちゃうからね…。
なんとか復活できるほどの熱いところを見せてほしい。


木曜日のフルット 石黒正数

今週は画面が黒くて地味w
カラス同士の会話劇という発想がまず頭おかしいw
つーかヤングチャンピオンに出張ってどんなネタか気になるな…。



~~~最近完結した漫画~~~


ドカベン ドリームトーナメント編 水島新司

本当にこれで終わりなんだなあ…。
試合と一緒に連載を終わらせるのはいかにも水島新司っぽいけど
ドカベンって人間ドラマの比率も結構大きかったから
フォロースルーとして各選手のその後ももう少し見たかったわ。
連載開始時から読んでいる人はこの終わり方にどんな印象を抱いたんだろう。


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感想:カメラを止めるな!

2018-09-19 07:21:00 | 映画



公式サイト



遅ればせながら観てきました!!


もはや旬を逃しまくってる以上、ある程度のネタバレありで書くけど



「生放送のゾンビドラマという無茶な企画」が設定として面白すぎる。
純粋なゾンビ物という先入観を逆手に取ってわざと違和感を作り
それをそのまま伏線として後半の舞台裏で明かす構成。


最初の30分以上のワンカットが本当にすごい。
舞台であれば何時間もぶっ通しということもあるけれど
映画だとカメラワークまで計算しての動きだから
ちょっとしくじっただけでやり直しだもんな。

役者の演技もみんな素晴らしいし、主演である監督役のおっさんが好きすぎるw
一人ひとりのキャラ設定もシンプルで覚えやすいので
前半の内容と後半の内容それぞれを比較するという作品の構成にマッチしてる。


「低予算での映像作品」「実験的・挑戦的なネタ」というのが
作中のネタとしても実際の映画作品としてもリンクしてるのが面白いし
エンドロールでさらなる仕掛けも見せてくれるので
スクリーンが閉まるまで席を立つ客はいなかった!!



なんというか、あらゆる面で出来が良すぎる。

こういう半ばインディーの作品は大抵がどこかこじらせた内容だけど
ひたすらポジティブの方向に振り切った娯楽作品。
それでいてサブカル的なパロディやお遊びもたくさん入っているから
映画マニアゾンビマニアもたぶん優越感バリバリで鑑賞できたはずw



映画ならではの爽快感。
観る前のハードルが上がりまくっていたにもかかわらず大満足。

これは2回3回と観たくなる。
最初の映像の時点でリピーターが笑いまくってたのが結構なネタバレだったので
リピーター専用のシアターを用意できないもんかねw


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感想:劇場版 のんのんびより ばけーしょん

2018-09-06 07:03:50 | 劇場アニメ


公式サイト

観てきました!!


田舎アニメの最高峰がなんと劇場版で沖縄へ!!


序盤は今まで通りの夏休みの田舎。

アバンの最後を「にゃんぱすー」で締めてnano.RIPEのOPにつなぐ演出。
ここだけでもう泣きそう。
奇しくもドラムだった旧メンバーの訃報が入った。悲しい。



買い物へ向かう駄菓子屋の車に乗り込みデパートへ。
普段が何もないところなのでデパートへ行くだけでも本当に特別に見えるw
そこでの福引が当たりいつものメンツ全員で沖縄行き決定。
ここまでの流れだけでも神がかった面白さ。


そして沖縄に着いた途端、沖縄のあの空気がスクリーンから漂ってきた。
すごい…。

旅館の娘のあおいが可愛い!!
同じ中一の夏海との友情が話のメイン。
れんげの伝説回を挙げるまでもなく、このスタッフの作る友情ネタは超強い。
出会いと別れの演出が胸に刺さって実に良いノスタルジーを引き起こされた。


もちろん夏海だけでなく各キャラにも見せ場があってナイス。

ちゃっかり着いてきたひかげのウザカワキャラが強すぎて
他のキャラを食ってた気がしないでもないけどw


俺もまた沖縄行きたいなぁー。
今回のこのアニメのようにシュノーケリングやカヤックといった
アウトドアの楽しさとは無縁な人間ですがw

アニメの舞台は石垣島だったが、沖縄の田舎はどこも楽しい。
蚊に刺されて日本脳炎になるのは気を付けないといかんけどな!!



4人が歌うZAQ作詞作曲のEDが
いつもどおりの安心感で、故郷に戻ってきた気分。

田舎アニメとしての頂点。
その観察眼を遺憾なく発揮して沖縄の魅力も描き切るスタッフの有能さ。

3期も頼むぜ!!


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