遅ればせながら観てきました!!
「世にも奇妙な物語」はみんな知っていても
後番組の「if もしも」を覚えている人は
もはや結構な歳だよね。
その中の名作と名高い一篇をリバイバル。
シャフト版「君の名は」とでも言うべき青春ストーリー!!
結論から言わせてもらうと
くっそつまらなくて観てるあいだずっと頭を抱えてた…。
作画は本当に素晴らしいし神前の音楽も相変わらずいい仕事だし
鈴木・宮本コンビの演出も心に刺さる出来。
なのに何故つまらなかったのか。
ヒロインのなずな。
初見で誰もが思っただろうけれど
ミステリアスなキャラデザが化物語のひたぎと被る。
ひたぎは闇を抱えたイカれたクール女が
少しずつデレていく過程が面白かったのに
なずなは家庭環境こそ複雑だが、いたって普通の女の子。
ましてや声優が広瀬すずでは無理がありすぎた。
あの絵は実力派声優じゃないと合わないわ…。
後半で無理にミステリアスさを出そうとして
狂った言動ばかりさせてたみたいだけど
逆にそこがイライラを増幅させられた。
電車の中で運転士の存在すら匂わせない二人だけの世界は
さすがシャフトのお家芸。
でもなずなに二人きりで一緒にいたいと思えるような魅力がない。
一応「アイドルになれるだけのルックスの自負」という設定はあったけど
そんなもん観客は絵で見て理解できるわ。
どんな男でも籠絡できるような魔性の魅力を表現しろよ…。
ストーリーも古臭すぎる。
ルートを変えたらAがA’になるべきところを
AからBというまるっきり別な世界へ飛んでしまう。
これだけノベルゲーが長い期間を経て洗練してきたシナリオ作りを
真向から否定してる。元が古い作品だから当たり前だけどさ。
今の若者の目は肥えている。ナメちゃいかん。
そもそも「君の名は」は瀧が三葉を救うために
全力で作戦を決行する姿に観客は共感したのに
典道は困ったときに別な世界へ行く便利なアイテムに頼るだけで
中身はただのクソガキ。
見た目がかっこいいわけでもないし、それまでのなずなとの接点もないし
なぜ惚れられたのか理由付けがないのでひたすら不快。
この脚本を書いたやつは童貞なのか?
終わってみると様々な美しいシーンがフラッシュバックして
それ自体はとても良い映画を観た気分にはなれるのだけれど
あくまでストーリーを記憶から消去した場合の話。
ラストシーンだけは「逆説『君の名は』」みたいな感じでなかなか面白かった。
というか「君の名は」への対抗意識が明確になっただけのような気もするけどな。
つまらない原因の総括としては
「シナリオ・キャラデザ・声優のすべてのミスマッチ」
一般層にも波及した化物語の何が良かったのかを考えずに
安易にその同じ層へシャフト版「君の名は」を押し付けようとしたら
そりゃロクなもんが出来るはずがないよ。
これはシャフトが悪いというよりアニプレックスが
久々に大ポカやらかしたって感じだ。
レイトショーで客が自分とOLっぽいお姉さんの二人だけだったが
あの人がどういう感想を抱いたのか聞いてみたい…。