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【あらすじ】
本土から離れた「浦島」に流れ着いた記憶喪失の青年。
島での有力者である御原家の娘・凛音に拾われ、「三千界 切那」の名を受ける。
御原家の使用人としての日々を過ごすが、
次第に思い出す断片的な記憶は切那が未来からきたことを示唆していた。
アニメ版を観たが、終盤が駆け足過ぎて訳が分からなかったので
いつか原作をプレイしたいと思ってた。
オチを知っている作品を追うというのは結構厳しいものがあるけれど
あえてそこは割り切る!!
メインヒロインは3人。
御原 凛音(おはら りんね cv.田村ゆかり)
島の御三家のひとつ、御原家の娘。
日に当たると体が黒く崩れる「煤紋病」にかかっている母親の玖音と暮らす。
自らも煤紋病である可能性に怯え、夜の海辺の散歩を日課とする。
このご時世に田村ゆかりをノベルゲーに使う名采配。
儚い雰囲気を出しつつシリアスにもギャグにも耐えうる演技力。
作品全体を引っ張るだけのオーラのある声。聴けばわかる!
枢都 夏蓮(くるつ かれん cv.阿澄佳奈)
島の御三家のひとつ、枢都家の娘。
父親との確執で島を出て行方不明の母親を捜すため
御原家でメイドのバイトをすることになる。
典型的ツンデレ。切那のセクハラの最大の被害者。
鋭いツッコミの連打が爽快。
阿澄の声はいつ聴いても元気が出るなぁー。
伽藍堂 紗羅(がらんどう さら cv.村川梨衣)
島の御三家のひとつ、伽藍堂家の娘。
しかし伽藍堂家は5年前に火事で消失しており
現在は神社のプレハブに一人で暮らしている。
様々な学問にも精通しており、歴史の改変を防ぐために
未来からきた切那を殺そうとする。
BADルートに入ると唐突にヤンデレ化して殺されるのが怖い。
声質自体はアニメ版の山村響のほうが合っていたと思うが
この難しいキャラを表現しきってしまう村川梨衣の演技力は流石。
ていうかアニメ化での声優変更は何があったんだろうなぁ…。
謎のままもみ消されてるのが実に納得いかないなぁ…。
作品の舞台が1999年のはずなのに時代の合わないギャグがいくつもあるんだが…。
タイムトラベルのストーリーであることを示唆しているのか
単にメタギャグとしての効果を狙ってるのか
作者の考えが読めなくて困惑する。
こういう明確なメタなら大歓迎なんだがw
主人公の一貫した下ネタキャラもいい。
チンチンがシングルCDで隠せてしまうサイズなのがコンプレックス。
どういう設定だよw
ちなみに、最近遊んだノベルゲーの中ではUIがかなり優秀。
選択肢自体があまり多くないのでフローチャートが便利。
読むことに熱中するとこまめにセーブしなくなってしまうので
好きなシーンへ飛べるシステムは是非どのゲームにも取り入れて欲しい。
SFモノで定番の思考実験の紹介
↓
日常パートでそれが関わるエピソードを挿入
↓
メインシナリオでガッツリ絡ませる
という流れがいかにもジュブナイル的で素敵。
辛さを乗り越えて幸せを掴み取るというメイン3人のシナリオは
平和なギャルゲーとして満足。
しかしそこからの急展開で舞台は未来へ。
現代が舞台だった作品で急に別世界へ行くとテンションが下がるというか
そこはレジェンドである「YU-NO」ですら超えられなかった壁だし、
この作品自体がYU-NOのリスペクトをひしひしと感じるので
あえて挑戦しに行ったんだろうな!
かなり長いけれどストーリーは一本道なのもYU-NOと同じ。
メインヒロイン3人と見た目の同じキャラが出てくるが、役柄がまるっと変わる。
凛音→リンネが遺物を発掘してそのパーツでタイムマシンを作ろうとする研究者に。
くっそウブだった夏蓮→カレンがノリノリで体を売って生活するスラムの住人にw
ロリ属性高めだったはずの紗羅→サラが巨乳にw
夏への扉!!
ベタだけどグッと来る!!
割とすんなり解決に向かう現代編と異なり、
重なっていく絶望と、本当にダメかと思うタイミングで見えてくる希望。
安易に定番のループ物に逃げない展開に熱くなる。
それにしても長かった…。
もちろん面白かったのだが、アニメで端折られても仕方のない長編。
これを2話で収めようってんだから無理があるわ。
で。
アニメで「なんじゃこりゃ」と思ったラストは、
まあ結局は原作どおりだったわけで、同じく「なんじゃこりゃ」にしかならんw
ただ、ノベルゲームである以上はifのルートも存在するわけで、
自分の気に入ったラストを正史とできるのが嬉しい点。
相対性理論などSFの定番ネタこそ多数あれど
極度に難しい内容もなく、SFジュブナイルとして読みやすくまとめあげたシナリオ。
夏休みの読書感想文に推したいような良作。
下ネタに抵抗がなければ是非おすすめ。
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