阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

ミャンマーの民主化支援と和歌山の活性化はどうつながる?

2011年07月24日 23時01分08秒 | 政治

 この一週間ほどの間に二人のノーベル平和賞受賞者、モハマド・ユヌス氏とアウンサンスーチー氏と意見交換をする貴重な時間を過ごすことができました。



 ユヌス氏は「日本のODAの一割をソーシャルビジネス基金にしてはどうか?」と提案を頂きました。ソーシャルビジネスを支援する戦略については、国会内で勉強会を実施し、さらに追及していきたいと思っています。

 バングラデシュやミャンマーのような貧しい国に対し、国民が直接の受益者になる事業を展開することは、長期的な民主化につながり、同時に日本の未来にも、和歌山県のような過疎化が進んだ地域の活性化にもつながっていくと思っています。その鍵になるのが「再生可能エネルギー技術」の海外展開であり、まずは、日本において、再生可能エネルギーの分散型拠点を地方につくっていくことでしょう。例えば和歌山県は日照時間が長く、耕作放棄地が増えていることもあり、土地の価格が大幅に下落しています。太陽光発電に適したスペースの確保が容易な地域なのです。このような地域に積極展開し、固定価格買取制度など導入のメリットを国が保障すれば、価格は下がり、技術革新も進みます。また、地方に雇用が生まれ、過疎化に歯止めをかけることもできます。日本の技術の優位性を確立することで、海外展開においてライバルに勝てる可能性も高まります。

 昨日も中国の高速鉄道で大きな事故がありました。インフラを海外展開するにしても安全や環境に対する配慮、また、文化の多様性や人権を尊重する姿勢への信頼は日本が大きくリードしています。例えば中国は価格の安さや納期の早さなどでは圧倒的に優位に立っていますが、一番大切な安全確保のノウハウや、ビジネスとしてのマネージメントの仕方などをパッケージで提供することで日本は競争に勝てるはずだし、勝たなくてはなりません。日本の強みを活かした国家としての戦略を持って競争相手に対峙する。それが、今後、アジアの成長を取り込み、アジアの成長をより良い方向にリードする鍵だと思います。


 先日は、ミャンマーの各党から派遣された青年の方々とも意見交換する機会がありました。



今の政権党、そして野党から選ばれた「将来有望な方々20人の若者」とお話したのですが、私は会議の進行役とメインスピーカーを務めさせて頂いたので、「ミャンマーへの経済協力の強化と民主化支援の両立は可能」とはっきり主張しました。



日本が躊躇している間に民主化に対する意識の低い国との関係があまりにも強くなってしまうと、結果として民主化を遠ざけてしまうと、私は危惧しています。この状況を打開するためにも、ソーシャルビジネスとの連携も含めた、より良い経済関係の構築を急がなくてはなりません。

 



ソーシャルビジネスは被災地の未来も拓く

2011年07月20日 22時43分27秒 | 政治

 今日はグラミン銀行の創設者でノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス氏を囲んでの2つの会合に出席しました。

 私がユヌス氏の活動に関心を持ったのは15年以上前のことです。私は紛争後の平和構築→復興支援をテーマに現場での活動と研究を行っていましたが、多くの国でその次の段階への移行が上手くいかず、紛争再発要因が水面下で膨らんでいく現状に頭を悩ませていました。そんな時にユヌス氏の活動を知り、夢中になって研究しました。1983年に彼が創設し、すでに画期的な成功を収めていたグラミン銀行は新しい発想に満ちていました。


 普通の銀行は金持ちに貸し、グラミン銀行は貧しい人に貸す

 普通の銀行は男性に貸し、グラミン銀行は女性に貸す

 普通の銀行は担保を取るが、グラミン銀行は共同責任で返済を保証する

 
 そして、普通の銀行は貸し倒れにあえいでいるが、グラミン銀行の返済率は97%


 そんな実態に接し、私が責任者を務めていたカンボジアでの除隊兵士支援活動ではグラミン銀行の手法を参考にして自立支援活動を行っていました。

 一方、貧しい人の可能性を広げる携帯電話会社、グラミンフォンや、太陽光システムで貧しい村に電気を提供するグラミンシャクティ、貧しい人々に安価なヨーグルトを提供するグラミンダノンなどグラミングループは様々なビジネスを展開し、驚異的な成功を収めていました。「会社の利益を最大化するのではなく、社会への貢献を最大化するビジネス」、それがユヌス氏の基本的な考えです。

 事業を拡大再生産していくソーシャルビジネスには、NGOがなし得ない可能性があると思いました。その一方で、NGOが取り組むべきテーマが、より明確に見えてきたように思いました。そして、政治がどのように後押しをするか、それが今の私のテーマです。

 
 


 富士通、武田薬品、パソナの社長や、有名な作家の本田健氏などが参加しました。ユヌス氏と連携して社会を変える強い意欲を持った方々と出会えたエキサイティングな時間でした。私は国会側の窓口になっていたので馬淵澄夫前国土交通大臣と岸本周平議員に参加して頂きました。




 ソーシャルビジネスについて力説するユヌス氏。私はインフラの海外展開の中心として「再生可能エネルギー技術のパッケージ型輸出」について連携する可能性について質問。ユヌス氏は、東北の復興に日本の再生可能エネルギー技術とグラミンのノウハウを融合させる可能性を探るのが今回の目的であり、この手法はバングラデシュのみならず多くの発展途上国の可能性を拓く可能性があると熱く語ってくれました。(衆議院議長公邸にて)






 横路衆議院議長は金融NPOの可能性について研究していたこともあり、強い関心と問題意識で議論をリードしてくれました。





 昨年3月、グラミン銀行のプロジェクトサイトを再訪し、現場のコーディネーターと意見交換しました。



 


環境委員会で再生可能エネルギー戦略を質問

2011年07月15日 23時59分11秒 | 政治

 今日は環境委員会で質疑を行いました。

 こちらのページ(衆議院インターネット中継)からご覧いただけます。


  環境委員会質疑 2011年7月15日 

 日本のエネルギー政策、特に再生可能エネルギーの比率を高めていくための戦略を中心に質しました。再生エネルギーの不安定さを解消するための蓄電システム、とりわけリチウムイオン電池の開発戦略と、コストを下げ、世界との競争に勝つための戦略、さらに、日本の環境エネルギー技術を標準化し、世界に普及させ、市場を押さえるための戦略についても質しました。

 日本人のメンタリティーにも関連しますが、「自分たちに有利なルールを作る」ことはフェアプレイ精神に反するとの考えがあると思います。ルール違反はいけませんが、ルールは守るものではなく、作るべきものと考えなければ! オリンピックのフィギュアスケートで「浅田真央選手の方が技術的に難しいことにチャレンジしているのに、なぜ点数が低いのか?」と残念に思った人も多いでしょう。私も痛烈に感じましたが、「採点基準を自分たちに有利にする」政治的意識の差、つまり競技以前の闘いに負けて金メダルを逃したように思いました。

 世界はもっとしたたかです。民間の努力を無駄にしないためにもこの闘いに負けるわけにはいきません。「環境エネルギー技術の標準化」に向けて日本の味方を作ること、そのために効果的にODAを活用すること、さらに、「パッケージ型インフラ輸出」の中心として、再生可能エネルギー技術を据え、ミャンマーのような国の貧しい地域に住む人々の自立と経済の活性化によって市場を拡大し、それを長期的には民主化促進の戦略とすべきなどと訴えました。

 再生エネルギーの拠点を作ることは、耕作放棄地を多く抱える地方の経済復興にも寄与します。和歌山の再生、そして被災地の復興にもつながる政策だと思います。

 これらの点については、先週出演した「国会トークフロントライン」でも考えを述べています。


 TBS国会トークフロントライン 7月8日 



 午後は会議や来客、取材の連続。夜は、前原前外務大臣とアウンサンスーチーさんの2度目の電話会談を、国会の私の部屋で行いました。




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TBS「国会トークフロントライン」に出演

2011年07月08日 17時09分59秒 | 政治

 今日はTBSの「国会トーク フロントライン」に出演し、約30分間インタビューを受けました。沢山のテーマについて話しましたが、下に挙げたことが中心でした。是非、観て下さいね!

1.両院議員総会での発言の真意

 政権交代は長く国民の希望であり、その期待を民主党は担ってきた。従って、自民党政権より高い志を持った集団でなければならない。政治に対する信頼の回復、政治家の言葉に対する信頼の回復が使命。「総理の退陣」という政治的には最も重い事項をあいまいに表現すべきではない。法案の成立は誰がやるかは問題ではない。早く確実に成立させ、実行すべき。そのための環境作りを行わなければならない。薬害エイズ問題での活躍など、総理は不条理と闘ってきた政治家。しかし、今の状況を国民は不条理ととらえている。今のままでは「政治空白」が続くことになり、退陣時期を明らかにすべきとの思いで発言した。

2.日本のエネルギー政策

 現在、日本のエネルギー供給のうち、原子力は34%を占めている。依存度を下げ、再生可能エネルギーの比率を上げる必要がある。そのためには、新規の原発は作るべきではなく、安全が確保できないもの、老朽化したものは廃止すべき。また、再生エネルギーの割合を高めるためには、固定価格で買い取り、現在は大変高いコストを下げるため、導入するインセンティブが生まれるよう国策として普及に取り組むべき。また、自由に売電できるように、電力会社の地域独占を廃止し、発送電の分離を実現する必要もある。しかし、直ちに原発を全て廃止するのは残念ながら現実的ではない。安全テスト、ダメージコントロールを十分に機能させた上で、安全が確保されたものは再開する。当面は技術革新によって効率が上がっている天然ガスによるコンバインドサイクル発電が代替の主力になるのではないか。


3.パッケージ型インフラ輸出とアウンサンスーチーさんとの対話

 日本経済を活性化する最大の期待がアジアの成長を取りこむこと。マスタープラン、設計、調達、ファイナンス、管理・運営までを担い「システムで稼ぐ」のが パッケージ型インフラ輸出の戦略。同時に、環境技術の移転や法整備支援、人材育成などをパッケージにすることで、現地の問題解決にもつながり、中国や韓国などライバルに勝てる可能性も高まる。アウンサンスーチーさんとも電話会談を続け、日本と経済協力関係を構築することが、環境や人権の意識の低い国によるビジネスの独占を打開し、長期的には民主化の実現にもつながる可能性を生み出せると説明している。

 こんなことを中心に話しましたが、是非、映像で観てください!


 再放送は下記の予定です。「TBSニュースバード」の政治討論番組「国会トーク・フロントライン(http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/frontline/)」

8日(金) 23:00~23:30
9日(土) 09:30~10:00
10日(日)00:30~01:00

 なお、TBSのインターネット放送・News i(http://news.tbs.co.jp/)でも観ることが出来ます。







 これからエジプト大使館に向かいます。


明日、TBSのCS放送、「国会トーク・フロントライン」に出演します!

2011年07月07日 14時31分46秒 | 政治

 7月8日(金)15:30~16:00、TBSのCS放送「TBSニュースバード」の政治討論番組「国会トーク・フロントライン(http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/frontline/)」に出演致します。

 昨今の政治状況、特に6月28日(火)の両院議員総会での私の菅首相に対する発言の真意についてお話しする他、震災後のエネルギー政策について、アウンサンスーチーさんとの対話などミャンマーへの民主化支援の取り組み、さらに震災復興に向けたボランティア活動等についてお話する予定です。是非ご覧ください。なお、下記の時間帯でも再放送されます。

8日(金) 23:00~23:30
9日(土) 09:30~10:00
10日(日)00:30~01:00

 なお、TBSのインターネット放送・News i(http://news.tbs.co.jp/)でも観ることが出来ます。是非ご覧下さい。