感想:CROSS†CHANNEL

2014-08-05 00:19:55 | ゲーム(VITA)


CROSS†CHANNEL 復刻版 公式サイト

CROSS†CHANNEL ~For all people~ 公式サイト


『人類は衰退しました』のアニメを観て
はじめて田中ロミオという才能に触れた。

シャープでテンポの良い語り口と
キャッチーに見えてアイロニーに富んだセリフ回し、
豊富な知識に裏打ちされた世界観の組み立て方など、
他のラノベアニメとは明らかにレベルが違っていた。


その田中ロミオの代表作と言われる
CROSS†CHANNELに興味を持っていたところ
復刻版として発売されたことを知り、即購入。



放送部の仲間同士で合宿を行った翌日、
彼ら以外の人類が滅亡していた。
そして、月曜から日曜までの1週間を終えると
世界がループする。


主人公の太一自身は記憶を持ち越すことはできないけれど
プレイヤー視点では1周するごとにそれまで見えなかったシナリオが見えてくる。

一緒に合宿をやった仲間たちが決して良好な関係ではないこと。
主人公たちの通う学校が社会不適合者の隔離施設であること。
一見普通に見える仲間たちが隔離されるに足る異常者であること。
ループの過程で高確率で惨劇が発生すること。

異常者として描かれているキャラたちが
全然異常に見えないのはプレイヤーの俺自身が異常なんだろうな。


おそらく田中ロミオのお家芸なのだろうけれど、
哲学・文学・物理学・法学・心理学など
あらゆる学問をインチキ風味にエスプリを効かせ
主人公の太一を完全無欠から半歩ズレたギャグキャラに仕立てあげている。

そのおかげでキャラ同士の掛け合いに関しては
他に類を見ないノリ。
女子キャラとの延々続くセクハラ問答は
ボケるたびツッコまれるたびに嘆息するバリエーションの凄さ。


エロ部分について。
この時代のエロゲーをまったくプレイしていなかったので
竹本泉的な男女の距離感でセックスするのがなにげにショックだった。

エロゲーとしてのエロの必然性はあまり高くないけれど
グロ描写や社会規範からみた倫理のズレを表現するにあたり
18禁のカテゴライズを十分に生かしたと言える。


エロゲ史上に名を残す作品と言われていることを
実際にプレイすることで身に染みて理解できた!




というわけで、このPC版をプレイしたのが1年前。




以下は最近発売されたVita版の感想。




CEROのD指定とはいえ、さすがに18禁ほどフリーダムではなく
主人公がエロ行動に移ろうとすると
メタ発言でストッパーがかかる。
それがワンパターンなのがどうにも不快。
家庭用でもパンツぐらいはいいじゃないか…。


ひどいセクハラやグロ描写がけっこうそのままだったりするので
人によっては不快に感じるレベル。
エロシーンがないだけで全然for all peopleじゃないだろ…。




エロゲーのキャラは年齢不詳という設定を
逆手に取ったギャグ。

そういう裏事情を知っている人だけが笑えるのが
プレイする人をさらに選んでる感じ。




家庭用ゲームでオナニーって言ってよかったんだ…。


また、Vita版の追加要素と思われる
本編終了後のおまけのキャラ別追加シナリオは半数近くがとんでもない蛇足。
番外編ならまだ許せるのに、わざわざ本編をつまらなくするのは
本気で止めて欲しいわ…。



というわけで、総合で言えば断然PC版を薦めます。
夏の終わりへ向けて虚無感を求めている人は絶対遊べ!!
コメント
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