阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

民進党の結党大会-2度目のハードルはより高いが政権交代可能な政治の実現は必要

2016年03月27日 17時33分23秒 | 政治

 今日は維新の党の臨時党大会に引き続き、民進党の結党大会に出席しました。

 民進党の役割は自由、共生、そして未来への責任を果たせる政治を実現すること。そのためには自民党に代わる政党としていつでも政権交代が可能な政党に成長する必要があります。「今回はそのラストチャンスである」岡田新代表の言葉を緊張感とともに聞きました。

 来賓として出席された脳科学者の茂木健一郎氏の挨拶は非常に興味深いものでした。人工知能が大きく飛躍した理由の一つは『反省する』ことを学んだからだそうです。民主党は政権交代という機会を頂きながら、期待に応えることができなかった。様々な要因がありますが、国民の不信感の最大の要因は必要な時に結束できなかったことに尽きると思います。共生社会を実現するには多様性を受容することが重要です。一方で、国民に約束した政策の実現に一致結束して邁進する姿勢を見せなくては国民に信頼して頂くことなどできません。私自身が離党して不信感の要因になったことを深く反省し、今度こそ、私たちの使命を果たせるように頑張るしかないと改めて覚悟を固めました。

 およそ先進国と言われる国で政権交代が常態化していない国などなく、民進党がその役割を果たさなくては緊張感のある政治は望めません。2回目のハードルはより高く、国民には試しに政権を託す余裕などありません。だからこそ、明確な対立軸を示した上で、国民の選択肢になれるように必死の努力をすることが私たちの使命です。
 




岡田克也新代表の挨拶。岡田代表の決断が新党を結成できた最大の要因だと思います。

 
政調会長に大抜擢された山尾志桜里衆議院議員。2009年初当選の同期で2期目ですが、間違いなく安倍総理がもっとも恐れる議員でしょう。私のまわりには彼女を代表に!と熱望する声もあります。

緊急事態条項が独裁を生みだす可能性をテレビ朝日が渾身の問題提起

2016年03月26日 12時09分28秒 | 政治
 テレビ朝日の『報道ステーション』が自民党の憲法改正草案、特に緊急事態条項について渾身の問題提起をしています。

 『ワイマール憲法から学ぶ自民党の憲法改正草案緊急事態条項の危うさ』 報道ステーション2016年3月17日放送

 17日の放送を観て、降板を余儀なくされる古館伊知郎キャスターの渾身の一撃、まさにサヨナラ大ホームランと震えました。安倍政権による尋常ではないメディアへの圧力。高市早苗総務大臣は政治的公平性を欠くと判断した場合、ひとつの番組であっても『電波を停止する』可能性を示しました。そんな中、リスクを顧みずに放った問題提起、見事です。テレ朝は24日にも同じテーマで特集を組み、覚悟を感じさせました。この映像、徹底的に拡散しましょう!(この映像、貼ったらすぐに削除されるので早めに観た方がいいかもしれません)

 特集は世界でもっとも民主的と言われたワイマール憲法が、ヒトラーの独裁が可能なように変えられていくプロセスを検証し、自民党の憲法改正草案、その中の緊急事態条項が独裁を生む可能性に強く警鐘を鳴らしています。

 濱田元最高裁判事は、自民党の憲法改正草案の中のこの条項を「正気の人が書いた条文とは思えない。」 と言い切り、「新設されてしまえば世界に例を見ない悪法になる」 と痛烈に批判していますが、ワイマール憲法の研究者でもあるドイツの学者も同じような感想を述べていること、とても印象的でした。

 政治はみんなのもの。権力者が自由にできる政治に後戻りさせるわけにはいきません。政権が間違った方向に進もうとした時の歯止めをなくしてしまうのがこの緊急事態条項です。議会を無力化して独裁への道を歩んだ歴史があるからこそ、あらゆる角度からチェック、検証しなくては! 国民受けしそうなことを唯一の争点にして、このような国家の命運に関わることは小さく書いておく。選挙で勝てば「書いてあるじゃないか!」と全権委任されたごとく強行する安倍政権のやり方は、民主主義の手法として断じておかしい。とりわけこの条項の議論をあいまいにすることは許されません。

 それにしても、この特集を観て、改めて安倍政権のやり方はナチスにそっくりだと思った人も多いと思います。

 「この道しかない」「強靭な国にしたい」「強いドイツを取り戻す」

 聞いたことのあるスローガンの数々。自民党内にナチスの研究家がいるのかなと思うほどです。プロバイダの天才と呼ばれてナチスの権力掌握、体制維持に力を発揮したゲッペルズが生み出した言葉とソックリです。麻生副総理の言葉も忘れてはなりません。

 「ナチス政権下のドイツでは、憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わってナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」

 先日ワシントンでミャンマーへの民主化支援について講演した時、多くの米国の市民社会の方々と懇談する機会がありました。私からは国境なき記者団が発表する「世界報道自由度ランキング」で、菅政権の時の世界10位から、安倍政権では2015年の時点でさえ韓国より下の61位になったことをどう思う?と質問しました。すると、「最近ワシントンポストで『安倍政権では政権に批判的なメディアはつぶされる』と厳しく批判した社説が掲載されてたよ」とのこと。圧力が及ばない米国のメディアの視点は正常だと思います。

 旋風を巻き起こしているサンダース候補について話した時、彼がポーランド系ユダヤ移民でナチスに家族を殺されていることが徹底した反戦姿勢、戦争を生みだす構造と闘う姿勢を貫いてきたことの根拠になっていること、それがアメリカ人には説得力があると聞きました。紛争地の現実をリアルに理解していること、殺される側の気持ちに立てること、それはリーダーにとっての最低限の資質だと思います。
 
 ナチスの拡大に大きく貢献したヘルマンゲーリングの恐ろしい言葉、心に刻みましょう。

 「国民は指導者たちの意のままになる。それは簡単なことで、自分たちが外国から攻撃されつつあると説明するだけでいい。平和主義者に対しては愛国心がなく、国家を危険にさらす人々だと批判すればいいだけのことだ。この方法はどこの国でも同じように通用する」

 権力を監視する憲法の機能は絶対に守らなくては!!










下記の映像はすべてテレビ朝日『報道ステーション』の映像から筆者が撮影。最初の3枚は3月17日放送。最後の一枚は24日放送。

オバマ大統領のキューバ訪問を機に、キューバという国の特別な地位を思う

2016年03月22日 11時54分30秒 | 政治

 オバマ大統領が米国大統領としては88年ぶりにキューバを訪問。国民の多くは経済発展の契機になると歓迎しているようです。オバマ大統領にとっても国交回復は大きな業績(レガシー)でしょう。会談では人権問題について激しい応酬があったとも報道されていますが、本音で意見交換できるのは解決への第一歩。これからのキューバがどのように変わっていくのか、注視していきたいと思います。仲介役を務めたオルテガ枢機卿の役割についても研究していきます。

 私は昨年10月、19年ぶりにキューバを訪問しましたが、街を歩くと40~50年代の米国のクラシックカーは未だ現役。ダッジやビュイック、さらに1920年代の箱型のフォードまで現役タクシーとして活躍しています。長年続いた新車800%、中古車は1600%の関税の影響です。もっともエンジンの9割は替わっていて、多くはスクラップされる日本の中古車のディーゼルエンジンに積み替えられているそうです。一方、地方に行けば未だに馬車が公共交通機関の主力です。

 キューバは医療、教育・スポーツ大国で、人間開発指数は世界5位とのこと。人口あたりのオリンピックのメダル獲得は世界1位。引き締まった体の健康な人が多く、平均寿命も米国、カナダ以上です。ハバナ大学医学部に留学しているエクアドル人女性(写真)に話を聞いたのですが、医療機器などは十分ではなく、医療技術自体が特別進んでいるわけではないけれど、個人・地域に密着した家庭医のような医療・健康システムが素晴らしいそうです。また、南米の無医村などに述べ5万人を派遣し、医療外交で米国とは違う価値観をリードする政治大国としての発言力を確保してきたそうです。この国は理念、理想を追うしたたかな国であり、米国が望むようには簡単に変わらず、これまで培ってきた価値を重視した独自の歩みを取るのでは?と私は考えています。

 キューバ革命を主導し、長く権力の頂点に立ったフィデル・カストロ前議長は、革命のアイディアリスト(理想主義者)、今のラウル・カストロ議長は革命のリアリスト(現実主義者)と言われます。ちなみに、キューバ革命の英雄でアルゼンチン人の医師だったチェ・ゲバラは革命のロマンティストと言われます。非常にわかりやすい表現だと思いますが、ラウル・カストロ議長は2018年には退任。革命世代は揃って引退。地方から上がってきたテクノクラートであるディアス・カネル第一副議長(53)が、後継者になる予定だそうです。

 キューバ革命は、そのプロセスが多くのことを教えてくれます。19年前の訪問はまさに、そのモラルや手法に迫ることが目的でした。リーダーのフィデル・カストロ自身の高いモラルと、そのモラルをゲリラ戦士と共有できたことが勝利の源。その後、半世紀あまり『武士は食わねど高楊枝』の精神がリーダーによって半世紀も貫かれたことが、この国を世界でも特別な国にしていると思います。

 ゲリラ兵士たちはどんなに苦しい状況でも決して略奪はせず、農民たちを教育し、学校を作り、ラジオ局を作り、病気に苦しむ患者は治療するというモラルが農民たちの中で圧倒的な共感として広がったことが変えた歴史。その象徴がチェ・ゲバラです。決して孤高の存在でもなく、極めて人間的なエピソードも含め彼に対する愛を国民が共有していることを感じます。たった12人の若者による革命が成功した要因だと思います。

 「戦いの後、投降した敵の兵士の治療は徹底的に行って、村に送り返せ!」このようなフィデルの指示に、貴重な医療品は貧しい農民のために取っておくべきだと最初はチェ・ゲバラは反発していたようですが…。

 このような歴史に基づく独自の政策と地位が、まるでタイムスリップしたような景観を残し、今では観光資源になっているのもまた皮肉なことです。昨年は350万人の観光客が訪れたそうです。米国との国交回復で飛躍的に伸びることでしょうね。

 印象的なのはどこへ行ってもお土産としてチェ・ゲバラグッズがあふれかえっていること。一方でフィデル・カストロの肖像や銅像は全くと言ってもいいほどありません。彼自身が偶像化することを強く禁止しているからだと聞きました。チェ・ゲバラの絵は民家にさりげなく描かれていたり、子供がペンダントとして首から下げていたり、若者が入れ墨をしていたりしています。今や商業主義の象徴になっているとは本人はきっと苦笑いしていることでしょうね。しかし、でも、彼のような精神を持つ人間が国家のアイデンティティーになっていることはキューバ人にとっても誇りなんだろうなと思います。本人はアルゼンチン人であったとしても…。


私もチェ・ゲバラを購入。これまで10枚以上持っていますが、デザインは格段に向上してきました。


革命博物館の前に停められたクラシックカー


私の『通訳』も務めてくれたエクアドル人医師と父親


米国政府は人権問題が経済制裁の大きな要因と訴えてきました(NHKテレビより)


仲介役を務めたオルテガ枢機卿(NHKテレビより)







ワシントンで感じたバーニー・サンダース現象と、私たちが学ぶべきこと

2016年03月18日 19時26分02秒 | 政治

 ワシントンでの滞在中、今、予備選真っ最中の大統領選挙について多くの方々と意見交換する機会がありました。私が話したのはcivil societyの方々と若い世代が多かったせいか、バーニー・サンダース候補の人気が圧倒的でした。民主党の指名者争いでトップを走るヒラリー・クリントン候補には冷めている人が意外に多く、共和党のドナルド・トランプ候補の旋風にはみんな頭を抱えている印象でした。

 ワシントンは政治の中心ではあってもアメリカの民意を代表する場所ではないので全米の傾向とは言えませんが、日本でも報道が増えてきたトランプ現象に比較してサンダース人気の要因は日本ではあまり報道されていません。しかし、安倍政権に対峙する我々にとっては参考になることが非常に多いため、大統領選挙の予備選の最中に現地で感じたサンダース現象について報告します。

 まず彼は、政治活動を通して一貫して反戦を掲げ、不公正な社会の是正と闘ってきた筋金入りの人物であること、社会民主主義者を自称し、格差を生み出しているウォール街や軍産複合体などの大企業からは一切資金を受け取らず、貧しい層を中心とする個人献金のみで選挙運動を賄っていることが他の候補との大きな違いです。ひとりあたり平均2700円の募金額で100億円あまりを集めているのは前代未聞です。

 サンダース候補の言葉を借りると、様々な口実や大義を掲げて世界中で戦争を起こし、グローバリゼーションによって貧富の差を拡大させ、環境を破壊する象徴として見られている『アメリカ』を動かしているのは、ウォール街の金融資本であり、軍産複合体であり、巨大エネルギー企業や製薬会社など、『アメリカ株式会社』。これらの大企業、そのトップが共和党、民主党を問わず候補者に巨大な献金を行い自分たちの利益を守る政策を実行させることで、大統領を超える実質の権力者になっているのです。

 「皆さん、0.1%の人がその他の90%の人を上回る富を所有しているのは公正ではありません。経営者が労働者の500倍を超える報酬を得ているのは公正ではありません。この国最大の金持ち20人が、この国の底辺半分の人々の合計より大きな富を持っているのは公正ではありません。そこにもっと課税し、大企業の租税回避地(タックスヘイブン)を経由する課税逃れの取り締まりを強化すれば財源は生まれる。その税金でもっと公正な社会を作りましょう! 国民総保険、公立大学の無償化、戦争のない社会を実現しようじゃありませんか!」

 社会正義や公正さ、環境保護、そして反戦。政治は弱い立場の人のためにあるとの主張に孫のような世代の若者たちが熱狂し、テレビ局の出口調査によると「30歳以下の支持率が85%」(ニューハンプシャー州予備選)だったそうです。政治は少数の金持ちのものではなく、みんなのものだ!と立ち上がるきっかけを生み出しているのです。

 サンダースはナチスに家族を殺されたポーランド系ユダヤ人移民の子です。そんな出自もあって、学生時代はベトナム反戦運動の闘士であり、2002年のイラク戦争に反対した数少ない議員のひとりでもあります。(ヒラリー・クリントン候補は賛成)

 こんな一貫した筋金入りの姿勢が多くの若者、労働者、またインテリ層の共感を呼び起こし、これまで政治に関心のなかった人々、政治に絶望していた人々を含め広がっているサンダース現象。アメリカ人の価値観に大きな影響を与えていると実感しました。予備選の結果にかかわらず、この影響は今後のアメリカ人の行動に反映されることと確信します。

 日本を変えるにはアメリカに変わってもらうしかない。これはある面では悲しい現実。ならば、アメリカが育んできた良質な市民社会と手を携えて、アメリカを、日本を、そして世界を変えよう! そんな思いでワシントンの若者たちと語り合いました。

 ノーベル経済学賞受賞であるスティグリッツ教授が来日しており、多くの国会議員がその経済理論に影響を受けたようです。また安倍総理は消費税増税延期を提言したスティグリッジ理論のいいとこ取りだけをして、増税延期の地ならしをしているように思われます。しかし、スティグリッジ教授の最新の著書「これから始まる新しい世界経済の教科書」を読むと、これまでの経済政策が、最富裕層に富を集中させ、格差と不平等を拡大してきたこと、大企業が潤えばその富が貧困層にも滴り落ちるとするトリクルダウンなどは起こりようがなく、大企業優遇の政策は健全な経済成長の障壁になっていることを鋭く指摘しています。サンダース候補の主張と、基本的な理論、価値観が共通すると強く感じました。

 サンダース候補の訴え、そしてスティグリッツ教授の理論は、根本では私たち『民進党』が目指している社会、そして、我々が立脚すべき政治的立ち位置を明確に示していると思います。今度は我々こそが旋風を巻き起こす番!そのためにも対立軸の違いを明快に示し、安倍政権に対峙しなければと強く感じています。


写真はWall Street Journalより引用





ワシントンで講演-日米協力によるミャンマーへの民主化支援を提言

2016年03月16日 20時39分38秒 | 政治

 昨日、ミャンマーの大統領がティンチョー氏に決まりました。昨年11月8日の総選挙で圧勝したアウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)におけるスーチー氏の側近。高校の同級生でもある長年の盟友です。軍事政権のもとで作られた憲法では外国籍の子供を持つスーチー氏は大統領になることはできず、実質はスーチー政権になりそうです。権力の二重構造がもたらす弊害も起こり得ると思いますが、この国の民主化の過程を見る限り、総選挙の勝利はノーベル平和賞受賞者でもあるアウンサンスーチー氏の圧倒的な人気とカリスマがもたらしたものであり、彼女の意思が色濃く反映された政権運営になりそうです。

 さて、3月9日に、アジア財団と米国笹川平和財団が主催する国際開発をテーマとしたワシントンでのシンポジウムで『ミャンマーの民主化支援における日米協力』をテーマに講演をしました。

 このブログでも紹介しましたが、私は1992年以降4回にわたって関わったカンボジア総選挙において何とか不正をなくせないものかと有権者登録プロセスの電子化を提案。両国の関係者への提案・説得、また国会での質疑を続けました。その結果、現在は実施する方向で準備が進んでいます。カンボジアでは、与党人民党にとっては不正ができる余地は政権を守るための最後の砦とも言われており、また、日本政府も当初は抜本的な改革に踏み込む意思はありませんでした。欧米諸国と違って生ぬるい改革で済ませてくれそうな日本のお墨付きを得たいだけのカンボジア政府、そして民主化支援の実績が欲しい日本政府による茶番(Kabuki Theater)と思われてはカンボジア国民の信頼を失います。しかし、双方が大きな勇気を持って改革に踏み出しました。

 民主化支援を切り口にして日本の可能性を切り拓く  2016年1月31日

 ミャンマーでは2012年1月にアウンサンスーチー氏に面談した際、自由で公正な選挙への支援、またその結果を尊重する国際的な協力を強く要請されました。2015年11月の総選挙ではスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したため選挙後に大きな問題にはなりませんでしたが、有権者登録のプロセスでは様々な不正が報告され、自由で公正な選挙が機能する制度構築が求められています。

 今こそがチャンス。アウンサンスーチー氏が率いる政権のもと、日米が協力して国民IDの電子化をサポートし、国民情報を正確に把握。選挙における不正をなくすとともに将来の社会サービス向上に寄与できるよう協力しましょう!とお話をしました。カンボジアと違いトップが求めている改革ですから、実現へのハードルはより低いはずです。

 また、軍事政権の負の遺産であり、環境破壊、人権無視の象徴であるカチン州のミッソンダムの現状と、ダム建設によって大きな影響を受けている現地の女性たちの生活を紹介し、持続可能な事業に変えるべく支援を行うべきと政策提案をしました。テインセイン政権下で凍結されたミッソンダム建設予定地には、昨年11月の総選挙後、現地住民の案内で視察をしています。

 このダムは中国国営企業『中国電力投資公司』が36億ドルを投資してミャンマー企業と開発している巨大事業で、発電された電気の9割が中国へ送られることになっています。ミャンマー政府軍とカチン独立軍(KIA)による内戦のきっかけになった事業でもあり、強制移住、徴兵による家族の離散、環境の破壊、保障の不履行などによって現地住民、特に女性たちの生活は破壊的な影響を受けています。

 ミャンマー・カチン州の和平の展望とミッソンダム建設凍結地への潜入  2015年11月22日

 中止すれば莫大な違約金が発生し、工事を再開すれば、現地住民、そして国際社会は新政権を糾弾することでしょう。行くも地獄、戻るも地獄という状況です。従って、選挙制度改革支援だけではなく、このような事業を持続可能なものに変えるための支援をパッケージで行うこと、また、少数民族の方々、特に女性の自立のための教育事業もセットにすべきと提案をしました。

 会場はThe Army and Navy Clubという米軍の歴史館のような場所でしたが、軍事協力ではなく平和的手段による日米協力を訴えました。日本語でもあまり早くは話せない私。パワーポイントで32枚のプレゼン資料を英語で簡潔にお話しできるか心配でしたが、熱心に参加して下さった聴衆の皆さん、本当にありがとうございました。また、準備に奔走して下さった主催者の皆様には心から感謝したいと思います。

 この内容は、米国国務省、民主化を推進するシンクタンクでもあるフリーダムハウス、また、連邦議員を務めた経験のある大学教授などにも提案し、実現に向けて協力していくことになっています。



カチン族の国内避難民キャンプで。彼らの未来をつくるためにも公正な社会の実現が必要です。


講演中の私


パワーポイントを使ってのプレゼンテーションは久しぶりでした。


講演後のパネルディスカッション


パネリストは私以外は全員女性でした。


アウンサンスーチー氏に選挙制度改革を提案する私(2012年1月9日。アウンサンスーチ―氏の自宅で)


日本円では4000億円を超える超巨大事業、ミッソンダム。


カチン州の女性団体(NGO)を訪問し、女性たちへの影響をヒアリングしました


国務省に務める友人にも私の事業への協力を依頼しました。








 

新党の名前は『民進党』に決定!

2016年03月14日 18時01分57秒 | 政治

 維新の党と民主党がひとつになって出発する新党の名前は『民進党』に決定しました。一度は歴史的な政権交代を果たした民主党。その党名を変えることは大きな決断だったと思います。この決断が再び政権交代を実現する第一歩になるように努力を続けなければなりません。
 
 民進党という名前、私には思い入れがあります。台湾の民進党が政権交代を果たした1月の総統選挙、立法院選挙の調査に行き、『ひまわり学生運動』で盛り上がった若者の政治意識をどのように党の躍進につなげるか、ブログで報告するとともに維新の党の勉強会(懇親会)でもお話ししていました。「民主党との合流が決まったら『民進党』がいいですね」と親しい人にはお話していたこともあり、この名前で新たな活動に臨むことになるとは、非常に感慨深い思いです。

 国民、市民とともに進む党。市民社会を進化させる党。この名前で再び政権交代を実現できるよう頑張ります!

 公募して寄せられた約2万件の名前の中から民主党側が『立憲民主党』維新の党側は『民進党』を最終案にして異なる会社でそれぞれ2000人を対象に世論調査をした結果、双方ともに民進党が多く、これが新党の名前になりました。英語名は『Democratic Innovation Party』です。


http://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/eb5ae2e2ad4d043a5bb49ef9eb66252c『再び政権交代を可能にした若者との連携ー台湾・民進党の躍進を考える』