阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

安田純平さん解放ー自己責任論よりも、今回の経験・ノウハウをいかに活かすかが重要

2018年10月27日 09時51分01秒 | 政治

 シリアで武装勢力に拘束されていたフリージャーナリスト安田純平さんが無事解放された。率直に良かったと思う。一方、ネット社会などで吹き荒れる『自己責任論』については本当に残念に感じる。

 民主主義においては知ることが重要。安田さんは物見遊山で行ったのではない。危険があっても真実に迫るジャーナリストの存在は必要だ。大マスコミには難しいこの役割をフリーのジャーナリストが担っているのが現状だ。

 もちろん、常に危険と隣り合わせであり、拘束された時には自らの生命の危機に瀕するのみならず、多くに方々に迷惑や心配をかけることにもなる。その矛盾とは常に葛藤しながらの行動だったと思う。

 自分自身の経験と照らし合わせると、私は国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の活動中に殺害された中田厚仁さんの同僚として、日本人が紛争地域での活動中、命の危機に瀕した時の政府や日本社会の対応を肌身に感じる経験をした。

 紛争4派の停戦合意が結ばれ、国連が史上初めて一国の暫定的な統治をする歴史的な試みだったが、日々治安は悪化し、実質は内戦状態での活動だった。私たちは村に住み込み、憲法制定議会選挙を実施するための郡レベルの責任者として活動したが、常に命の危険を感じながらの活動だった。

 自分自身の経験と照らし合わせると、私は国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の活動中に殺害された中田厚仁さんの同僚として、日本人が紛争地域での活動中、命の危機に瀕した時の政府や日本社会の対応を肌身に感じる経験をした。

 紛争4派の停戦合意が結ばれ、国連が史上初めて一国の暫定的な統治をする歴史的な試みだったが、日々治安は悪化し、実質は内戦状態での活動だった。私たちは村に住み込み、憲法制定議会選挙を実施するための郡レベルの責任者として活動したが、常に命の危険を感じながらの活動だった。

 当時、私たちへの日本社会の対応は実に温かいものだった。何よりも嬉しく思ったことは、豊かな日本という国に生まれ育って、紛争や貧困に苦しむ人々を座視していてもいいのかという新しい価値観に基づき草の根で行動する多くの人々の行動を生み出すきっかけになったことだ。

 ところが、2004年にイラクで日本人が拘束された事件では、政府・与党周辺が発信源になっての自己責任論が湧き上がった。拘束、解放された方々は、帰国後の方が苦しかったという声さえ聞いた。

 安田さんの経験は、非常に貴重なものだと思う。誰の手引きでシリアに入り、どのような経緯で拘束されたのか、監禁中、生き抜くために何をして、何を控えたのか、反省点も含め、
安田さんには是非語って欲しいと思う。身代金を払わないという大原則のもと、実際にはどのような交渉をして解放を実現したのか、日本政府にも貴重なノウハウが蓄積されたと思う。

 今回の事件をプラスの方向に繋げていく日本社会の懐の深さを求めたいと思う。



沖縄知事選は玉城デニー氏が圧勝ー示された民意を安倍政権は尊重せよ

2018年10月01日 09時07分48秒 | 政治

 沖縄知事選は民意の逆襲とも言える過去最大得票の圧勝で玉城デニー氏が勝利しました。沖縄県民は翁長氏が当選した前回知事選に続き、普天間基地の辺野古移設にノーを突き付けたことになります。

 札ビラで釣られ脅され、中央服従、基地依存経済を続けるのではなく、沖縄の誇り、沖縄の特性を活かした自立した経済を作っていくのがデニー氏の訴えでした。デニー氏とともに闘い、安倍政権が全面支援した候補を打ち破った沖縄の人々の勇気と良識に感謝したいと思います。

 私自身は公示前の8月31日から4日間、沖縄に入って応援しました。衆議院議員を辞職して立候補表明をしたかつての同僚玉城デニー氏の勇気ある決断と信念に感銘を受け、いても立ってもいられず事務所開きに駆けつけました。以前琉球大学や沖縄国際大学で講演をしたり、先生や学生と意見交換する機会もあったので、当時の知人をまわって支持をお願いしました。

 その後、安倍政権によるかつてないほどの締め付けについて様々な報告を受けましたが、皆さん慣れたもので、ハイわかりました!と言いながデニーさんに投票するとのことでした。中には安倍政権が全面支援する候補に入れたかどうか写メに撮って送れと言われた人もいると聞きましたが、名前を書いて写真を撮った後、消しゴムで消してデニーさんの名前を書いて投票すればいいんですよとお伝えしました。(政権の圧力に対する切り返しの方法は紛争地での民主化支援をしている時にもよく質問されることです)

 私はその後、アメリカに草の根政治活動の調査に行きましたが、トランプ政権に抵抗する人々が草の根で闘う上で広く使われている『抵抗の手引書』を関係者とシェアするなどアメリカからも応援を続けました。

 私は衆議院議員時代、沖縄北方特別委員会で理事を務めていたこともあり、沖縄に寄せるデニーさんの本気の思いをいつも見てきました。デニー氏はそんな中でも私に沖縄の人々が吹く指笛を教えてくれたこともあります。当選確実のニュースに接し、思わず指笛でお祝いしてしまいました。

 8月31日、翁長前知事の遺志を受け、沖縄県は仲井真知事による辺野古の公有水面埋め立て承認を撤回しました。国は新基地建設を巡る法的根拠を失って工事は中断していますが、万一再開するとなると、まさに民意を踏みにじることになります。安倍政権による前代未聞の圧力、締め付けにも負けず、自分たちの未来は自分たちが決める政治を選択したのが今回の選挙結果です。日米関係はとても重要な二国間関係であるからこそ、民意を反映する政治を進めていくのが安倍政権の責務です。

 普天間基地の移設先について、私自身は米国の自治領である北マリアナ諸島テニアンへの移設の可能性を全力で探るべきと考えています。



8万票の大差で当選を決めた玉城デニー氏


8月31日の事務所開きでのガンバローコール


山内スエコ候補と。知事選と同時に行われた県議補選で見事当選し、玉城デニー氏を支える強力な仲間になります。