阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

皆様のおかげで目標達成できました-クラウドファンディングの成立と今後の活動

2022年05月25日 15時15分12秒 | 社会
 4月22日にスタートした貧しい子どもたちの補習授業と平和教育の教材開発のためのクラウドファンディング。当初予定していた86万円を大幅に上回る141万9千円をご支援頂き終了することが出来ました。ご支援・応援いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。また、同時期に実施して頂いたチャリティーコンサートや『絵本を読む会』でのご寄付、さらにREADY FORのサイト以外に直接頂いたご寄付を合わせると、READY FORに収める12%と消費税を引いても1,504,609円を子どもたちの教育に届けることができます。約4年分の補習授業のサポートと、平和教育の教材作製費が確保できたと考えています。ご協力いただいた皆様に恩返しができますよう、今後ともインターバンド一同、カンボジアの子どもたちに教育を届けるべく活動させていただきます。

 当初の目標の2倍近いお金を届けることができて本当に良かったと思いますが、当初想像していたよりも遥かに苦しい道のりでした。

 もともとは今年の初めから計画していたこの事業は、2月の初旬に開始し、2月下旬には終了する予定でした。しかし、当初予定していたサイトはカンボジアへの送金を含む事業は認められず、直前で断念せざるを得ませんでした。新たなサイトでの準備を始めたところ、ロシアがウクライナを侵攻。私たち自身がウクライナへの支援活動に奔走する中、延期せざるを得ませんでした。それでも、4月22日に開始したのですが、世界的に「人を助けたい」思いがウクライナに集中する中、なかなか寄付は伸びませんでした。1か月間の活動中、純粋にREADY FORのサイトだけを見て寄付してくださった方は結局数人だったと思います。従って、特に社会人のメンバーの方々と、これまで活動を支援してくださった方々にお願いをして寄付を募りました。多くの方はウクライナへの支援活動もしている方々でしたが、気持ち良く協力してくれました。学生インターンの方々と一緒に知恵を絞って訴える姿が心に届いた!とのコメントも沢山頂きました。学生インターンの教育も大きな目的でしたが、実際には彼らの純粋な情熱やネット活用の知識が私たちを大きく後押ししてくれました。

 一方で、クラウドファンディングに挑戦したがゆえの劇的な展開がありました!

 まず、5月4日に読売テレビが私のインタビューを放映してくれました。番組担当の山川友基解説委員は自らを『中田厚仁世代』と呼び、学生時代に接した中田厚仁さんの報道に衝撃を受け、大きな影響を受けたそうです。自分も報道人となって、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の30年、そしてウクライナでの戦争というタイミングで、長年構想を温めていた中田厚仁さんと平和をテーマにした番組を作りたいと思っていたところに私のSNSのサイト、そしてクラウドファンディングを見て連絡をくださったのでした。番組の中でもこのブログを紹介してくれました。番組を観て寄付してくださった方はそれほど多いわけではなかったのですが、テレビで放送されたことが私たちの活動への信頼の裏付けになった効果は絶大でした。

 次に、元国連ボランティアの国連職員の女性が中央アフリカ共和国での国連ボランティア活動の『退職金』の半額を寄付してくださいました。自分自身も身の危険を感じる状況の中、中田厚仁さんの存在が心の支えになったことへの感謝の気持ちで寄付してくださったそうです。お願いできそうな方にひと通り声を掛けて、それでも目標額はまだ遠い時に、とても大きな額を寄付してくださり、一気に目標を突破しました。

 そして最終盤のドラマは、2年前中田厚仁学校を取材したことがある俳優の瀬戸康史さんでした。難しいことを承知でお願いのメールをしたところ、Twitterにクラウドファンディングのサイトとともに、支援を呼びかける投稿をしてくださいました。番組を観て感動した!と言う方々を中心にして、NEXT GOALだった120万円を一気に超える寄付が集まったのは瀬戸康史さんのサポートがとても大きな要因でした。

 ご協力いただいた皆様に恩返しができますよう、今後ともインターバンドとして、カンボジアの子どもたちに学ぶ機会を届けるべく活動させていただきます。また、平和教育の教材はクメール語と日本語で作成しますので、カンボジア、そして日本においても引き続き平和教育の機会を作ってまいります。

 今後のプロジェクトの進捗につきましては、引き続きクラウドファンディングサイト・SNS等で随時ご報告させていただきますので、ぜひご確認ください。また、6月中を目途に『リターン』も送らせて頂きます。

 私たちの活動に関わって、支えてくださった皆さん、本当にありがとうございました!




天安門事件から32年-中国の多様性を探求する雲南の旅

2021年06月04日 21時46分01秒 | 社会

 32年前の今日は天安門事件に震撼した一日でした。民主化を求める学生に人民解放軍が銃を向け、多くの若者たちが無惨にも殺されました。キヤノン株式会社の輸出部にいた私は仕事で中国にも関わっていて、仕事仲間の家族や友人も行方不明になっていると聞き、心を痛めていました。命懸けで民主主義を求める人々を応援したい!と私のテーマの方向性を自覚した一日でもあります。そしてこの年の11月のベルリンの壁の崩壊で、私の思いは明確になりました。

 まさにその夏、キヤノン株式会社でこの年から始まった16連休を利用して中国雲南省を旅行し、偶然出会ったアメリカ人とスウェーデン人の3人の女子学生たちと昆明、大理、さらに麗江の少数民族地域を一緒にまわることになりました。中国の多様な文化にふれたいとの思いで旅立ったひとり旅でしたが、日本語ができる建築学科のスーザンと、後に弁護士になる中国語が堪能な妹のアン、そしてそのどちらも堪能で、3年後にカンボジアで再会するテレサの三人の、文化や芸術、そして国際政治にも深い知識や感性に感化された思い出深い旅でした。

 天安門事件があったからこそ現地に行ってマスコミ報道には表れない中国を知りたいとの思いは共通でした。




















WFP(国連世界食糧計画)のノーベル平和賞受賞に思う

2020年10月10日 11時12分42秒 | 社会
 
 国連世界食糧計画(WFP)ノーベル平和賞受賞が決まりました。1億人近くに緊急物資の配布を行い、紛争の武器として飢餓が利用されるのを防ぐ力になったのが授賞理由だそうです。私自身もWFPが難民キャンプなどでNGOや各国政府、また他の国際機関とも連携して飢餓と紛争の悪循環を止める活動を地道に行っている様子を見ていましたので、今回の受賞には大きな意義があると思います。

 衆議院議員だった時、WFP議員連盟の事務局長をしていたので感慨深いです。道休誠一郎衆議院議員から事務局長を引き継ぎ、鳩山由紀夫会長が退任された後の会長を誰にお願いするか悩んでいたのですが、会長は政権与党の議員が望ましい事、様々な接点があったこともあり、河野太郎衆議院議員(現行革担当大臣)にお願いしたところ快諾を頂きました。河野会長とは、WFPのプログラム責任者が来るたびに何度か一緒に食事をして、現場の声を聞きました。シリア難民を受け入れるトルコやヨルダンでの食糧支援の実態や、難民に食料を迅速に配布するための認証システムの開発についてヒアリングしたり、日本の支援が、飢餓、貧困、栄養不良の根絶を目指して戦略的に活用されるように意見交換したりしました。食料の視点から人間の安全保障を考える上で貴重な経験でした。(最初の写真はWFPの食糧支援を受けるミャンマー・カチン州の国内避難民キャンプ。2枚目はWFP議連の事務局長を受けるよう要望に来られたWFP東京事務所所長と)

 ノーベル平和賞の意味については様々な受け止め方があると思います。ただ、WFPの知名度が各段にアップし活動を後押しすることは間違いないですね。「パンダのマークのところですか?」と国際NGOであるWWF(世界自然保護基金)と間違えられるなど、知名度アップも議員連盟のテーマでしたから!





市民の声が安倍政権を断念させた、これを転換点に!

2020年05月18日 22時04分06秒 | 社会
 安倍政権は検察庁法改正案の今国会の成立を断念しました。市民、国民の声が政権を動かす。民主主義の国では当たり前のことですが、残念ながら安倍政権においては画期的なことです。これを大きな転換点にしなくてはなりません。
 
 秘密保護法、安全保障関連法、共謀罪、働き方改革関連法、入管法、カジノ法など、安倍政権は国民の多くが反対し、十分な情報開示や説明、議論が尽くされない法案の強行採決を繰り返してきました。国民の声を真摯に聞く姿勢を見せることはありませんでした。一方、政権の守護神と言われる黒川検事長が不起訴にした問題は、森友問題での公文書改竄問題、加計問題における下村博文元文科大臣のパーティ券不記載、また、小渕優子元経済産業大臣や松島みどり法務大臣の政治資金規正法違反、甘利明元経済再生担当大臣の口利き疑惑など、書いていて壮観さを感じるほどです。国会の説明が二転三転するなどどこから見ても黒川氏を検事総長の座につけたいとの官邸の意向が強く働いた定年延長の閣議決定であり、それにお墨付きを与えようと今国会での検察庁法改正。日本が法治国家であることを否定する法案を通すことなどあってはなりません。

 今回は大規模なデモが行われたわけではありません。しかし、ツイッターでの抗議が空前の広がりを見せるなど、新型コロナ対応で安倍政権の本質に気づいた市民、国民の本気の怒りに安倍総理が怖気づいた結果です。もちろん、採決を先延ばしにしただけのことです。政権への監視を緩めるわけにはいきません。

 民主主義を危うくする安倍政権の暴挙に心底怒りを感じながら、私自身は連日、事務所に張り付いて新型コロナの給付金や協力金についての電話相談対応をしています。岐阜県の感染症拡大防止協力金の申請締め切りは20日に迫っています。週末は少しでも多くの方が受給できるよう、ボランティアの方々が個人商店などが並ぶ地域にビラのポスティングに行ってくれました。

 商店を個人で経営されている方々の中には持続化給付金や、感染症拡大防止協力金の対象に該当することに気づいていない方も大勢いてお役に立てることをボランティアの方々も大興奮で報告してくれました。今日は、どうすれば受け取れるのか、申請書類は同作成するかなどの相談が相次ぎました。

 自分が対象になることを知った方々が喜ばれる声を電話の向こうに聞くことには大きなやりがいを感じています。20日までは事務所に張り付いての電話相談を継続します。




国府宮のはだか祭で感じたこと

2020年02月07日 00時14分52秒 | 社会
 今日は地元支援者の方とともに国府宮のはだか祭に参加。1250年の伝統の一端にふれる貴重な機会でした。今年最強の寒波が襲来し、今日は気温3度前後で風速は約10メートル。あちこちで氷が張っている過酷な条件でしたが、褌ひとつになり、掛け声とともに小走りで4時間あまりかけて紅白の布で包まれた『なおい笹』を運びました。

 最初に外に出た時はあまりの寒さにどうなることかと思いましたが、不思議なことに身を切る寒さが心地良く感じられるほど、走るほどに身も心も熱くなり、皆さんの願いを込めたなおい笹を奉納することができました。伝統を継承する皆さんのご努力に心から感謝したいと思います。

















かつての教え子、フォトジャーナリスト高橋智史さんの屈せざる闘い

2020年01月11日 00時03分18秒 | 社会
今日はとても嬉しいことがありました。昨年、写真集『RESISTANCE カンボジア屈せざる人々の願い』で、フォトジャーナリズムの直木賞ともされる土門拳賞を受賞した高橋智史さんは、私たちのかつての教え子ですよ!とかつての同僚教員から連絡があり、本人とも連絡を取ることができました。



https://www9.nhk.or.jp/nw9/digest/2019/03/0320.html…

改めて彼の写真や映像を見て、民主主義や人としての尊厳を守るために立ち向かう人々への温かい視線や、彼らが直面する様々な不条理に対して他人事とせず寄り添う姿勢に感銘を受けました。

何だか自分自身のインタビューを聴いていると錯覚するほど問題意識や視点に通じるものを感じました。強権政治に立ち向かい、不条理と闘う市民の側からいつもシャッターを切っている姿は、私自身が目指す政治の在り方とも共通します。教え子から沢山のことを気づかせてもらったことに感謝です。

第Q回(9回)高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンを走って

2019年04月29日 20時52分48秒 | 社会

 昨日は第9回(Q回)高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンを走りました。何より感動したのは途切れることなく続く沿道の応援と、ボランティアの方々のホスピタリティ。10000人が参加するスケール、長良川沿いの美しい風景や招待選手の層の厚さも合わせ、日本最高のハーフマラソンだと実感しました。18キロ地点ではQちゃんとハイタッチもできます!彼女のきめ細やかなサービス精神はとても勉強にもなります。

 前日の選手登録では、高橋尚子ランニングミィーティングに参加しましたが、高橋尚子と野口みずき、二人の金メダリストからレース前日や当日の過ごし方、ウォームアップの方法など、当日にベストコンデションで臨む方法について様々なアドバイスをもらえる贅沢な時間でした。

 ミーティングの冒頭では、高橋尚子さんから3日前に亡くなった恩師、小出義雄監督を追悼する挨拶がありました。Qちゃんと小出監督にとってのマラソンはいつまでも駆けっこだったのですね。私も2003年6月の東根さくらんぼマラソンのレース中、小出監督に「楽しんでね~」と激励頂いたことがあります。私も何より『駆けっこ』を楽しみことを大切にしたいと思いました。

 今回は高橋尚子大会委員長の愛称Qちゃんにちなんだ記念大会。今日が小出監督の告別式。彼女にとっては恩師小出義雄監督への感謝の気持ちを大会の成功で示したい気持ちが特に強かったと思います。そんな彼女の気持ちがランナーやボランティアの方々にも伝わっていて、本当に温かさに包まれた大会でした。

 タイムの方は1時間50分4秒でした。この2ヵ月は統一地方選挙の応援で『歩く、さかぐち』。ほとんどランニング練習ができなかったので仕方ないのですが、もちろん納得できるタイムではありません。来年はしっかり練習して自分を誉めてあげたいと思えるタイムで走りたいと思います。









外国人との共生社会を目指す法改正であるべき-拙速な入管法改正を危惧する

2018年11月10日 22時23分18秒 | 社会

 先週はコンサルタントとしての仕事でカンボジアに行っていました。目的は日本で働きたいと願うアジアの若い人材のための日本語教育機関の設立です。できる限り学生の経済的負担の小さな教育機関を作ることが、この制度を持続可能なものにする上でもっとも重要な要素。特にカンボジアやベトナムにおける技能実習生の負担は大き過ぎ、これが今年上半期だけで4279人とされる失踪の原因にもなっています。この問題を解決できるような学生の目線に立った日本語教育機関の設立が私たちのミッションと考えています。

 日本の近未来における最大の政治課題は少子高齢化、人口減少社会への対応です。社会保障費の増大、それを背負う現役世代の急激な減少を考えると、多様性を受け入れつつ日本の自然や伝統を守り、社会の活力を生み出せる外国人との共生社会をつくるためのデザインを描き、準備・実行していくことは本来は国会における最重要の議題であるはずです。

 私自身は、それこそ事あるごとにこのテーマについて国会で問題提起しましたが、安倍政権になってから、この問題についての議論は、非常に低調になりました。問題提起をするだけで嫌がらせを受けることも多く、安倍政権を応援する一部勢力からの圧力によって移民問題についての議論はタブー視されているのかと常々感じていました。

 議員会館から議員宿舎に戻る途中にローソンがあり、深夜、仕事を終えて立ち寄ると、外国人の店員が熱心に働いていました。ちょうど国会内の勉強会にローソンの新浪会長(当時)が来た時に外国人労働者の在り方について質問したことがあります。「今の政治を見ているとこの問題は正面玄関から議論しても、おそらく上手くいかないでしょう。経済政策として勝手口から入ることを今は考えるしかないと思います」というのが答えでした。

 経済界からすればその通り。しかし、政治家としては、この問題を大きな議論に持って行けない自分自身の力不足に切歯扼腕していました。

 国連で働くスウェーデン人ともこの問題について議論したことがあります。「日本は、欧米の現状から慎重に学んで綿密な準備をしてから臨まないと大変なことになるよ。僕たちの国は近いうちにスウェーデン・イスラム王国になるだろう」移民がもたらす人口の増大と福祉へのタダ乗りへの反感が世界に名だたる平和国家であるスウェーデンでも大きな問題になっているのです。

 ところが、移民政策は取らないと国会で何度も答弁していた安倍首相が、突然外国人労働者の受け入れ拡大を発表。出入国管理法改正が、臨時国会の最大のテーマになりました。

 現在、米国や欧州における社会の分断の大きな要因は移民問題です。様々な格差や差別が生まれ、憎しみが渦巻き、テロの脅威に脅えて暮らすようになったのは、この問題を上手くコントロールできないからです。この状況に乗じて差別を助長するような政治家が台頭し、分断に拍車をかけています。長年の歴史や経験がある欧米ですら苦労しているのに、島国で、異なる人種や文化を受容する基盤の脆弱な日本で十分な議論・準備もなく外国人労働者を拡大するとは、まさに私が危惧していた事態です。

 これからの国会での議論の場に自分自身が参加できない無念を噛みしめながら、私自身は民間の立場で外国人とのより良い共生社会の機会作りに貢献し、その問題意識を今後の法整備に繋げたいと思っています。


 今回の調査の合間には、コンポントム州の中田厚仁学校(アツスクール)を5回目の訪問。今回はカンボジアと日本の友好の象徴でもあるこの学校で始まった日本語教育をサポートするとともに、前回訪問時の希望に基づいて小学校と中学校の図書館へ様々な種類の本の寄贈などを行いました。

 コンサルタントとしての私の仕事は、日本語を学ぶことが未来にもつながるようなデザインを描き、さらなる学びの場と仕事の機会を作ることでもあります。彼らにとって憧れの国である日本が失望の国にならないためにも、政治への働きかけも続けていきます。