感想:ゴジラ-1.0

2023-12-24 09:50:27 | 映画




戦時中。特攻から逃げて出撃できなかった青年、敷島。
特攻隊の拠点である大戸島に現れたゴジラもまた恐れて攻撃することができず、
残っていた整備兵まで全滅させてしまう。
戦争が終結し、敷島は自分だけが生き残ったことに大きな自責の念を抱きながらも、
東京へ戻り少しずつ人生を軌道に乗せていく。
そんななか、逃したゴジラがさらに巨大化して現れ、破壊の限りを尽くしはじめる。




というわけで。

令和になってから観る昭和ゴジラの懐古ロマンも実に素晴らしいのだが
それよりさらに前の時代。戦後すぐを舞台にしたゴジラ。

東京に舞台が移ってからの戦後の人間ドラマとしても面白い。

俳優がみんな古き良き特撮の演技ができていてポイント高い。
ヒロイン役の浜辺美波がめちゃくちゃ可愛くて見惚れてしまった。
すげえいい女優に育ったなぁ……。

貧しい戦後の描写もリアルで、身につまされる。
「パンパンにでもなれって言うの!?」というセリフがとても良かった!!
怪獣映画を観に来た親子連れのあいだで
「お父さんパンパンって何?」という会話が各地で聞かれたかと思うと胸熱!!

戦後のどん底から這い上がる人々の生命力の描写に
「まるで朝ドラを観ているようだ!!」と思ったんだが
神木隆之介&浜辺美波って朝ドラでも共演してたのかよ……。




劇場でゴジラを見たのは『ゴジラvsデストロイア』以来な気がするが
約30年ぶりに映画館で観たゴジラの迫力がものすごい。
今のフルCGのゴジラでもしっかりゴジラ。戦後の銀座を蹂躙する描写が実に痛快。
昭和ゴジラより前の時代のはずなのに凶悪さが格段に上なのはなんでだよって思うがw

光線を溜めてから吐くタイミングがこれ以上ないほど完璧で感動した。
仕事が忙しくてレイトショーでしか観れなかったが
これは是非imaxでもう一度観たい……。

昭和世代からするとゴジラは着ぐるみだからこそ愛嬌も感じられて
子供たちのヒーローたりえる、とも思うのだけれど、それは単なる老害の意見。
ここまでしっかり作られたら年寄りの小言なんか封殺されるわ。



ストーリーはご都合主義で「なんでやねん」の連続だったけれど、
終盤でのストレスをとことん撤廃した姿勢は評価できる。
すごいゴジラを見て、スカッとまとまったラストを見て、
笑顔で気持ち良く帰れるのが優良娯楽映画の条件だろうしな。



この作品の監督である山崎貴は名前はよく聞いていたけれど、
wikipediaで他の監督作品一覧を見たら
『ヤマト』『ドラえもん』『寄生獣』『ドラゴンクエスト』『ルパン三世』
という錚々たるメンツが並んでいてオエエェェとなった……。

思い入れのある作品を完全CG化されたらオールドファンは
拒否反応が出るのは仕方ないw

でも『海賊とよばれた男』はすごく良かった。
画面構成の良さだけでなく、流れるようなストーリーラインが共通してたな。

今回のゴジラで一気に株を上げたと思うので、ここは是非次回作にも期待!

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感想:首

2023-12-14 20:59:09 | 映画





観てきました!!

いやーすっげー面白かった!!


予告を見た感じ、「戦国版アウトレイジ」なのかなーと思ったら
その予想を上回るレベルでアウトレイジだったw


もうキャスティングを見るだけで悶えまくるほど面白い!!


実質的な主人公は西島秀俊演じる明智光秀。
狂った周囲に翻弄される芯の通った生真面目っぷりを演技で表現していて
たまらなく熱い!!

そして加瀬亮演じる信長のサイコパスぶりがインパクト激高。
脇を固める役者たちの重厚感のなか、一人だけ名古屋弁で喚き立てる尻の軽さが
信長の解釈として面白い!!


作中でかなり重要なポジションである抜け忍の曽呂利新左衛門が
なぜか木村祐一。
むかし『ゆれる』で検事役をやっていてその演技に頭を抱えたが
演技力自体はそんなに変わってないのに、存在感がすごい。
このキャスティングには一本取られた。

千利休が北野映画1作目にも出演していた岸部一徳だったり、
その付き人が長年TVタックルで組んできた大竹まことだったり
「北野映画」というジャンルとして見てもとにかく胸熱!!

全員が戦国を生きる男たちとしてガッチリとハマって
それでいてエンタメ映画にしっかり振った演技ができてる。



それなのに。

たけし演じる秀吉だけはテレビと同じノリw
ことあるごとに「秀長この野郎!」を連呼するし
秀長、官兵衛と三人で遠くから合戦を眺めながら笑うところは
完全に「風雲!たけし城」のコピーw

たけし自身最後とも言われているこの映画で
なんでこんなメタ演出を入れたのかがわからんなぁ。
ずっと「殿」として生きてきた自身の人生を
コメディアンの視点から顧みるネタってことなのかなぁ。

なんだかんだで何箇所も笑わされてしまったのでこれはこれでアリだけどなw





シナリオは実にテンポよく進むし理解もしやすい。

戦国ドキュメンタリーなどという野暮ったい構成にはせず、
「みんな知ってて当たり前」の部分の説明をオミットすることで
ひたすらエンターテイメントに振り切る手法が実にたけしらしい。

逃げ延びた荒木村重(ホモ)が光秀(ホモ)を信長(ホモ)に
取られたくないがために本能寺の変をそそのかすという地獄のような内容w

いまだに研究されている本能寺の変の契機が案外これかもしれない、
と考えてみるのも戦国ロマンのひとつとして面白いw



タイトルが『首』であるとおり、作中で多くの人間が首を刎ねられて死ぬ。

裏切りありきの日本の戦国を体現している斬首もあれば
妙にコミカルな演出の斬首もあったりで、なかなかカオス。

すべての男が野心をもって成り上がろうともがき苦しみ
大志実らず散っていく姿が一様にドラマティック。
そこに加えてたけし映画ならではのシニカルなペーソスを散りばめて
戦国の無常観を表現していく。


しかし。
それを監督自らぶっ壊すかのごとく、秀吉たけしの空気の読めなさが
シリアスなドラマにギャグをぶち込むタイプのコントに変貌させ
終盤には信長以上のサイコパスにw


真面目な戦国モノを期待した人は当然ガッカリするだろうし
たけしが嫌いな人だと絶対楽しめない映画だけれど、
自分にとってはすっげー面白かった。



終盤、渦中から離れた場所にいる新左衛門が「みんなアホか」とつぶやくのも
最後の最後に秀吉が「(ネタバレのため拒否)」と叫ぶのも
まさにたけし作品ならではの全力アイロニー。

やっぱりたけし大好きだ。


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感想:チャリオット(カプコンアーケード2ndスタジアム)

2023-12-10 22:06:56 | ゲーム (Switch)




カプコン大好きなのでこのソフトをいまだに遊んでる。
マジで生涯の宝物になるかもしれん。





1つの基盤に3つのゲームが入った『ワンダー3』というアーケードゲーム。

その中のひとつであるシューティングがこの『チャリオット』。








ショットは「ワイド」と「ラピッド」の2種類で、5段階にパワーアップする。
実にシンプル。


初心者は簡単に雑魚を蹴散らし敵弾も見やすいワイドのほうがラクだけれど
後半のステージは敵の攻撃が激しくなり、
攻撃力の高いラピッドでなければ非常に苦しい闘いを強いられるようになる。

このバランスの取り方がなかなか秀逸。







さらに特徴的なのが「テイルオプション」。

オプションのアイテムを取るごとに自機の後ろに容器がつく。最大7個。
そこへ時間ごとにエネルギーが溜まることで
敵の攻撃を防ぐオプションになる。

また、エネルギーを3つ消費することで強力なショットを撃てる。









シューティングゲームとしては珍しく全体的にメルヘンな雰囲気。

なのにボスはダメージを与えるとグロテスクな姿に変化する。何故。






6ステージ+ボスラッシュの最終ステージの全7ステージ。

なぜかステージ2がいちばん難しかった……。
障害物から突然飛び出してくる敵がウザすぎる。しかも撃ち返し持ち。
これならワイドショット一択だなーと思いきや、
ラピッドのほうが実は進みやすいということに気付けば初心者脱却。







シューティングゲームとしてはそこまで難しいものではないけれど
「緊急回避のボム」が当たり前になっている今の時代からすると
やはり色々と厳しい。

1ボタンで緊急回避ができるのが『1943』の革命的なところだったのに
同じカプコンシューで回避行動がないなんて悲しいじゃないか!
まあ当時の横シューはボムがないのが当たり前だったわけだけどな……。




俺ってこんなにシューティングが下手だったかなぁ、と老化を嘆いていたものの、
死に物狂いで練習してなんとかワンコインクリア。


冷静に考えたら「Switch」「TVモニタ」「アケコン」のコンボで
シューティングを遊ぶには致命的なほど遅延が大きいことに気付いた。
そういう操作性のゲームなのかと思い込んでたわ……。

物置からブラウン管のテレビ持ってこようかな……。


■■■現在の進行状況■■■

スコアアタックモードクリア



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感想:スーパーマリオブラザーズワンダー

2023-12-02 12:49:50 | ゲーム (Switch)










きちんとした2Dのマリオを遊んだのはいつ以来だろう。
マリオアドバンス4以来な気がする。



ちょっと遊んでみて「さすが任天堂!!!」と思い切り感心してしまった。。


まずは『ワンダー』というタイトルが示すとおりに、
ワンダーがワンダーたるゆえんが素晴らしい。
各ステージに隠されているワンダーフラワーをとると「何かが起こる」。

その「何か」がステージごとに全部違うのだからすごい。





敵の大群に迫られたり





骨の化石だったはずの龍が生き返ったり





画面中の敵が突然歌いだしたり



何が起こるかわからない状態から何が起これば楽しいのかを
完璧に計算して作っている制作スタッフの心意気。



こんなことはファミコン時代は容量が足りなくてまず無理だし、
ハードのスペック的にも実現できない。
何よりこんな面倒くさいことを考えても実際にやろうとは思わないw

サイドビュー2Dマリオの正統進化を
初代スーパーマリオから30年以上の時間を超えて見せてもらった。






ゲームの難易度自体は、自分のようなゲーマーからすればかなり易しめ。
それでもこの無数のアイデアを受け取るだけで、ものすごく楽しい。

映画でさらに深まったマリオの世界観を崩すことなく
ゲームならではのエンタメ性を追求するノウハウが桁違い。





そして今作で非常に重要なポジションとなるのが
ステージのあちこちにいる「おしゃべりフラワー」。






難所を越えたときや隠しコインを見つけたときには褒めてくれるし
不思議なことが起こったときには驚いたりツッコんだりしてくれる。
このウザ楽しさが癖になるw

一人でどんなにすごいプレイをしても淋しいのがテレビゲームの短所でもあるが
自分のプレイにリアクションを返してくれるキャラがいるだけでこんなにも楽しい!!

こいつら自体はまったく自分で動くことはないけれど、
ただ言葉をかけてくれるためだけにその場で人生を過ごしているのかと思うと
なんとも趣深いではないか!!








そんなわけで。

一人プレイで全ステージを完全クリアしたのでオンラインプレイもやってみた。
死んだときに5秒間だけ幽霊になるので、
そのあいだにほかのプレイヤーに触れると生き返ることができる救済措置。
すなわちアクションゲームが苦手な人でも最後まで遊べるという親切設計。
「クリアしたことにして進む」は親切がオーバーフローして最悪な仕様だものな。



生き返らせる以外で他のプレイヤーに干渉することはできないが、
上級者同士でマッチングしたときに、阿吽の呼吸で互いに何も言わなくても
ヨーイドンでどちらが先にゴールできるかのレースになるのが楽しすぎるw

実況動画なんかでもそうだけど、
ほかのプレイヤーが死ぬところを見るのは面白いw
幽霊になって生き返ろうともがいてるのを見るのも超楽しい。





他のプレイヤーを助けたときや、一緒にゴールしたときに「ハートポイント」がもらえる。
一緒にゴールすることが目的だからこそ、
相手を助けたり待ったりといったプレイスタイルが自然になる。

ハートポイントを集めてもまったく何もないのだけれど、
この「プレイヤーの褒めかた」こそが任天堂ゲームの本質。
遊ぶことで優しさが身に着くので子供の情操教育にもよろしい!!




すっかり任天堂信者丸出しの感想になってしまったけれど、
マリオブランドを大切にしているのが痛いほど伝わった神作品。
これが作れるなら任天堂もswitchもまだまだ安泰だな!!!



■■■現在の進行状況■■■

メダル6個
ハートポイント3850

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