感想:冴えない彼女の育て方 Fine

2019-10-27 17:39:02 | 劇場アニメ


公式サイト

観てきました!!


普段書いてるTVアニメの感想で、TV版2期には滅多につけない「A」のランクを出した。
キャラクターの可愛さと声優の演技の素晴らしさは当然のこと、
英梨々と詩羽が倫也を裏切るに足る理由付けと
原作に比べれば圧倒的に情報量が制限される中での行間を読ませる演出の巧みさ。
綺麗にまとめながらも、続編へ大きく期待させる余韻を残すラスト。

というわけで、続きがどうしても気になって原作に手を出してみたんだが
やはりラノベの文体が苦手すぎて1巻序盤で挫折。
そんな自分にとって今回の完結編は死ぬほど楽しみにしてた。



開始早々全員で集まって美智留のライブの打ち上げ。
英梨々と詩羽先輩も呼ばれてるから2期の余韻が最初から壊れてるし
詩羽先輩は「今回の劇場版はモブ扱い」とかメタ自虐をかましてるし
のっけから世界観を壊すなよ!! 
って言ってもそういや1期0話時点からそういうキャラだったっけ…。

TVアニメ版の時点で相当に作画は良かったが、さすがに劇場版はさらに丁寧。
ひとつ気になったんだが、恵ってこんなにデブだったか?
ぽっちゃり好きとしてはかなり嬉しい変更だけどな!!



前半はひたすらゲーム制作にこだわってるし、
メインのはずの恵はずっと生理なのかってくらい不機嫌だし
こんなんで完結できるのか…? と非常に心配だったが。


ギャルゲー制作にからめて自分たちの気持ちに気づかせるシナリオ。
時系列を入れ替えてあとから何があったかをバラす構成も上手い。

フラグをへし折るキャラという設定だった恵も
もはや最初からフラグ完成してて、大好きオーラ全開の女子力。
肌の手入れをしているなにげないシーンが異常なほど丁寧!!


そして告白シーンでは全身の体温が上昇した。こんな感覚は久々。
タイトル回収も最高に泣ける!!
キャラの関係性ひとつひとつの収束も実に綺麗で
忘れ去られるような伏線もなかった!! はず!!



いい感じに死にたくなれる最高のラブコメアニメだった。

スタッフロール後のエピローグも非常に安心できる内容で
アニプレックスのいいところを全部集めたような作品。
俺ももっと丸戸作品に触れて行かないといかんなぁ…。

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感想:記憶にございません!

2019-10-26 13:09:09 | 映画


公式サイト


【あらすじ】
支持率2.6%という史上最低の総理大臣。
演説の際に投げられた石が頭に当たって記憶を失ってしまうが
「記憶を失った総理にしかできない改革」で政治を変えていく。


遅ればせながら観てきました。

三谷幸喜は自分が尊敬するクリエイターの一人で
舞台の技法を使いつつ、映画やテレビドラマでハイブリッド的な面白さを醸し出し
しかもそれで大ヒットを飛ばせる、という他に類を見ない天才。


「古畑任三郎」のあとにやった「総理と呼ばないで」というテレビドラマで
支持率最低の総理役が古畑と同じ田村正和。
結構面白かった記憶があるが、古畑と同じノリを期待されてたせいで
評判はまるで芳しくなかった模様。
ネットの普及した今なら正当な評価が出せそうな気もするけどな。

そのときのリベンジの意味もあるのか、
総理官邸を舞台にしたコメディ映画と聞いて非常に興味を持った!!

「総理と呼ばないで」の焼き直しみたいなネタもかなり入ってて
「何十年も前だからみんな忘れてるだろう」というつもりなのかもしれんが
そんなに甘くねえぞw


役者を先に決めてから脚本を考える三谷にしては
総理役が中井貴一なのはちょっとミスキャストかと思ったんだが
悪人面と言われれば確かにそうだし、田中角栄にどことなく似てる気はするw
記憶を失った人間の動きをギャグとして表現できる演技力も面白い。


脇を固める俳優陣ももちろん演技派ぞろいなのだけれど、
三谷幸喜の脚本のなにがすごいかといえば、
役者の個性を引き出す「おいしい」ネタを提供してしまってるところ。

小池栄子の謎ダンスに吉田羊のド淫乱っぷりに
木村佳乃の無理のありすぎるアメリカ大統領。
誰が演じても面白いに決まってるのに、この配役以外考えられなくなるセンス。
三谷映画に出演することが役者にとってひとつのステータスになってるが
一気に地位を押し上げてくれるからなんだよな。マジすげえ。


悪いやつこそ何人もいるものの、観ていて不快な思いをすることはなく
懲らしめ方や改心の仕方もギャグに徹していて
政治を知らなくても気持ちよく笑って帰れるコメディ映画。
もう1回観たくなる仕掛けもあってロングラン上映も納得。

それにしても、2週間かけて映画の感想を書いたが
1日に4本観るのはさすがに疲れるな…。

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感想:最高の人生の見つけ方

2019-10-20 22:10:22 | 映画




公式サイト

【あらすじ】
愚直に生きてきた主婦と巨大なホテルチェーンを統べる女社長。
二人の末期ガン患者が出会い、その達観した姿勢同士で意気投合する。
病院で死んだ少女が残した「生きてるうちにやりたいことメモ」を偶然手に入れ
残りの人生を使ってメモの内容を実践していく。


相変わらずたおやかな吉永小百合と相変わらずカッコいい天海祐希のナイスキャスト。
従順な社長秘書のムロツヨシもいい演技。


なのだけれど。

最初から登場人物のヘイト管理がヘッタクソで呆れる。
家事に非協力的な亭主と、家族より仕事を優先する娘と、ひきこもりの息子。
不倫を隠そうともせず、会社を乗っ取ろうとする旦那。
幼い頃に自分を捨てた父親。まわりにいじめられていた過去。

そんな不幸自慢を続けてとりあえず最初に同情をひいて泣かせる、
そこからスカイダイビングやエジプト旅行で日常からの解放。
なんとも短絡的で頭を抱えてしまう序盤の展開。


なにからなにまでご都合主義だしセリフのひとつひとつがあざといし
そもそも大金持ちと知り合って好き勝手に遊びまわる妄想自体が設定として安っぽい。
子供だましというか、年寄りだましな内容。

要はずっと生きてきた女性に「あなたの人生は間違ってませんでしたよ」と慰めるための作品。
そのためにどんな人にでも理解できるレベルのシナリオじゃないといけないし
共感を与えるためには多少現実から歪めてでも、主婦の人生を完全肯定する必要がある。

俺はまだまだ死ぬ予定もないし、人生でやりたいことが山ほどあるし
「実際に余命を知らされたときに何をやろうか」という参考にもならない。
まあ、俺みたいな人間が観る映画ではなかったな…。


それでも、ヒューマンドラマとしてまったく飾り気のない素朴さが
最後まで静かに胸に響いて気持ちよかった。
「病気で人が死ぬ悲しい映画」ではなく、自分の死を悲しいことと思わない二人の姿に
死を前向きに捉える考えを抱かせるという点で
実際に病気で悩んでいる人には特効薬のような価値があるとは思う。

上映が終わったあと観客席を見たら自分以外の全員がババアで戦慄した。



そういえば、ポスターのキャスト欄に大きくももいろクローバーZの名前があって
一体どんな役なんだろう、と気になっていたんだが。

結局本人役で出演していて、やりたいことリストの「ももクロのライブへ行く」を
叶えるためだけの出演。なんじゃそりゃ…。

しかも「20代の人~~!!」という定番の呼びかけから
70代は珍しいという理由でステージへ呼ばれて一緒に踊るというネタがあった。
実際にそんなことはありえないがwww ライブなめんなwww

しかしこのシーン、マジで数万人の観客がいるので
おそらくリアルのライブで客に協力してもらって収録したんだろうな。すげえ。


ここまで書いて気づいたが、客席の中で唯一異質な男がこんな映画を観てたということは
もしかして俺は他の客にももクロ目当てだと思われてたんだろうか…。
違うから。ただの邦画ファンだから。


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感想:ジョーカー

2019-10-17 23:54:15 | 映画


【あらすじ】
コメディアンを目指しながらも、日々ピエロのバイトで生活している男。
病気の母親と二人で暮らしているが、本人も突然笑い出してしまう病気を持っており
世間からの目と治安の悪さが重なり合って、次第に社会から孤立していく。



自分がアメリカ映画をあまり観ない理由のひとつに
「合理主義的なポップコーンムービーがウケる土壌だから」ってのがあって
派手な映像美を求める気分にあまりならない自分にとっては
どの作品の予告編も魅力的に映らないのだよな。


そんな中、この作品は予告だけでメチャクチャ惹かれた。
「ダークナイト」で悪の視点から見たストーリーの面白さがウケる、
ということに気づいたのは世界的な映画界のターニングポイントになったと思う。

まあ普段から日本製のRPGなんかを遊ぶと悪側の正義ってのが逆に食傷気味ではあるんだが、
「悪いやつは倒す! YES!」だけでまかり通っているアメコミで
ひたすら悪を徹底する作品ってやっぱり興味が湧くわ。



で、実際に観るとこれがまた面白い。
キチガイがキチガイゆえの貧しさに逆恨みして殺しまくるだけの映画なのに
すべてのシーンがなぜかものすごく面白い。

ホアキンのちょっとした所作、演出とカメラワーク、
ジョーカーダンス等の間を埋めるための「遊び」部分や
ぶっ殺すシーンでのギャップ狙いで流れるオールディーズ。

素晴らしいとか美しいとかいう感想は微塵も抱かないのに
とにかく「面白い」と思わせる凄さ。

登場人物をカッコよく見せる技術がハンパない!!
最近は嫌煙がどんどん進んでるけれど、
カッコよく見せるための小道具としてタバコはすげえ優秀なアイテムだw


頭のおかしい人間の思考回路をエンタメとして昇華するセンス。
正直、ストーリーもミステリをよく読む人間にとってはありきたりなんだけど
そんな定石すら吹っ飛ばす魅力にあふれた映画。
バットマンシリーズへの繋がり方を考えると非常に趣き深い。

しかしあれだなー、銃がなければジョーカーも誕生しなかったかと思うと
やはり銃社会はフィクションだから面白いのであって
現実ではメリットないよなー。



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感想:空の青さを知る人よ

2019-10-15 07:07:57 | 劇場アニメ



公式サイト


「あの花」スタッフ3作目!!

【あらすじ】
事故で両親を亡くして以来、ミュージシャンとして東京を目指すあおいと
ずっとあおいの母親代わりになってきたあかね。
あおいの練習場である神社のお堂に13年前に東京へ出て音信不通だった慎之介が
当時の姿のまま現れる。



メインキャラの三角関係四角関係の色恋沙汰なのかなーと思ってたが
登場人物のほとんどが誰かを好きで、
相関図を作るとあや取りのようになってしまう地獄絵図。

プロながらパッとしないバックバンドになっていた現在の慎之介と
将来に夢あふれるシンノ(本来はひらがな)の対比は
自分がおっさんになったせいで泣ける。
それにしても生霊って設定はなんだか珍しいw


秩父の素晴らしい背景美術こそ魅力的だったものの
前半のストーリーは結局誰が誰を好き、みたいな内容に終始して
まったく胸に刺さらなかった。

お堂から出られない地縛霊的なシンノも
やはり設定としては上手くなかった気がする。
外でゴタゴタがあるとシンノが放ったらかしになってしまうのがね…。



後半の内容はいつもの岡田節。
みんなで泣いてみんなで感情をぶつけ合って、とにかく走る!!

「ここさけ」もそうだったし、最近では「天気の子」なんかもそうなんだけど
やはり劇場青春アニメは走ってなんぼだよね!!


シンノが現れた理由もしっかり考えてあって良かった。
「あの花」のめんまが現れた理由がちょっとボヤけてたので
その反省もあったのかもしれん。


しかし、バンドを代理で演奏する理由とか、危険な場所へ一人で行く理由とか
ストーリー上で必須と思える展開の下地に
ちょっと雑なところが多かったのがなんだか「らしくない」なぁ。

音楽をやっている設定なのに、作中でまともな演奏の描写がないのももったいない。
「ここさけ」のミュージカル演出が素晴らしかっただけになおさら!!


つーわけで、期待しすぎたせいで色々と文句をつけてしまったけれど
後半にじわじわテンションを上げていって気持ちよく終わらせてくれるのは流石。
ああ、この最後のセリフを書きたくてこの脚本を考えたんだろうなあ、
なんて思ってしまった。



台風の影響で劇場がお昼に開場だったんだが、
それでも日曜に観客が10人もいなかったのは
今週公開の作品としてさすがにヤバい気がする…。
きちんと宣伝してんのかなー。1回TVCMは観た気がするが。




特典のクリアファイル。
最近はパチンコ屋でめんまという悪霊が暴れまわってるらしいねw



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2019夏アニメ感想 まとめ

2019-10-07 06:01:33 | アニメ特撮


YU-NO この世の果てで恋を歌う少女(2クール目)
D+ 53 → D+ 55

原作からしてもともと完成度が高いとは言えない異世界編で
さらに構成をしくじるとこうなるのか…。
原作で受けた衝撃がカケラも再現されてなくて泣いた。
一応1本道なシナリオなのでマシといえばマシだが…。
千代丸が力むと大抵ロクなことにならんな…。


キャロル&チューズデイ(2クール目)
B 78 → C+ 73

ずっと続いてきた設定を終盤になってぶっ壊していく爽快感。
終盤は普通なら主人公たちに逆境が起こるはずなのに
絶対かなわないライバルのほうを落としていくのはどうなんだw
まあストーリーなんて最初からあるようでないもんだったし
こういうのでいいんだよな。作中の歌はどれも素晴らしかった!!


からかい上手の高木さん2
B 81 → B+ 85

このノスタルジー!! 蝉の声と飛行機の音で時間の感覚がなくなった!!
間を埋めるためのオリジナル部分もなかなかそれっぽく作ってあってナイス。
原作同様、性的なからかいが減ったのが残念w
ジッタリンジン「夏祭り」から大人高木さんの回想で締めるかと思ったけど
可能な限り(元)を見せずに3期にも繋げられる終わり方。スタッフありがとう!!


ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII
C+ 73 → C 67

やっぱ異世界ファンタジーでも風俗ネタは面白い。
しかしそこからの糞みたいなオチ。不快感を避けようとするのが逆に不快。
ファンタジーをひたすら水で薄めた世界観も眠たくなる。
ギリシャ神話ベースとはいえ、神の価値が安すぎるのも萎える。
でもヘスティアの可愛さこそが大正義。3期も観る!!


彼方のアストラ
C+ 72 → B 78

1.5倍速で観ているような内容の詰め込みっぷりのせいで
テンポが早すぎて良いシーンもじっくり楽しめなかったのが非常に残念。
しかし最終回が完璧すぎて爆上げ。SFなんてこのくらい強引でいいんだよな。
それにしても、放送枠を特別に買うのってどのくらい大変なんだろう…。


ダンベル何キロ持てる?
B 81 → B 81

面白かった…!! 毎週しっかり笑わせにくるのが気持ちいい。
このアニメのおかげで体重と腹囲と体脂肪率が下がった!!
ジャンルとしては萌えアニメから若干外れているとは思うのだけれど
それでもしっかり仕上げてしまう動画工房強すぎ…。


荒ぶる季節の乙女どもよ。
B+ 84 → B+ 86

終盤の強引な盛り上げ方 今回はマリー節がしっかり決まったな。
ラスト1秒まで綺麗に下品さを詰め込んだ脚本が狂おしく好き。
JKとヤレると期待して寸止めくらった三枝だけが可哀想なキャラだったw
それにしても、色物演技をやっている黒沢ともよ以上に
全員が黒沢ともよの演技に聴こえる。全員を引っ張ってしまうリーダー感すごい。


ソウナンですか?
C+ 71 → C+ 72

最終話でとんでもないネタを入れてくるあたり流石ヤンマガ原作。
遭難という絶望的な状況でも暗くならないのがいいね。
色々とエロそうに見えても健全な感じなのがいいね。
やっぱりこういう毎回安心して観れるアニメは大切だわ。


グランベルム
C 65 → C 66

「まどマギのパクリ」と言ってしまうのは簡単だけど、
言われることをわかった上での創意工夫は大変だったと思う。
ところどころ素晴らしい演出はあったけれど
最後までパクリから脱却できないまま終わった消化試合感。
素材は良かったのでもう少しなんとかできた気が…。



今期の高木さんはやってることは原作と同じでも
表現するもののベクトルが違うのがなかなか興味深かった。
小豆島のちょうどいい田舎感。実際に行ってきてよかった…!!

あとは岡田麿里で久々のヒットだった「荒ぶる乙女」のヤケクソっぷり。
原作を少し読んだらいかにもマガジン的なコマ割りで読みづらかったので
そこをアニメの演出として落とし込んだスタッフえらい。


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