今回は、和歌山を魅力ある地域にすると同時に経済発展を果たす上での私の基本的な考えを書いた「わかやま新報」の原稿に一部加筆したものを掲載します。
皆さんは、今の和歌山をどのように感じているでしょうか?統計やデータを見る限り、社会・経済の活況を示す数字は全国でも下位のものがほとんどです。また、生活実感としても、働く場のない若者は出て行き、企業誘致は苦戦を続け、また、基礎的インフラ整備も遅れています。「あれもアカン、これもアカン。和歌山は日本で一番アカンとこや」そんなことをおっしゃる方もいます。
「ないものねだり」から「あるもの探し」へ
一方で、和歌山は全国でも有数の果物の産地であり、農村の生活文化、自然と調和した農村風景など、和歌山独自の魅力が沢山あります。されば、「ないものねだり」から「あるもの探し」に発想を転換し、今あるものの魅力、そして経済的価値を最大化する。そんな視点が必要だと思います。そんな前提に立ち、和歌山を、今ある良さを活かして活性化するキーワードは「スローライフ」だと思います。
スローライフとは、大量生産・大量消費、高速型のライフスタイルにより、私たちの価値観も、そして地方も均一化していくことに対するアンチテーゼから生まれた新しい価値観です。伝統的な生活様式を見直し、有機農産物や地元産の農産物の価値を認め、ふれあいや、相互理解を重んじる。そんな価値観に基づいた地域活性化、観光推進もスローライフが生み出す価値だと思います。
戦略的キャッチコピーの必要性
すでに、和歌山で取り組んでいることも多いでしょう?しかし、その価値を県民が共有し、経済効果を最大化するためには、戦略的キャッチコピーも必要です。それが、「スローライフ日本一の和歌山に」という冒頭の言葉です。和歌山の魅力を、「スローライフ」という物差しで計るとすでに最先端を行っているのです。日本一を目指そうではありませんか!2番ではダメなのです。
グリーンツーリズムの推進も、スローライフを推進する上での有効な手段になるでしょう。グリーンツーリズムとは、農山村地域において、自然や文化、人々との交流を楽しむ滞在型の活動です。長野県飯田市は、成功例のひとつです。長野県北部で盛んに行われたリゾート開発からは取り残されたおかげで、農村の景観や文化が破壊されずに残りました。そんな特徴と、大都会から比較的近い地理的条件を活かし、体験教育旅行、農繁期の作業手伝い、移住による人材獲得、さらに休耕地と空き家の再利用と、段階的に交流人口、移住人口を増やし、地域の活性化につなげてきました。
スローライフの追及は価値観の見直し
スローライフの追及は、食の安心、平和、環境、人権、ふれあいなど、人間の普遍的な価値観を見直すことにもつながります。これは空海の教えともつながります。私は「紛争地域の平和構築」が専門分野で、長く発展途上国の農村に住んだ経験があります。イランでアフガニスタン難民を支援していた時に出会ったフランス人青年は、空海の教えに傾倒しており、神仏習合、自然との共生を唱えたその教えは、「文明の衝突」が生み出した戦争を平和に導く最高の教えだと語ってくれました。
高野・熊野で育まれた精神性の高い文化遺産、四季折々の魅力にあふれた農村の魅力、さらに海南の漆器など伝統文化を融合すれば、和歌山県全域で、飯田市にも負けない魅力が作り出せるはずです。
私は政治の基本は徹底的に現場を歩き、現場の声を聞くことだと思います。私は「和歌山2区」4市4町の自治体から頂いた陳情案件の現場を行政の長や事業担当者の案内を頂き、全て見て回りました。基礎的インフラ整備はスローライフ日本一の和歌山を追及する上でも大きな要素です。従って、和歌山が和歌山らしく輝くためのインフラ整備という視点を持って、陳情対応をさせて頂きました。
「和歌山の良さを活かした地域活性化」これからは、こんなテーマに絞った対話集会を各地で行っていきます。皆さん、是非、ご参加ください。
写真:鳩山首相とともに剥皮作業を行う私(2009年6月撮影。和歌山県かつらぎ町)
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