阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

れいわ新選組ボランティアの行動指針『ボランティア10ヶ条作り』

2023年07月29日 19時30分09秒 | 政治
https://www.youtube.com/watch?v=YEaagmlqbIM
『ボランティアの行動指針を一緒に作ろう!』-ゆうすけさんによるインタビュー映像


ボランティア本部として、れいわ新選組のオーナーズやフレンズ、そして1万人を超える活動登録をしているボランティアの方々にアンケートをお送りし、今、一緒にボランティアの行動指針を作っています。

今日、友資さんに動画を撮って頂いたものが映像になりました。当事者が政治に関わり社会を変えていく参加型民主主義。私たちはこの法則をボランティアのルール作りにも当てはめて、民主的な方法で『ボランティア10ヶ条』を作成しようと考えています。是非、ご回答ください。

2023年カンボジア国民議会選挙監視報告

2023年07月27日 22時19分33秒 | 政治
7月20日から24日まで、平和構築NGOインターバンドの団長としてカンボジア国民議会選挙の監視活動を行いました。

1.活動期間と訪問対象
7月13日から現地で活動した先遣隊、および約30年間現地で企業経営を行いカンボジア政治への見識の高い小市琢磨カンボジア日本人会長を含め、計8人で活動を行いました。
カンボジア選挙管理委員会(NEC)、カンボジア自由公正選挙委員会(COMFREL)の責任者、日本大使館では植野篤志大使からヒアリングを行った他、カンボジア政治・選挙制度研究者へのヒアリング、人民党の選挙キャンペーン及び炊き出しの監視、大学などにおける若者の政治意識についてのヒアリングなどを行った他、投票日(7月23日)にはコンポントム州で7か所の投票センター、19投票所で活動を行いました。
2.活動の目的
1992年、国際社会の協力によって国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)が展開。国連史上初めて一国の統治を暫定的に担い、カンボジアの平和と民主主義のための活動を行いました。1993年5月に憲法制定議会選挙を実施して30年。このプロセスにおいて日本は自衛隊を初めて海外派遣するなど積極的な役割を果たしました。国連ボランティアとして選挙の支援活動に関わっていた中田厚仁さんが殺害されるなどの大きな犠牲も払いましたが、日本の平和貢献の歴史において、カンボジアはもっとも成功した例と、未だに評価されていると感じています。

日本は今後とも国際社会への平和貢献を続けていく責任があります。カンボジアの選挙支援の成果を検証し、より良い民主化支援の方法を継続的にリサーチすることは、大きな意義と必要性があると考え、今回の活動を行いました。

NGO・インターバンドとしては2002年、2003年、2013年、2018年にカンボジアに選挙監視ミッションを派遣しています。私にとっては1992~93年に国連、1998年に日本政府の一員としてカンボジア選挙の実施支援、監視に関わったことを合わせ7回目になります。

今回は特に下記の視点で活動を行いました。

①国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)において国際社会が協力して実現を目指したカンボジアの平和と民主主義の現状を点検する

②衆議院議員として日本、カンボジア政府に有権者登録の電子化を提言し、不正が起こりにくい選挙制度への改革を実現することができました。日本は特にカンボジア国民IDを選挙管理委員会のホストコンピューターに連結させ、二重登録などの不正が起こらないシステムの構築を目指しました。植野篤志国際協力局長(当時)の国会答弁によれば、このシステム導入は2億円で実現しています。今回、このシステムがどのように運用されているか、今後に向けての課題は何かリサーチする。

③中田厚仁さんが活動した地域であり、また、コミューン選挙においてキャンドルライト党が躍進した地域を含むコンポントム州で投票と開票を監視し、人々の投票行動について考察する。

7月23日、国民議会選挙が実施されました。全体の投票率は84.58%。125議席中、120議席を与党人民党が確保、5議席をフンシンペック党が獲得見込みです。私たちが開票を監視したコンポントム州プラサットバラン郡のクラヤン地区は昨年のコミューン選挙においてキャンドルライト党が第一党になった地域です。投票所502では投票率は約71%で人民党156票、フンシンペック党120票と接戦でした。コミューン選挙で示された野党支持の民意が一定程度国民議会選挙にも反映されたと考えられます。

3.今回のカンボジア国民議会選挙に対する評価
評価できる点
長く課題とされた有権者登録プロセスの信頼性については大きな向上が見られました。2013年と2017年のコミューン選挙で有権者登録の電子化が実施された後の2018年を比較すると人口が1468万人から1603万人に約135万人増加した一方で、有権者は968万人から838万人に130万人減りました。過去の選挙において大きな問題とされた二重登録が大きく減ったことを意味します。(今回の有権者数は971万人で、5年前から133万人増えています)2018年に続き今回も投票所においては投票の権利に関する混乱は見られませんでした。以前は投票の権利をめぐって大きな混乱が見られたことと比較すると、有権者登録の精度や管理に関しては大きな進化があったと評価できます。

今後に向けての課題
2018年、そして今回の2023年の国民議会選挙において、最大野党が参加できない状況は極めて大きな問題でした。民主主義を進化させるためには複数政党制により健全な競争が必要であり、国民が自由に政治的意見を表明すること、メディアが自由に報道すること等も非常に重要です。これらを考慮すればカンボジアの民主主義は、UNTACが目指した理想からは未だ遠いと言わざるを得ません。

私たちは公正な政権は公正な選挙制度からしか生まれないと考えています。従って公正で透明性の高い選挙制度をつくるための改革の努力は、継続的に行うことが必要です。今回は日本政府をはじめ多くの国、民主化支援NGOが選挙監視団を送りませんでした。私たちはその判断を尊重すると同時に、将来のカンボジアの民主主義のため、今回も私たちの独自の視点で監視活動を行うべきと判断しました。今回の選挙監視を通した日本の市民社会からの提言として、下記について国会を通して日本政府などに提言し、それらの実現に向けて努力したいと考えています。

改善に向けての提言:
① 有権者登録における精度のさらなる向上
2017年のコミューン選挙以来、国民IDをデジタル化し、選挙管理委員会のホストコンピューターに連結させることで、二重登録は劇的に減少しました。また、同時に導入された生体認証システムによって同じ人物が投票することは不可能になっています。日本が支援した有権者登録システムは2026年に契約が終了する予定であり、技術の進化に伴うより高度なシステムの構築については今後も検討すべきです。ただし、投票しなかった人の被選挙権を奪う法律と結び付け、個人情報が立候補の自由を奪う目的で使われることは決してあってはならないと考えます。

② カンボジアの経験と技術の輸出を支援する
カンボジアの有権者登録は大変精度が高く、有権者登録の信頼性の欠如が民主主義の阻害要因になっている国にこのシステムを輸出する価値は大きいと考えます。カンボジアの経験と日本の技術的支援とセットで一緒に平和協力を行う可能性についても引き続き追求していきます。

③ 透明なインクに変える
投票する権利、投票しない権利はどちらも尊重されるべきです。より多くの人々が選挙に参加することは、本来は望ましいことですが、投票は強要するべきではありません。他国では、特殊な光を当てた時のみ反応する透明なインクを使っている例もあります。投票者の人権を守る上では透明なインクの導入を検討すべきです。

インターバンドが訪問した投票センター(学校)および投票所
① Hun Sen Balaing High School (1069,409.408.407)
② Hun Sen Achartek Acnavoat Primary School
(452.453,454,458,459,1115)
③ Thnal Beak primary and Secondary School(358,1067)
④ Atsu School (607)
⑤ Sam Dachakak MhasonaBdey Dokcho Fun Sen Drey Kdey Primary Secondary School (634,635,636)
➅ Kompong Chuteal Primary School(1079)
⑦ Krayea High School (502,503)